ーバイオリンに励んでますー          
  中学までの「音楽」の授業以外、まるっきり「音楽」に接点のなかった私が、
 三十ウン歳にしてバイオリンに挑戦!
 音楽的知識も経験もないし、練習時間をひねり出すにもひと苦労。
 でも、バイオリンを弾いているときは、とっても楽しいです。   
(新しい書き込みは、末尾になっています。)
                                    
        
      

   3980円のバイオリンを見つけたこと

        クラシックのCDをたくさん聴くようになって、何だか自分もバイオリンを弾いて
       みたくなってしまいました。
        楽器を弾く人をみて、「楽器が弾けるっていいなー」ってうらやましくも思っていました。

        で、気がついたんです。それなら、自分でやっちゃおうって。
        我ながら大胆かなーとも思ったけど、通販会社の即売会で3980円というバイオリンを
       見つけたことで、大きな一歩が踏み出せました。
        楽器本体だけでなく、弓も、弦も、松脂(音を出すために弓の毛につける必要が
       あります)も、そしてケースまでついて、たったの3980円! 
        やっぱり、海のものとも山のものともつかない(?)自分に何万も出す勇気は
       なかなかないけど、3980円だったら、「ちょっとやってみようかな」って、とっても
       お気軽モードでした。これが
1997年1月のことです。


       レッスンに通ったけれど

        3980円のバイオリンを抱えて、私は早速ご近所のバイオリン教室へ通うように
       なりました。
        ところが・・・、どうも先生は私のバイオリンがお気に召さないらしい・・・
        この先生、事前にお話を伺ったところでは、「自分で楽器は調達してくるように」って
       ことだったんですけど。
        どうも、私の楽器はコマの角度が悪く、右手の弓を持つ手の角度とか、ポーズを
       取らせにくいらしい。調整も悪いようで、レッスン中、何度調弦しても、どんどんどん
       どん音が狂ってくる。ド素人の私は気がつかなくても、先生にはとても不快なことだった
       ようです。(このあと、私は楽器を買い換えたんですが、そのときの先生の嬉しそうな
       ことといったら、もう!)
        でも、私には楽しさ一杯、夢一杯のレッスンでした。
        楽器を演奏することが私の人生にあるなんて、思ってもみませんでした。初めのうちは、
       易しいから教本もどんどん進んでいくし、自分にしたら3980円のバイオリンでも、やっぱり
       バイオリンはバイオリン! 自分の奏でるバイオリンの音に酔いしれておりました。


       新しい楽器の購入

        楽しく始めたバイオリンのレッスンですが、先生の「この楽器ではねぇ・・」、「この楽器
       ではねぇ・・」の不愉快なお顔に、1997年4月、ついに楽器の買い換えを決意しました。
              (習い始めて2カ月余り・・・)
        でも、内心はちょっと不満でした。自分は気持ちよく弾いていたわけだから。
        それに、「大草原の小さな家」の父さんの楽器は決して高価なはずないけど、あんなに
       楽しそうじゃないか・・・なんて生意気なことも思っていました。
゛        だけど、毎日自分の耳に入るものだから、客観的にはそんなにひどい音で弾いている
       のかと思うと、それも淋しい気がして、バイオリンを買い換えることにしたのです。
         結局、バイオリンを弾く友人に、彼女がお世話になっている店に連れていってもらい、今の
       楽器を購入しました。楽器15万余り、弓10万でした。
         で、レッスンはどうしたかというと、その新しい楽器で約1カ月半通ったものの、最初の
       楽器のことでもめたこともあって、何となく気分が盛り下がり、ほかの事情もちょっとあったのを
       いいことに、6月の初めに教室はやめてしまいました。
         わずか5カ月しかレッスンを受けていないものだから、そうそう 自分で弾けるわけもなく、
       せっかく買った新しい楽器もケースの中にしまわれたままの状態でした。
         

         ※楽器の値段に対して2/3の値段の弓って、相当に高い割合かと思います。
             まず楽器を決めて、その楽器に合う弓を数本の弾き比べを友人や楽器店の人に
             してもらったところ、この値段のものになってしまいました。  



       引っ越しと新しいバイオリン教室

         1998年4月に私は引っ越しをしました。
         そしたら、またご近所にバイオリン教室があったのです! これぞ運命の出会い!
         4月末に引っ越して、5月に教室を見つけて、すぐまた
6月から教えていただくことに
        なりました。今度の先生は、バイオリンを弾くという行為を除いても相性がよかったの
        かもしれません。2年半たった今も、同じ先生に教えていただいています。(今度は、先生が
        教室の場所を移したので、私は遠くまで通うようになりましたが。)

   
       スケール練習

        これまでで、一番たくさん弾いているメロディは、スケール(音階)に間違いないです。
        スケール練習は、どんなに上手な人も必ずやると言われていますが、どうしても変化が
       ないから、退屈で、少々ないがしろにしてきました。
        ♪レミファソラシド・・と上がったり下がったり、♪レレミミファファソソと数を違えてやる
       だけ(と思っていた)。やっぱり曲をやったほうが楽しい。
        それでも必要だと言われる理由を、私は音程の確認のためだとずっと思っていました。
        でも、それだけじゃなかったみたいです。
        一番慣れ親しんだメロディで、かつ左手の運びが一番単純なスケールでこそ
       新しく覚えた弓づかいや表現が練習しやすいのですね。
        新しい弓づかいを覚えたら、まず開放弦でやってみる。次はスケール練習でやってみる。
       そしたら、きっと曲の中でも、いかせるんだと思います。 
        最近は、スケールを弾くだけでも、曲を弾くように楽しくなってきています。
        もっと上手になると、もっともっと今は分からないスケールの練習効果に気付いてくる
       かもしれないなーって、期待しています。


       二重奏
        
       バイオリンの教本には、鈴木、篠崎と、いろいろありますが、私はごく一般的な鈴木の
       教本のほかに、並行して「ホーマン」(全音楽譜出版社)も使っています。
        これ、いいんですよ。
        一番高い弦のE線(弾きやすい)から、簡単な音階を使った小さな練習曲を順にA線、D線と
       やっていきます。それが、すべて先生との二重奏になっている。
        ♪レ ミ ファ ソ フ ァミ レ と、自分は単純な音階を弾くだけで、先生が下のパートを弾いて
       くれて、短いながらも 美しい二重奏の出来上がり。  
        合奏の楽しさ、和音の美しさみたいなものが、初心者でも堪能できます。
        1曲ずつの練習目的も明確になってます。 
        本当にごくごく簡単なメロディーだから、鼻唄にもなってきて、それなりに表現を考えることも
       できる。全くの初歩から「音楽をやれる」素晴らしさがあります。
        また、後に聞いたところでは、室内楽の基礎という面でとても評価が高い教本そうです。 

         

       レッスンを受けながらメモをとる

      先生に「ここはこう直して」って言われたことも、記憶って、家に帰るころには大分あやしく
       なってきて、次にバイオリンケースを開けるときとなると、もうほとんど残っていない。
        でも、そこで、先生のアドバイスを思い出せるようなキーワードの一言二言がメモして
       あると、家で練習するとき、前回のレッスン風景がぐぐぐーっと鮮明に思い出されて
       くるんです。
        ということに、気付いてからは、レッスンを受けるとき、譜面台の手前に
       鉛筆も一本置くようにしました。

        その後、先生にレッスンのときに録音機を回しておく許可をいただきました。
        再生しながら音を合わせて練習したり、忘れていた説明を聞き直したり、とても役立っています。


       もう一挺、バイオリンを買っちゃいました

      初心者にしてはなかなか高級な(?)バイオリンを使っていたはずなんですけど
      少しずつ楽器による音の違いなんかも分かってきて、買換えがここのところの
      懸案事項となっていました。
       そしたら、ちょうど、教わっている先生がお付き合いしている楽器屋さんに
      出たんです、予算の範囲内で、なおかつ「あっ、こういう音の楽器が欲しいんだ」って
      いう楽器が。(そんなに素晴らしい予算ではありません。始めるときにここまで出す
      勇気はちょっとなかったかなっていう程度です)
       2000年12月のことです。


        バイオリンをグレードアップして分かったこと

        自分がいかに下手かということが、とってもよく分かりました。
        これまでの楽器は、ちょこっと弾いてもただ大きい音は出たんで、自分の耳には
       それなりに聴こえてしまって、勝手に一人で酔ってました。
        ところが、今度買った楽器・・・もちろん、ちゃちゃちゃっと弾いてもそれなりの音は
       出るんですが、ぴたっとはまったときの音がすごくいいから、はまってないときの
       音はとんでもなくひどく聴こえてしまう(実際ひどいんですけど)。
        例えば、音が低いほうから二番目の弦のD線を3の指の薬指でおさえてソの音を
       出すとき、ツボにはまると、一番低い音の線のG線がちょうど1オクターブ下のソに
       なるから、G線が共鳴してブルンブルン振動しているのが分かるんです。そんなときの
       音の響きって、(まだまだ少しだけど)キラキラして聴こえてくる。
        でも、実際ツボにはまることのほうが少なくて、不快な音をまき散らしてます。

        前の楽器も少しは共鳴してたらしいんですが、ほんとに少しなものだから、私の
       意識の範疇にはありませんでした。
             (2002年10月・・・今弾くと、前の楽器も共鳴しているのが分かるようになりました。
              耳も腕も、少し進歩したかな? その進歩を助けてくれたのが、2000年に買った楽器
              なんだと思ってます)  


         石の上にも一週間・・いや、一か月
    

           
2001年3月20日にバイオリンを習って初めての発表会があったりしたものだから、
         その前ふた月ほどは気合を入れて自宅でも練習してました。
          もしかしたら、習い始めてからの2年半分に匹敵するくらい練習したかもしれません。
          すべてではないけど、ポイントだけは暗譜もしたし。(暗譜しないと追いつかないところがあった)
          で、ほんとに実感してます。自分で言うのもヘンですが、毎日練習すると、上手くなってくるんですね。
          一週間、毎日楽器に触るだけで相当違う。一か月続けたら、格段に違います。(のような気がします)
          「ここに気をつけよう」とか、練習時の意識もものすごく集中してたし。
          わさわさと日々を過ごして、レッスンの前日になって慌てて爪を切って、ちょろちょろっとさらって
         何となく間に合わせてレッスンを受けてくる一週間と、練習の積み重ねを続ける一週間と、いろんな一週間が
         あるんだなぁと、今更ながら感じ入ってます。

          だけど、これまで、実際ここまでの練習をする余裕がなかったのも事実なんです。
          「練習すれば上手くなる」ことは分かっていても、その余裕がないのも「大人の習い事」なわけで・・


      
維持すること

         レッスンを受けた曲、音程や、奏法や、表現を見てもらって、相当に弾きこなせるようになった曲も
        次にほかの曲にかかって、しばらく弾かないでいると、たちまちに弾けなくなっています。
          弾き方すら忘れています。
          弾きこなすまでも、難しいけど、それを維持するのもとても難しいです。


      
魔法の弓

          知人の弓を借りて、びっくりしました。軽くて、しなやかで、まるで楽器に弓が吸いつくみたいでした。
         音も、自分の弓で弾くより繊細な響きでした。
          昨日(2002年2月3日)、初めて弓による違いを感じた瞬間でした。世界が変わるみたいな気がしました。
          これまでも、教室で弓を買い替える生徒さんがいるときとか、「いい機会だから」という先生の好意で
         私もおまけに弾かせてもらうことがありました。でも、これまでは、「いい弓ねぇ」と言われても、ふーん・・という
         あいまいな感想だけで、まるっきりその感触が分からなかった私なんですが、ちょっと耳が成長してきたかな?

          私の乏しい音楽経験では、スキー板になぞらえるくらいしかできないのですが。
          最初に使った3980円セットについていた弓は、1万円スキーセットの板みたいなイメージです。とにかく柔らかくて
         決して跳ね返されることはないけれど、力も伝わりにくい。
          今使っている3年前に購入した弓は、ひと昔前に基礎スキーの定番だったオガサカのユニティのように、
         重量感があって、力を加えると、それに応じた反応を正確に示してくれる。
          今回、使わせてもらった弓は、アマチュアレース仕様として一世を風靡したロシニョール4Sモデルみたい。
         しなやかで、でも軽いだけではなくて、適切な力を加ええば、1の力を10倍の効果に活かしてくれるかのようでした。
    
          (ひと昔前のスキーヤーにしか通じない比喩ですね。。すみません。。。)

          あ〜、いい弓が欲しくなってしまいました。


   曲の中の和音

    
スズキ6巻のフィオッコのアレグロを練習していて、あまりの音程の悪さに、ピアノを使って(メロディを弾いて)みてびっくり。
     曲って、和音の組み合わせでできていることに初めて気づきました。 (今までこんなことも知らなかったんです、私。。)
       ト長調で始まって、その移動ドで言うドミソの和音の連続で、ニ長調に転調して、そのまたドミソを行ったり来たり。
       いやぁ、うまいことできてるのねぇ・・・と、感心しちゃいました。



   基本の形


       習い始めて何年かたち、大分バイオリンを弾くことに体が馴染んできて
     今更ですが、楽器に弓を置いて、ふっと力を抜いたときにできる「基本の形」の大事さを認識しています。
       曲を弾いていても、常にそこに戻る、もっと言うと、一つ一つの弓の動きもその「基本の形」に始まるような。


      
音の連続性

        レッスンを録音してきて、先生の演奏と自分の演奏の一番の違いを感じるのは音の連続する流れ。
        先生のなめらかな音の流れに対して、私は一音ずつ次の音に入る前にすき間がある。
        アップからダウンになるときは、実際の弓より一瞬速く肩〜肘が下がって、ダウンの準備をして
        ダウンからアップになるときは、実際の弓より一瞬速く肘が上がって、アップの準備をして
        なおかつ、そのときの弓の動きを、力ずくではなくて、ナチュラルな形で速いものにする必要があるみたい。


      
音の終わりの形
         音の弾きはじめの音は、結構意識して、ふにゃっと音が立ち上がらないようにするけど、音の終わりは
         意識から外れてしまうことが多い。これも要注意。
         例えば二分音符みたいな長い音符、音の終わりもきっちり意識して次の音を出さないと、
         早め早めに次の音を出してしまうことになる。



       合奏と独奏
    
         継続的に合奏の機会を持つようになりました。
           で、しみじみ思うのは、レッスンで習ってきたのは、「ソリスト養成講座」だったんだなぁ、ということ。
           自分が好きに弾けばよかった。テンポも、強弱も、何もかも。

           でも、合奏では、絶対的君主となっても、服従者ともなってはいけなくて、対等でなくてはいけなくて
          だからといって自分をすべて妥協するわけではなく、お互い最小限の妥協と必要な主張でバランスをとる
          必要があって。
 
           技術的なことは置いといて、弾く気持ちの持ち方みたいなものは、全然違うものみたい。

           だけど、呼吸を合わせて合奏していくって、言葉はなくても対話があって、とても楽しいものですね。  



      
合奏で、音が膨れた

         通っている教室の発表会に向けての合奏練習でのこと。
         曲は、パッヘルベルのカノン。

         ある方のサイトで、「(アマチュア)オーケストラで弾いたときに音がうねるのを感じた」というお話を聞いたことが
        ありますが、私も感じたんです、音が盛り上がる、というか、音が膨れる、というか・・
        演奏人数のただの掛け算ではない音のふくらみを。
         音が響きあったときって、ものすごい相乗効果が生まれるんですね。

         音程や弾き方の細かなところまで、各人がレッスンでチェックを受け
         人手不足のビオラ、チェロといった中・低弦は、先生の御友人たち、やはりプロの方で固めてくださり・・といった
         好条件のもとで、のことなんですが。

         すごかったです。素晴らしかったです。月並みですが、鳥肌立ちました。
         合奏って、やみつきになりそう・・です。

         
先生の、このときの合奏に触れての後の講評では、
        「だれ一人としてきちんと弾けてないのに(!)、あれはすごかった」とのこと。 んんんっ?



       キュッヒルさん語録(2001年10月14日)

         
 キュッヒルさんは、ウィーン・フィルのコンサートマスターの一人です。

          今日、サントリーホールでの彼の公開レッスンに行ってきました。曲目はベートーベンのバイオリン協奏曲。

         「ピアノ伴奏をよく聴くこと。。ピアノの音の中に入っていくように」
         「人はクセで生きているが、直せないクセはない」
         「大きい音のためにバイオリンを弾くのではない」
         「会場に合わせた音を出す」
         「いつも同じ弾き方をしていると、同じにしか弾けなくなる」
         「松やにをつけ過ぎると、甘過ぎる饅頭のような音になる」
         「音楽をするときは、相手がどう弾いているかを聴くこと」
         「スコアを見ること。全体の音楽の中で、どうなっているのか」
         「一緒に出る音が、弦のときと、管楽器のとき、管でもクラリネットのとき、ファゴットのときで
          自分の音の出し方を変える必要がある。
          ピアノと弾くときは、ピアノに合わせた弾き方を」
         「例えばバイオリンは、強弱をビブラートで調整することもある」
         「モーツァルトやベートーベンの協奏曲は、オーケストラの指示記号に合わせて弾く」
         「曲の中で、新しい展開が始まるときは、その直前は静かになっている」
         「拍子は、常に同じにカウントして、表情をつけることで印象をかえる」
         「指(ポジション)がかわるのが分かってはいけない」
         「(2楽章で)ゆっくりの曲では、急な変化はしない。瞑想するようなイメージ」
         「(3楽章で)G線を軽やかに弾くのは難しいが、シンプルなダンスのようにフレッシュに!」
 


  
もう1本弓を買いました

      2002年9月末、ついにもう1本弓を買いました。
      しなやかで、弓が弦に吸いついていくような感じのある弓です。
               (私には、です。人それぞれに持つ位置も違うし、バランスも違って、印象は違うみたいです)
 
      今年の春先から、予算の範囲内の弓を20本以上は試したと思います。
      ほかにも、手にすっぽり収まって、まろやかな弾き心地の弓や
      少し重いのかもしれないけれど、ダウンのときにすーっと弓が自然に下がっていくような弓もあって
      とてもとても迷ったけれど
      バイオリンと弓が一体になるような錯覚を起こさせる感じが決め手になりました。

      もちろん莫大な予算があるわけではないので
      音色や弾き心地すべて満足の弓ではないけれど、(ちょっととんがった感じの音になる弓かも?)
      いろんな弓がある、と分かったことだけで大収穫。
      まだまだ長いであろうバイオリン人生なので、
      余裕ができたら、タイプの違う弓も試してみたいな、なんて欲張りのことを考えています。


  
ゆっくり進むこと。

      私のついている先生は、1曲ごとになかなか高い(と私には思われる)完成度を求めるので
      教本が亀のようにしか進みません。
      同じくらいに楽器を進めた方が違う教室で、次々と新しい曲に挑戦していくのを見ていると
            (もちろん、私の練習時間は短いし、ほかの人が努力を重ねているという面もあるんでしょうが)
      進度の早い人を「いいなぁ」と思ったり、
      「頭では理解できても一朝一夕には実現できないんだから、そこそこ弾けたらいいことにしてくれないかなぁ」と
      しばしば思ったりもしていました。
      
      昨日、インターネットを通じて知り合った方々との合奏の集まりがあって、2次会の席でそんなことをぼやいていると
      別の楽器の経験の長い方が
      (特にほかの音楽経験も全くない私には特に・・・ってことだと思うのですが)
      「譜面に書いてあることを音楽にするっていうのは、とっても大変な作業だから、とっとことっとこいかないで
       繰り返し繰り返しやるのって、とっても大切なんじゃないですか?」って言ってくれました。

      何だか、目からうろこが落ちた思いです。
      
      今、私が主にやっているホーマンという教本の2巻は、練習曲の1つずつは、A4 1ページにも満たない短さですが
      美しいフレーズにあふれています。
      その短い曲すらレッスン3回、4回と重ねないと次に進めないもどかしさを感じていましたが
      1回や2回で、曲の美しさを十分に出すことなんて私にはできないので
      繰り返し歌って、自分の中に素敵な音楽をためていきたいって、思います。


 
「感じる」こと

  (読んでくださる方、分かりにくいタイトルで申し訳ありません)
  
  
唐突ですが、演奏するときに、「ここはこう弾きたい」と表現を考えますよね?
  それって、自分の音楽経験に基づく知識による部分が大きいのか? 
  それとも、そのフレーズを歌うときに「感じる」ことによる部分が大きいのか?

  いや、感性はたくさんの音楽を経験するうちに培われるものだろうから、こんなふうに分けて考えること自体
  おかしいのだろうけれど。

  
近頃、2人の人からアドバイスを受けました。

   私はレッスンを受けてくると、
   例えば「このデクレシェンドは、 弓をスピードダウンして」とか
   「6/8拍子は2拍子で、 2   2・・・の拍の頭をきっちり弾く」などという1つずつのメモを書きためて、
   それを重ねることで練習してきました。

   でも、それって
   膨大な百科事典相当くらいの量から1項目ずつピックアップしているかのようで
   時々「もうちょっと効率的なやり方はないものか?」と思っていました。

   新しい曲を練習しても、その音符をなそるまでは自力で弾けても
   これまでのノウハウから自分で表現を考えて・・・ってまでは、なかなか応用がきかなくて。

   そんな話を知人としていたところ
   「曲の中の要素を1つずつ考えるから、果てしないことになってしまうんじゃないか?
   曲全体でとらえて、どう弾きたいかって感じれば、表現したい弾き方になるんじゃないの?」と言われました。

   もう1人は、ついている先生で、
   「大分理屈は分かってきたから、あとは自分の音を聞いて、『変だな』と思ったら、どこがおかしいかを考えればいい」と。

   「あっ、このあいだの話の曲全体をとらえるってことと同じかもしれない」って思ったのです。

   どちらの話も、表現するために必要な技術的なノウハウを知らないと話にならないわけですが。

   でも、じゃあ、「どう弾きたいか」っていうのはどこから出てくるのか? といったら
   自分でその曲から「感じた」ことになるのだろうけど
   でも、「感じる」ためには、やはり「こういうフレーズはこう弾く」みたいな決まり事が身にしみていないと
   駄目なのかなぁ?、やはり音楽的経験から感じるのかな?とも思ったり。

   まあ「どう感じるか」なんていうのを理屈で考えているより、1曲歌ったほうが早いのかもしれないけれど
   自分の音楽経験の短さを補うには、やはり曲をたくさん聴いたりすることが大事かな?と思ったりもしています。



カイザーの魅力

  バイオリンの練習曲集「カイザー」には、とことん苦労しています。(現在進行形です)
  カイザーと一口に言っても 例えば教本の途中・途中にカイザーの各練習曲を取れ入れた教本もあれば
  「カイザー」として出版されているものもあります。

  私は全音楽譜出版社のカイザー1巻を練習中ですが(省略なしで弾いています。。)、
              (※印→※印へとんで 一部省略して練習させる先生もいらっしゃるようです)
  とにかく 長いし、音符はいっぱいだし、音程が微妙に動いて取りにくいし・・・で、
  練習曲の1つをこなすのに ときには 数か月の単位でかかってしまったりします。

  弾きながら譜面を追っていく集中力さえ欠けていて 見失ってしまったりすることも 最初はしばしば。
  「のろわれているんじゃないか。。」と、一時は思ったものでした。 ^^;

  こんな私が 「うわー、カイザーってすごい!」って思ったのは 
  全音の版で練習曲7となっている曲(♭2つのもの)をやったときです。

  カイザーは 譜面どおりに弾く練習のほかに 同じ音符を弓遣いをかえて弾くバリエーションも指示されていて
               (すべての曲について、教本のすべてのバリエーションを練習しているわけではないですが)
  私は まず7番では、1番のバリエーションにかかりました。
  8分音符の連続のこの曲で、音符を2つ弾いたら、その重音を出す、次にまた2つ弾いてその重音を出す・・を
  繰り返していきます。

  私は左手の2(中指)と3(人さし指)の指を 隣の弦で 全音幅に開いてクリアーな重音を出すことができなくて
  なんと半年!たっても(途中、ほかの練習曲集や曲も弾きながらなんですが) 合格させてもらうことができませんでした。
       例えばD線でミ A線でレ を一遍に押さえることができなくて。

  左手の2と3の指が開かないのはもちろんのこと、私は 和音の響きのイメージができていなくて
  音を2つ一遍に出すときの響きを綺麗に出すことがなかなかできなかったんだと思います。


  ところが、繰り返し練習するうちに、指の折り合いをつけることも さることながら 
  この重音練習と 7番を通して弾く練習で
  今更ながら  「和音って綺麗なんだなぁ。。。」と しみじみ思うようになりました。

  重音、重音・・で 出していくことによって、和音というものを 否が応にも意識させらたんです。

  臨時記号がしばしばついて 分かりにくい音程があるもので、ピアノで譜面を追ったりもしました。
  7番は、拙い私の手でゆっくりなぞるだけでも、分散和音の流れがとても美しい。 
                  感動的!でさえあります。    
    
  「曲は、音階と(分散)和音でできている」と聞きますが、
  カイザーを1番から振り返ると、全く見事に音階と分散和音の練習が配されているのが
  改めて分かります。。

  今(2003年1月)、カイザー8番の練習にかかりました。
  36ある練習曲を ゆっくり 学んでいきたいと思っています。


ホーマンの魅力

  以前、室内楽のサイト カモスのかものはしさんが
  「室内楽(弦楽四重奏等)に最適の入門書はホーマンです。古典期の全てのイディオムが簡潔に入っています」
  と、掲示板らんぷ亭に書き込んでくださいましたが (「足あと」のページに保存してます)
  その意味を、今 まさにかみしめているところです。

  ホーマン全3巻は、二重奏の(? による?)練習曲集で、全音楽譜出版から出ています。

  1巻は、バイオリンを習い始めたばかりの私に、レッスンで先生がいつも下のパートを弾いてくれて
  和音の美しさとか、掛け合いの面白さとか、何よりバイオリンをほかの人と一緒に弾く楽しさを教えてくれました。
  
  2巻に入って、ボーイングやトリルなど、様々な技術的要素を身につける場としての意義を感じています。
  例えば 2巻の159番「侯爵」のスラーとスタッカートの組み合わせは、そのままモーツァルトのディベルティメントK136の
  ボーイングにいかせるものでした。
  
  180番の練習曲では、6小節目と、12小節目の 最初の4分音符は、いずれもキメの? 4分音符ですが、
  そのニュアンスの違い、どう弾いたらそのニュアンスが出るか、
  これまた どちらも「モーツァルトによく出てくる形よ」と、指導を受けています。

  自分では、その要素を読み取ることができずに、もっぱら先生の解説を待たなければならないところが
  歯がゆい思いですが、自分の中に少しずつ積み重なっていくものを大事にしていきたいと思ってます。

                      練習あるのみ〜 !
                      なんてったって、理屈は分かっても、体にしみ込むにはこれまた時間がかかるからねぇ。


 


                        
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