§129 基数詞

作成日:2020-04-27
最終更新日:

数を表す形容詞を数詞という。数詞には、個数を表す基数詞(本項で取り上げる)のほか、 順序を表す序数詞、 倍数を表す倍数詞がある。

エスペラントの数詞はかなり規則的である。 まず、十進法に対応する次の対応を覚える。

アラビア数字エスペラント
0zero
1unu
2du
3tri
4kvar
5kvin
6ses
7sep
8ok
9naŭ

エスペラントを祖先に持つ言語であるイド(イード)では、ses と sep の混同を避ける意味で、 6は sis 、7は ses となっている(これらを含め、半分ほどは異なる)

次に、位取りの対応を覚える。

10dek
100cent
1,000mil
10,000dek mil
100,000cent mil
1,000,000miliono

11 は日本語で「じゅう いち」となる。エスペラントでも同様に dek unu である。

21 は日本語で「に じゅう いち」である。エスペラントでも同様に dudek unu である。

101 はにほんごで「ひゃく いち」である。エスペラントでも同様に cent unu である。

以下、9999 までは同じ要領である。

エスペラントでは、万に相当する位取りの単位はない。そこで、mil を土台にして dek と cent を併用する。 具体的には、1 万を dek mil と表現する。つまり、10 * 1,000 = 10,000 と等式を根拠において表現する。 10 万は cent mil である。

では、100 万はどうか。mil mil ではなく、新たな位取りの単位の miliono を導入する。 あとは、1000 万は dek miliono 、 1 億は cent miliono である。10 億以上は別の位取りの単位を導入するが、 割愛する。

日本は、万、億、兆、京、というように万単位(4ケタ)で新しい位取りの単位を導入するのに対し、 西洋は、mil, miliono のように、千単位(3ケタ)で新しい位取りの単位を導入する。 だからカンマ区切りは3桁である。日本は万単位で勘定をしているから4桁区切りのカンマを入れたらいいのではと思うが、 そのようにしてある表記にはお目にかかったことがない。

エスペラントで、私が直してほしかったのは、月の名前である。septermbro, oktobro, novembro, decembro のそれぞれ冒頭、 sep, ok, nov, dec は明らかに sep, ok, naŭ, dek から来ていることがわかるので、 欧米語固有の語形を生かすより、現在の日本語の月名称である 1 月、2 月、…  のような合理的な形にすべきではなかったか。

まりんきょ学問所ことばについてことばと文法第6章 形容詞 > §129 基数詞


MARUYAMA Satosi