概要
「はじめに」から引用する。大学で教え始めた頃,論理学の授業はたいてい2学期間をかけて行われていた。 そのときには,私はこの本に盛り込んだ内容をざっとカヴァーすることができた。 しかし,その後のカリキュラム「改革」の中で,1~2年生向けの科目は内容や到達目標を考えもせずにほとんどが機械的に半年間で終了する授業科目になった。 こうして,論理学の本当に面白いところに到達する前に授業期間が終了,ということになってしまった。 そこで,基本事項の確認とか論理学のテクニック的なところはできるかぎり学生諸君の自習にまかせて, 授業ではそのようなテクニックを用いることの意味とか,論理学特有の方法のおもしろさについて触れることにしたらどうか,と考えるようになった。 これが,この本を書きたいと思ったそもそもの理由だ。
本書は次の計4部からなる。
- 論理学をはじめる
- 論理学をひろげる
- 論理をもう1つの目で見る
- 論理学はここから先が面白い! 進んだ話題のロードマップ
感想
要再読である。
なお、本書では I, J, P, x は立体であるが、引用では `I, J, P, x` のように斜体とした。
タブローが書けない
第Ⅰ部の終わりあたりで、タブローが出てくる。
タブローの図の初出は p.95 の (c) の図だが、この図がブラウザ上ではうまく書けない。
| `not (P ^^ not Q)` | ||
| `(P vv Q) ^^ not Q` | ||
| `P vv Q` | ||
| `not Q` | ||
| / | \ | |
| `P` | `Q` | |
| / | \ | × |
| `not P` | `not not Q` | |
| × | × | |
誰か、タブローが書けるライブラリを作ってくれないだろうか。
二分木の表示というページを作ったのも、タブローを表示するために何かできないかと思ったからだ。
第Ⅱ部の p.121 にある練習問題 28 をやってみた。なお、本書では I, J, P, x は立体であるが、引用では `I, J, P, x` のように斜体とした。
(1) 次の論理式を日本語に翻訳せよ
[Interpretation]
`Jx: x` は日本人である `Px: x` は平和主義者である `Ix: x` は個人主義者である(a) `EEx(Jx^^notPx)` (b) `AAx(Px rarr Jx)` (c) `AAx(Ix rarr notJx)` (d) `EEx(Jx ^^ not (Px vv Ix))` (e) `AAx(Jx rarr n(Px vv Ix))` (f) `not EEx(Jx ^^ Px)` (g) `not AAx(Jx rarr Px)` (h) `not AAx(Jx rarr \^notPx)` (i) `notEEx(Jx^^Px^^Ix)` (j) `notEEx(Jx^^ not(Px vv Ix))`
(d) までをやってみて本書の pp.381-382 の解答と突き合わせた。
| 番号 | 私の解答 | 本書の解答 |
|---|---|---|
| (a) | ある日本人は平和主義者でない。 | 平和主義者でない日本人がいる。 |
| (b) | すべての平和主義者は日本人である。 | 平和主義者はみな日本である。≈ 日本人だけが平和主義者である。 |
| (c) | すべての個人主義者は日本人ではない。 | 個人主義者はみな日本人でない人である ≈ 日本人には個人主義者はいない。 |
| (d) | ある日本人は平和主義者ではなければ個人主義者でもない。 | ≈ 日本人であり平和主義者でも個人主義者でもない人がいる。≈ 平和主義者でも個人主義者でもない日本人がいる。 |
私の解答と比べると、本書にある解答のほうが、こなれた日本語になっている。
第Ⅲ部の p.260 にある メレディス(Meredith)の公理系 M を引用する。公理が1つしかないという、すごい公理系である。
A1 `((((P rarr Q) rarr (not R rarr not S)) rarr R) rarr T) rarr ((T rarr P) rarr (S rarr P))`
R1 MP
R2 RS
ここで R1, R2 は推論規則(rule of inference)または変形規則(rule of transformation)である。MP は分離規則(modus pones)、RS は代入規則または置き換え規則(rule of substitution)である。
参考リンク
論理学をつくる練習問題80(2)解答(yuyubu.hatenablog.com)
参考文献
参考文献には「タブローの方法による論理学入門」がある。
書誌情報
| 書名 | 論理学をつくる |
| 著者 | 戸田山和久 |
| 発行日 | 2000 年 10 月 10 日(第1版第1刷) |
| 発行元 | 名古屋大学出版会 |
| 定価 | 3800円(本体) |
| サイズ | |
| ISBN | 4-8158-0390-0 |
| NDC | 116 |
| 備考 | 草加市立図書館で借りて読む |