40過ぎてからのフジロック‘06
【参照】過去のフジロック日記。
2001年
2003年
2004年
はい、また行ってしまいました、フジロック。
去年は、メンツが豪華すぎて、逆に躊躇したというか、「やーん、ガルニエ様が登場するのを待ち望んでいたが、今さら出てくれても、一緒に行く友達がいない。どーしよ、1人でテント持ってくか?」と悩んでいるうちにチケット売り切れちゃったので、結局行かなかったのですが、今年はどうもメンツが地味すぎ。
こっちは「マッドネスどうしよう」「トラキャンも出るのか、うーむ」などと、地味なメンツの中でも、さらに脚光を浴びないあたりで悩んでいたのですが、友人T嬢に会って「どうする?」と話たら、「でも、せっかくだから、野外で観たいなあ、マッドネス」と言うし、たしかに、フジロック会場だと「別に期待してないものでも、えらい良かったりする」の法則で「期待して観に行ったものに、外れなし」が約束されてるので、やっぱし、あそこで観たい。
そう思ってチケット買おうとしたら、T嬢はギリギリ買えたけど、私は数時間遅れで買い逃してしまい、しょーがないから渋々ヤフオクに参戦して、「こんな地味なメンツなのに、5万円出すバカいるはずねーだろ、ぼけ」と、ネットダフ屋の自作自演に翻弄されつつも、なんとか定価でチケット・ゲット。
私がやっと買えたあと、急に暴落してがっかり。ひょっとして、みんな、私に高値でつかまそうとしてただけ?という妄想すら抱いたが、それはあながち妄想ではなく、去年は高値で売買されていたので、今年も儲けようと思って、利殖目的だけでチケット買った人がかなり多かった様子。ざまーみやがれ。
でも、場内駐車券だけは確実に高値で売り抜けますからねえ。ほんと、ヤフオクの功罪である。(チケットや駐車券だけでなく、宿の予約まで売買されててムカツク!
そんなわけで、なんとかチケット入手して、2年ぶりに行ってきました。
なんか、年々、テンション落ちているというか、変に慣れてきたので、書いていても、「あんまし面白くないな」と思いましたが、こうして、気が着いたことをダラダラ書き残しておくと、次回、また行くときに自分で役に立つので、そういう目的で書いてますから「オレンジだ、ホワイトだって、よくわからねー」という方には大変不親切な内容になっておりますので、ご了承の上、お読みください。
相変わらず、書き終えてみれば無駄に長いです。
初日 7月28日(金)
前日は仕事も早めに済ませ、帰宅して荷造りをしたが、どうも天候は雨らしいので、レインコートに長靴必携であり、「雨に濡れると、着替えも大めにしておかないと」と、ついつい荷物が膨れる。
朝10時に起きて、身支度や荷物の最終チェックをしながら「2ちゃん」や「フジロック・エクスプレス」で現地情報をチェック。朝も少し雨が降っていたようだ。
運良く、雨が降らなくても、かなり足場は悪いみたい。
前に日曜日だけ参加したときにも、その日だけ天気は良かったが、金土と雨が降っていたので、泥沼なところがけっこうあり、持って行った長靴が役にたったけど、今回持っていく長靴は、あのときに急遽、前日になって買ったものである。だから名前はコステロ君だ。(今、決めた)
11時前には家を出て、渋谷までバスで向かう。これも前回、発見した「少しでもラクする方法」で重い荷物を持っているときには、地下鉄よりもバスのほうがラクなのである。
道は少し混んでいたが、11時半には渋谷に到着。
前から、「電車経路検索システム」で「渋谷→越後湯沢」を検索すると、トップに出てくるのは「大宮経由」であったが、めったに国内旅行しない私は「旅の情緒」を重んじて、意地でも東京発の新幹線に乗っていた。しかし、時間的には大宮経由も同じで、新幹線に乗る区間が短いだけちょびっとだけ安いし、それに、やっと新幹線にも慣れてきたので「この時間だったら、埼京線も湘南新宿ラインも座れるだろうし、だったら新幹線自由席で席がなくても、大宮からだったら1時間弱だから座れなくてもいいし」と考えたのある。
それに、「埼京線に乗ったことが、たぶん無い」(笑)と気が着いたので、こりゃ、新幹線にゆったり乗っている場合ではない。
検索システムで、乗る電車はほぼ決めていたが、上越新幹線が8時ごろ信号故障かなんかでダイヤが乱れていることはわかっていたので、こういうときには「自由席で座れなくてもいいや」だと気楽である。
大宮に着くと、売店でオニギリとお茶を買って、新幹線ホームに立つと「12時10分到着のMAXほにゃらら号は、20分ほど遅れて到着の予定です」というアバウトなアナウンスが流れていたが、5分も待たずに到着した。
ダイヤ乱れているというので、混雑を覚悟していたが、時間が中途半端だったのか、ガラガラだった。
あっという間に、越後湯沢駅着。
ここまでが早いが(渋谷からたったの2時間)、ここからが長いのです。
駅で荷物を預けようと思ったが、コインロッカーは夜中の12時までしか使用できないとのことで(駅が12時から朝5時半まで閉鎖)、探せば近所に預かり所があるかもしれないが、なにしろ金曜日はホワイトのトリまで観るので、駅に戻るのは、午前1時過ぎが確実だから、宿に置いていくことにした。
今回、6月初旬にとれたのは、岩原スキー場にある宿。湯沢駅から3キロほど離れているらしい。
タクシーに乗ってみると、片道で1200円くらいかかった。
宿で荷物を置いてから、待たせてあったタクシーに乗ってUターン。こりゃ、送迎サービス使わないと、けっこう小銭が飛ぶなあ。
さて、2時少し前から会場までのバス乗り場に並ぶが、列は「原宿」という土産物屋から、さらに続いている。
列は動くので、バスはどんどん来ているみたいだったが、結局、30分ほど並んだだろうか?
「会場は雨かもしれないから、4時からのトラキャンにギリギリ着けばいいや」と思っていたが、こりゃ、間に合わないかもしれないぞ。
2時半ごろ、やっとバスに乗れて、苗場についたのが3時過ぎ。
早足でひたすら歩くこと10分でリストバンド交換所。
そこで、日焼け止めを塗って、また10分歩いてやっとゲート。
ゲートから、グリーン→ホワイト→アヴァロンは、かなり急いでも30分はかかるのだ。
着いたら、さっそくガソリン(ビールとも言う)を入れようと思ったが、そんな暇もないので、ひたすら前進あるのみ。
金曜日は、当日券も余ってたくらいなので、予想通りにほど良く空いていたけど、それでも、さらに奥のヘヴンかオレンジから人が戻ってくるので(加藤登紀子帰り?)、あんまりタッタカ歩けなかったけど、「せっかく天気もまあまあなんだから、草地でまったりトラキャンのアコースティック・セットを観る。ぜったい観る」と頑張った甲斐あって、5分前には着きました。
そこでやっとガソリン補給して、ステージ前に向かうと、けっこう人が集まっていたので、やや後ろの斜めになっているあたりに陣取った。
Trashcan Sinatoras
ステージMCのオネーサンが「ずいぶん、人集まってますね〜、この中で、トラキャン知ってる人〜」と言うので、「ハーイ」と手を挙げたが、さすがに前のほうは手が挙がっているけど、後ろのほうの人は休憩に来ました感85%ってかんじ。
まあねえ、それほど有名じゃないし、私だって10年くらい前にクワトロで観たっきりだし、だいたい活動停止してたみたいだし。
さて、メンバーが、フラフラと登場したが、「えーと、どれがボーカルだった?」
10年前観たときには、痩せてて変な眼鏡をかけたシャイそうな若者だったリーダー君(バンド・リーダーじゃなくて、そういう苗字。ちなみに、エディ・リーダーの弟だったりする)は、やはり痩せていたが、長髪&無精ひげで顔がよくわからん。10年前に観たときは「やっぱ、姉に似てるな、ちょっと」と思ったけど。
しかし、唄い始めたら、びっくりした。
声が、全然フケてない!
ネオアコ・ファンを魅了した、あの天使の歌声は健在でした。
こりゃ、明日のライブも楽しみだ。
アコースティック・ライブは淡々と40分くらいやって、終了した。
しかし、「森の中の小さなステージでのトラキャン・アコースティック・セット」というのは、ずッパマリ過ぎで、逆にカワユクないほどであった。強いて例えるなら「夏休みだから、子供連れてディズニーアニメでも観にいこう」→「あー、たのしかったねえ?」っていうのと似たような「約束された満足感」に対する恥じらいを感じることもある、みたいな?
でも、やっぱし、こうして野外で聴くのはいいなあ。
なんで、野外で聴くと、こんなに、なんでもかんでも素晴らしいのだろう?
これを一度体験してしまうと、私のようにズルズルとフジロックに通ってしまうのである。
そういや、なんで去年は行かなかったのかな?
そうそう、クララが退職するんで、後任の派遣社員の手配でテンパってたりして、心の余裕がなかったのよね。
そのくせ、今年はハイジが退職するというのに、ちゃっかり来てるし。
まあ、いろいろムシャクシャすることが多いので、いいリフレッシュになりますわい。
演奏中にそんなことを考えていた。
そういや、そんな最中でもヘリがバラバラと音をたてて飛んでいたけど、「ああ、ヘリが飛んでる」って思っただけで、うるさいとも思わなかったなあ。いや、掲示板では「ヘリうるさい、やめれ」って意見が乱立してたので「そうだったっけ?」と思ったのでした。そうとう神経が鈍いらしい。
だいたい、音の大きいライブだったら、そんなに気にならないし、アヴァロンでは、ホワイトの演奏がかなり聴こえてくるので、そっちのほうがうるさいが、そういうのもフェスならではの雰囲気なので、それなりに楽しいと思う。こっちは、まったり静かなライブやってるのに、演奏の合間に遠くから、激しい音楽の音が漏れ聴こえると、けっこう和みます。
トラキャンがやっていたアヴァロン・ステージはNGOブースが並ぶ、フジロックで最も「エコ色」が強いところで、ステージの電力も太陽発電や天麩羅油のリサイクルでやっているらしい。
だから、演奏が終ると、「NGOアピール」があり、「スーパーの袋一枚作るのに、二酸化炭素が何リットルも出るのです!」なーんてやってたけど、その頭上をヘリがバラバラと飛んでいくので、かなり笑った。あっちは1フライトで二酸化炭素を何リットル排出しているのだ?
私、こういう滅茶苦茶なの好きです。
そういや、昔行ったグラストンベリーでは、環境問題なんで全然問題になってなくて、目立ったスローガンは「セイフ・セックス」だったな(笑)。早い話が、テント内でヤルならコンドーム使えと。2ちゃんでは「フジロックなんて夜はセックス三昧」ってネタも多かったが、英国ではそれはネタではないらしかったです。
さて、空は曇っているが、今のところ雨は大丈夫そうだけど、いつ降るかわからないかんじだった。
ドシャ降りの中でのマッドネスを覚悟で来ているわけだし、雨具はちゃんと今日も持っている。長靴も抱えてます。
明日のトラキャンの準備として、さらに奥地の足場を確認しに行った。
いつも水浸しのヘブンも、砂利をさらに投入したのか、それほどのこともなく、スニーカーで充分だったし、オレンジも敷物を敷けるくらいだった。
事前にも「思ったより足場はいい」と言われていたが、ほんとにそんな感じ。長靴要らないかもな。でも、いつ降るかわかんないしな。
とりあえず、オレンジのトイレで並んでから、「OOIOO」という「丸井のご親戚ですか?」という名前のバンドを聴きつつ(サイケ&アバンギャルドなライブで、ゴア系なオジサン客が思わず踊り出していたのが楽しかった)、タイ屋台で「3種ぶっかけ丼」を食べた。お腹空いてたから、めちゃくちゃ美味かった。
さーて、初っ端から大移動だが、またレッドまで戻るである。
Roger Joseph Manning Jr.
同行の友人T嬢は「5時くらいに到着したい」と言っていたので、「じゃ、レッドでロジャー・マニング終ったあたりに、ワールドレストラン前に集合」ということにしていた。
ロジャー・マニングがそれほど好きなわけでもないが、「休憩」にはほどよいポップス系みたいだし、それに、私はレッドとワールドレストランの間の林が大好きなのである。
音は適度に聴こえるし、食い物はすぐそばにあるし、なによりも、イギリス生ビールが飲めるし(今年はボティントンズの生でした)、トイレも比較的近い。
しかし、この日はけっこう涼しくて、林の中で寝転んでいると、寒いくらい。Tシャツの上にネル・シャツを羽織っていたのだが、それでも寒い。これ以外には、レインコートしか持ってないが、さすがに雨が降ってないと着る気にならない。やっぱ、レインスーツのほうが、羽織るのにはいいのかも。
それでも、ゴロゴロ昼寝しながらのロジャー・マニングはなかなかよかった。
つーか、寝転がりながら聴いていると、なんでも最高なのである。
演奏が終ったので、集合場所で待っていると、すぐにT嬢が現れた。「いつごろ、着いたの?」「ほんと、さっき」
金曜日の夕方だったから、バスの本数が少なく、バスで座ったまま発車までけっこう待たされたようだ。
7時半だったから、すっかり暗くなってきたが、そこで夕飯にした。
さっき、タイ飯食べたばかりだったので、沖縄ソバで軽く済ませた。
ときおり雨がパラついたが、木陰だとそれほど気にならない程度だったけど、「これから、降るかもねえ?」と覚悟していた。
グリーンではJETが演奏中。「前も、JETはここで寝転がって聴いたな(笑)」とT嬢。
私はギリギリ30代であるが、T嬢は大学の一年上の先輩であるので、オーバー40である。
つーわけで、平均年齢40歳の二人組であった。
2年前も一緒に三日間参加したが、T嬢のフジロックでの口癖は「大人はグリーンより奥に行ってはいけない」と「大人は立って観るのは一日に一つだけ」であった。前回、T嬢はとうとうグリーンより奥に行かなかったけど、今回は、今夜のマッドネスがホワイトで、明日のトラキャンがオレンジなので、どうしても奥地に足を踏み入れなければならない。
私はそんな「大人の掟」を破って、さっそく最果てまで行って帰ってきた直後なので、マッドネスまではとにかく休憩である。
MADNESS
さて、レッドでズートンズが始まり、それも中盤にさしかかり、客がグリーンでのフランツに流れていくのを見送って、ってゆーか、なんだか、この客の流れをしっかり読んでしまうあたりが「大人」であるが(笑)、9時半にフランツが始まってからトイレに寄って、「さて、行きますか〜〜〜」とホワイトへ移動。
さすがにグリーンには人が集まっていたけど、やはりそれほど混んでない。「今日はこんなもんだよね。怖いのは明日でしょ」と話ながら、フランツ演奏中を通過。
「そーいや、Tさん、ホワイトに行くのって何年ぶり?」
「えっと、ニューオーダーのとき以来」
5年ぶりだそうです。
フランツで戻ってくる客も多かったので、ちんたら歩いていたが、レッドから30分くらいでホワイト到着。
まだ人もまばらである。
あんまし前には行きたくないが、演奏が始まると人が押し寄せてくるので、後ろのほうだからといって快適ではないのがホワイト・ステージ。ライブハウスと同じで、通路から遠い右奥がベスト・ポイント。
でも、ニューオーダー観たときには、右奥が小高くなっていたのだが、その奥に木道を作った関係か、そっちまで平らにしてしまい、中継車が停まるようになってしまったので、PAテント脇の、すこし段差があるあたりでストップして、そこでビニール袋を敷いて座って開演を待った。
人が多くなってくると、開演まで座っていられないが、さすがにマッドネスで超コミになることもないようで、開演まで座ってられました。
今回は、「雨確実」と騒がれていたので、折り畳み椅子を持っている人が異常に多く、座り待ちが基本だった。
ほぼ、時間ぴったり10時半に開演。
「ワルキューレの騎行」が鳴り響き、MCが登場して、ライブというより、「ショーの始まりだ!」ってかんじ。
この始まりで「極上のエンターテイメント」は約束された。
わかってはいたけど、やはり「ワン・ステップ・ビヨ〜ンド!」で始まると、ワクワクしてピョンピョン飛び跳ねてしまった。MCで盛り上げていたのは、ギャズだったらしいが、変なおっさんだった。
マッドネスのライブ観るのは実は初めてだが、スカ・バンドに外れなしである。
フロント・メンバーは小太りになっていたので、スーツ着てても「モッズ系」というよりは、ディナーショーである。スカ系ブルース・ブラザーズというべきか。
とにかく、曲は知ってる曲ばかりだし、どの曲もやっぱしいいなあ。
泡ハウスは、期待しすぎてしまったせいか、普通によかっただけだけど、「It Must Be Love」で泣きそうになった。このコステロ系なメロディ・・・・・(系、系とうるさい文章ですいません)
最初のほうのMCで、「アンディ・ウォーホール曰く・・・・」といい始めたので「何言うんだ?」と思ったら、「最高のパーティに出会うには、どうしたらいいかって?・・・・・ともかく、そこにいることだ!」
ええと、それはウォーホール語録でしたっけ?
つーか、私の「超訳」がヘボすぎるけど、原文をネットで探してみたけど発見できず。なんか、どっかで聴いたことあるけど。
その言葉を聞いて、ジーンときた。
そうなんだよ、さらに超訳すると「宝くじは買わないと絶対に当たらない」となるわけで、ライブも、行かないと絶対に楽しめない。
そりゃ、外れもあったよ。(宝くじとは比較にならんが)
で、フジロックも、いろいろ文句言ったらキリが無いけど、行けば絶対に楽しい。宝くじよりは確実に当たる!
たぶん、掲示板にズラりと並ぶ、非難の言葉は、「混むとヤだから、掲示板読んでる人が行く気なくすために、悪いことばかり書いておこう」っていう作戦なんですよ。
大人の皆さん、「どーせ、若者がバカ騒ぎしてんだろ」と騙されてはいけません。
さて、マッドネスですが、東京公演では、例の(笑)「シティ!」は、「ホンダ・コール」が巻き起こったにも関わらずやらなかったそうなので、始まる前にT嬢ともそんな話をしていた。
「東京でやらないとすると、苗場は三菱自動車がスポンサーだから、あの曲はさすがにできないよね(笑)」
そしたら、アンコールで行きなり「この曲、演奏するの18年ぶりなんだけど、日本では車のCMの曲で・・・」と言うではないですが、「うっそ〜〜〜〜〜」と叫ぶ私であった。
でも、若い客は、あのCM知らないかもね(笑)。
そんなわけで、大満足のライブでした。来てよかった〜
天気もベストだった。踊っていると丁度いいかんじ。混んでなかったので、ガンガン踊りすぎて、途中でふと「そうだ、帰りが大変なので、余力残しておかなきゃ」と自制したくらい。あんなに飛び跳ねたの久しぶりでした。
さて、マッドネス始まる前にも「そういや、ホワイトのトリからバスで帰ったことってないようね?」と話していた。5年前のニューオーダーのときと、ほぼ時間は同じだが、あのときは私はレッドで夜明かし&テント泊だったし、T嬢とM嬢は苗場プリンス泊だったのだ。「あんときは、たしか、部屋についたのが午前1時だったなあ」とT嬢。
するってえと、たぶんバス乗り場に着くのが午前1時で、それから列に並ぶ時間は未知数だし、乗ってから30分はかかり、駅に着いても、今回はそこからタクシーなので「いったい、何時に宿につくやら」とかなり覚悟はしていました。
前回は金曜日はグリーンのトリのルー・リードの途中で帰ったので、全然混雑してなかったので「ほんとはホワイトのトリのベースメント・ジャックス観たかったけど、観なくて正解」と思ったし、土曜はT嬢はもっと早い時間に帰り、私はケミブラまで観たけど、その後、レッドに移動して2時くらいまでいて、それからテントに戻ったので、やはり全くストレス感じなかったし、最終日は、モリッシーがキャンセルで、コピーバンドが出てきたのを確認してからすぐ帰ったので、11時前には宿についていたのであった。
越後湯沢の温泉街に宿泊した前回の私らの行動は正しかった。
先に結論を書くと「大人はホワイトのトリを観てはいけない。もし観るんだったら、バスに乗るのは諦めろ!」
レッドで夜明かし、もしくはテント泊でしょう。最悪でも、苗場近辺の宿は確保しておくべき。
それでも、金曜日はまだマシだったのだと思います。
入り口に近い、グリーンでのトリはホワイトよりも1時間ほど早い10時半ごろ終了しているはずですが、なにせフランツだったので、それほど混雑してなかったから、グリーンの客はかなりハケていた。
金曜の深夜から、最奥のオレンジでは「オールナイト・フジ」という朝までDJパーティーが開かれているので、ホワイトから帰る途中も、そっちに行こうとする人が多く、道はかなり混んでいた。
今回から、ホワイトからグリーンにも、一方通行の「木道」が作られていたので、そっちを通って帰ろうとしたのだが、「あれ?なんだか逆走者が多いな?」
昼間の空いてる時間に、その木道を通ったのだが、外人がちらほらと逆に歩いてきたので「英語でちゃんと表示しておけ」と思ったのですが、入り口に出てみたら、きちんと「ONE WAY」と書いてあったのでした。
善意に解釈して「まあ、欧米人っていうのは、たとえルールがあっても、適宜、自分の都合のいいようにやるので(信号無視などが代表的)、空いてるからいいやと思ったのでしょう。
それにしても、ずいぶん逆から歩いてくるので、変だなと思いつつ進んでいくと、なんのことはない、「雨で滑りやすくなっているので通行止めです」
そういうのは、もっと手前でやれ〜
まあ、そういう不手際があるのも、大人だから、散々学習済みなので、素直に引き返す。傍から見たら、私らも「逆走」である。
そう思われるのもシャクだったし、それに、先にUターンしてきた人が戻るときに「先は通行止めだったよ」と教えてくれてもいいのによ〜、と思ったので、大人だからちゃんと実行しました。
「行き止まりですよ〜、だから戻ってきてるんですよ〜」
と、「私は逆走者じゃないのよ」とアピールするために、ガナリながら歩いているけど、無視して進む人もいたけど、多くの人は「え?まじ?」と引き返したし、数名が「ありがと〜、助かるよ」と声をかけてくれた。
ちょっと、うれしかった。
しかし、そこからジリジリとグリーンまで歩くこと20分強、ゲートまでさらに10分、ゲートから、テントサイトの入り口の道も相当混んでいて、じりじりと前進。
そこで、人は少し減ったが、そこからは車も出てくるので、歩道が狭くなる。
あの時間に駐車場から出ようとする車も多いのね。
車だったら、そんなに急がなくても、オアシスで飯でも食ってから帰ればいいのにと思う。
係員は、徒歩客を車道に出さないよう必死だし、それが危険なことだとわかっているので、大人な私らは、大人しく歩道をちんたら牛歩戦術である。
普段ならゲートからバス乗り場まで15分〜20分くらいなものだが、いったいどれくらいかかっただろう?
今となっては、よく覚えていない。
たぶん、マッドネスが終ったのが、11時40分くらい、ゲートに着いたのが12時少し過ぎたころ。
バス乗り場まで1時間弱かかった。
そこから、やっとバス待ちの行列に並んで(午前1時)、30分くらい待って(午前1時半)、やっとバスに乗れて、越後湯沢に着いたのは午前2時を回ったころだと思う。
そのころにはお腹が空いていたけど、駅が閉まっているので、温泉街に抜けられないので(そっちに宿泊しているひとは、少し先の高架下をターン)コンビニに寄る気力もなく、タクシー乗り場に向かった。
駅周辺の宿がとれなかった人も多いようで、タクシー乗り場は30人くらい並んでいた。
でも、タクシーは物凄い勢いで戻ってきており(数が凄いのでなく、スピードが。ロータリーをノーブレーキで突っ込んでくるあたりに気合を感じた)「待ってれば、そのうち来るね」と思ったが、20分くらい待ったかなあ。
やっとタクシーに乗れたので、運転手さんに「何時から、やってんですか?」と聞いてみると、私らより、少し年下くらいの運転手さんは、駅と宿との往復で、すっかりテンション上がってるみたいで、「ええっと、そんな前じゃないですけど、えっと、11時くらい?から?かなあ?」
私が「それでも、今日は空いてたんですよ。明日はもっと凄いことに・・・」と言うと、「え?ほんとですか?そーいや、テレビで明日出る人が、出てましたよ!」
レッチリのテレビ出演をチェックしていたらしい、さすがジモティ(笑)
「ああ、明日はあの人たちが最後に出るんで、すごいことになりますよ」
「え?そうなんですか?今日どころじゃないの?あの人たち、有名なんだ?そうか・・・今年はそれほどでもないって話だったんですが・・・そっか・・・・」
土曜日だけは売り切れていたが、金・日は当日券も余っていたので、タクシー業界では「今年はイマイチかな?」と言われていたらしいが、あの運転手さんも、たぶん3時くらいまでは走りっぱなしになるんだろうな。でも「とにかく、稼ぐぜ!」という気合に満ち溢れていたので頼もしかった。
結局、宿に着いたのは2時半くらいだった。
他の客も、けっこうその時間にやっと到着したようだった。
風呂に入って、出たらもう3時過ぎてた。私らが風呂に入った最後の客だったらしく、夜勤のフロントも入口を閉めていた。
館内の自販機でビール買って、風呂上りの一杯を飲みつつ「いや〜、大人はホワイトのトリ観ちゃあかんね」と反省会しているうちに4時になったので寝た。
「ところで、朝ご飯付きなの?ここ?」
「えーと、たしか、そう」
館内案内を見ると「朝食:8時」と書いてあった。
えーと、どこで食べるのだろう?
風呂入って、ビール飲んだら空腹のことは忘れたが、この宿の周辺は何もないので、ぜひとも朝食を食べておかないと、マジにガソリン切れである。
たぶん、湯沢の温泉宿がそうだったように、8時近くになると、起こしに来ると思われたので、それに備えておきたかったが「この部屋、目覚まし時計がない?」
しょうがないから、ケータイで目覚ましセットしようとしたが、私は使いこなせてないので、自分のケータイを目覚ましにできないので、T嬢に頼むと「でも、ダースベーダーのテーマだけど・・・ほら?」
ストラップもダースベーダーだった・・・・・・・
20年来の友人(41歳)がケータイ周辺を「スターウォーズ」で飾っていることに、突っ込みの一つも入れたかったが、もうそんな気力ありません。
二日日 7月29日(土)
ダースベーダーのテーマが流れたら起きる、と己の潜在意識にプログラミングして寝たが、先に私を起こしたのはドアのノック音だった。
脊髄で反応して飛び起き、「はーい」と返事しながら浴衣を調え、ドアをあけたら、「おはよう、ございます」と客室係りのオネーサンに「朝食付きでしたよね?」と言われたので「はい」と言うと、「はい」とトレーを渡された。
昨晩のライブ終了後、3時間もかけて、この宿につき、たった4時間前に寝たばかりだったので、いったい何が起きたのか、把握するのに時間がかかったが、とにかく、この宿の朝食とは、「部屋までお弁当を持ってきてくれる」という、画期的なものだったのである。
いやー、この手の宿だと、絶対に朝食バイキングだと思っていたのに、想定外とはまさにこういうことだ。
私より寝起きの悪いTさんも、布団の中から、「それ、何?」という様子。
「とりあえず、これで飯は確保だ」と告げると、私は布団に戻って寝た。T嬢も「ダースベーダー目覚まし」を解除すると、また寝た。
さすがにお腹がすいて、10時に目が覚めた。
起き上がると、さっそく朝食。2流な旅館の朝食を見事に再現した「朝食のお弁当」であった。でも、納豆がうれしい。
食べながら「この時間だと、ちょっとジプシーズ厳しいかも」と話していたが、食べ終わって支度してみたら、11時だった。私とT嬢、身支度に時間が全くかからないのである。
朝食食べてたら、少し腸が動いたが、結局、ウ○○は出なかった。残念。ここで逃すと、野外フェスの欠点である、あのトイレか・・・・あのトイレの行列を見ると、さらに腸は動かなくなるのだが。
そういや、うちのママンも、私が少し大きくなったころ、子供を父に預けて、兄嫁と一緒にスキーツアーに行ったりしていたが、「私は全然大丈夫なんだけど、みんな、キュウリとか持ってきて、ミソつけてバリバリ食べている」と話していたっけな。
フジロックでも、生キュウリは人気で、みなさんバリバリ食ってました。スキー場では、季節を問わず、キュウリをバリバリ食うのが伝統のようです。
ROCK 'N' ROLL GYPSIES
いちおう、土曜日のお目当ての一つだったのだが、T嬢も「別に無理して観るもんでもないし」と弱気。
ジプシーズは1時50分開始なのだが、次の目当てというか、今回のメーンイベントの一つであるトラキャンが6時半とは時間空きすぎである。
11時に支度完了で、フロントに下りて「駅までお願いします」と言うと、すぐに車を用意してくれた。
運転手のオジサンに「これって、夜も電話すれば迎えに来てくださるんですか?」と確認すると「1時までなら、大丈夫です」とのこと。
オフシーズンだけど、この時期はフル出動なんだろう。満室みたいだったし。
運転手のオジサンが「シャトルバス、けっこう混んでるみたいですね」と言っていたけど、ほんとだった。
あそこまで並んだのは初めてだ。
シャトルバス乗り場に行くのには、エスカレータを降りるけど、その上まで列ができていたのだ。さすが、土曜日売り切れだけあって、土曜日券のみの人が、ジャンジャン新幹線で到着しているらしい。
やっぱなあ、2年前の「通し券のみ」のときはよかったなあ。こういう緩急はなかったから。
でも、主催者側も「土曜日は空前の混み具合」というのはわかっていたようで、バスはどんどん出ているようで、1時間くらいで乗れました。
でも、あの行列にビビってタクシー使った人も多かったようで、バスで山を登っていると、上からどんどんタクシーが猛スピードで降りてきた。数えなかったけど20台以上はすれ違ったと思う。駅から苗場までは1万円はかからないみたいだから、4人いれば一人2000円くらいなので、利用する人がかなりいるようだ。
苗場に着いたのが、1時くらい。「わー、昨日に続いてギリギリだあ」と奥地を目指す。
ホワイトの手前から、奥地までの近道となる木道を通るが、その道の途中でもライブをやっている。
それが、けっこう混んでいて、どうりで逆走(走ってないけど)してくる人が多いわけだ。あそこでターンしてくる人もいるだろう。
こんなところで、いったいどんなバンドがやっているのかとタイム・テーブルを確認したら「ダブル・フェイマス」だった。よく知らんが、けっこう名のあるバンドじゃないか?そんなのここでやったら、そりゃ、客が溜まるわ。
幸いにも演奏前だったけど、演奏中はステージと客席(ってゆーか、木道をそれた林の中に無理やり降りる)の間を通ることになり「映画館出ると、宝塚の出待ちがお出迎え」にも似た、照れくさい状況になりそう。
長い木道を歩ききって、やっとヘヴン到着。
空は雲もかかっているけど、日差しもきつい。
さっそくビールで一息ついて、端のほうに座って日焼け止めを重ね塗りしているうちに、ライブが始まった。
ジプシーズの演奏は初めて聞いたが、花田裕之と下山淳が並んでると、ほんとに単なる後期ルースターズというか、曲もそんなかんじ。
下山淳のギターを聴くのも、えらい久しぶりだが、やっぱし、下山のギターの音が好きだなあ。音圧が高いところがいいんだよね。それに、下山は20代の頃から、全く若さの無いルックスの人だったので、40代半ばになっても、何も変わってないようだ。
彼がその昔、NYでレコーディングしたときに、街を歩いていると、みんな避けてくれたそうだ。
弟と泉谷しげるを観にいったときに、弟も「あの人、ぜったい、どっか体悪いよ」と心配していたので、「海外行くと、ジャンキーに思われて、避けられるらしいよ」と言ったら、「そりゃ、オレだって、NYとかで、ああいう人がいたら、避けて通るよ」
しかし、日差しがけっこう強くて暑い。「も〜、こういうマッタリしたのは、もっと夕方にやってほしかったよ」と文句を言いつつ、うっかり前のほうに行ってしまったが、すぐに疲れて、また横に下がって座って観てた。
ラストに近くなってきたら、雨がパラパラ降ってきた。
まだお天気雨ってかんじだったが、みんな雨具は完備しているから、待ってましたとばかりに、いっせいに雨具を羽織る様子に笑った。
みなさんの雨の備えが、だいたいわかった。ゴアテックスのしっかりしたレインスーツ、タウン用レインコート、安いビニール合羽と様々である。私も買おうかと思っていたMUJIのレインコートを着てる人も多かった。
「暑いから、このくらい雨が降ってくれたほうがいいよね」なんて言っていたのだが、しばらくすると本格的に降ってきた。ときどき止むけど、降ってる時間のほうが断然長い。昨日はほとんど降らなかったので、長靴はいらないかと思ったけど「お守り」として抱えてきてよかった。さっそく長靴のコステロ君にチェンジして、スニーカーはリュックの中に。
ジプシーズのライブが終ったのが3時くらいで、次はオレンジでのトラキャンが6時半だったので、それまで昼寝したかったのだが、まあ、このくらいの小雨だったらレインコート着て無理矢理昼寝できるか?
昨日、トラキャンを観てたときに「ここの草地だったら、かなり傾斜があるから、雨でも座ってられるかも」と思っていたので、アヴァロンに移動したが、なんだか客で溢れている。
ステージでは、なにやら叫んでいる人が・・・・・ええと、詩人の三代目の魚の人(笑)ですね。
人ごみをかきわけて、上のほうの、出店(服飾や石鹸などの店)が並んださらに先にシートを敷いて、さっそく寝転ぶ。
しかし、霧雨よりやや強い雨という程度だけど、やっぱし、寝られないなあ。
睡眠時間短かったから、ここで寝ておきたいのだが・・・・
でも、4時に寝て、10時に起きたんだから6時間寝てるわけで、まあまあか。
それでもT嬢は頑張って寝ていたが、けっこう冷えるのでトイレに行った。
タイミングが良かったのか、全然並ばないで入れた。
昔に比べると、トイレの数が増えたので、タイミングさえよければ並ばなくなったのが助かる。もちろん、土曜日は一番混んでいたので、グリーンやホワイトのトイレは一時間くらい並ぶこともあっただろうけど。
「ヘリうるせー」と同じくらい意見が多かったのが「トイレ増やせ」だったが、主催者だってなんとかしたいと思ってるんでしょうが、やはり数には限界がありましょう。
でも、掲示板を見ると「トイレ?5分以上ならんだことないな」という人もちらほらいて、こればかりは日ごろの行いというか、「人気バンドの途中を狙う」とか、ちょっとした心構えで全然並ばなくて済みました。
まあ、土曜日にずっと奥地にいたからなのかもしれませんが。
トイレに行ったついでに、アヴァロンにある屋台で飯を買う。雨降ってるから、食欲が落ちているらしく、珍しく並ばないで買えた。チリ・ビーンズかけご飯(ハワイ系屋台)をバリバリ食べた。
私の、西友で買った自転車用レインコートは、耐水性は大丈夫だったが、腕やファスナーのあたりの作りはやはりタウン用であり、Tシャツが湿ってきて寒くなってきたので、ネル・シャツを羽織ったが、それも湿ってきて体温が奪われるし、じっとり濡れているから不快。
弱い雨だが、ずっと降っているので、T嬢も寝てられなくなったのかムクリと起きだしたので、「今のうち、ご飯食べておいたほうがいいよ。それに、トイレも空いてるよ」と言ったら「じゃ、ちょっと行ってくる」
後から考えると、ほんとに大したことない雨だったので、ライブで盛り上がってる人たちはそれほど気にしてなかったかもしれないが、雨の中、ずっと座って休憩しているのは、けっこう辛かった。修行でした。
じっと座っていると、レインコートや敷物に雨が溜まってくるので、5分ごとに立ち上がってバサバサと雨水を落としていた。それに体も冷えてきたので、「奥地の足場確認のために、一回りしてくるわ」とT嬢を置いて、散歩しに行った。
ヘヴンには、水路が何本もできており、けっこう激しく流れていたし、オレンジも「雨の日のグラウンド」そのもので、どちらも、とても敷物を広げられるような状況ではない。折りたたみ椅子に座って、じっと下を向いて雨を堪える人が多く、そんな女の子たちが三人横に並ぶ姿は、「見ザル・言わザル・聞かザル」の雨バージョンのようだったし、私がカメラマンだったら「わー、フォトジェニックな被写体がいっぱい」と喜びそうな「ぷち極限状態」であった。
生まれたときからエアコン完備の環境で育った若者たちが、小雨の中、それぞれのやり方で必死に耐える姿は、けっこう面白い。
オレンジの後ろのほうには、スポンサーであるLARKが「お得意様が雨の中でも、安心して楽しめるように」と、大きなテント2つと、パラソルが数台設置してあって「20歳以下立ち入り禁止」というニコチン・ジャンキー安らぎスポットになっていたが、その下にびっしり人が立って雨宿りしていた。「雑踏でタバコ吸うな」という意見も掲示板では多かったが、さすがにあそこで文句言う人もいないだろう(笑)
オレンジでは、雨の中、けっこうな人が前のほうに押し寄せて盛り上がっていた。
ええと、この大阪弁の帽子がトレードマークのブルースの人は・・・・木村さんだけど・・・・ええと、ええと、あー、思い出せない!
またアヴァロンに戻って、Tさんに「大阪弁のブルースの木村さんのバンドって何てゆーんだっけ?」と早速聞くと「・・・憂歌団?」と即答。そうそうそうそう!あー、すっきりした。
そーいや、アヴァロンでやっていた「Saigennji」という人も、けっこうよかったな。オリジナル・ラブをもっとボサにしたみたいで、聴き入ってしまったよ。
アコギなSS
くどいようだが、雨の中、じっと座っていたので、時間が経つのが遅かったけど、「雨のことしか考えない」という貴重な時間を過ごさせていただきました。負け惜しみです。くっそー、「ほほほ、私の日ごろの行いがいいから、フジロックに行っても全然雨に降られないわ」とか言ってたのによー。
やっと5時を回って「ああ、もうすぐだよ。これでトラキャン観たら、屋根のあるレッドに戻れる」
時間空いてたから、レッドに戻ることも考えたが、往復1時間だし、レッドも雨宿りの人で混雑しているであろう。なによりも、レッチリ待ちの人たちでごったがえしているはずだし。
5時45分。
アヴァロンで「アコギなSS」こと、下山淳と仲野茂のアコースティック・ユニットが開始。
緑の森の中で「団地のオバサン」を演奏してました。仲野茂も、「なんだかオレ、浮きまくってる?」と自覚して開き直っていたようです。
草地に座って、まったりアナーキーな演奏を聴くのもまた一興である。
トラッシュキャン・シナトラズ
アコギなSSが終る前に、いよいよオレンジに移動。
雨も途切れ途切れになってきたので、ヘブンの「川」も大人しくなっていた。
オレンジは水浸しで荷物置けるような場所もないので、周囲を囲む小高い場所の草むらにビニル袋で武装した荷物を置いた。
そしたら、急に雨が今までよりも激しくなってきた。風も強くなり、横殴りの雨になる。顔に雨が吹き付けるので、「わーん、また体が濡れちゃうよ」
さっき観にきたときには、びっしり人が詰まっていたLARKのテントであるが、みんなそろそろグリーンやホワイトに移動したのか、それほど混んでなかった。パラソルの下に、空いている椅子を発見したので、そこで雨やどり。
ずっと雨に晒されていたので、パラソルの下は空気が乾燥していて、びっくりするほど心地よい。
「わー、やっぱ、傘って偉大だなあ」
と、感動した。クリストさんが、ここでもアンブレラ計画やってくれればよかったのに。
そうこうしているうちに、トラキャンのライブが始まったが、パラソルの下が居心地よくて、PAテントが邪魔をして、そこからはステージが観えないが、そこから離れられない。
3曲くらいそこで聴いていたが、「今日はこれがメインなんだから、雨に負けていてはいかん」と決意して、前のほうに移動。それなりに人は集まっていたが、前から5列くらいまで余裕で行けそうなくらいなのを10列目くらいでやめておく。
さすがに、前のほうはコアなファンが多いようで、けっこうノリノリだった。
開始から30分くらいしたら、雨がまた霧雨になって、レインコートの帽子部分を外しても大丈夫なくらい。ボーカルのリーダー君が「雨やんだみたい?」と客に尋ねていて、「よっし」とガッツポーズしていたのが可愛いかった。
それにしても、昨日のアコースティックもよかったが、今日も素晴らしい。
ちょうど、日没の時間だったので、晴れてたら夕暮れの中だったはずで、もっと素晴らしかったと思うが、霧雨の中で聴いていても、あの歌声は、なんていうのか、陳腐な形容であるが「人を元気にさせる力」があるよなあ。
姉のエディも、そんな歌手だったけど、これが遺伝子で決められたものであるなら、その遺伝子をもっと大量生産してほしい。
雨でヘタってたけど、急に元気になっちゃったもん。
別にパワフルなわけでもなく、ただ、なんか、朝ご飯の納豆みたいに効くんだよな。
「ああ、また来週から仕事で忙しいが、なんかガンバレそう」と思ったし、ちょっと実験してみたいが、自殺寸前の人に、あの歌声を聴かせたら、まあ趣味もあるだろうけど、けっこう思いとどまる人いるんじゃないかな?
キーンとか、アズテックとか、シンプリー・レッドなどと並んで、トラキャンも、その音楽が流れていると「これが流れている間はちょっと死にたくない」と思わせるような、「なにか」がある。
ああ、ほんと、ずっと聴いてたかったよ。
朝までやってほしかったよ。もちろん、熟睡しながら聴くが(笑)
とりあえず、私が職場でピリピリピリっとしたときに、ジャーンと登場してほしいな。確実に血圧は20くらい下がりそうだ。でも、残念ながら体脂肪も体重も落ちないが。
ちなみに、T嬢からこんなメールが届いた。「後輩はウドフェスでサンドイッチカップルを生観戦した模様。そしてウドフェスでひいた風邪が治らず、フジでトラキャンを見る体力というか雨の中、奥まで行く元気がなかったらしい。去年は大雨の中オレンジでエディ・リーダーを見たらしいのであの姉弟はオレンジに雨を降らせるという結論になりました。」
そうか、雨姉弟だったか・・・・
つーか、トラキャンの話できる職場がうらやましい。そーいや、うちも、どうやら社長の息子はベン・フォールズを聴いてたりする。他の社員と雑談してたときに「ベンズがさあ」って話していたのに、完全スルーされてたので「どうしよ、私がフォローすべきか?」と思ったが、こんど、あいつを洗脳して(いい車乗ってる。ボンだから)連れていくか?
クーラ・シェイカー
トラキャンが終ったころ、雨はほとんど止んでいた。
Tさんと「よかったね〜、トラキャン。雨の中、3時間も修行した甲斐があったよ」とエールを交換してから、「さーて、レッドまで急いで戻らんと」とテクテク歩きはじめる。
途中でホワイトを通過するときに、「ここ通るときに、終るとガッカリするけど、いっつもそうなんだよなあ」と言っていたら、やっぱし、ステージ上から「みんな、ありがと〜」という声が・・・・・
きゃーーーー、私らが通り過ぎるまで終らないで〜〜〜〜〜
しかし、願いも虚しく、最後の曲をギターノイズでひっぱりタイムに突入。バック・ドロップさん、そういうとき、マイブラだったらそのノイズを20分くらいやるよ?グローバル・スタンダードの国際規格では、ノイズ・ギター・バンドがノイズ攻撃始めたら、最低限15分はやらないといけないのだ。
しかし、私らがホワイト縦断半分もしてないうちに、あっけなく終わり。
客もさっさとバラけて、私らの前に雑踏を形勢。「バック・ドロップの根性無し!」と自分勝手に文句を言ってた。
「せめて、グリーンは電グル演奏中で、通りぬけやすいといいな」
思った通り、グリーンが近づくと「夢でキッス キッス キス ♪」とシャングリラ演奏中であった。
卓球のDJは死ぬほど聴いたことがあるが、そういや電気グルーブのライブなんて観たこないな。T嬢は「瀧はどんなかぶりもの被ってるのかな?」
グリーンに差し掛かると、次のレッチリ待ち体勢に入ってる人も多いのか、「わー、壮観」な人ごみ。
モニター画面を眺めたが、瀧は被り物かぶってなかった。
いやー、しかし、フジロックの土曜日はこうでなくちゃ。
「人大杉」という意見も多かったが、あの光景は何度観ても笑う。オールスタンディングで3万人が集まると、どういうことになるのか、あれは、自分の目で見てみないと、そのバカバカしさを楽しめない。
通り抜けただけだが、通路もけっこう詰まっていたので、わりと電グルの演奏も聴けてしまったけど、けっこう頑張ってたと思う。でも、前の方の客のほとんどが「レッチリ待ち」だったので、あんまし盛り上がってなかった。
レッドとワールドレストランの間の林にシートを敷いて陣取った。さっそく、イギリス屋台にビールを買いにいくが、その横ではベルギー・ビールの生を売ってたので、そっちにした。お兄さんが可愛かったので(笑)
電グルが終ったころ、けっこうレッドに人が流れてきたが、思ったほど混んでなかった。でも、やっぱり屋根の下からは溢れるほど集まっている。
どうせ、しばらくしたら、レッチリ目当ての人たちが移動するので、そのときにちょこっと前に行こう、と、また大人な作戦である。
8時少し過ぎたころ、レッドに到着して、8時半にライブ開始。
30分くらいしたら、予想していたとおり「そろそろレッチリ」な人たちが、ぞろぞろと出てきたので、人ごみをぬって前のほうまで行ってみた。PAの少し前くらい。
クーラ・シェイカー、ほんと最高。
グラストンベリーでは、プライマル蹴って2回も観ちゃったもんな。
とにかく演奏が上手いし、あのワウワウギターを聴いてるとテンションあがるのだ。
9時15分近くなり、私の横にいた男の子が連れに「じゃ、15分になったら移動しよう」なんて言ってる最中に、出ました〜、Hush!
T嬢はずっと林の中で鑑賞していたようだが、途中から来た男の子に「すいません、クーラ、最初から聴いてます?」と話し掛けられ「ええ、はい」と言うと「あの、♪なーなななーって曲はもうやりました?」と聴かれたそうだ(笑)
みんなで、♪なーなななーと大合唱して、ふと私は「さっき、ビール飲んだし、ちょっとトイレに行きたいかも」と思って「今ならチャンスだ」とレッドを抜けて、トイレまで小走り。待ち時間ゼロで、また戻ってきたので、1曲分しかロスしませんでした。(つーか、トイレからも聴こえるし)
レッドのトリだから、アンコールやるかと思ったけど、結局やらなかった。
それよりも、Hushを9時15分にやったクリスピンの親切さ(?)に拍手を送りたい。
レッチリ(ホッチリとも言うらしい)
クーラが終ったのが9時半で、隣のグリーンでレッチリが始まるのも9時半。
レッドの客が、凄い勢いでグリーンに移動するので、しばらく道が空くまで座って待った。
一曲目が始まったころ「じゃ、ちょっくら覗きにいきまひょ」と、ノロノロと移動。
実はT嬢は「来日公演は多分、全部行ってると思う」というほどのレッチリ好きであるが、「なので、別にここで観なくてもいい」らしい。
私は一度も観たことないので、ちょっと観てみたいという程度。
なので、「触りだけ観て、空いてるうちにバスに乗ろう」という大人計画である。
さて、グリーンに戻り、後ろのほうから、小高くなってる木の下あたりまでゆっくり前進。あのあたりは、まだシートを撤収してない人がいて「なんでだろうねえ?」ってかんじである。踏みまくられるのになあ。
まあ、昼間はもっとゆとりがあるので、混んでいるときにこうなるのが予想できないのかもしれない。
さて、ステージや会場が見渡せる好位置に立てたが、広大な会場が人で埋め尽くされる様子にまた笑う。
グリーンは広すぎて、あまり音が大きくないのだが(前のほうに行けばいいんだけどね)、人が多いと音が吸収されてしまうのか、後ろのほうだと音が小さいのである。だから爆音系のライブはホワイトのほうがいい。
T嬢に「歌は下手だけど、ギターはバカうまですから」と言い訳されていたが、確かに演奏はうまいや。うますぎ。つーか、これでアンソニーが歌唱力が売りのボーカルだったら、ツェッペリンになっちゃうじゃん?
「でも、そんな歌ヘタじゃないじゃん?」と言うと、T嬢も「うーん、でも、こういうのをヘタって感じるらしいんだよね。でも、声質はいいと思うんだけどな」
私もそう思った。歌テクがないだけ、声質の良さを生かして、わりかし素直に唄っているのが好感持てるというか、唄に変な自意識が無いところが、このバンドが成功した要因なのではないか?
T嬢は横で「アンソニーがなかなか脱がないんだよ、最近」とボヤいていた。今回も皮のチョッキみたいのずっと着てたし。途中で脱ぐらしいが、「だったら最初から脱げ」と思うらしい。
私は別にアンソニーの裸はどうでもよかったが、「あの変な手袋なに?」
黒と緑のボーダー手袋を片手にしている。なんつーか、昔流行ったアニエスのボーダーシャツをオカンが結婚した娘や息子が残したタンスから掘り出して、「自転車乗るときの日焼け防止にいいわね」って袖のとこだけ切り取って腕カバーにしたみたいな。
「たしかに、アンソニーはわりと手袋しているけど、あの柄はないよなあ」とT嬢。
9時を回ったあたりで「じゃ、堪能したんで、そろそろ」と、会場を後にした。
昨日はあれだけ大渋滞していた道だが、今日は快適に歩けた。やっぱ、バスに乗るならこの時間だね。
10時半ごろにはバスに乗れて、11時過ぎには湯沢に着いた。タクシーがじゃんじゃん登って行ってました。
駅の反対側の温泉街にあるコンビニで、ビールを買ったが、「なんか甘いもの食べたいね」とアイスもなかを買って、食べながらまたシャトルバス乗り場側に戻って、公衆電話から(私もT嬢も携帯は部屋に放置)宿に電話したら、すぐに迎えにきてくれるという。
朝と同じオジサンが迎えに来てくれた。カップルが一組、やはり迎えを呼んでいたようで、小さな車に4人乗り込む。私の隣に座った彼女のほうに「今日は早めに切り上げたんですか?」と話し掛けたら「私たち、明日のマンデーズ狙いなんで、今日は体力温存なんです〜〜〜」とのことでした。
宿についたら、12時前で、ロビーのテレビではチャングムが流れており「もうちょっと早く帰ってくれば、観れたなあ」と少し残念。
お風呂入ってから、ビール飲みつつ雑談して、2時頃寝た。
ほんとは、今夜の2MANYDJSも観たかったけど、前回行ったとき「もう夜中はダメだあたし」と懲りたので、もし朝までいるなら、夜出動とかにしないと絶対無理である。
さて、今朝、じゅうぶんサプライズしたから、明日の朝はニッコリ笑顔で朝食の弁当を受け取ろう。
三日日 7月30日(日)
なんか、予想外のファンファーレな音で意識が戻る。
「この音楽は・・・・・・ええと・・・・」
3秒くらい考えて、やっとわかりました。
スターウォーズのテーマでした。
ダースベーダーのテーマを無意識にプログラミングしていたので、かなり意表をつかれました(笑)
それからまた寝なおして、5分後くらいにドアのノック。ニッコリとお弁当を受け取る。昨日の夜にフロントにいたお姉さんだった。お仕事ご苦労様です。フジロック手当てはたっぷり出るのでしょうか?(そうじゃないと、やってらんないよな)
さて、今回は最初から「金土二泊」にしていたのだが、私は月曜日が月末だったので「絶対に休めないわけではないが、何かあったときに、同僚に迷惑かける」という程度だったので、もしかして、T嬢が「やっぱ、せっかくだからマンデーズ観よう」と言い出すのではないかと思っていたのだが、彼女は仕事を沢山残して来たようで「日曜日はなるべく早めに帰らないと」ということになったようだ。
10時にチェックアウトなので、今日は寝なおすこともなく、さっさと朝食を食べた。
少し食べたら、急に腸が動き出して、無事ご開通。エスニック系なものばかり食ってたんで、すごい匂いがしたよ。はあ、これで少し身軽になった。宿でウ○ち出るだけで、こんなに達成感っていうのも、なんだか(笑)
身支度して荷造りして、10時前にはフロントでチェックアウトして、駅まで送ってもらう。他の客も一緒だった。
駅でT嬢と別れて、私は荷物をコインロッカーに預けようとしたが、越後湯沢駅はスキー用の契約ロッカーに場所をとられているため、普通のロッカーが意外に少なく、すでに一杯だった。
駅の観光インフォメーションに「ロッカーって他にないのでしょうか?」と尋ねると「ええと、あっちのは?」と教えてくれるが「そっちのも一杯でした」と言うと「じゃあ、白銀閣っていう日本旅館で500円で預かってくれますよ」と地図で説明してくれた。インフォメーションの人たち、すごく感じよかった。さすが有名観光地。プロだわ。
シャトルバスの降車位置からすぐのところにある白銀閣はすぐに見つかったが、「え?ここ?」
打ち水された入り口を入ると、広い土間。スタッフが爽やかに挨拶してくれたが、「う、泥だらけの長靴姿ですいません」ってかんじである。フロントの若い姉ちゃんに「ここで荷物を預かってくださると」と言うと、テキパキと対応してくれたが、荷物はなんてことない、フロント広間の脇にある小部屋に置いておいてくれるだけである。
あの宿にどのくらい「フジロックな人」が泊まっているか知らないが(普通だと一泊2万円くらいするらしいが、フジロック価格があったのかな)、これほど長靴が似合わない宿が、駅のあんな近くにあるとは驚いた。
つーか、長靴で土間を泥で汚しちゃったし、すいません。
さて、荷物も軽くなったし、バス乗り場に向かうが、やはりけっこう混んでいる。でも、30分くらいで乗れた。
あと30分早ければ、ギター・ウルフも観られたのになあ。朝10時20分のギターウルフって、朝礼?
会場に着いたのは11時前だったが、ダフ屋がまだ沢山いて、みんな腐ってた。(暑いし)
とにかく暑いので、またレッドの林のところで陣取ることにする。今日は別に観たいものもないので(しいて言うなら大江慎也だったが、それ観ると終電間に合わない。その前のキリング・ジョークだとギリギリ間に合うが、東京帰ると深夜っていうのも疲れるからやめた)、ゴロゴロ昼寝して、温泉入って早めに帰るつもりだった。
雨上がりの晴天だった日曜日は、虫さんがかなり活発になっていた。
蟻は元気にシートを這い上がってくるし、足長蜘蛛さんにもカップルで襲撃された。隣にいた女子グループが「きゃ〜〜〜〜〜〜、そうだ、こういうのがいるんだよ、忘れてた〜」と騒いでいた。
こりゃ、刺されると晴れ上がって医者のお世話になるという噂のダニも活躍しているだろうから、日焼け止めクリームと虫除けスプレーを交互に使用。
そうこうしているうちに、グリーンのオープニングである「鼓童」が始まった。
うーん、こりゃ、すごい。
グリーンで陣取りしている人たちも、びっくりしたようで、曲間には「わーーーーーーー」と歓声が響いていた。
でも、グリーンは木陰が少ないから、あっち行くのやなので、林の中で寝転がって鑑賞。
11時半になると、レッドでも次のライブが始まった。MILBURNっていう英国若手バンド。なかなか元気よくて、よろしい。くどいようだが、木陰で寝転がって聴くと、なんでもかんでも最高なのである。
「さて、昼近くになったし、ビールでも飲むか」とイギリス屋台に行ったら、「売り切れです」
がーーーーーーーーーーん
しょうがないから、またベルギービールだ。でも、これも美味しいんだけど。
昨日は雨だったら、お子様の姿は少なかったけど、ときどき雨合羽着せられて歩いている子供もいて「子供は、いったいどう思ってるんだろうか?」と思ったが、今日は虫も活発だけど、お子様も沸いたように出てきた。
意外とみんな大人しいんだよね。まだ時間が早いせいもあるけど。
「子連れ」の話題も掲示板で荒れがちなんであるが、私はけっこういいと思うんだけどな。やっぱ、親が楽しそうだと子供も楽しそうにしてるし、熱射病とか雨のときに無理させなければ、あと、間違ってもレッチリなんかのときに子連れで前方なんかに行かなければ、子供でも楽しんでいると思うけど。
自分のやりたいこと我慢して、ストレスを子供にぶつけるくらいなら、行ったほうがいいんじゃないかと思う。
あと、子連れだと、絶対無理できないから、自然と「大人の行動」(無理な移動はしないとか、前のほうに行かないとか、トリは観ないで帰るとか)になると思いました。
昼ご飯はフィッシュ&チップスを食べながら、レッドのMUMM-RAの演奏を聴いた。これも、なかなかよい。
さて、午後はどうしようかな。奥地で小野リサというのも考えたが、暑いし、もう奥地まで歩く気力もなかった。そういえば、今回は、オレンジ、ヘヴン、アヴァロン、ホワイト、レッドと、全ステージを制覇したが、「そーいや、グリーンでの演目をまともに一回も観てない」と気が着いたので、「じゃ、グリーンのも観てみまひょ」と移動してみました。
KT TUNSTALL
金土の昼間は空いているから、昼下がりのグリーンもゆったりしてたけど、なにせ晴天だから、木陰は争奪戦なのに、「敷物で場所とりして、どっかに行くな〜〜〜〜」である。
死んだように眠っている人も多い。
でも、1人だから、なんとかシートとシートの隙間に自分のを置いて、座った。
近所には外人ファミリーが陣取ってて、白人のお母さんが2歳くらいの子供を抱えて戻ってきたけど、「げ、このお母さん、妊娠中じゃん?」
海外のフェスにも行ったことあるけど、ああいう場所に行くと「この人たちと戦争しては絶対にいけない」と痛感するというか、ほんと基礎体力が違うらしい。
「子供が小さいから行けません」とか「妊娠中だから我慢します」なんていう書き込みした人に見せてあげたいくらいの「乳児抱えて妊娠中ですけど、なにか?」である。
それにちゃんと子供には防音用にヘッドホンをさせていた。大人用のデカイやつ。よく、大人しくはめていると感心する。あれは、事前に練習して慣れさせておかないと無理だろう。
さすがに音楽に興味はないので、KTの演奏が始まると、ムズムズと動き出して、隣の敷きっぱなしの無人シートに土足であがり、ピックを外そうとしていたので「よーし、やれやれ、やっちまえ」と無言で応援したが、すぐにお母さんに抱きかかえられてどこかにあやしに行ってしまった。
さて、KTさんについて何も知らなかったのですが、私は女性ボーカルがあまり得意ではないので、全然期待してなかったんですが、すごくよかった。
声が太くて、男みたいにガナるかと思えば、バラードではハスキーで繊細な声になり、すごくマイルドなジャニスみたいだった。とにかく声が伸びるので、昼間のグリーンにぴったりマッチしていた。曲もいいし、美人だし、こりゃ、10年後には凄い大物になってるかもね。
KTの歌声聴きながら、青空を仰いでくつろいで、終る前にまたレッドに移動してTHE AUTOMATICに間に合った。英国新人バンドをたくさん観てしまったので、今となっては、どれがどれだかわかりません(笑)
SNOW PATROL
T嬢が「日曜日で観たいのは、スノーパトロールだけかも」と言っていたけど、レッドの林の中で隣にいた白人男性も妻の日本人女性に「次はスノーパトロールだけど、どうする?けっこう大物だよ?」と話し掛けていましたが、妻は気乗りしてませんでした。木陰でゴロゴロしていたかったのでしょう。子供も連れてたし、ああして日曜だけ参加して「家族でピクニック」というのもいいけど、けっこう高価なピクニックだ(笑)
レッドの林は、そういう「人ごみは嫌い、紫外線も嫌い、歩くの嫌い」な人が多くて、横にいた女の子も友だちに「こういうとこ来てて、言うのもなんだけど、わたしって、人ごみ嫌いなんだよね〜」と言ってました。
ほんと、金曜日と日曜日は空いているので、大人は土曜日は温泉旅館でのんびりっていうが正しいかもしれない。でも、一日だけだとやっぱり物足りない。T嬢も「やっぱ、二日はいないとね」と言っていた。
3時になったので、またグリーンへ移動。この時間だと、日差しも少し緩むが、それでも暑い。
昨日の雨で、グリーンの前のほう(PAテントの前くらい)はドロドロになっているようだ。結局、あそこが一番、水はけが悪いんだろうな。今回、道はかなり整備されていたので、長靴のほうがラクではあったが、スニーカーでも大丈夫な人は大丈夫なくらいだった。
スノーパトロールは前半はちょっと緊張気味というか、昼間のグリーン・ステージは、こういうギターバンドにはけっこう難解なステージなのだ。
パワフルなパーカッション系とか(鼓童なんかは、まさにそれ)、ラテンやレゲエとかのほうがしっくり来るし、客もバンド目当てよりも「なんとなく雰囲気を楽しんでいる」という状態なので、余興っぽい演奏のほうが受けがいい。
でも、3曲目くらいで出だしトチってから、だんだん温まってきたようだ。ありがち。
「さて、もう3時半だし、そろそろ帰るか」
と、歩きながら演奏を聴いた。
これも計画的行動。
演奏中に出ると、なんかずっと続いている感じがするじゃない?
その時間に会場に向かう人も多いようだった。ストロークスやモグワイを観るなら、あの時間に出てくるのが正解だろう。
やはり最後のバスも「路線バス」でした。
わーん、今回はとうとう一度も「観光バス」に乗れなかったよ〜
そんなに確率低くないのになあ、なぜ?
でも、バスではちゃんと左側の席に座って、国道からグリーンステージを眺めてました。スノパトは当然まだ演奏中。モニターにボーカル君の顔がアップになり「さよなら」と心の中で手を振る。
ふふっ、計画どおりにいきすぎて、恥かしいくらいだわ。
4時半ごろには駅についていた。
もう、バス乗り場もさすがに行列無し。寂しい。
まず、駅で新幹線の切符を買った。その時間だと売り場も空いていた。
ほんとは、駅から徒歩20分くらいのところにある「山の湯」という前回開拓した立ち寄り温泉(というか町営銭湯温泉)に行きたかったのだが、やはり面倒になり、駅前にある「江神温泉」に行くことにした。
夕方だったので、地元のオバサンが多かったけど、フジロックの人たちもかなり寄っているようで、ロビーにはリュックがたくさん置いてあった。
お湯質は「山の湯」のほうがよかった気がしたが、こっちも立派な温泉である。
髪の毛は洗わずに、ゆっくり湯船につかって、体を洗うというよりは「日焼けどめクリームと、虫除けスプレーを落とさないと」とばかりゴシゴシ洗った。
着替えて外に出ると「わー、やっぱ、温泉入ると、足の疲れが全然違う!」
今日はあんまし歩いてないとはいえ、足はかなりムクんでいたようで、それがすっきりしたので感激。
白銀閣で荷物を受け取り、駅に戻って会社用の土産を買い、地ビールのお店で茶色いビールをテイクアウトして、ホームで新幹線待ち。
その時間になると、切符売り場も列ができていたので、早めに切符買っておいて正解だった。
結局、5時半くらいの新幹線に乗ったんだっけ?
けっこう混んでいたけど、自由席になんとか空席を探せた。
1時間で大宮。むしょうにお腹が空いたので、スタンドでメロンパン買って、埼京線のホームでコーヒー牛乳片手にボロボロこぼしながらむさぼり食った。
湘南新宿ラインが来たので、それに乗ったら、あっという間に渋谷。やっぱ近いよ。
渋谷からまたバスに乗って、スーパーで買い物してから、家についたのが9時前だったかな。
ふー、やっぱ、このくらいで丁度いいや。
観たいものは全部しっかり観たので、大変満足でした。
雨に降られたけど、後で考えればたいしたことなかったし。
「苗場はこれで最後」という噂もあるが、ずっと苗場でやってほしいなあ。たしかに何度も行っているので、新鮮味はなくなったが、その代わり、ポイントはかなり押さえられるようになったので、居心地よくなった。通路も年々整備しているし、トイレも確実に改善されているので、これがまだ別の場所になったら、一からやり直しになってしまう。
私の唯一の要望は「やはり二年前みたいに三日間通し券のみにしてほしい」である。通し券のみにすると、みんなの会場滞在時間がバラけるので、雰囲気がもっとゆったりしていた。でも、土曜日に集中するのも、あれはあれなりに「見物」ではあるんだけどね。(それが自分のメインではなければ)
あれだけ帰りのバスが混むのなら、グリーンやホワイトのトリはあと1時間早く終ってもいいような気もするが、でも、早すぎるのもシラけるし、難しいところだ。とりあえず、大人が見たがるものは、トリの一つ前に終らしてくれないかなあ。(贅沢言ってすいません)
バスが嫌なら、早めに苗場の宿を確保するという手もあるが、うーむ、そういや、T嬢も苗プリ宿泊経験は無いし、私はテント1泊しか経験ないし、二人で行ったのは湯沢温泉旅館だったし、苗場の宿というのは未知数っていうか、「じゃあ、行こうかあ?」と決意するころには、苗場の宿なんて空いてないのよ。
前にT嬢の後輩が苗場の宿に泊まったことがあったらしく「シャイニングみたいな宿だったんで、フジロックはもうこりごり」と言っていたそうだが、「シャイニングみたいな宿」って(笑)
あと、今回、絶大なる不評だった「遊覧ヘリ」ですが、私は全然気にならなかったし、どうせなら、苗プリの前のバス乗り場からオレンジの奥に輸送してほしかったです。でも、来年は無いだろうな。来年も飛んでたら、逆に日高大将すごいと思うよ。
では、最後に「大人がフジロックを楽しむコツ」を思いつくかぎり書いてみよう。
・立ってみるのは一日一つまで。(それくらいのほうが、しっかり楽しめます)
・なるべくトリは観ない。(トリの1個前くらいをメインに据えるとストレス無し。2004年の「ピクシーズ最高だったねえ!じゃあ、ルー様ちょっと観てから帰って温泉漬かるべ」というのがベストでした。
・どうしても、トリを観たかったら、その日はテント泊して、翌日豪華旅館でまったりしろ。
・大人は当然、新幹線。(自由席でもちゃんと座れます)
・雨具はやっぱし高いの買っとけ。(キャバクラを2回くらい我慢すれば、最高の雨具が買えると思う)
さて、またフジロックに行くかもしれないけど(T嬢は、キュアの出演を夢みております)、来年はやっぱ、ウドーストックかな(笑)
ほんと、行けばよかったよ。ベン・フォールズ観に。日曜日にベンだったら絶対に行ってた。
さて、フジロックで今後観たいアーティストって誰だろう?
日曜日の午後3時から、グリーン・ステージでシュガー・ベイブ再結成!
これだな。そういや、ムーンライダーズはフジロックに出たことあるのかな。
いや、ほんとに、昼間にそういうのやっておけば、そういう客は絶対にレッチリなんて最後まで観ないし。
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