§55 常に複数形で用いられる語

作成日:2012-05-25
最終更新日:

絶対複数

常に複数形で用いられる名詞は、絶対複数と呼ばれることがある。文法書によれば次の種類があるという。

  1. 対になった2つの部分からなるもの
  2. 学問・学科
  3. ゲーム名
  4. 病気
  5. その他

対を表すことば

1. は靴 shoes、メガネ glasses などが該当する。ハサミ scissors も刃が2つあるからこの種類だ。 同様にズボン trousers も脚を包む部分が2つあるのでやはりこれに含まれる。 この2つをまとめる単語としては pair を使う。 たとえば靴一足ならば、a pair of shoes となる。

一方、エスペラントではどうか。 エスペラントで靴の一足は paro da ŝuoj である。paro = pair だが、英語の of とエスペラントの da は直接呼応はしない。 しかし、メガネは unu okulvitro でメガネ一式、すなわち二つのレンズと一つのフレームを合体させたものを表す。 同様に、英語でズボン一本は a pair of trousers であるが、エスペラントでは (unu) pantalono でよい。 ハサミは tondilo という。これは刃からの発想ではなくて、tondi 刈る という動詞に道具を表す接尾辞-il を付けた派生名詞である。

学問・学科

ics で終わる学問名の場合、学問名として抽象的に表すときは単数扱いだが、具体的な手段や結果を表すときは複数扱いとなる。

なお、ic で終わる学問名もある。arithmetic、logic、rhetoric などがある。

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MARUYAMA Satosi