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緑の国スロベニア

7月初め私は旧ユーゴスラビアから独立したスロベニア共和国とクロアチア共和国へ旅をした。ヨーロッパへの航路は必ずシベリアの上空を飛ぶ事になっているらしく今回も真昼のシベリアを上空から堪能する事が出来た。

私の中にあるシベリアとは第2次世界大戦で捕虜となった日本兵が極限の寒さのなかで過酷な強制労働を強いられた場所。女優岡田嘉子が杉本良吉と樺太から恋の逃避行をした地。中学生の時社会科の先生からオシッコも氷柱に成ると聞かされていた極寒の地と余り良いイメージでは無かった。それが海外旅行を始めて何度かそのシベリアの大地の上を飛んだことで厳しいけれど豊かな自然に包まれたとても魅力的な場所だったんだと認識を新たにし、いつかは行ってみたいと思うようになった。

最初にこの場所を飛んだ時は11月、長い飛行時間にうんざりしてまどろんでいた私たちは<ただいま窓の外に素晴らしいオーロラが現れています>との機内アナウンスに飛び起きた。乗客は皆感動の声を上げながら交代で窓側の席と代わって貰い黄緑色の巨大な羽衣がゆったりとたなびいている幻想的な情景を胸を高鳴らせて観賞した。

次に飛んだ時は5月、この冬の積雪量が世界的に多かったせいで世界一の針葉樹の森林帯は深い雪の下に眠っていた。そして、何処までも続く凍てついた大地をまるで大蛇のように曲がりくねって流れる大少無数の大河に魅了され続けた。

そして今回の飛行は豊かな緑の針葉樹林帯を縫ってこれまた大小無数の大河が太陽の光を受けて白く輝いて見えた。
スチュアーデスさんにお願いして飛行経路表を頂き現在地を確認しながらウラル山脈の上空で写真を撮った。カメラの性能が良くないため鮮明な映像は撮れなかったけれど自分なりにほぼ満足できる写真が撮れた。

 
飛行経路図
中央がラウル山脈

スロベニア共和国とクロアチア共和国の位置
どちらも旧ユーゴスラビアから独立した
高度10,000メートルの厚い雲海
綿菓子の海のように何処までも拡がって見える

ウラル山脈の上空辺りから見下ろす。
上空の雲の陰で濃群青色に見える
縺れた糸のように蛇行している大河
右上と右下に白く光っているのが
太陽の光を受けて輝いている大河。
濃緑色の部分は針葉樹林帯