付録1 類例リスト:ことばと文法 |
作成日:2011-04-23 最終更新日: |
次のリストがある。
日本語はものを数えるときに助数詞を使う。ビンは1本、椅子は1脚などのように、 対象に応じて使い分ける。わからないときは、可算であれば1個、非可算であれば1式というのが便利だ。
英語は可算名詞に対する助数詞がないが、非可算名詞の集合のくくり方にはいろいろな名詞を使う。 a cup of tea (お茶一杯)、a glass of beer (ビール一杯)といった具合だ。 こう対応付ければ、あまり英語も変わらないと思える。それはエスペラントにしても同じだ。 ただ、エスペラントでは、英語の of に相当する前置詞 de を使うのではなく、 数量関係を示す前置詞 da を使う。 taso da teo (お茶一杯)、botelo da biero (ビール一本)という。 taso de teo というとお茶用のカップを表すことになる。
上記に関しては、物質名詞の量の表し方が詳しい。さて、日本語の「靴一足」、英語の "a pair of shoes" をエスペラントでどういえばいいのか、 迷ってしまった。靴はエスペラントで単数は ŝuo 、複数は ŝuoj ということまでは知っている。調べたら、なんと自分のページに答が書いてあった。 常に複数形で用いられる語というページで、"paro da ŝuoj" という。 この前置詞 da は曲者で de との区別に迷うが、こう覚えているといいだろう。 ビール瓶(一本)をエスペラントでは botelo de biero と botelo da biero の両方の言い方がある。 de を使うほうは botelo (ビン)に主眼が置かれ、 botelo da biero は biero (ビール)のほうに主眼が置かれる。 だから、空のビール瓶回収のときは botelo de biero を使わないといけないし、 酒席で「ビールをとって」と頼むときには botelo da biero を使うべきなのだろう。
この区別を学んだとき、昔雑誌で知った話を思い出した。
一松信という数学者の話で、息子の理屈っぽさをこんな例であげている。
自分が食卓で「塩をとって」と頼んだら、息子は「塩じゃなくて、塩のビンでしょ」と言い返された、という話だ。
ちなみに、エスペラントでは
(Donu | Transdonu) al mi la salon!
と日本語のように言ってよい。 英語ならPass me the salt!
だ。
p.818 には同族目的語の例がいくつかのっている。動詞と同じ語源のものとして、 live one's life などが載っている。「同族目的語」で検索すると、 Wikipedia に例がある。
エスペラントにも同族目的語がある。Wikipedia の同族目的語の項はけっこう詳しい。 エスペラントでは interna komplemento という。
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