人工知能学会誌を読む(2004年 7 月号)

作成日: 2004-07-04
最終更新日 :

特集:ユビキタスコンピューティング

ユビキタスコンピューティングでは、 コンピュータを至るところに組み込ませて、 データを集め、さまざまな情報から統合的な判断を行ない、 至るところにいるであろうヒトやモノに対してサービスを提供する。 このような処理を実現するためには、多様な要素技術が必要となる。

これら多様な要素技術は、これらの特集で取り上げられている。 これらを紹介するのは私の手に余る。そこで、私の家での事例を出してみよう。

最近買った電気ポットは、適当な時間になると湯を沸かし、 適当な時間になると通電を中止する機能がある。私の家ではこの機能を使っている。 ずっと通電しているよりは、電気代が節約できるようだ。

この電気ポットが、湯を沸かしたり通電を中止したりする仕組は、よくわからない。 どうやら前日と前々日の操作と時刻をポットは覚えているようだ。 この2日間の操作と時刻がほぼあっていれば、当日もその通りと判断し、 事前に通電したりするようだ。その結果、7時には湯が沸くようになっている。 そして、湯が沸く音で目が覚めることも多くなった。

さて、ユビキタスコンピューティングが当初のもくろみ通り普及したらどうなるだろうか。 たとえば、こんな場面を考えてみよう。 私が前日疲れて当日起きるのが遅くなりそうだとする。 そうすると、ポットは気を利かせて湯を沸かす時刻を遅らせるだろうか。 それとも、早く起きろといわんばかりに同じ時間に湯を沸かすだろうか。 気を利かせるのは却って気持ちが悪い。これなら機械的に同じ時間に湯を沸かすのが望ましい。 では、どういう場合は気を利かせればいいのだろうか。よくわからない。(2004-09-12)


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MARUYAMA Satosi