ソフトウェア製品の品質 第1部 品質モデル JIS X 0129-1 (ISO/IEC 9126 ) |
作成日:2005-10-16 最終更新日: |
ソフトウェアの品質を考えるとき、ISOで定められた品質特性が基準となる。 そこで、今の基準を見てみよう。 以下は、JIS X 0129-1 ソフトウェア製品の品質−第1部:品質モデルである。
特性 | 英語名 | 副特性 | 説明 |
---|---|---|---|
機能性 | functionality |
合目的性 正確性 相互運用性 セキュリティ 機能性標準適合性 |
ソフトウェアが、指定された条件の下で利用されるときに、明示的及び暗示的必要性に合致する機能を提供するソフトウェア製品の能力 |
信頼性 | reliability |
成熟性 障害許容性 回復性 信頼性標準適合性 |
指定された条件下で利用するとき、指定された達成水準を維持するソフトウェア製品の能力 |
使用性 | usability | 理解性 習得性 運用性 魅力性 使用性標準適合性 |
指定された条件の下で利用するとき、理解、習得、利用でき、利用者にとって魅力的であるソフトウェア製品の能力 |
効率性 | efficiency | 時間効率性 資源効率性 効率性標準適合性 |
明示的な条件の下で、使用する資源の量に対比して適切な性能を提供するソフトウェア製品の能力 |
保守性 | maintainability | 解析性 変更性 安定性 試験性 保守性標準適合性 |
修正のしやすさに関するソフトウェア製品の能力。修正は、是正若しくは向上、又は環境の変化、要求仕様の変更及び機能仕様の変更にソフトウェアを適応させることを含めてもよい。 |
移植性 | portability | 環境適応性 設置性 共存性 置換性 移植性標準適合性 |
ある環境から他の環境に移すためのソフトウェア製品の能力。 備考:環境には組織、ハードウェア又はソフトウェアの環境を含めてもよい。 |
以前のISO/IEC 9126では、「規格適合性」が移植性機能性の副特性として位置付けられていた。
その後、2001年版では、各品質特性に対して「標準適合性」が副特性として位置付けられた。
また、2001年版の定義は以前の版と異なっている。
このような品質特性や副品質特性を、丸暗記する必要はない。 要件定義や、テストなど、洩れがないことを一から考えるより、これらの品質特性から考えて、 チェックすればいいと思う。
たとえば、要件定義のフェーズで、機能要件ばかり決まって非機能要件が決まらないことがある。 そのようなときにこれを活用します。たとえば時間効率性で、レスポンス時間が??秒などと決めることができる。 同様に、テストでも時間効率性や資源効率性もチェックの対象となることに留意する。
なお、このJIS X 0129-1 と対をなす規格に、 JIS X 0133-1 〜 JIS X 0133-6 までの「ソフトウェア製品の評価」がある。 表にすると、次のようになる。
規格番号 | 規格名称 |
---|---|
JISX0129-1 |
ソフトウェア製品の品質—第1部:品質モデル |
JISX0133-1 | ソフトウェア製品の評価−第1部:全体的概観 |
JISX0133-2 | ソフトウェア製品の評価−第2部:計画及び管理 |
JISX0133-3 | ソフトウェア製品の評価−第3部:開発者のプロセス |
JISX0133-4 | ソフトウェア製品の評価−第4部:取得者のプロセス |
JISX0133-5 | ソフトウェア製品の評価−第5部:評価者のプロセス |
JISX0133-6 | ソフトウェア製品の評価−第6部:評価モジュールの文書化 |
JIS X 0133 シリーズに対しては、別の機会に紹介する
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