「はじめに」から引用する:
本書は、まじめな思索を積み重ねていきたい読者のための、論理の手引書である。
本文には演習問題があり、巻末に解答がある。
要再読である。
p.233 の「ブックガイド」では、二階の述語論理学、数学基礎論までを解説した坂本百大、坂井秀寿『新版 現代論理学』(東海大学出版会)も読みやすい。
という評がある。
以下、紹介されたこの本とそれにまつわるどうでもいいことを記す。
この本は、昔、大学時代「論理学」を履修したときに教科書として指定されたので買ったのだった。教官は、前期(4月~)が坂本百大、後期(10月~)が坂井秀寿という、
この本の著者の二人が担当することになっていた。前期は坂本教官が実際に担当されたが、後期担当予定だった坂井教官がある事情で担当できなくなり、別の教官になった。別の教官が誰だったか、
思い出せない。後期から授業をサボりがちになってしまったからということもある。なお、この本は処分したか紛失してしまったかで、今手元にはない。
これだけでは余りにも寂しいので、別の感想も付け加える。p.144 に「観測選択効果」について説明されている箇所がある。 以下引用する。
観測選択効果とは、観測者の性質や能力が、観測される対象の層を偏らせてしまう現象である。 よく出される例は、空の星の明るさの統計をとる場合である。星を一つ一つ観測して、視差やスペクトル線の分析から絶対光度を記録していったとすると、 絶対光度の高い(明るい)星を数えすぎることになる。明るい星は遠方にあっても見えるのに、暗い星は近くになければ見えないからだ。こうして、観測結果そのままを鵜呑みにすると、 宇宙には星の絶対光度が実際よりも明るい方に分布しているかのように誤って認識してしまうのである。(後略)
この部分を読んで、昔大学2年生のとき経験した物理学実験を思い出した。確か泡箱の実験で、飛跡の距離を記録して統計的に処理してある値を求めるのだが、担当教官は「君たちが求める値はおかしい。 その原因ははっきりしていて、君たちは長い飛跡しか見ていない。その証拠に、私たちが同じように飛跡の距離を記録して統計的に処理すると、物理的に妥当な結果が出る。」 というのだ。そのときから、人は見ようとするものや見えるものしか見ていない、という人間原理を学んだのだった。
さらにこれだけでは意味がないので、本書の組版について気になったことを述べる。 p.68 以降で、存在量化子 ∃ と全称量化子 ∀ が導入されているのだが、
これらがどうも読みにくい。たとえば、 p.68 の下から3行めから2行めは、
∃xFxと∀xFxとの間には、次のようなわかりやすい関係がある。
というように書かれている。これが読みにくいと思うのは、xが全角だからだろうか。それとも、個体定項xや述語Fが斜体ではなく立体だからだろうか。数学の式に慣れている私には、
《`EExFx` と `AAxFx` との間には、次のようなわかりやすい関係がある。》という具合に組版されているとうれしい。
このページの数式は MathJax で記述している。
| 書名 | 論理学入門 推論のセンスとテクニックのために |
| 著者 | 三浦俊彦 |
| 発行日 | 2000 年 10 月 25 日(第1刷) |
| 発行元 | 日本放送出版協会 |
| 定価 | 970 円(本体) |
| サイズ | |
| ISBN | 4-14-001895-X |
| その他 | 草加市立図書館にて借りて読む |
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