数を表す形容詞を数詞という。数詞には、個数を表す基数詞(本項で取り上げる)のほか、 順序を表す序数詞、 倍数を表す倍数詞がある。
エスペラントの数詞はかなり規則的である。 まず、十進法に対応する次の対応を覚える。
アラビア数字 | エスペラント |
---|---|
0 | zero |
1 | unu |
2 | du |
3 | tri |
4 | kvar |
5 | kvin |
6 | ses |
7 | sep |
8 | ok |
9 | naŭ |
エスペラントを祖先に持つ言語であるイド(イード)では、ses と sep の混同を避ける意味で、 6は sis 、7は ses となっている(これらを含め、半分ほどは異なる)
次に、位取りの対応を覚える。
10 | dek |
100 | cent |
1,000 | mil |
10,000 | dek mil |
100,000 | cent mil |
1,000,000 | miliono |
11 は日本語で「じゅう いち」となる。エスペラントでも同様に dek unu である。
21 は日本語で「に じゅう いち」である。エスペラントでも同様に dudek unu である。
101 はにほんごで「ひゃく いち」である。エスペラントでも同様に cent unu である。
以下、9999 までは同じ要領である。
エスペラントでは、万に相当する位取りの単位はない。そこで、mil を土台にして dek と cent を併用する。 具体的には、1 万を dek mil と表現する。つまり、10 * 1,000 = 10,000 と等式を根拠において表現する。 10 万は cent mil である。
では、100 万はどうか。mil mil ではなく、新たな位取りの単位の miliono を導入する。 あとは、1000 万は dek miliono 、 1 億は cent miliono である。10 億以上は別の位取りの単位を導入するが、 割愛する。
日本は、万、億、兆、京、というように万単位(4ケタ)で新しい位取りの単位を導入するのに対し、 西洋は、mil, miliono のように、千単位(3ケタ)で新しい位取りの単位を導入する。 だからカンマ区切りは3桁である。日本は万単位で勘定をしているから4桁区切りのカンマを入れたらいいのではと思うが、 そのようにしてある表記にはお目にかかったことがない。
エスペラントで、私が直してほしかったのは、月の名前である。septermbro, oktobro, novembro, decembro のそれぞれ冒頭、 sep, ok, nov, dec は明らかに sep, ok, naŭ, dek から来ていることがわかるので、 欧米語固有の語形を生かすより、現在の日本語の月名称である 1 月、2 月、… のような合理的な形にすべきではなかったか。
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