200CD ピアノとピアニスト編纂委員会(編):
200CD ピアノとピアニスト

作成日: 2009-09-18
最終更新日:

概要

ピアノ曲とピアニストの紹介を織り交ぜてピアノの魅力を紹介する。 1曲・1人あたり1ページまたは2ページで紹介されている。 コラムでは、紹介にもれたピアノ曲やピアニストを紹介している。

感想

コンパクトな中に、多くの紹介がされている。私としては知るところが大であった。

補足

私はピアノ弾きであるが、ピアノの本はこれ一冊しか持っていない。 どうしてこの本を買ったのか覚えが全くないが、これはこれで面白い。 いくつか気になる記述を見つけたので記しておく。

フォーレに関する記述

「音楽史 19世紀のフランス音楽」というコラムがある。 ここのp.60 でフォーレについて20行ほどの記述がある。 その中には 「ワルツやポロネーズのような舞曲こそ手を染めなかったが、 間奏曲、夜想曲、 舟歌といったスタイルは言うまでもなくショパンの継承者であることを自覚した行ないであった。」 とある。前半についていえば、「ワルツ」という名前の曲は残していないが、 「ヴァルス・カプリス」(きまぐれなワルツ)という種類の曲を計4曲残している。 また、ポロネーズはないが、 やはり舞曲に属する「マズルカ」は 1 曲残している。 後半については、間奏曲はフォーレは残していない。 フォーレが残しているのは前奏曲(9曲)であり、これとの勘違いであろう。

スカルラッティに関する記述

p.36 では、D.スカルラッティ: ソナタハ長調<パストラーレ> K.159(L.104) と紹介されているが、 この番号のハ長調ソナタは、パストラーレではない。 快活な Allegro の速度記号をもつ、 見事な小ソナタである。

D.スカルラッティには、<パストラーレ>(パストラール)と称されるソナタが4曲ある。 それぞれ、ハ長調(K.513 L.S. 3, 12/8拍子→3/8拍子)、ヘ長調(K.446, L.433、12/8拍子)、 ニ短調(K.9, L.413 6/8拍子)、ニ長調(K.415, L.S.11, 12/8 拍子)。 ハ長調は、前半部分がパストラールである。ニ長調は、付点音符が少ないため、 あまりパストラールの雰囲気はない。

書 名200CD ピアノとピアニスト
著 者200CD ピアノとピアニスト編纂委員会(編)
発行日1996年9月25日
発行元立風書房
定 価1748円(本体)
サイズ246ページ
ISBN4-651-82033-6

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MARUYAMA Satosi