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基本修正更新 2009年6月5日
 最新追記 2014年7月17日 


レコード(アナログ音源)をパソコンに(デジタル)録音する。
 更新情報 


レコードをパソコンに録音する。

 アナログ音源をパソコンのハードディスクに録音すれば、録音したデジタルデータを再生し手軽に音楽を楽しむことができます。またCDを作ったり、MP3形式のデータに変換したりして、何時でも何処ででも好きな音楽を楽しむことができるようになります。
 このページは、パソコンに(LP)レコードを録音する場合の基本的事項を経験を基に羅列した頁です。

レコード盤洗浄用保護ディスクの頁へ
 プチプチノイズの多いレコード盤を録音する時は、事前にレコード盤を温水シャワーで丁寧に洗浄しておきましょう。
 洗浄しても直ぐに効果は現れません。異物を除去しても、異物で出来た凹みは回復していませんので、洗浄効果が現れるのは、最低でも一日〜数日経ってからです。あせらずに待ってください。レコード洗浄用保護ディスクのページへ レコード盤の状態によって回復には、一年以上掛かる場合もあります。ビニール製のレコード盤のノイズは、洗浄して時間をおけば回復することが多いのであきらめないでください。


1.パソコンは高性能
高機能な録音機
2.パソコンの
サウンド機能
3.録音用オーディオ
キャプチャー機
4.録音編集用の
ソフトウエアー
5.PCとステレオとの
ケーブル接続
6.録音の準備 7.録音手順の概要
更新2008/4/26
8.データファイル形式
更新2008/5/13
9.補足事項(入力切替スイッチ) 10.LPレコードの
ジャケットについて

レコードからパソコンへの録音は難しくありません。簡単です。

  • パソコンは、高性能・多機能なサウンドレコーダー(録音機)です。
      パソコンに、LPレコード等に記録された音楽(アナログ信号)を取り込む(録音する)ためには、パソコン(PC)をテープレコーダーやMDレコーダーの様な録音もできる再生装置と同じ様なものだと考えれば分かり易いです。
    レコードをパソコンに録音する パソコンは、ソフトウェアーさえあれば再生だけでなく、録音も編集もできる立派なサウンドレコーダーになります。パソコンに取り込んだデジタ ル音楽データを、CDに書き込むのも専用ソフトがあれば簡単です。
     
  • パソコンには、音楽を録音・再生するハードウェアーが必要です。
      パソコンには、通常サウンドボード(サウンドカード、音響処理機能付きマザーボード)が取り付けられています。
      サウンドボ−ドは、アナログ信号とデジタル信号の両方を取り扱う機器ですから、オーディオ機器としての(アナログ)性能も重要です。
      サウンドボードには高級なものもありますが、音質のあまり良くよくないものやノイズの影響を受けやすいものがあります。またデスクトップタイプPCの場合、サウンドカードの入出力端子は、PCの背面に設けられていることが多く、音量調整つまみのないものがほとんどで、取り扱いに不便を感じることがあります。(この場合音量調整はパソコン上のソフトウエアで行います。)
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    注:
    (2008年1月11日)
      PC内蔵のサウンドカード(サウンド機能付きマザーボード)で音楽を再生時にノイズが出る場合は、内蔵のサウンド回路がノイズの影響を受けていたり、ノイズを発生したりしている可能性が高いので、後述のUSBタイプのオーディオキャプチャー機を使っても(これらの影響を受けて)ノイズが出る場合があります。
      このような場合は、マザーボードのBIOSを起動してサウンド機能を切り離すか、或いは取り付けているサウンドカードを取り外せば改善されることがあります。
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    レコードをパソコンに録音する パソコンの入出力端子
     あまりお金を掛けたくない場合や、高級なサウンドカードを取り付けている場合には、そのサウンドカードを使おうとされると思いますが、どちらの場合にも、音楽を録音するためには、録音編集用のソフトウェアーが必要です。
     サウンドボードには、ミニフォーンジャックタイプの入出力端子が設けられているものが多く、基本 形式では、Bライン出力端子(緑色)、Aライン入力端子(青色)、@マイク入力端子(ピンク色)の3 端子があります。順番は決まっていません。ノートブックタイプの場合は、Bのラインアウト端子がヘッドフォンへの出力端子となっています。
      Aのライン入力(LINE IN)端子が、外部機器からアナログ音響信号をPCに取り込む(ハードディスク録音する)ための入力(録音)端子です。
      サウンドカードの入出力端子の形状には他の形式のものもあります。高級なサウンドカードの場合には、ステレオ再生装置と同じ形状のRCAピンジャックのものもあります。また光デジタル端子のついたものもあります。取り扱い説明書を熟読してください。接続が不安な場合は先ず、パソコンのライン出力端子とステレオアンプのライン入力系統の端子だけを接続し、パソコンの音響データがステレオ装置で再生出来るか確認してください。
      PC内蔵のサウンドカードの機能を使用せず、アナログ音源を録音(キャプチャー)することを目的に作られたオーディオキャプチャーと呼ばれる外付け機器を使用する方法もあります。小生はUSB接続のオーディオキャプチャー機を使っています。
      USBオーディオキャプチャー機を使用する場合は、マザーボードのサウンド機能はOFFとなるようマザーボード(M/B)のBIOS設定をしたり、使わないサウンドカードは取り外しておく方が良いでしょう。  

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  • アナログ音源を録音するための機器、オーディオキャプチャー機について
      オーディオキャプチャー機とパソコンとはUSBで接続します。簡単です。小生は、今でも数年前(2003年5月)に購入した、Roland社のEDIROL UA−3Dという製品を使っています。性能に不満はありません。使いやすいです。後継機はUA−4FXという型番になっているようです。
      録音には、オーディオキャプチャー機を使う方が何かと便利です。
     UA−3Dのアナログ入出力(録音・再生)端子の形状は、RCA型ピ
    レコードをパソコンに録音する USBオーディオキャプチャー
    ンジャックとなっており、ステレオ再生装置との接続は、RCA型の標準オーディオケーブルが使用できます。
      また入出力調整ボリュームやピークインジケーター(LED)がついており、録音・再生操作はサウンドカードを使用するより容易に行えます。
      それに、オーディオキャプチャー機には、サウンド編集用ソフトが付属しているのが普通です。
      通常の使用方では別に高価なソフトを購入する必要はありません。
     
  • パソコンに音楽を録音するには、音楽を録音・再生するソフトウェアーが必要です。
      パソコンで文章を作成したり絵を描いたりするためには、それに適したソフトウェアーが必要です。音楽を録音する場合も同じです。フリーソフトもあれば高価なものもあります。
      オーディオキャプチャー機には、録音編集ソフトが付属しているのが普通です。小生が購入したローランド社のEDIROL UA−3Dという機種には、インターネット社の「Sound it!3.0LE」という使いやすいソフトが付属していました。(このソフトは、Windows7でも使えます)。
    レコードをパソコンに録音する 録音用パソコンソフト  パソコンでは、録音データを目で見ながら耳で聴きながら編集できますからとても便利です。
      お金を掛けずに済まそうとすれば、フリーソフトを使うことになります。フリーソフトには「SoundEngine Free」というものがあります。多機能な市売の録音編集ソフトもあります。「Sound it!3.0LE」の製品版である「Sound it!3.0」の機能限定デモ版が、インターネットからダウンロードできると思います。使い勝手等、他のソフトと比較してみてください。
      上の図はレコードの片面4曲を連続録音したデーターを、「Sound it!3.0LE」で表示したものです。波形を拡大表示して編集することができます。
    NEW:(追記2011年9月30日)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
    注:
    この「Sound it!3.0LE」は(メーカー仕様ではwinXpまで対応となっていますが)「windows7 64bit版」でも使用できます。(使用中のwin2000やwinXp等のPCにインストールされている「Program files」フォルダーの中の「Soundit3LE」フォルダーのファイルを一括して「win7」パソコンの適当なフォルダーにコピーすれば、再インストールしなくても使えるようになります)。また「windows7 64bit版」に対応した無料の録音編集ソフトには、「Wave Pad」というものがあります。
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  • パソコンとステレオ再生装置(アンプ)とのケーブル接続について
      パソコンを(録音もできる)テープレーコーダーのような物だと考えてケーブル接続してください。(パソコンを録音に使用する場合、パソコンの出力端子は、ステレオ装置のFMチュナー端子やAUX(補助)端子には接続しないようにしてください)。
    @パソコン側(サウンドカードやオーディオキャプチャー)のライン出力端子と、ステレオアンプ側(PCは録音できる機器なので、例として)TAPE-1のPLAY端子(PB端子、MONITOR端子等とも呼ばれています)とを接続します。これでパソコンに録音した音楽データが、ステレオ装置で再生できます。(再生出来ることを確認してください)。
    Aパソコン側(サウンドカードやオーディオキャプチャー)のライン入力端子と、ステレオアンプ側(上の例では)TAPE-1のREC端子とを接続します。これでパソコンに録音できます。
      接続後ステレオアンプ側では、パソコンを(例では)TAPE−1として取り扱い、録音再生操作を行います。下段の補足事項をご覧下さい。
      レコードプレーヤーの出力は、ステレオアンプのPHONO端子に接続されているはずです。MCタイプのフォノカートリッジは出力が低いので、アースは確実にとりハムノイズ対策は十二分にしてください。S/N(シグナルとノイズの)比を良くすることは重要です。
      最近USB端子のついた(アンプ付き)レコードプレーヤーが市場に出ています。パソコンとの接続はUSBケーブル1本だけで簡単ですが、音質的には良いのかどうか分かりません。
      既にステレオ装置やレコードプレーヤーをお持ちの方は無駄な投資をする必要はありません。パソコンをテープレコーダーと同じような物だと考えて取り扱っていただき、ケーブル接続されれば問題はありません。USB接続のオーディオキャプチャー機を使われる場合も、オーディオキャプチャー機をテープレコーダーだと考えてステレオ装置とケーブル接続してください。(パソコンとはUSBで接続するだけです)。
      パソコンに音楽を(デジタル)録音する場合、一番大切なのはアナログ信号の品質です。
     
    ■接続端子の形状、入出力信号の平衡(バランス)・不平衡(アンバランス)について追記
     家庭用オーディオ機器の接続端子は、RCAピンジャックやステレオ用フォーンジャック(3P)(或いはモノラルフォーンジャック(2P))等の不平衡(アンバランス)タイプの(+−信号線の一端が接地されている)ものが一般的です。しかし中には、マイク端子や録音入出力端子等にキャノンタイプの平衡(バランス)タイプの(接地線が別にあって+−信号線の両方が接地されていない)或いは(+−信号線の電気的中間点が接地されている)端子が用いられているものがあります。平衡回路、不平衡回路と異なった入出力端子を持った機器の混用(接続)には(出力回路がショートされ過大電流が流れ機器が故障破損することがあるので)注意が必要です。
    TRSフォンジャック 平衡・不平衡入出力信号の取り扱い  楽器演奏や音声の録音・編集、或いは放送機材として用いられるDTM機器には、雑音入力を抑えて高品質な信号とする為にキャノンやTRSフォンタイプの(1信号用)平衡型入出力端子が広く用いられています。(TRSフォンプラグはステレオフォンプラグとも呼ばれ2信号不平衡型端子としても用いられます)。端子形状の異なる機器が混在している場合には、それぞれの端子形状に合わせた変換プラグや変換ケーブルが用いられることがありますが、入出力回路の平衡・不平衡を無視して使用すると機器の故障・破損に至る場合もあります。変換プラグや変換コードは、入出力回路の平衡・不平衡について理解した上で使用しなければ問題が起きるでしょう。
     特に問題になるのは、TRSフォンジャック(メス)とTSフォンプラグ(オス)の場合です。RCAピンプラグをフォンプラグに変換して使用する場合は注意が必要です。
     不平衡型プラグを用いて平衡型端子に接続するということは、平衡信号の信号ラインの一端をグラウンド(アース・接地)端子に接続する(ショートさせる)ことになりますから、出力回路にこの方法を用いることは基本的に避けなければなりません。(トランス接続の場合はアースの取り方によって変わる)。平衡出力のコールド側信号の接地について
     平衡出力の機器を不平衡機器の入力に接続することは、(マイナス)信号出力をショートさせることになりますから基本的に避けなければなりません。
     200V/100Vの単相交流電源の片側の100Vとセンターの接地極とを接続(短絡)したらどうなるのか、容易に想像できるでしょう。RCAピンジャックとTSフォンプラグが一体になった変換プラグの使用には注意が必要です。1個のRCAピンプラグをTSではなくTRSフォンプラグに変換してRがSに接続されない(信号線が接地短絡されない)ようになっている物もあるようです。勿論TRSのステレオ変換プラグもあります。
     平衡出力(TRS)を不平衡(RCA)に変換する場合は、2チャンネル共、ステレオ変換プラグ(TRS/RCAx2)を使って、2チャンネル共、TRSフォンプラグのTipだけを使いRingは使わないようにすれば、Cold側が短絡されないので問題はないのではないかと思います。
     RCAピンジャック端子のアンプとUSBオーディオインターフェースを使ってPCに録音しようとする場合には、入力側は平衡タイプでも、出力側にはRCAピンジャックのあるUSBインターフェースを選択するのが無難だと思います。
     それから、平衡型と不平衡型とは端子の形で区分されているのではないので注意が必要です。よく用いられているステレオのヘッドフォンプラグは先(Tip)が左チャンネルの+信号、中央の輪(Ring)が右チャンネルの+信号、根元の筒の部分(Sleeve)が左右の−信号と接地極が一緒になっている(左右)2チャンネルの不平衡型端子ですが、同じ形状でも、先(Tip)を+(Hot)信号、中間リング(Ring)を−(Cold)信号、根元の筒(Sleeve)を接地極(グラウンド)にした一信号平衡入出力型端子としても使われます。この形式の端子は、各部分の名称からTRSフォンと呼ばれています。2極の物はTSフォンと呼ばれます。TRSフォンプラグとTSフォンプラグは外形寸法が同じですので取り扱いには注意が必要です。フォンプラグ(ジャック)は以上の他特殊な使い方をされる場合もあります。また中間リングを増やした物もあるようです。
     余談ですが、オーディオ機器の場合はステレオが基本ですから、入出力数は左右チャンネルワンセットで1と数えますが、DTM用の機器では(別々の信号が扱えるので)2とかぞえます。オーディオインターフェースで入力数2とあってもステレオとして考えれば入力数は1です。
    (追記修正 2014年7月15日〜17日)
     
    ■オーディオ機器の入出力電圧について追記
     上の説明では各機器の入出力電圧レベルについてはふれていませんが、オーディオアンプの(一定の出力を得るための)入力電圧は接続機器の種類毎に一定の範囲内に入っていますから、アンプの(レコードのフォノカートリッジ入力とマイク入力以外の)「チューナー、テープデッキ、CD、MD、AUX(予備)」等のライン入力端子の(標準)入力電圧は概ね同じレベルです。そしてアンプの録音入出力端子もパソコンのライン入出力端子も同じ程度の電圧レベルになっています。
     但し最近のレコードプレーヤーには(フォノイコラオザーと)増幅器が組み込まれ、(アンプやパソコンの)ライン入力端子等に直接接続できる(高出力タイプの)ものがありますので、このような場合は(AUX端子等)ライン入力端子に接続してください。またパソコン用のサウンドカードにはスピーカーに直接接続できる小型パワーアンプが組み込まれたものがありますので注意して接続してください。普通これらの(変則的な入出力)機器には切り替えスイッチがついていますが、この切り替えスイッチの取り付け位置が分かり難くかったり、今の接続(出力)状態が分かり難くかったりするものがありますので注意が必要です。
    機器の規格基準出力とアンプの(定格出力を得るための)入力電圧などの一例
    @MC型フォノカートリッジ出力:0.2mV(0.1mV〜0.5mV)
    A高出力MC型フォノカートリッジ:1.5mV〜2mV
    BMM型フォノカートリッジ出力:3mV(2mV〜9mV)
    Cチューナー、CD、MD、テープレーコーダーなどの出力:200mV〜2V
    Dプリアンプライン入力(チューナー、CD、MD、テープ、AUX(予備)):100〜200mV
    Eプリアンプフォノ入力(MC用)注a:0.2mV(0.1〜0.3mV)
    Fプリアンプフォノ入力(MM用)注a:2.5mV(1.5〜3mV)
    Gプリアンプ出力:1V(500mV〜5V)、メインアンプ入力:1V(500mV〜5V)
    Hメインアンプ出力:10W〜100W(1W〜400W)
    電圧規準と電力規準のdB表示 (出力トランスの無い)メインアンプの出力電力は、接続するスピーカーのインピーダンス(抵抗)により変わります。(OPT付真空管アンプには、4Ω、8Ω、16Ω等とインピーダンスタップがついているのが普通です)。(一般のトランジスターアンプの場合)アンプに接続するスピーカーのインピーダンスが2倍(例8Ωから16Ω)になれば(同じ入力条件で)アンプの出力電力は半分になります。
     しかしアンプの定格(最大)出力(電力)が半分になるのではありません。インピーダンス(抵抗)が2倍になり出力電流が半分に減少するので出力電力が半分になるのですが、出力電力が半分になりますから消費電力(熱損失)も大幅に減少し、アンプには十分余力があることになります。(入出力)電圧に全く余裕がないとは考えられませんから、負荷インピーダンス(抵抗)が2倍になっても、定格(最大)出力(電力)は元の状態の1/2以上得られます。
     負荷インピーダンスが2倍(例4Ωから8Ω)になっても(入出力)電圧に25パーセントの余裕があれば(出力電流をその分増やせるので)、元の状態(例4Ω)の78%の定格(最大)出力(電力)が得られることになります。
        W=I2×R=(0.5×1.25)2×2=0.78

     (パイオニアのカタログには、負荷インピーダンスが4Ωの時の定格出力は70W、8Ωの時は55W等の記載があり分かりやすいです)。
     接続するスピーカーのインピーダンスが(規格より)低く(高く)なり過ぎてもアンプは正常に動作しません(低すぎる場合はアンプが壊れることがあります)。アンプの定格出力をチェックするときは、負荷のインピーダンス(条件)にも注意してください。市販されている殆どのアンプの負荷インピーダンスは4〜16Ωとなっています。低いインピーダンスのスピーカーの並列使用は危険です。低いインピーダンスのスピーカーより、能率の良いスピーカーを選ぶほうが良いように思います。
     注a:レコード盤は低音域のレベルを下げて(高音域を上げて)録音されています。低音域のエネルギーは高音域に比べて大きいので、(雑音に負けないよう)一定の出力が確保できるよう設定された高音域と同じレベルで低音域も録音すると、音溝の振幅が非常に大きくなり、録音製作にも再生時にも問題になるからです。
     従ってフォノ入力回路には、逆に低音域を増大させて(高音域を減衰させて)元の音圧レベルに戻す回路(イコライザー回路)(均等にする回路、復元補正回路)が組み込まれています。LP(EP)レコードの場合はRIAA(規格)が用いられています。(RIAAはリアと読みます)。この周波数の高低と増幅率(出力)変化の関係を表したものがRIAAカーブです。
     アンプのフォノ入力(回路)は、周波数の高低に対して均一な増幅率になっていませんので、レコード以外の再生には使えません。
     上記の様に機器の(一定の出力を得るための)入力電圧は機器の種類によって概ね決まっています。一定範囲内でも小さな入力(電圧)で最大出力が得られる様に設計されたアンプは、ボリュームを絞った状態でも大きな音が得られますが、ボリュームを上げても(過大入力で音が歪み)大きな出力が得られるとは限りません。音量調節ボリューム(位置)と最大出力とは関係有りません。
    dB(デシベル)という単位について。
     オーディオ機器に限らず、何百倍〜何万倍もの差のある数値を取り扱う場合には、対数表示を使うと便利です。
     1,000,000を(常用)対数表示すれば、log1,000,000=6となります。1を対数表示すれば、log1=0となり、0.001を対数表示すれば、log0.001=−3となります。
    電圧規準と電力規準のdB表示 左図のように、1V電池(入力)で1W消費(出力)する回路で、(入力)電源電圧を2倍の2Vにすると(電流も2倍になり)消費電力(出力)は4倍の4Wになります。
     入力(電圧)を2倍にすると出力(電力)は4倍になるという表現は、取り扱いに注意を要するように思われます。また何千倍何万倍の幅広い数値を同時に取り扱う場合は、(常用)対数を用いた表現を使うと便利で取り扱いやすい(表現しやすい)ので「dB」(デシベル)という単位が使われます。「d」(デシ)は「10分の1」を意味する接頭辞の「d」です。「B」(ベル)は電話機を発明(特許取得)したグラハム・ベルからきています。
    「dB」単位で表現すると電圧変化a1→a2と、消費電力変化b1→b2は以下の様に表現されます。(記号その他説明は省略します)。
    ※参考 log2=0.3010・・・、 22=4、 log4=log(22)=2log2。
     電圧基準、入力電圧変化:20×log(a2/a1)=20×log(2V/1V)=6dB、
     電力基準、出力電力変化:10×log(b2/b1)=10×log(4W/1W)=6dB、
    「dB」を用いると、入力(電圧)変化(2倍)も出力(電力)変化(4倍)も同じように6dBと表現されます。
     電力基準では、2倍は3dB(1/2は−3dB、10×log0.5=−3)、4倍は6dB(10×log4=6)と表現されます。
     50W出力のアンプと100W出力のアンプの出力差は(たったの)3dBです。出力音圧レベル(能率)92dB/W/mのスピーカーと84dBのスピーカーの能率の差(92−84=)8dBは6.3倍(100.8=6.3)もありますから、84dBの(低)能率のスピーカーを92dBのスピーカーと同じ音量で鳴らすためには、アンプの出力は6.3倍必要ということになります。
     (一般のトランジスターアンプの場合)接続するスピーカーのインピーダンスが変わればアンプの定格(最大)出力は変わりますので、スピーカーの能率だけでなくインピーダンスも違うスピーカーを比較する場合は、それぞれのスピーカーのインピーダンスに対応したアンプの定格(最大)出力で比較する必要があります。しかし能率(出力電力)が8dB違っても、聴感上の音量は6倍も違うようには聞こえないでしょう。
     スピーカーの出力音圧レベル(能率)というのは、(周波数特性や指向性等のある)スピーカーの電力音響変換効率を正確に測定して算出した値ではありませんが、一定の条件で音を出し測定して基準値と比較して表した実用的な能率表現値です。(これは一般にスピーカーの能率などと呼ばれており、製造メーカーによって「定格感度レベル」とか「平均出力音圧レベル」等々と表記されています)。
     スピーカーの出力音圧レベル(能率)92dB/W/mというのは、スピーカーに1Wの電力を加えた場合、正面軸上1m離れたところで測定される音圧レベルが92dB(0dB=20μPa)になるということです。理論上音の放射が半球状で指向性がない場合、(能率)92dB/W/mのスピーカーの電力音響変換効率は約1%になるといいます。1%(電力比)の50倍(50%)は17dB(10×log50=17)ですから、電力音響変換効率50%のスピーカーがあるとすれば、そのスピーカーの出力音圧レベル(能率)は約109dB(92+17=109)ということになります。スピーカーの構造上、スピーカーの能率とスピーカーのインピーダンスは関係ありませんが、メインアンプやスピーカーの選定においては、両者の値は相互に関係づけて考慮する必要があるように思います。
    電気的に何倍(何dB)違えば人間の耳には2倍と感じるのか(色々な意見はありますが)明確なデータは有りません。音量や周波数(帯域)・音質の違い、或いは音の変化や時間の経過、または聞く人の経験や年齢などによっても異なるものと思います。
     耳で聞いて音圧エネルギー量を計る訓練を受けた人がいたとしても、「耳で聴いて何dBの音量だと測ること」と、「相対的に何倍だと感じること」とは別のように思います。
     自分で(オーディオ発振器を使用して)簡単な実験をしましたが、明確な答えは出ませんでした。ブラインドテストではありませんでしたし、思い込みもありましたが、(条件により)10〜15dBくらい違うと、耳で聞いて2倍くらいの違いかなと思われる場合がありました。しかしはっきりとは言えません。音は耳(鼓膜)から聞こえて来るだけではありません。(耳の)聴覚は空気振動のほんの一部を感じ取っているだけです。同じ音量の出ているスピーカーが1個から2個(+3dB)になっても、聴感上は2倍には感じないのではないでしょうか。
     従ってオーディオ機器の標準出力電圧やアンプの定格出力ワット数などに少々の違いがあっても気にすることは全くありません。それよりアンプのフォノMC/MM入力端子やマイク端子には他の機器を接続しないようにしてください。またアンプのスピーカー出力端子にはスピーカー以外のものは接続しないようにしてください。
     また「dB」という単位は、基準となる0dBに異なった値が用いられるので、注意が必要です。0.775V(ボルト)を0dBとしたものを「dBu又はdBv」、1Vを0dBとしたものを「dBV」、1mW(600Ω)を0dBとしたものを「dBm」、2×10-5N/u(=20μPa)を0dBとしたものを「dBSPL」(音圧レベル)等々と添え字を用いて表記します。またそれらは(明示的な場合)単に「dB」と表記されることもあります。
    (追記修正 2009年6月3日〜5日)

    ■注:dB表示の場合の電圧[ボルト]について追記
     参考:出力インピーダンス600Ωで出力1mWの時、電圧は約0.775v(ボルト)です。
     (W=ExI=Ex(E÷R)=E2÷R、  E2=WR=0.001×600、  E≒0.775v)
     (記号の意味は斟酌してください)。
     オーディオ機器のライン入力基準値に用いられる+4dBuは1.228ボルト、−10dBVは0.316ボルトです。
    -20dB -15dB -10dB -6dB 0dB +3dB +4dB +5dB +6dB +10dB +15dB +20dB
    dBV
    [ボルト]
    0.10 0.178 0.316 0.501 1.00 1.413 1.585 1.778 1.995 3.162 5.623 10.00
    dBu
    [ボルト]
    0.0775 0.138 0.245 0.388 0.775 1.095 1.228 1.378 1.546 2.451 4.358 7.75

  • LPレコードのPCへの録音と録音データーの編集について(準備)
    •  レコード盤は、レコード盤洗浄用保護ディスクを使って温水シャワーで丁寧に「録音する10日から一ヶ月ぐらい前に」洗浄しておくのが良いと思います。ゴミやホコリ、カビ等を除去しておくと、ピチピチノイズが減りますし、レコード盤や針の保護にもなると思います。洗浄しても異物で出来た音溝の変形は直ぐには回復しませんので、洗浄後直ぐの再生はノイズが増えていると感じる場合があります。
    •  正式に録音する前には録音音量調節のため、予めLPレコードを試聴再生して、オーディオキャプチャー機の入力を調節しておくことが必要です。レコードにより録音レベルはマチマチですし、カートリッジの出力も色々ですから。
        しかしレベル調整も少々のことなら(歪んだりS/N比が悪くなければ)後からでも簡単に調整できますから、テープ録音のように神経質にならなくてもいいです。
    •  パソコン(ハードディスク)への録音は、テープやMDに録音する場合と比べとても楽です。パソコンに録音したデータは、容易に部分削除やデータの追記ができますし、繰り返し加工編集してもデジタルデータは摩耗劣化しませんから、頭出しや曲間の時間など気にすることは全くありません。
        録音したデータは、目で見ながら耳で聴きながら編集できます。データはメモリ上で編集しますから、編集に失敗しても元に戻せますし、早送り巻き戻しを繰り返しても、パソコン(ハードディスク)のデータは全く傷みません。
    •  カセットテープに録音したものも同じようにしてパソコンに録音できます。カセットテープレコーダーを(もう)録音に使用していない場合は、カセットテープレコーダーに接続しているステレオアンプの録音再生端子(TAPE端子等)をパソコンにつなぎ換え、カセットテープレコーダーの入力(録音)端子は使わず、出力(再生)端子だけを、ステレオアンプのAUX(補助)端子等の入力端子に接続替えするのが一番簡単です。

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  • 録音手順の概要
     フォノカートリッジが雑音を拾わないよう、@アースは適切確実に取る、A録音中は照明器具(蛍光灯)の入り切りはしないなど、電気雑音侵入防止に注意が必要です。
    • レコード盤をレコードプレーヤーに載せて、アンプの入力切り替えツマミをPHONOにして待機してください。(録音したいアナログ機器が再生されるスイッチ位置にします。)
    • オーディオキャプチャー機の入力ボリュームと出力ボリュームを適正値に設定しておきます。初めて録音する場合は、レベルを低めに設定しておき、レコードを再生しながら調整します。レベル調整が終わってから、録音準備を始めます。
    • パソコンの録音編集ソフトを起動し、ピークインジケーターを表示させてください。録音にはWAV形式を用います。WAVファイルの設定値は、音楽CD規格(サンプリングレート44.1kHz、ビットレゾリューション16b、ステレオ)で良い(無難)でしょう。
       小生が購入したUSB接続のオーディオキャプチャー機に付属していた録音編集用ソフトでは、サンプリングレートは、4kHz/8kHz/11k/22k/32k/44k/48k/96k/192kHzが、ビットレゾリューションは、8b/16b/24bが選択できるようになっており、又ステレオかモノかが選択できるようになっています。デフォルト設定は、上記の音楽CD規格の値です。但し、UA−3Dの仕様は、ビットレゾリューション16ビット、サンプリングレートは32kHz、44.1kHz、48kHzの選択となっているので、音楽CDにするのが目的なら、この標準設定以外の選択はありません。後継機種のUA−3FXや4FXは24ビットになっていますので高音質の録音が可能です。 
    • レコード盤に針を乗せます。まだターンテーブルは回しません。(ターンテーブルを回転させてから針を乗せる人はこの項は必要ありません)。
    • 録音編集ソフトの録音ボタンをクリックし、録音を始めます。パソコン(ハードディスク)に記録された余分なデーターは、後で簡単に削除できますから、慌てる必要はありません。
    • それからターンテーブルを回して下さい(或いはレコード盤に針を降ろしてください)。アナログキャプチャー機のピークインジケーターや、録音編集ソフトのピークレベルインジケーターで、録音レベルが適正値であることを確認してください。(少しぐらいレベルが低くても、後でレベル調整できますので問題はありません)。
    • レコードを録音中は席を立たないで再生音を聴いておいてください。レコード盤のノイズや異音は、レコード盤を目で見ただけでは分かりません。気になるノイズや異音の大きさとその位置等を録音中に確認し必ず記録しておいてください。後の編集作業に役立てるためです。レコード盤の盤質や音質の傾向、録音の善し悪しや演奏の感想、録音に使用したフォノカートリッジの名前などを記録して整理しておくと後々役に立ちます。編集時に音質チェックのため、録音した音を総て聞き直しすると、録音時と同じだけの時間が掛かってしまうことになり大変です。音楽CDにしてから大きなノイズに気付いても、後の祭りです。レコードの再生時はプレーヤーの前に座っていましょう。雑音防止のため照明スイッチや不要な電気器具は操作しないようにしましょう。
       レコードは、レコードプレーヤーで聴くのが一番だと思いますから、時々はレコードプレーヤーでレコードを聴いてください。この時記した試聴鑑賞記録が後々役に立ちます。
    • A面の録音が終わったらレコードの再生を終了し、録音ソフトの録音も停止します。
    • 録音ソフトの書き込みが終わったら、名前を付けてWAV形式で保存します。B面も同様に録音して名前を付けて保存します。片面ずつ記録した方がデータの保存管理がやり易く、後々取り扱い易いと思います。
    • 複数の曲を連続して録音すると(レコード盤の溝は片面1本ですから)、データ上では切れ目のない1曲と見なされますので、録音編集ソフトを使って1曲ごとに分離し、ノイズを適正に処理し、適正レベルに調整し、前後に2秒程度のブランクを挿入し、各々の曲に分かり易い名前を付けてWAV形式で保存します。
    • 録音された曲と曲との間の無音溝部分にはノイズがあります。このノイズは小さくても耳障りなのでこの部分はカットし、レコードをパソコンに録音する ノイズカット分離した各曲の前後に2秒前後のブランク(無音)データーを挿入します。これだけでも随分と聴きやすくなります。
      曲の途中の気になるノイズは、その部分のレベルを不自然にならない程度まで下げます。曲の始めや終わりに大きなノイズがある場合は、フェードインやフェードアウト処理により自然な感じで演奏を始めたり終えたりすることもできます。
       左図黄色線の波形は、0.6ms巾の黒地より少し短い1サイクル約0.5msの波だとすると、波長は約(340m/s×0.5ms=)170mm、周波数は約(1÷0.5ms=)2kHZの鋭く尖った変形波形(耳で聴くとノイズ)の音波である。(msはミリ秒)。
      録音編集ソフトで、ノイズの減衰量を目で見て耳で聴いて不自然に感じない範囲で減衰させる。(−12dbは1/4の、−18dbは1/6の減衰率(電圧基準))。
       音波は、1秒間に(気温15℃の時)約340m(=331.5m+0.61m/℃×気温℃)進みます。
    • 一度に沢山録音せず、フォノカートリッジの特性を知り、アナログ機器の出力レベルの違いを把握し、適正な録音音量設定値を憶えてください。レコード盤一枚一枚のノイズの有無・大小・位置、針飛びの有無を確認してください。良い状態のレコード盤から良い録音が得られます。
    • 録音した音楽データをCDに焼く場合は、CDレコーダーに付属しているCD作成ソフトを使うのが最も安上がりです。付属ソフトといっても性能は(その当時の)製品版より劣るということはありません。付加機能やサポートに違いがあるだけです。
      録音した音響データをCD−Rに記録する方法には2つあります。ひとつは音楽CD(オーディオCD、CD-DA)にする方法で、もうひとつはデータCDにする方法です。CDプレーヤーでは音楽CDしか再生できませんが、パソコンではどちらのCDでも再生出来ます。
    • CDの作成に失敗しないためには、(古いパソコン」の場合は必ず)CDドライブやDVDドライブの転送モードをDMAを使用するとしておくとか、他のソフトは起動しない、(取り越し苦労と思いますが)パソコンのスクリーンセーバーは起動しない、電源管理は常時ONとしておくなど)の注意はしておいた方が良いでしょう。
    (修正更新2008年4月26日)

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  • データファイルの形式とファイルの大きさについて。(OS:Windowsの場合)
    録音と編集には、Windowsで標準的に使用されているWAVE形式を使います。拡張子が「wav」なのでWAVと記されることもあります。ウェーブ(ウェブ、ワブ、ウォブ等)と読みます。ファイルの拡張子は「wav」です。(Windows)パソコンでデータ加工できるのは、このファイル形式だけだと思います。
      (よく用いられるサンプリングレートの)WAVEファイルの容量は(ワープロや表計算ソフトで何時間もかけて作ったデータよりも遙かに)大きく、音楽CD(Red Book仕様)の品質(44100HZ/16ビット/2chステレオ)の場合で、音響信号1分(60秒)当たりのデータ容量は、約10MBになります。
    ☆@ 44100HZ×16b×2ch×1B/8b×60秒=10584000B/分=約10.1MB/分、
    注:単位は省略表記しています。1B(バイト)=8b(ビット)です。1024B=1KB、1024KB=1MBとして計算しています。(44.1K×16×2=)1411.2Kbps(キロビット毎秒)が音楽CDのビットレート(1秒間に再生するデータ量)です。
     (10=1024)2の10乗が1024で、(20=1024×1024)2の20乗は1024×1024です。(2進数の)デジタルデータ量を示すのに分かり易い(取り扱いやすい)ので、1KB=1024B、1MB=1024KBとすることがあります)。
    ☆A しかし接頭辞(補助単位)の1K=1024は可笑しい、1K=1000、1M=1000Kが正しい表現だとすると、上記の計算は、10584000B/分=約10.6MB/分となります。
    ☆B (用語の説明)
    44100HZ(ヘルツ)はサンプリングレート(周波数)です。音響信号1秒間を44100に細かく区切って取り扱う(標本化・サンプリングする)ことを示しています。高品質のデジタル音響信号とするためには、アナログ入力信号の高次倍音や高調波より十分高い周波数でサンプリングする必要があります。
     音楽CD(CD-DA)の場合は44.1KHZで決まっていますが、DVDオーディオではもっと高い(96KHZ、192KHZ等の)サンプリングレートも用いられます。MDのサンプリングレートは音楽CDと同じ44.1KHZです。(但しデータは、圧縮されて(ATRAC方式)ビットレートは292kbpsになっているので音質は音楽CDより落ちるでしょう)。音質のあまり良くなくてもよい(会話周波数帯域の伝送を目的とする)公衆電話回線ISDNのサンプリングレートは8KHZです。
      人間の耳は20KHZ程度まで聞こえると言われているので、音楽CDでは(20KHZのローパスフィルターを入れて)、約その倍の44.1KHZでサンプリングしたデータを使うことになっています。(約20KHZ以上の)可聴域外の高調波も可聴域周波数の音に影響を与えているので、20KHZ以上を削除すると音質に影響があると言う意見(CDの音は良くないと言う意見)があります。小生は、再生周波数帯域よりもサンプリングレートに問題があるように思います。
     また音楽CDの音質が良くない原因のひとつに「読み取りミス」があるからとも言われています。読み取りミスはCDディスクに問題がある場合もあるようで、CDの材質等を改善した高品質音楽CDが販売されています。CDの材質に高品質のポリカーボネートを使ったもの(SHM-CD、HQCD、Blu-spec CD)、反射膜に特殊合金を使ったもの(HQCD)、カッティングに青色レーザーダイオードを使ったもの(Blu-spec CD)があります。パソコンに搭載されている(安価な)CD−ROMでも高品質音楽CDの効果が期待できるかもしれません。
    下図は、20KHZのサイン波を192KHZでサンプリング(ソフトウエアー変換)した(概ね滑らかな)波形(薄い紫色)と、同じサイン波を44.1KHZでサンプリングした折れ線グラフのような波形(濃い青色)の線図です。(下の図にマウスを重ねると44.1KHZでサンプリングした波形図だけに変わります)。
      グラフの時間軸の目盛(単位ms、四捨五入1/100桁表示)は、サンプリング毎に1目盛りずつ付けられています。折れ線波形(サンプリングレート44.1KHZのサイン波の波形)の小さな青い「」点がサンプリングポイントです。サンプリングされた信号の波形(図は「Sound it!LE」によるものです)。
      20KHZを44.1KHZでサンプリングすると、1サイクル中に2回ちょっとしかサンプリングされません。
      20KHZのサイン波は1サイクル(1÷20KHZ=)0.05ms(ミリ秒)です。10サイクルで0.5msですから、 20KHZの音を44.1KHZでサンプリングすると、10サイクル(0.5ms)の間のサンプリング回数は約22回です。(0.5ms×44.1KHZ=22.05)。(上図参照)。
     デジタル化されたデータを再現しても元の(アナロのような)滑らかなサイン波形にはならないでしょう。
      音楽CDが策定された当時の技術では出来なかったことが今では(容易に)出来るようになりましたが、(違法)コピーが蔓延するようにもなりました。技術の進歩は品質の向上とコピー防止競争をより激しいものにしましたが、コピー防止対策の結果品質が劣化することのないようにしてもらいたいものです。
      現在は音楽CDと同じ外形の(高品質な)SACDというものが製作されています。
      SACD(Super Audio CD、スーパーオーディオCD)は、リニヤPCM方式16bit44.1KHZのCD−DAと違い、ΔΣ変調1bit2822.4KHZ(=44.1KHZ×26)で、(サンプリング周波数2822.4KHZの約1/2の)1400KHZ迄の信号を記録することが出来るといいます。実際の再生周波数は50K〜100KHZ迄となっているようです。SACDのディスクの物理的構造はCDというよりDVDに近いもので、一層の記録容量は4.7GBです。
      SACDは従来のCDプレーヤーでは再生出来ない(高密度)記録構造ですが、従来のCDプレーヤーでも再生可能な方式で記録されたCD層も合わせもつ2重(ハイブリッド)構造のものがあります。また収録時間の拡大のため高密度層2層のデュアルレイヤーディスクと呼ばれるものもあります。SACDのデジタルデータはパソコンでは取り扱えません。
    楽器の(単)音は、基音と倍音と高調波等からなる複合音です。(倍音の基になる一番低い周波数が基音です)。楽器の音は(基音だけ聴くと低く感じますが)、倍音や高調波等の影響により基音より高い音に聞こえたり、独特の音色に聞こえたりします。音程が1オクターブ違うと周波数は2倍(または2分の1)の違いになります。(鍵盤図参照)
     
    注:現在音は鳴りません。新バージョンのInternet Explorer(IE)は、このサウンド演奏機能をサポートしなくなりましたので、FirefoxやSafariと同じように音は鳴りません。しばらくお待ちください。データ形式はmp3です。
     
      88鍵ピアノの最高音の(ド)C8の基音の周波数は約4.2KHZです。(A4を442HZくらいに設定すると、C4は約263HZ、C5は約525HZ、C6は約1050HZ、C7は約2.1KHZ、C8は4.2KHZくらいになります)。(上の音名「C8」をクリックすると、4.2KHZのサイン波音が2秒間鳴ります)。その(基音の)4倍の周波数で約16.8KHZです。人間には20KHZくらいまで聞こえる(人もいる)ということですから、高次倍音や高調波等の聴覚に及ぼす影響は大きく且つ繊細なものなのでしょう。(C9の基音8.4KHZのサイン波音も追加しました)。
     
    サンプリングされた信号の波形、サンプリングポイントの数
    16b(ビット)はビットレゾリューションで、細かくサンプリングした音の大きさ(音圧レベル)を、どこまで細かくデータ化(量子化)するのかという値です。8b、16b、20b、24b等の規格がありますが、音楽CD(CD-DA)で使われるのは16bです。ビット数が多いほど高音質になります。DVDオーディオでは20bや24bも使われているようです。
    2chステレオ(Stereo)は、左右2チャンネルに出力されることを表しています、Stereoの他にMono(モノ)があります。Monoは1チャンネルに出力されます。StereoのファイルサイズはMonoの2倍になります。
    終わり。
      このWAVEファイルを音楽CDにする場合は、そのままのデータ記録方式でCD−Rにコピーされるのではありません。音楽CDのデータはパソコンでは直接取り扱えない記録方式で記録されます。音楽CDに記録された内容を、パソコンで見ようとしても、記録した曲数だけの「cda」という拡張子の、小さなファイル(44バイト)だけしか見ることができません。(しかもCDの全ディスク容量は、0バイトと表示され、ディスクの残容量も0バイトと表示されます)。
      音楽CDはコピーしないことを前提に作られています。パソコンでは、音楽CDのデータは直接扱えないので、WAVEファイルとして取り出してから取り扱うことになります。また音楽CDを作る場合は、音楽CDの規格にあったWAVEファイルを用います。
     

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    音楽CDを作るために必要なディスク「CD-R」の容量は、74分とか80分とか時間で表示されています。音楽用のCD−R(Red Book仕様)以外にデーター記録用のCD−R(Yellow Book Mode1仕様)というものも売られていますが、中身は同じです。(ディスクの規格仕様について記述された部分は異なると思いますが)。80分表示の物が700MBの記録容量で、74分のものが650MBの記録容量のCD−Rです。
      音楽CDの品質では(上で示したように)1分当たり約10MBの容量ですから、80分用には(音楽CDとすれば、80分×約10MB/分=)約800MBの音響データが記録できることになります。音楽CDとすれば700MB用ディスクに約800MBの音響データが記録できることになります。記録できる容量が違うのは記録する方式が違うからです。音楽CDとデータ記録CDとではデータの取り扱われ方が違いますので、データ管理やエラー回避のための方法やそのために必要なディスクの領域も異なっています。(音楽CDは音(楽)を再生することが目的で、バックアップコピーはとらないで使用することを前提としています)。
      (デジタル)音響信号を音(楽)として再生するためだけではなく、デジタルデータとして利用するためにCDに記録する場合は、データ管理やエラー訂正(強化)のためのディスク領域が沢山必要になるため、80分用のディスクには、約700MBのデータ量しか記録することができません。
    データはCDに(データ管理やエラー回避等のため)小分けにして記録されます。音楽CDの場合、小分けする1桝(ブロック)のデータ量は規格(Red Book)で2352B(バイト)になっています。音楽CDにするにしてもデータCDにするにしても同じ基本規格のCDですから(1セクタは同じ大きさですから)1ブロックは(最大)2352Bです。一方(エラー訂正を強化した)データ記録用CD(Yellow Book Mode1)規格の場合は、データ管理とエラー訂正用に1ブロック2352Bのうち304Bが使われますので、1ブロックの記録容量は(2352−304=)2048Bになっています。CDの場合1ブロック1セクタです。
    80分(700MB)用CD−Rのデータ記録域には、360000セクターあります。
      音楽CDとする場合の記録容量は、360000セクタ×2352B/セクタ=846720000B=約807MBとなり、最大記録時間は、360000×2352÷(44100×16×2÷8b/B)=4800秒=80分となります。
      また80分用ディスクをデータCDとした場合の記録容量は、360000セクタ×2048B/セクタ=737280000B=720000KB=約703MBとなります。
      注:単位は省略表記。1024B=1kB、1024kB=1MBとしています。
    74分用CD−Rのデータ記録域のセクタ数は、333000です。
      音楽CDとする場合の記録容量は、333000セクタ×2352B/セクタ=783216000B=約747MBとなり、最大記録時間は、333000×2352÷(44100×16×2÷8b/B)=4440秒=74分となります。
      また74分用CD−RをデータCDとした場合の記録容量は、333000セクタ×2048B/セクタ=681984000B=666000KB=約650MBとなります。
      注:単位は省略表記。1024B=1kB、1024kB=1MBとしています。)
    終わり。
    音楽CDの規格では(1秒間に再生する信号量)ビットレートが決まっているので、再生時間の長さでディスク(CD−R)の消費容量が決まってしまいます。(1分約10MBです)。音楽CD形式とすれば最大約800MBのCD品質の音響データが、700MB表示のCDディスクに記録出来ますので、音楽CDとしてCD−Rに記録する方が容量的にはちょっと得ということになりますが、音楽CDは、データとして直接取り扱うことが出来ないだけでなく、エラーチェックやファイル管理のためのデータ(スペース)が十分でないので、データの保存管理には不適当です。
      音楽CDは規格が決められているので、品質(音質)を落としても(再生時間が同じなら)記録容量(ディスク消費量)を減らすことはできません。またCD品質以上のデータでも、音楽CD規格の品質に変更しないと音楽CDにすることができません。
      音楽CDとWAVファイルの音響データは(条件が同じなら)、可逆的に取り扱えるようですが、(データの管理方式が違うこともあり)機器のエラーやノイズのため正確にデータを取り出せない場合もあります。音楽CDはCDプレーヤーで再生するために作られるものです。
      データとして保存するのなら、品質と容量を勘案して(音楽CDとせず)、データとして取り扱えるファイル形式で、HDやCD、DVDに記録しておくのが良いと思います。
      話しが横道にそれましたが、音楽用CD−Rとデータ記録用CD−Rの違いは音楽用CD−Rには著作権料が含まれている点です。63分(550MB)というCD−Rもあったようです。
      音楽CD作成用ソフトの容量表示では、2〜3秒の曲間時間などの余分なデータが少し必要となりますが、1分当たり10.4MB位の容量(録音時間)表示となっているようです。(80分用CD−Rの場合)曲数が少ないと、800MBを少し超える楽曲が1枚の音楽CDに収まるようです。
      WAVファイルを音楽CDにせず、そのままWAVE形式の(無圧縮)データとしてCDに記録することもできます。WAVデータを記録したCDはデータディスクですからCDプレーヤーでは再生できませんが、パソコンのCDROMドライブにディスクを挿入すれば、(HDに記録された他の音響データと同じように)音楽再生ソフトを使って再生できます。
      品質の良い(アナログ)音源ならCD品質にとらわれないで、高音質のWAVEファイル形式でHDに録音し、(音楽を)楽しむのもいいかも知れません。(HDに記録した)WAVファイルを再生して音楽を聴くようにすれば、レコード溝や針も摩耗しないので、ちょっと気軽に(音質の良い)音楽が楽しめるのではないでしょうか。
    CD品質のWAVEファイルはファイルサイズが大きいので、携帯用のプレーヤーではデータを圧縮したファイル形式のものが使われます。MP3(MPEG−1 Audio Layer−V)という形式が、最も普及しているファイル形式だと思います。(MPEGは、エムペグと読みます)。人間の耳には聞こえない非常に高い周波数や低い周波数の音をカットすること等により、音質を余り劣化させることなくファイルサイズを小さくできるということです。
      CD品質のWAVEファイルをビットレート128kbpsのMP3に変換すると、ファイルサイズは、約1/11になります。(44.1kHz×16b×2ch÷128kbps=11、単位は省略表記)。(ステレオの場合、音楽CDのビットレートは(44.1k×16×2=)1411.2kbpsです。
      1GBのMP3プレーヤーには、1曲4分として(4分/曲×約10MB/分÷11=約3.6MB/曲になりますから)、250曲(3.6MB×250=900MB、4分×250=16時間40分)程度は十分記録できることになります。MP3が再生出来るCDプレーヤーもあるようです。
      MP3に変換してデータ容量の少なくなった楽曲を音楽CDにしても、曲の長さ(再生時間)は変わりませんから、音楽CDに記録できる曲数は、WAVファイルを音楽CDにした場合と変わりません。(MP3→WAVE→音楽CDの手順で変換記録されます)。(音楽CDにする場合は)80分用のCD−Rには最大80分ぶんの音響データしか記録できません。MP3データをWAVファイルに変換してもMP3品質(少し劣化している)が良くなるわけではなく、(無駄な)データ量が増えるだけですから、MP3を音楽CDに変換記録する意味は(全く、ほとんど)ありません。WAVEファイルを携帯プレーヤ用にMP3やWMA形式等に変換しても、(品質の良い)元データは残しておく方が良いでしょう。
      (ビットレート128kbpsの)MP3ファイル形式のデータは、80分(700MB)用のCD−Rには(データCDとして)、最大12時間48分再生できる長さの音響データが記録できる計算になりますが、WAVEファイルをMP3化してCD−Rに保存するメリットは無いように思います。
     計算:(80min×2048B/2352B×1411.2kbps/128kbps=768min)
      LPレコード1枚(33回転の場合)の再生時間は両面で普通40分〜50分位ですから、これをCD品質(44100Hz×16ビット×2ch)のWAVEファイル形式で録音すると、LP1枚当たり400〜500MBぐらいの容量になります。4.7GBのDVD1枚には、LPレコードが9〜10枚(CD1枚には1枚半)程度保存できることになります。
      パソコンで取り扱う音楽データはWAVE形式が基本ですから、デジタル化したLPレコード等の音楽データは(LPレコード等アナログデータと共に)、HDとDVDにWAVEファイル形式で保存するのが、一番良い方法ではないかと小生は思います。  (修正更新2008年9月22日)
     
    NEW:(追記2011年9月30日)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     MP3など音楽データのビットレートについて

     先日までMP3の標準的ビットレートは128kbpsだと思っていたのですが、メモリーカードの容量が増えたからでしょか192kbpsも良く使われるようになりました。320kbpsでもCD品質のWAVEファイルの1/4以下の容量ですから聞き比べてみる価値はありそうです。
     またMP3の他にAACという形式が多方面で使われるようになりました。AACには仕様(MPEG−2AAC、MPEG−4AAC)の異なるものや拡張されたものもあり、同じAACでもデータに互換性のないものがあります。拡張子も「mov、m2ts、m4a、m4b、m4p、mp4、3pg等」色々あります。デジタルオーディオプレーヤーにより優位の形式のものがあるようです。メーカーや機種により好ましい形式を選択することになるようですが、新機種のプレーヤでは多種の形式に対応しているようですので、比較検討してみるのも楽しいのではないでしょうか。
     またデータ変換(エンコード)する場合に、データの内容により高圧縮しても支障の無いところは圧縮率を上げ、そうでないところは圧縮率をさげる可変ビットレート形式でエンコードすることもできます。可変幅は大きくはないようですが、高サンプリングレートのWAVE形式から可変ビットレート形式でエンコードすれば、高音質で且つファイル容量を抑えたMP3やAAC形式のデータができるようです。MP3でもAACでも、よく使われる128kbps以上のビットレートの場合は音質に差は無いようです。
     この他にFLACやWMAという形式も一般に使われています。
     小生が昨年(2010年)2990円で購入したTranscendのMP330という携帯プレーヤーで再生できる形式は、MP3、FLAC、WMA、WMA−DRAM10となっています。FM放送も受信できて便利です。録音はWAVE形式(拡張子「wav」)ですがサンプリングレートが低いので音質はよくありません。 
    NEW:(追記2012年1月26日)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     古いCDプレーヤーとCD-Rメディアについて(CD-Rメディアは改良されています)

     以上のようにして記録したWAVEファイルを音源にして、(2001年〜2007年頃に)CD-RやCD-RWを使って作成した音楽CDには、音楽CDが普及し始めた頃発売された(今では古い)CDプレーヤーではうまく再生出来ない物が沢山ありました。古いCDプレヤーでは(発売当時CD-RやCD-RWは存在していなかったので)再生できなくても仕方ないものだと最近まで思っていました。作成した音楽CDはパソコンのCD-ROMや(比較的新しい製造年の)ラジカセでは問題なく再生できていましたのでそう考えるのが当然でした。
     小生の使っているCDプレーヤーは20年以上前(1990年製)のDENON DCD-1650Gです。650MB(データ用74分相当)のCD-R(太陽誘電That'sCD-R74TY 650MB)は問題なく再生できましたが、700MB(データ用80分相当)のCD-R(太陽誘電That'sCDR・Memorex・他メーカ)の殆んどは再生に難がありました。(当時は、ディスク容量の違いにより再生に難があると、はっきりと認識していたのではなく、後日の確認です)。再生に難のあるCD-Rでもトレーへの置き方を(僅か)変えることによって正常に再生できることもありましたが、正常状態とは言えませんし使い難いものでした。CD-Rで作成した音楽CDは、レーザーの反射率や反射力に問題があったのでしょうか。新しい規格の700MB(80分相当)のCD−Rに問題が多かったことから考えて、書き込みドライヴの性能やCD-Rメディアの品質が新規格ギリギリで精度に余裕がなかったため、古い規格に沿って製作されたCDプレーヤーの性能では適正に読み取れなかったからなのでしょうか。
      新規格ギリギリのCD-Rメディア×新規格ギリギリの古いCDプレーヤー=NG
     そこで、SACDやWAVEファイルの再生できるCDプレーヤーへの買い替えを検討していましたが、先日新しい発見がありこの買い替えを中止しました。
      新規格に余裕のあるCD-Rメディア×新規格ギリギリの古いCDプレーヤー=OK
     昨年(2011年)購入した700MB(データ用)のCD-R(三菱化学、マクセル)で、試しに作成した音楽CDは何の問題もなくその古いCDプレーヤーで再生できることを発見しました。
     そこで再生に難のあったCD-Rの元データのWAVEファイルを十数枚新しいCD-Rメディアで音楽CDに焼いてみましたが、今のところ95%ぐらいは古いCDプレーヤーで正常に再生できています。(残り5%も工夫すれば正常に再生出来る場合があります)。試しに残っていた古いCD-Rメディア(太陽誘電That'sCDR CDR-80WTY 700MB)を同じドライブで焼いてみましたが、(どうしても)正常に再生できませんでした。CD-RWは試していませんが、メディアの改良が相当進んでいるようです。
     CD-Rで作成した音楽CDの再生には難のあるCDプレーヤーをご使用の方で、買い替えを検討しておられる方は、新しいCD-Rメディアを使用して再度音楽CDを作成して試聴していただき、買い替えを再検討していただきたく思い、この項を追記しました。
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  • 補足事項
      サウンドカードのラインアウト(LINE OUT)端子や、オーディオキャプチャー機の出力(OUTPUT)端子が、パソコンの(デジタル)音楽データを、ステレオ装置等で再生するための(アナログ)出力端子です。この端子とステレオ再生装置(テープレコーダー等の録音できる機器を再生するため)のPLAY端子(PB端子、MONITOR端子等)に接続します。他のFMチューナー端子やAUX端子に接続しても再生できますが、録音できる機器のREC端子を使用する場合には、決してそれらの端子に接続してはいけません。
      しかし録音できる機器の場合でも、ステレオ再生装置(アンプ)のREC端子に接続しない場合には、その再生(LINE OUT)出力は、アンプのAUX端子やTUNER端子等に接続してもかまいません。
      その理由は、ステレオ再生装置のスイッチ操作の誤りにより、録音できるタイプの機器の出力端子と入力端子が、短絡される可能性があるからです。入力端子と出力端子が短絡されるということは、増幅された出力信号が、再び自分自身に入力され増幅されて出力されるということです。制御できない(発振)状態となり、大きな異常音を発すると思います(記憶にはありませんが)。マイクがスピーカーの音を拾ってハウリングを起こす場合と似ていますが、こちらの場合は電気回路内での短絡発振ですから、もっとひどいことになると思います。機器が破損する場合もあるのではないでしょうか。安全装置があるかも知れませんし、そうならないかも知れませんが、切り替えスイッチ位置により正常に作動しない場合があることには違いありませんから、注意して接続して下さい。
      ステレオアンプでは(下図の様に)、録音できる機器の入出力回路は、自分の出力は自分自身には入力できないようになっています。REC端子に接続する機器の出力端子は、それと対になっている再生端子(PLAY端子、PB端子、MONITOR端子)に接続してください。
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     下図回路図のPHONO入力端子やTAPE入力(MONITOR/PLAY)端子から、録音出力(REC.OUT)端子やプリアンプへの出力(OUTPUT)端子まで、スイッチ回路がどの様になっているか、配線図を追ってみてください。
    プリアンプの録音入出力端子とAUX端子の違い
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  • LPレコードのジャケットについて
      LPレコードは音楽だけではなく、ジャケットにもすばらしいものがあります。歌詞カードにも凝ったものがあります。ジャケットを見れば、だいたい何という曲が録音されているのかが分かります。眺めているだけで楽しくなるレコードジャケットが多いです。
      CDを作成した場合には、CDジャケットも工夫して作ってみて下さい。絵画作成ソフトを使えば画材がなくてもパソコンで絵が描けます。作成した絵の消去や複写も簡単です。
      印刷物等の複写(撮影)には、スキャナーかカメラを使うことになります。どちらを使うかは対象物の大きさや形状だけでなく対象物の反射性等も考慮しないと上手く複写(撮影)できません。また美麗に印刷するため(とデータ管理のため)には適正な取り込みドット数(画素数)にも注意が必要です。パソコンのディスプレーで見る場合と印刷物として見る場合の適正なドット数は異なります。(印刷物の方が精細に表示出来ます)。
      通常画像データは圧縮して使用します。画像の圧縮率は(美麗な画像を少ないデータ量で表現するため)非常に重要です。画像データの全ドット(ピクセル)数とインチ当たりのドット数(dpi)に注意して作業(取り込み・編集・印刷)してください。(1インチ=25.4mm)。
     
    NEW:(追記2011年 9月30日)(修正2011年11月 7日)−−−−−−−−−−−
     レコードジャケットの画像をパソコン(PC)に取り込むには、デジタルカメラかスキャナーが必要です。カメラの方が簡単ですが、カメラは照明に気をつけなければいけません(フラッシュを使用すると強い反射光が出るのでまずいです)し、レンズの画像歪みの処理が必要になる場合がありますので、スキャナーを使う場合の説明をします。
    @スキャナーで取り込む場合について。
     形状寸法が正確に歪みなく取り込めるので、分割取り込みでも合成が簡単にできる。
     合成は画像修正ソフで、明暗を調整すれば接続部分は(概ね)判らなくなります。
    ACD用ジャッケットに(縮小印刷)する場合、取り込みドット数は(120dpi以上)150dpi程度でよい。ジャケットの一部分を(拡大)使用することも考えて、200dpiぐらいでスキャンしておくのが(データ容量もそれほど大きくなく)良いのではないかと思う。保存は高画質(低圧縮)で保存する。
     (写真画像データは240〜300dpi程度で美麗に印刷できる。CDジャケット1辺120mm、LPジャケット1辺300mmとして)。
     (120mm÷300mm)×300dpi=120dpi<150dpi
     等倍印刷の予定があれば(データ容量は大きいが)300dpiで取り込む。
    B画像保存形式は、JPEG(JPG)形式とし高品質(低圧縮)で保存する。(最高画質でなくても良い)。
     使用する画像編集ソフトにもよるが、圧縮率が高くなると特に赤色の劣化(汚れ)が目立つようになります。
     画像を合成加工した場合は別の名前で保存し、スキャンした元データは書き換えないようにする。加工して保存した画像データは再読み込みして画像の品質(劣化度合い)を確認しておく必要がある。(劣化した画像を高品質(低圧縮)で保存しても(意味の無い無駄なデータが増えるだけで)品質は良くなりません)。
     合成した複数画像や曲名・歌詞等の文字情報を後々に再編集する可能性のある場合は(データ容量は大きくなりますが)、複数のレーヤーとして透明色データが記録できる「フォトショップ形式」(PSD)で保存する。
    CLPジャケットに金・銀色などの強反射色が使われている場合はカメラが必要です。
     鏡のような反射率の高いものはスキャナーでは適正に取り込めません。金箔色は金色には美しく取り込めません。ユーミンのLPノーサイドのジャケットで気付きました。
     カメラを使用する場合フラッシュは焚かないで被写体に均一な照明光を当てるようにする。三脚を立てカメラのファインダーから色調を確認して撮影する。広角レンズは画像歪みが出るので標準レンズが良い。
     
    松任谷由実「ノーサイド」LPジャケット取り込み画像(部分)
    高反射画像はスキャナーで取り込めない 高反射画像はスキャナーで取り込めない 高反射画像はカメラで撮影してください
    スキャナー取り込み 2003年
    Sharp-JX250 1997年購入
    スキャナー取り込み 2011年
    Epson-PX503A 2010年購入
    カメラ撮影 2007年
    Nikon-D200 2007年購入
     
    Dカメラの画素数は、CDジャケット用に縮小印刷するとして、400万画素以上とし低圧縮で保存する。多少トリミングすることを考えて600万画素程度で撮っておけばよいと思う。ジャケット全体だけでなく、部分的に印刷使用する範囲だけを部分的に撮影しておくとカメラの画素が無駄にならない。トリミングは極力少なくなるよう考えて撮影する。
     (300mm×1.2÷25.4mm/inch)×(120dpi)=1700d←縦方向の最低取り込みドット数。
     (300mm×1.2÷25.4mm/inch)×(120dpi)×(4/3カメラの撮像素子縦横比)=2270d
     カメラの必要画素数は、(1700d×2270d)=3,900,000pixel<400万画素
    E曲名や歌詞は後で画像編集時に適当な大きさで文字入力し合成する。
    Fプリンターの(カタログ)表示ドット数について
     プリンター(カタログ)の横方向の表示ドット数(dpi)は、単色ノズルの単位長(1インチ)当たりの噴射回数に色数を乗じた数値を表示しているので、インク色数が多くなればドット数は大きく表示されます。(メーカーに確認したものではありません)。 各色噴霧ノズルは横に並んでいるので(想像)、単色ノズルの単位長(1インチ)当たりの噴射回数に(一列に並んだ)ノズルの数を乗じた値数が、横方向の単位長(1インチ)当たりの全ドット数(dpi)となるからです。
     液晶ディスプレーの表示方とは異なり、プリンターのドット(1点)は単色でフルカラーではありません。プリンターの1ドットは単色のドットです。
     従って実質的なプリンターの横方向の(フルカラー)印刷ドット数は、カタログ表示ドット数を(一列に並んだノズルの)インク色数で除した数値になるものと思います。
     またプリンターはインク色数が多いから、精細表示できるのではありません。精細表示のためには単位長当たりのインク噴射回数(dpi)を多くしなければなりません。インク噴射回数を多くし、一回当たりの噴霧量を少なくする必要があります。ノズル(印字ヘッド)の移動速度を落として単位長当たりの噴射回数だけを多くすると印刷に時間がかかることになります。機械的に移動している印字ヘッドのスピードをさらに高速にしないと、高速・高品質の印刷ができません。ノズルのインク詰まりだけでなく、印字ヘッドの摩耗も無視できません。マルチヘッド(マルチ単色ノズル)とすれば継ぎ目が問題になるのでしょう。
     インクジェットプリンターの場合、機械的に同じ位置には(単色の)1個のノズルしか設置できませんので、色数が多くなると各ノズルの噴射タイミングに微妙なコントロールが必要になるかも知れません。4色以上にインク数を増やすのは色調をコントロールし易くするためです。あまりインク色数を多くすると逆効果になるかも知れません。
     縦方向の表示ドット数(dpi)は紙送りスピードを落とせば大きくなります。横方向と同じ程度の印刷精細度とするのが合理的ですが、精細表示のため横方向のドット数より大きな数値に設定されている場合もあります。
     インクジェットプリンターでは、噴射された各色の噴霧液が空中で混合し(想像)さらに紙に浸透する間に混ざり合い(想像)ながら乾燥し、なめらかな濃淡変化や色調変化のある自然な感じの印刷となるのでしょう。インクジェットプリンターの印刷物は単なる(デジタル)ドットの集合体ではありません。インクジェット印刷はノズルから噴射された噴霧インク同志のアナログ的融合体が織りなす表象表現物なのです。インクなら何でもOKというわけにはいきません。
     インクジェットプリンターは液体インクアナログ混合プリンターです。(表示ドット数の少ない)昇華型プリンターの(グラデーションなど色変化の多い)印刷物をみれば印刷物としての美麗さは表示(デジタル)ドット数だけではないことがよく分かります。レーザープリンターは色ドットの混ざり合いという点では前二者に少し劣るのではないでしょうか。しかしインクが紙に浸透していくということは滲んでいくということですから輪郭がぼやけるという事になります。くっきりとした輪郭の文字印刷や楽譜印刷などはレーザープリンターの方が綺麗に印刷できるでしょう。プリンターは(デジタル)ドット数の多少だけで選ばない方が良いように思います。
     超高品質写真印刷以外のカラー印刷には(写真印刷の場合でも)4色(顔料)インクジェットプリンター(4色×300dpi=1200プリンター表示dpi)で実用上充分な場合が多いのではないでしょうか。水に溶ける染料インクの方が混合という点では顔料インクより有利かも知れませんが、顔料インクには(液浸透性の高い)普通紙にもある程度の美麗さの印刷ができる、濡れても滲みにくいなど良い点もあります。
     テレビより高精細表示のできるパソコン用液晶ディスプレーの表示が80〜100dpiであることに比べれば印刷物の方が遥かに精細に表示できるので、美麗で且つ効率的な印刷物作成のための画像取り込みデータや加工データの品質は(ディスプレーでは確認できないので)、事前にプリンターで印刷確認しておくことが必要と思います。
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      音も絵もデジタルデータとすればパソコンで取り扱うことが出来ます。パソコンでは沢山のことが短かい時間で出来ます。
      印刷物の複写や写真の加工印刷についてももっとお話ししたいと思っています。では次にお話しできる日まで失礼します。
    (著作権にご留意下さい)。
    制作 マンション設備@M、三国丘CRC 秋山
    追記更新 2008年5月13日
    最新微修正追記 2012年1月26日


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