人工知能学会誌を読む(2008年1月号)

作成日: 2020-11-30
最終更新日 :

シリアスゲーム

特集「ゲーム AI」からの記事である。シリアスということばは娯楽(エンタテインメント)の対義語とひとまずは考える。 本記事ではまずシリアスゲームの事例について述べられている。

まず、「America's Army」の事例が次のように紹介されている。

「America's Army」は米陸軍がスポンサとなって広報活動用に開発されたゲームタイトルである. 陸軍での訓練生活を体験できるゲームとして構成されている. このタイトルはゲームとしてのおもしろさを維持しつつ陸軍の基本訓練をマスタするという開発目的をクリアした.

2020 年現在でも、開発が続けられている模様だ。

少し読み進めていくと、e-learning の項がある。学習がゲームの一部になるとは意外であったが、当然なのかもしれない。 次のように述べられている。

e-Learning学習は Webページを閲覧しながら行う. 教材を通じて学習し,理解度確認の演習問題を解きながら進める学習形態である.学習者は孤立することなく, 電子メールや電子掲示板を通して,教授者とやり取りしたり,ほかの学習者と交流したりする.

実際には、このような実現ができていないのが e-Learning である。 少なくとも企業の e-Learning は、学習者は孤立し、意味も分からず満点になるまでクリックを強制される。 e-Learning を主催する側は、何か企業が問題を起こした場合に、保身を図るための免罪符としてしか e-Learning を考えていないように思える。本記事の期待とはよそに、e-Learning は悲しい運命をたどっている。

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MARUYAMA Satosi