できるだけ日刊的生活
日々思うこと、いろいろを思いつくまま・・・

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14  1999.11.6  今どきのお別れ会

 突然、長男が言った。
「お母さん、明日お別れ会があってプレゼント買わなきゃイケナイからお金ちょうだい」
 ナニ? また? 長男はいつも重要な連絡事項をいきなり思い出す、困ったヤツである。それも夜寝る前とか、当日の朝とか。家にないものを用意しなければならないときなど、買い物の都合もあるのだから勘弁してよ、と思う。
 最近では、図工の時間にノコギリを持って来いとかニッパーを持って来いとか・・・どうしてそこまで家庭で準備しなきゃならない?と思うような道具類の多さには唖然とする。そして頭に来る。私の父は大工だが、小学生のときにノコギリを持たされた記憶はない。

 話がそれた。お別れ会である。
 初めてその連絡を受けたとき、「絵を描いてあげたり、お手紙とかじゃいけないの?」と聞き返したら「何か買ったモノじゃなきゃ、ダメなんだよー」と言うではないか。どうも、お別れする子の親が100円程度の文房具などをクラス全員にプレゼントしていくので、それと同程度のものをお返し(というかこの場合逆だよね?)しようという学校側の方針のようである。

 ん?じゃ、ナニか?転校するときは、必ず何か「お世話になりました」的なものを配らなきゃならない決まりなの? それナシでお餞別もらっちゃったら、どうなるの?「お別れ会なのでプレゼントを用意しましょう」という連絡は先生がするとしても、転校する子の親に「お別れ会なのでクラスの人数分、何か用意してください」とは言わないだろうな、いくらなんでも。

 あまのじゃくに、そんなことを考えてしまう私。それって今や世間の常識なんだろうか? 転校のあいさつはその家庭の気持ちであって、例えばいじめられっ子だったりしたら、紙切れ1枚だってやりたくないと思う。それとも私はただのケチなのかなあ。

 あいにく、その日は買い物に行かせる時間が無くて、もちろん私もわざわざそのために出かける気にもなれず、家にあるもので済ませることにした。私の引き出しには、何かしら小物やノートの買い置きがある。この時も、大学ノート1冊に未使用のウルトラマンのハンカチを付けてラッピングして持たせることにした。何事も見た目にこだわる長男は、プレゼントっぽく包まれたありあわせの品を見て嬉しそうにランドセルにしまい込んでいた。

 翌日、帰ってきた長男が「お母さんにコレあげる」と小さな紙袋を持って来た。中にはとても4年生の男の子が使うとは思えないようなクマちゃんを刺繍したタオル地のハンカチが1枚。はっきり言って私の趣味でもなかったが、とりあえず受け取っておいた。

 何か腑に落ちない・・・やっぱり私って、ただのケチ?

 

13  1999.11.5  栗むし事件

 昨日のことで思い出してしまったので書く。栗蒸しようかんのことではない。

 オットの実家は、秋田県の自然に囲まれたところにある。すぐ裏には山菜が山ほど採れる場所があるし、家の前に流れている沢では岩魚が釣れる。住んでいる人達はそれぞれ自分の山を持っている(とても安いそうだが山の値段の相場など、想像もつかない)。義父は山仕事が好きで、その年齢では信じられないほど毎日よく働き、色々な山の恵みを採って帰る。

 ある時、栗をもらった。とても食べきれないほどの量で、早速、幼稚園仲間のお母さんたちにおすそわけした。
 つやつやとした美味しそうな山栗で、我が家ではよく焼いて食べる。途中ではじけたりして手間はかかるが、味が濃くて美味しい。
 これは栗に対する思い入れの強いオットの意見で、もちろん焼くのもオットの役目である(手を出させない、というのが、かなり正確)。
 少し外が冷え込んできた秋の夜長、あたたかい部屋で食べる焼き栗は最高の楽しみであった。

 事件は翌朝から始まった。キッチンで物音。カサリ、カサリ、と何かがこすれるような音。あまり気にも止めずにいたが、キッチンで発見された生き物によって事態は一変した。
 そいつは、まるでカブトムシの幼虫を小型にしたような感じで、のた、のた、と床の上にいた。1センチ、あるかないか。カブトムシの幼虫を知っている私には、そいつがカブトムシでないことがすぐにわかった。このくらいの大きさの時、カブトムシは半透明のやわらかい体をしている。白くなるのはもっと大きくなってからのはずだ。
 はっとして、さっきの音を思い浮かべる。キッチンのワゴンの、栗を入れた袋を置いた場所へときびすを返す。ああ!やっぱり。そこには、あたたかさのせいか栗から這い出てきた虫がいた。数は言いたくない。袋の中や、脱出して床にダイビングしたのや・・・。あの音はコイツらが袋の中で動いていた音だったのだ。

 どうやってそこを片付けたかは記憶が拒否して思い出せないが、さすがにゴミ箱は抵抗があって、ベランダから逃がしてやったような気がする。
 栗をあげたお母さん達に聞いてみたら「出たわよ」と低い声で一言だけ言われた。やはりその後の記憶は、ない。

 子供達と「栗虫、栗虫」と呼んでいたが、図鑑で調べたらゾウ虫という甲虫の仲間の幼虫であると判明した。

 カブトムシだったら喜ばれたろうに、残念である。

 

  

12  1999.11.4  朝の事件簿

 今朝も、早く起きて昨夜のうちに回れなかったお気に入りのHPを見るつもりで目覚まし時計をちょっと早くセットしていた。
 最近は自分のHP管理にあたふたしているので、どうも他を見る時間がない。夜のテレホタイムは「卯的生活」をUPしたり書き換えたページを転送して確認したりで終わってしまう。
 どうも日付が変わると起きていることがつらくていけない。その時は良くても、朝起きられないし、体が重くてキーボードもミスばかり。家庭に入って規則正しい生活をしなければならなくなってから、すっかり朝型生活が刻み込まれてしまったようだ。

 さて、そろそろ起きようかな・・・と思っているとなぜか目を覚ましたオットが「何だこれは!」と怒っている。どうも半分開いた寝室のドアから台所の明かりが漏れているようである。
 昨日、一番遅く寝たのは私。でもしっかり確認して布団に入った記憶は確かだ。誰かがトイレに起きて、そのときに電気をつけっぱなしにしたようなのだが、そんなに朝から怒ることでもないんじゃないかな。第一、犯人の可能性が一番強いのは、怒りまくっているオット本人であることを私は知っている。なぜって?それは経験上。
 オットはぶつくさ言いながら電気を消すと「まったくこんな時間に」と言い捨ててまた布団にもぐった。寝ぼけていたのかもしれない。

 何だか起きにくくなってしまった。彼が完全に眠ってから起きようと、じっと息を殺して待った。ああ、こんなに気を遣うなんて、私、そんなに悪いことしてるんだろうか・・・

 どうにか無事、早朝ネットタイムを終えて朝食の支度のためにキッチンに立った。冷蔵庫から白菜を取り出し、葉を1枚めくろうとしたら、何だか妙なものが。葉の裏側の一部分だけが盛り上がり、赤っぽい色が透けて見える。そーっと内側をのぞいて見ると、大きなミミズが!小指ほどの太さのミミズが、冷蔵庫で仮死状態になっている!

 いくら私でもこんな大きなミミズはお手上げである。そのまま白菜を新聞紙に包み、ポリ袋に入れて口をしっかりしばり、ミミズが息を吹き返さないようにまた冷蔵庫へ。そして起きてきたオットに「すごく大きなミミズが白菜の中に!」と訴えた。その場で開けて見ようとするオットをベランダへ送り出し、私は窓越しに様子をうかがう。

 ・・・ぽろり、と出てきたのは赤唐辛子。まめなオットが白菜が傷まないようにと、葉の間に挟んでおいたのだという。ああ、全身から力が抜けた。
 私も寝ぼけていたのかなあ・・・・・・

     

11  1999.11.3  何てユーイギな休日

 週の真ん中にぽかっとある休日、みなさんいかがお過ごしでした?
 週にたった1日しかない休日を待ちかねてどこかへ出かける「とにかく行動派」の家がある。感心してしまうし、うらやましい。

 我が家は休日と言えば「とにかくゴロゴロ派」のオットがひたすら寝ている。出かけるのは食料品や日用雑貨の買い物くらい。お決まりの買い物を済ませたらそそくさと帰宅して風呂に入り、晩酌してテレビを見ている。あまりいつもと変わらない。

 しかし、今日のようなイレギュラーにぽこんと出てきた休日は曲者である。オットは始終寝ているほどは疲れてはいない。かといって、どこかに出かけるあてもない。その時のオットはいつもと違っていて、ギラッ!と鋭くエモノを探すかのような目をしている。

 やおら雑巾とバケツをつかんだオットは、目をつけた場所をてきぱきと片付けていく。その手際はさすがとしか言いようがない。立場のない私がウロウロしていようものなら「ちょっと!」とどかされる。仕方なく私は他の場所をいじってみたり、片付けているふりをしてオットの様子をうかがっている。

 オットは何だかいきいきとしている。いつも偉そうな口をきいている私だが、このときばかりは立場ナシ。隅っこで小さくなって、様子をうかがい、ひたすらオットのペースにあわせているのだ。

 家事の上手い、下手は性別じゃないな、と思う。きっと性格による。私のような、とにかくラクして少しでも好きなことをする時間が欲しいというタイプは、家事という事柄に興味を持てれば、ものすごく色々やるはずである。しかしそうでない場合は、ぐうたらな単なるナマケモノでしかない。
 家事に興味があって、他の趣味と同じくらいに家のことをやるのが好きなら、それは良く出来た働き者。Macをいじったり鳥やカメと過ごすのがとにかく好きなのは、遊んでばかりのどうしようもないヤツか・・・。困ったモノだ。

 一仕事終えたオットは休む様子もなく次のターゲットを探している。私はひやひやと生きた心地がしない。「毎日何やってるんだ!」と声に出しては言われないけれど、その行動が私を責めるには十分なのである。そう、私は気が小さい。働き者で何にでも手際の良いオットに比べ、私には何も取り柄と言えるものがない。役に立たない。そんな引け目をいつも感じている。

 でも反省が形にならないのが私である。オットのギラギラ光線がぱたりと途絶えると、ほっとして「ねえねえ、どこに買い物行く?」なんて言っている。

 オットのおかげであちこちが片付き、きれいになって、何と有意義な休日であったことか。一日が終わって、私はとにかくホッとしている。

   

10   1999.11.2  ほのかな想い

 次男は幼稚園児だが、もうネットの味を占めている。今どき、小さな子供にだってコンピューターはいじれるようだが、早い!我が家においては早過ぎる。パソコンは母の聖域、仕事の場、憩いの場、決して子供に取られてはならないと思ってきた。しかし私は次男には弱い。

 彼はこっそりと早朝ネットを楽しむ母の傍らにいつのまにか起きてきて、Macと私の間に体を滑り込ませる。そして生意気にも、「あそこへいきたい」とか「これオモイんじゃない?」とか、さらりとネット用語を口にする。しかし彼もやはり子供で、見たいのはポケモンや遊戯王、任天堂のHPとカワイイものだ。

 そんな次男のお気に入りは、飼鳥のサイトとしては有名なCooさんのHP。可愛いオリジナルの鳥をあしらったゲームや漫画が大好きで、私がネットをしているとわかると必ずリクエストしてくる。そして飽きもせず、毎回同じゲームを本当に楽しそうにやっている。

 今朝も、ちょっとテレホタイムの間に見たいところがあってネットにつないだら、登園前の次男が「くーさんのところにいく!」とやって来た。仕方ないなあ。結局彼にMacを取られてしまい、貴重な時間は終わった。

 いつもならそれで終わりなのだけど、今日はメモ用紙を取り出してきて「くーさんにおてがみかくの」と言う。まだきちんと書けず、ひらがなのお手本を見ながら、左右逆の鏡字になりながらも、真剣である。

 ふーん、6歳の初恋かあ。おかしくはないかもね。相手がCooさんとはなかなかセンスがいいじゃない!などと勝手にあれこれ思いながら、書き終えた手紙を預かった。
「くーさんに、おくっておいてね」と彼は得意顔である。

 手紙を書いたことですっかり満足し、おとなしく朝の用意をしていた次男が思い出したようにこう言った。

「ねえ、くーさんっておとこ?」

 母がっくり。

9   1999.11.1  どうしてこんなに!

 クサガメ、キー坊の濾過装置の命とも言えるエアポンプがいかれたらしい。濾過装置の水流がいつもと違って勢いがない。愛用している濾過装置は出水口から水が打たせ湯のように出ているのだが、ジョボッ、ジョボッと頼りない。
 何年も前に金魚を飼っていたときの、一番安くて小さいタイプだったから、いつかは来るな、と思っていたのであきらめも早く、新しいのを買うことにした。

 カメを飼うようになってから意外にも色々な装備が必要で、かなりペットショップやホームセンターを渡り歩いた。そのときに気がついたのだが、同じ製品でもペット用品ほど店によって値段が違うものも珍しいということだ。

 だから私は自分なりの調査で、いつもの餌はこの店、濾過装置などの機械系はあっちの店と、モノによって購入する店を変えていた。
 今回、ショップと機械系の安い店を見比べて「やっぱり機械系はこっち」と納得した上でエアポンプを購入した。以前のものよりも少しパワーアップしたワンクラス上のもので、まあこんなもんだろうな、と確信して。

 しかし!次に餌を買いに行った違う店で、同じモノが200円も安く売っているのを見てしまったときはショックであった。
 まったく主婦は、100円200円にこだわって・・・と思われるかも知れない。でもね、1080円と880円だったら、あなたはどちらを選びます? 安いからって別に中古でも「少々難あり」でもなくて、さらにはセール期間でもない、その安い値段が店の定価だとしたら・・・?

 私はカメ用品を求め歩くようになって、おっ、私もなかなかの買い物上手じゃん!とちょっと得意になっていた。やはりカメを飼っている近所の友人に「どこで餌買ってるの?えっ!こっちの方が安いのにぃ〜」と、教えてあげられることがちょっと嬉しかった。それが今度は伸びに伸びた鼻っ柱をばっきりと根本から折られたようなショックだったのだ。

 まあ、たった200円で何をそこまで。私もそう思うよ。そのくらいで得意になったりどん底に落ち込んだり・・・
 運転手にかり出されるオットは「幸せで、いいねえ」としみじみつぶやくのだった。

 でもね、どうしてこんなにも値段が違うんだろう? 誰か教えて!(まだこだわってるぅ〜〜〜)

8   1999.10.31  オトコのキモチ

 ウチには男が3人いる。モスラもオスで、ずっと私はひとり寂しく女だったのだが、最近やっとカックやルギア、キー坊が来てつり合いがとれてきた。女系家族だった私も、オトコだらけの生活にすっかり慣れてしまったのだが。

 ある日小学生になったばかりの長男が言った。
「お母さん、ボクもトランクスにしたい」
 なになに、トランクス?
 聞けばクラスの男子のほとんどはブリーフではなくトランクスを履いているのだという。身体測定があったわけでもないのに、なぜそんなことがわかるのかと聞くと
「トイレの時とかさ、ちらっと見えるんだもん。ボク、パンツじゃヤだ」
 え?イヤだって?せっかくポケモンのキャラクター付きのを履かせてるのに!決して安いモノではないんだぞ!

 同じ年の男の子を持つ友人に電話で話したら、やはりその子も既にトランクス派であるという。
「ちょっと高いけどブリーフより長持ちしていいよー」
 ふんふん。確かにブリーフは新品でも洗濯するとすぐに縮んでおへそが出る。型くずれする。オットに聞いて初めて知ったのだが、あの複雑な重ね合った部分にかなりゴミが溜まるのである!それをちまちま取ることは確かに気持ちのいい作業ではない。

 思い切ってトランクスを買いに行くと、子供なのに1枚1000円もしてビックリした。友達同士で柄の自慢をしたりするそうで、ちんちくりんなモノは買えない。まったくお金がかかるものだな、と渋々買うと、まだ幼稚園児の次男までが「ボクも同じの!」とごねる。物心ついた兄弟は、本当に面倒で、我が家ではどちらかだけにモノを買い与えてはいけないオキテになっている。まるで双子がいるかのように、同じ柄、同じモノを用意しなければ大変なことになるのだ。

 しかたなく次男にも買う。キャラクターものだがちょっと流行遅れなので見切り価格になったものを探し当ててホッとする。小さいサイズがないのでお兄ちゃんと同じサイズではあるが、体の大きな次男にはあまり関係ないようだ。しかし幼稚園の制服の半ズボンからはみ出たりする。やっぱりちょっと大きいかな。

 そんな経緯で、生意気にも息子二人はトランクス派になって久しい。なかなか可愛いと思う。そこでオットにも勧めてみるのだが、オットは絶対ブリーフでなければダメだと言う。収まりが悪いとか何とか、私には実感できない理由を並べて説明するのだが、そんなものかな?と説得力がない。

 女の私の目から見ると、あまりブリーフ姿は格好いいとは思えない。誰に見せるワケでもないから、と言うのだが、洗濯して干す身としては何だか恥ずかしい。独身生活が長かったオットは今でも自分で下着を買うので、たまにブルーのタオル地なんかのを履いているとウワッ!と投げ出したくなってしまうのだ。まあ、私個人の好みだけどね。

 しかしこの夏異変は訪れた!あのオットがトランクスにしてみようかな、と言い出したのだ。どうもあまりの暑さに音をあげたようなのだが、ホントはちらちらと子供達を見ていて、うらやましかったのではないかと思う。

 ベランダに揺れるトランクス3枚は何だか平和の象徴のようである。オトコのキモチ、ホントのところはわからないけれどね。