可燃物な日々

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2月15日(木)

ヤア!ヤア!ヤア!夜中に友達が不幸を背負ってやって来た!

 昨日、家に帰ると留守電が入っていた。Aからだった。
 「片目が見えなくなって、会社はお休みすることになりました・・・・・失明するかもしれません・・・・・くわしくはまた電話します」

 5時ごろの電話だったが、その後電話はなくて、12時ごろ寝ようと目覚ましをセットして消灯しようとしたとたんに電話。
 「これから行ってもいい?」
 「って・・・あんた今どこにいるの?」
 「渋谷」
 「目は大丈夫なの?こんな夜中にほっつき歩いててもいいの?」
 「とりあえず、行ってから話す」

 20分後くらいにAが到着。
 今日は、職場に行ってから、渋谷のレコード屋で働く友人と会っていたそうで、そのあとうちに来たようだ。

 ここまでの経緯の説明。
 少し前から、視界に太陽を見たあとの残像のような影があった。最初はなにか気のせいかと思ったが、視界が悪くて不便だし、だんだん心配になってきて、とうとう先週の土曜日に医者に行こうと思ったが、近所に土曜日に開業している目医者がなく、仕方なくコンタクトレンズ屋に併設されているような医者に行く。
 そこの医者によると「眼球に傷はない」とのこと、だがそうなると別の要因なわけで、本人も心配したのが「くも膜下出血?」であるが、その医者も「なにか気分が悪いとかそういうことはありませんか?とにかくここではこれ以上調べられないので、ちゃんとした目医者に行ってください!」とその不安を煽る。

 土曜日も出社だったので、会社で上司にその旨を告げると、さすがに真っ青になったみたいで、「とにかく月曜日は医者に行きなさい」というわけで、やっと月曜日にかかりつけの目医者に行く。そこでの診断は、「眼球の一番奥の目で一番大切な映像を神経に伝達する部分に傷が出来ていて、このまま放っておくと失明する可能性もある。すぐに手術が必要かもしれない。」と、大学病院への紹介状を書いてくれた。

 「失明?手術?」

 Aはパニックを起こして家に泣いて帰り、そのまま親に連れられて大学病院へ。検査による診断は町医者と同じ。
 「このままでは失明する可能性もあります。手術が必要になるかもしれません」

 目の奥の神経が何かの原因で攣れてしまい、それで歪みが生じているらしい。手術ではその圧迫を取り除くのだそうだが、その手術をしても完治する可能性は「50%」。なにやら目の中のゲルを掻き出すとか言う、聞いているだけで胃が痛くなってくるような手術である。
 とりあえず、もう少し精密検査を徹底的にしてからの判断になるのだそうだ。いったい何が原因でそんなことになったのかきいても「わかりません」らしく、とりあえず過酷な労働環境が直接原因ではないようだ。医者によるとAがインフルエンザに罹ったときの高熱で目の中に気泡ができて、それが原因という可能性もあるらしい。

 まあ、心配されていた「命に別状のある病気」ではなかったので、上司もほっとしたようであるが、なにせ夜中まで引きずり回し、土曜日も仕事という職場であるので「悪いけど、休職してちょうだい」ということになり、昨日正式に決定されて、事実上の解雇。上司もかなりショックを受けていたようで、かなり気落ちしていたようだ。

 辞めるつもりではあったけれど、予想外の突然の展開で職も失い、失明の恐怖に脅え、ついでに心の支えだったメル友には「彼女ができた」とのことで、「もう、なんでこんなに幸薄いのだろう・・・・」と嘆くことしきり。

 以前、別の友人がやたらと「厄年」にこだわり、「なんか仕事がなかなか決まらなくてさ〜やっぱ厄年だから?」とか、なにかちょこっと上手く行かないとすぐ厄年のせいにのように言うので、「バカモノ。厄年というのはその程度ではない。」と説教したが、Aのはかなり「本格的厄年」のかおりがするので「もしかして、厄年だったけ?」「まだ、前厄・・・」

 とにかくしばらくは治療に専念することになるようだが、それにしても可哀相だ。具合が悪いのはどちらかというと視力のいいほうの目で、そちらが見えないとなると、残るのは弱視の目になってしまうそうで、かなり参っている。

 月曜夜は紅茶の飲み過ぎ、火曜夜は中国茶の飲み過ぎで、寝不足だった私は、昨日こそたっぷり寝ようとしていたのだが、そういうわけで、夜中の訪問者に付合って2時過ぎまで話し込み、今日も寝不足だ。今日こそ早く寝よう。食欲もすっかり戻ったし、健康はなにものにも代え難い。

 ああ、こんな友達の不幸話を披露したら、出版差し止めかなあ・・・・と不謹慎なことをついつい言ってしまうが、まあ私が一緒に嘆き悲しんでも直るわけでもないし、淡々と他人事を聴くキャラも彼女にとっては必要だと、よく言われるのでお言葉に甘えて・・・・



2月14日(水)

 今日がバレンタインデーだったらしい。会社で若い女の子はチョコを配布していた。すでに私は興味を失っていたので、その行為を空ろな視線で眺めていた。
 ここんとこ、体調不良のためずっと引き篭っていたので、やたらと日記に書き殴っていたが、今日はやっとスポーツクラブに復帰。なにせ2週間ぶりなので念入りにストレッチをしてヒップホップに参加。大学生くらいの新入りが多い。もう冬休みなのだな。
 
 あまり無理をしてはいけないと力を抜いてやろうと思ったが、また先生が手足を複雑怪奇に動かす動作をやるもんだから、手抜きどころか全くついていけず・・・・曲も私が苦手とする緩いヒップホップでアレステッド・ディベロプメントみたいというか多分そうなんだろうけど、あのグルーブでカウントとるのって難しいんですよ。立ち尽くしてばかりだったので、病み上がりにはちょうどよかった。(負け惜しみ)

 先生が「明日、実は六本木のクラブで踊るんだけど、平日だし、出番は夜中の2時だし、誰も来れないわよね〜」とおっしゃっていたので、帰り際に「六本木のどこですか?」と訪ねたら、「コアってところなのよ〜」
 ここは、私がこんなに踊りが下手でリズム感がなくても、実は現役バリバリのクラバーであることをアピールしなくてはいけないと、「ああ、あの地下にずず〜んともぐったところですね?」と言ったのだけど、聞き流された。ちっ。先生はCOREに行ったことがないのかもしれない。

 スポーツクラブに行く前に、また山形先生のお写真が掲載されているという「JN」という雑誌を立ち読みしようと思ったが、あまり時間がなかったのでとっさに購入。でも、それだけ買うのがなんだかいやだったので、隣にあった「噂の真相」まで買ってしまった。滅多にそんなもん買わないのだが(けっこう好きなんだけど、読んでいると性格が悪くなりそうなので、これ以上、性格が荒廃するのを避けるため)表紙にちらりと「ホモ」という字が見えて、どうやらいつもの覆面対談のようなので、まあ話のタネとして(笑)

 こういう雑誌の対談にしては、かなりねちっこく写真が載っていて、なんなんだろう?しかも、このカメラマン氏、「眼鏡かけた男」撮るの異常に上手くないか?山形氏もきれいに撮れてるが、実物知らないけど相手の松本氏の写真なんて私が彼の奥さんだったら「あんた、これいいじゃない。遺影用に一枚もらっておきなさいよ」と言いたくなるところだ。

 カメラマンと言えば、前にも書いた、鳥肌実を何回か一緒に観に行ったアコちゃんの友達というのが売れっ子フォトグラファーで・・・・・というのが、最近また写真集を出した長島友里枝だとやっと気が付く。う〜ん、なんとかお会いして、私の写真も撮ってもらえないだろうか・・・ちょっとまた野望。

 と、今日は久々に運動したのでちょっと散漫。



2月13日(火)

 昨晩、前に買っておいて放置していた「アイルランド産の紅茶」を飲んだら、近所の輸入食材屋のにーさんが「アイルランドが世界で一番一人当たりの紅茶消費量が多いんです。知られざる紅茶大国なんですよ。それに、イギリスよりもアイルランドのほうが水質が日本に近いのです!」と語っていたのがウソではないのがわかった。
 これ本当に美味しい。Bewley'sっていうブランドで、私が買ったのはミルク・ティー用のIrish Breakfast Tea でした。
 それで、ついつい2杯も飲んでしまい・・・・・夜中に2回もトイレに起きた。

 なので、連休明けでただでさえダルダルなのに、寝不足だ。でも、朝起きたら、反射的にパンを食べていたので、胃の調子はかなりよいようだとパンをほおばりながら気が付いた。アイルランドのおかげかも。(誇大広告気味)

 午前中はマシンの入れ替え。これでやっとOSがWIN2000になる。デスクトップとか色々カスタマイズしなくては使い勝手が悪いが、そんな暇もなく、IEの「お気に入り」や、ローカル・ディスクに置いてあったファイル等、バックアップしておいたものを戻し、仕事していたら、はたと気が付く・・・・・「辞書機能がまっさら!」

 「フリフリ」と打っても「振込手数料」って出てこないよ〜ああもう、固有名詞も多いので、けっこう登録してあったのに、また一から教育し直さないといけないのか?まあいいや、暇潰しにはなる。暇なときに徹底的に鍛えなおしてやろう。それにIMEもバージョンアップしたので、以前の「お前、わたしより物覚えが悪いぞ」という事態は回避しているのだろうか?何度教えても「や朕」とか出してたもんな。どうもその前に土地名とかの名詞を入れると「町田や朕」と考えるらしく、でもどう考えても「朕」というのは、普通の人が一生のうちに何回使用するのかとても疑問な漢字なのだが、どうして「朕」にそれほど高い優先順位が与えられているのか理解に苦しんだが、今度の子はどうかな?
 
 吸収されたり、漢才を発揮していたりしていた、九州や関西のグループ会社もこれで安泰になるのだろうか?暇になったらからかってあそぼっと。

 そういえば、今日ちょっとイライラしたこと。
 得意先に行っているSE君が、電話してきて
SE「去年も更新したなんたらかんたらが今年も期限が迫ってきて、ほんとはもう更新しなくてはいけないんですが、云々(説明長い)・・・」
私「ああ、なんか憶えてるそれ。たしかベリサインとかいうやつでしょ。(変な名前だったからたまたま覚えてた)」
SE「そうです、それ。それの手続が、振込した証拠と一緒に申し込み書類を送るというもので、だから振り込んでもらってその領収書を云々で(説明くどい)・・・・」
私「そうそう、思い出した。去年もそういう話だったんで、わざわざ窓口で振り込んだのよ。また今年も同じ手順でやればいいのね?」
SE「ほんとはもっと早くにやらないといけなかったんだけど・・・・去年はいつ振り込みました?」
私(台帳を探す・・・)「あった。ああ、去年は1月17日に振り込んでますよ」(なんて素早い対応。経理のおねーさんの鏡だわ)
SE「そうかあ、でも大丈夫です。期限は3月なんですよ」
私「(だったら調べさせるな)そうなんだ。ともかく、すぐに振り込めばいいんでしょう?」
SE「そんなんです。今日、得意先でそのことを聞かれてしまって・・・・で、僕のところに、そのお知らせのメールが来ていて、そこにいろいろ説明とか振込先とか金額が書いてあるんです。ちなみに金額は・・・ああ、まあいいいや、とにかくこのメールをミヤノさんに送りたいんですが、ミヤノさんて外部からのメール受けられます?」
私「ああ、私、社内のしかダメなんですよ。ちょっと待って(傍らの上司に)○○さん、SEさんが外からメールを転送したいそうなんで、○○さんのアドレス教えてあげてください。(電話に向かって)今、○○さんに替わるからアドレス聞いてください」

上司「はい、はい・・・・うん・・・・そうなんだ・・・・(また一から事情を説明しているらしい)うん・・・いいよ・・・僕のに送ってくれれば、ミヤノさんにはプリントアウトして渡すから・・・・・・●●●●で、あとは同じ・・・・だから会社のアドレスだから@の後は君と同じだって・・・・そう、それでシーオードットジェイピー・・・・(私に)ミヤノさん、SEが替われって」

私「はい?(まだなんかあるの?」
SE「えっと、それじゃあ今から送りますから・・・・ちょっと待っててください・・・・(なにやらカタカタをキーを打つ音がする)」
私「なんかまだ説明することあるのかしら?」
SE「・・・・・・・カタカタカタ・・・・・・・」
私「・・・・・・・・・(じっと耳を清ましていて、体感時間が異常に長い)・・・・・・・・・・・・・・」
SE「あ、今送りました。届きました?」
私(それを確認したいのなら、私に電話替わられても・・・・・上司に向かって)「SEさん、今送信したそうなんだけど、届きました?」
上司「・・・・・・まだ」
私(SEに)「まだだって、もうちょっと待って・・・・すぐには来ないもんなのねえ・・・・というか、そのメールに書いてある振込先に明日振り込んで、領収書を渡せばいいだけでしょ?それとも私がそこに申込書も出すの?FAXで送れとか?」
SE「いえ、それは僕がやりますんで、領収書の現物を僕に渡してください」
上司「きたよ。プリントアウトした」

オイルロール・プリンタ君、念入りなウォームアップ後プリントアウト(揚げ物と同じで油が一定の温度に達していないと時間がかかるらしい)

私「はいはい、やっと見れました。それで?」
SE「だから、そこに書いてある振込先に振り込んでください。お願いします。それで領収書を僕に渡してください」
私「(?????そんだけ?)はあ、わかりました・・・・やっておきます・・・・お疲れ様」

電話が終わったあと、よくよくそのメールを眺めてみると、冒頭にはきちんと

「○○様、電話でお願いしましたとおり、このメールをミヤノさんにプリントアウトして渡してください。ミヤノ様、振込の手続きよろしくお願いいたします。」

 と、ご丁寧に書いてあった。あたしゃそれを書いているキータッチをずっと聞かされていたんですか・・・・メールアドレスにしてはやけに長いなあと思ったが・・・・
 彼の抱えている得意先はけっこう分量が多いところなのに、そんな調子じゃあ一日24時間あっても足りなさそうだ。お仕事ごくろうさまです。彼、新婚なんだよな。私が新妻だったら速効ドメスティック・バイオレンスだ。もちろん私が殴る(笑)

 11日に市民マラソン大会に出場していたはずのT君から「完走しました」とメールが届いた。「自分で自分を誉めてあげたい」心境だそうで、足はガタガタになったみたいだけど、よかったよかった。T君は去年くらいからスポーツクラブに通いはじめ、エアロビで10キロ痩せたし、手話も習っていたりして、30歳になってから俄然元気がよい。というわけで、さっそく飲み会の計画だ。「涙のフルマラソン」を肴に飲み会。いいなあ〜コワイくらい健全(笑)

 さて、私もそろそろスポーツクラブに復帰したいものだ。今月一回も行っていない。せっかく背中の筋肉を徐々に鍛えていって、いいかんじになってきたのに、また一からやり直しなのが悲しい。



2月12日(振り替え休日)

 なんかシャキっとしない最中に、ますますシャキっとしないことになった。何が原因でダルいのかますますわからなくなる。
 朝の8時に目が覚めてしまい、また鎮痛剤を飲む。村山聖は「思考力が鈍るから」と病床でも麻酔薬を拒否したようだし、ファインマン先生も自分の頭脳がおかしくなるのを恐れて、ジョン・C・リリーと会っても、絶対に麻薬には手を出さなかったというが、私はそんな失って困るような頭脳をそもそも所持していないので、痛けりゃモルヒネをガンガン投与してもらうし、リリー博士に会ったら「やっぱ、カリフォルニア・サンシャインっすかねえ?」と銘柄指定したくなりそうだ(笑)

 リリー博士といえばイルカだが、前になにかで「イルカでセラピー」というのが書いてあって、小笠原のようなイルカが浜辺までやってくるようなところに「心を閉ざしてしまった人」などをつれていくと、イルカはそういう人の心を読むのか、そういう人に寄ってくるみたいで、無邪気なイルカと戯れているうちに心の殻が緩んで笑顔を見せる人もいるという。

 それを読んで私は「それ、いやだなあ〜」と思った。
 別に「癒しのイルカツアー」に参加しなくても、単なる「イルカと遊ぼうツアー」に参加したとして、浜辺にやってきたイルカが私のところに集中してきたらどうしよう。その記事を読んでいなければ「いや〜ん、あたしが一番人気者?」と浮かれていただろうけど、そのカラクリを知ってしまった今、もしもイルカに囲まれてしまったら、

 「しっ、しっ!ほら、寄ってこないの!あたし、寂しい人じゃないんだから!見てわからないの!」

 と必死でイルカを追っ払うことであろう。他のツアー客が「いいなあ、あの人、イルカの人気者だ」と単純に羨望の眼差しを向けているのを深読みして「あの人、見かけは元気そうだけど、心の奥には深い傷を負っているのだなあ」と同情されているのだと思い、「ちがうのーちがうのよー誤解よ誤解!」と叫んでしまいそうだ。

 なので、イルカには警戒している。
 でも、八景島で白いイルカのプールが下のガラスから覗けて、小さい子供にイルカがご挨拶しているのを見て「ちっ、やはり子供には勝てないのか?」と闘志を剥き出しにしてしまったのであるが・・・・

 子供といえば、現在閉鎖病棟にまだ入っているらしい友人Nがまだ元気で東京にいたころ、すでにかなり人間不信になっていたのだが、それも例えば、短期の派遣(カード会社が店頭でカード入会の手続をする女性をよく置くがそういうのだったらしい)の仕事で、そこにドクター・マーティンのブーツを履いていき、店長に「その靴、かっこいいね」と言われたのを真に受けて「そうなんです。これってとっても履きやすいんですよ。丈夫だし」と自慢したようだ。
 その数日後、派遣会社から「もっとちゃんとした服装で行ってください」と叱られたらしい。どうも、店の人がカード会社に「もっとちゃんとしたの遣せ」とクレームを入れ、カード会社が派遣会社にその旨を告げ、本人に伝わったようだった。
 Nはそのことにとてもショックを受けて「気に入らないのだったら、その場で自分に言ってくれればいいのに、世の中信じられない!」と言っていたのだが、それに対する私のアドバイスは「でも、そのクレームの流れは、とても真っ当なので、世の中はそういうもんだ。そもそもちゃんとパンプス履いていけば?一応常識は守った上で世間を非難したほうがいいと思うが。それでダマされている世間をバカにしようよ」

 Nはそういう些細なことで果敢に世の中に立ち向かっていたので、そりゃあ神経すり減らすよなあと思っていたのだが、彼女が唯一気に入っていた仕事はベビー・シッターだった。でもNはエイフェックス・ツインとか大好きで、子供にそういう「変態テクノ」を聴かせ「子供って純粋だからああいう音楽を聴かせるとちゃんと素直に受け入れるのよ」と悦に入っていたが、それがバレて親に「変な音楽聴かせないでください」と叱られ、「子供は純粋なのに、大人はわけわかんない」とまた思い悩んでいた。だから〜「みんなの歌」でも聴かせとけって!

 彼女はしきりに「子供は純粋」と語ったが、私は自分の幼少時がかなり腹黒かったので、いつも反論していた。
 
 道端でズテっと転ぶ幼い子を見たときにも、その子がうつ伏せになったまま「びえええ!」と泣き出し、親の救出を待っていたのだが、親がなかなか現れない。私は傍らで「お!これは君の成長に重要な一場面だ!そうそう、親がそばにいないとき、君は自分で立ち上がらなくてはならないのだ。人生、自分で立ち上がらなければならない局面がたくさんやってくる。今日はその記念すべき第一回だ!がんばれ!」とブツブツ応援しながら、成り行きを観察していたのだが、となりにいた友達が「あんた、冷たいわねえ」と、さっさと「ほ〜ら、よちよち、泣かないの〜、さあ痛くないでちゅよ〜」と起こしに駆け寄り、あたしはそれを見ながら「けっ、おもしろいところだったのに、余計なことを」とムクれていた。

 だって、その子はしばらく泣いたあと「あれ?おかしいな助けに来ない」と周囲を確認し、また「びいいい」と叫ぶというかなり冷静な行動をとっていて、だんだんと「びいいい」と叫んでいることが空しくなってきたし、よく考えると、転んだショックに泣いたのであって、痛みはそれほどでもないとわかってきて、自ら立ち上がるタイミングを計っているように見えたのだ。泣いてしまった手前さっさと立ち上がれないジレンマをどの時点で解消するのか興味深かった。これは大人でもよくあることである。

 そういえば、その時に子供を助け起こした友人こそ、「去年は自殺未遂、現在うつ病と診断され通院中」である。なにか関連があるのだろうか?まあ、泣いてる子がいたら助けるのが普通だろうけど・・・・
 私は子供に対してどうしてもそういう態度がとれないので「子供嫌い」だということにしているが、別に嫌いなわけではないのだけれど、どうしても「子供は特別」だと思えないだけなのである。歩行者天国の中できちんと受け身(子供は転ぶのが仕事なので、わりと上手に転ぶ)で転んだ子供など助け起こさないが、命に別状がありそうな事態にはちゃんと動きますって。転んだまま無言で痙攣してるとか・・・・

 前にも通勤途中で茶沢通りをサイレンのように泣き喚いて走っている4歳くらいの女の子を目撃してしまった。どうやらお母さんとはぐれたようで「おがあざあああん」とわめいている。茶沢通りは車の通行量も多いのだが、その子は明らかにパニック状態で、信号など守れそうな状態ではなかった。「これは危険だ。放っておくと車道に飛び出してしまうかもしれない。うう、でも、捕獲していたら遅刻してしまう・・・・でも、あとで事故があったなんて聞いたら一生後悔しそうだ」と判断して、その子を追っかけていき、上着のフードをがっしり掴んで捕獲した。
 「どうしたの?」
 「おがあざんがあああ」
 「おかあさん、どこにいるかわからないの?」
 「ごんびにに・・・いるっで・・・・いっだのにいいい」
 「どのコンビニ?」
 「セブンイレブン」
 いろいろ話を聞き出すと、保育園に行くのにそこで待ち合わせをしたのにお母さんがいないのでパニックを起こしてしまったらしい。フードを掴んだまま一緒にセブンイレブンに行くが
 「いない〜〜〜〜」
 「じゃあ、おかあさんも心配して家に戻っているかもかもしれないから、家に戻ろう。おかあさん、きっと家にいるんだよ。家どこ?」
 子供はそれを聞いて、一目散に駆け出す。犬を散歩させているように、フードを持ったまま一緒に走ると、そのすぐ裏が自宅だった。
 「おがあざああああん」
 子供の叫び声に隣の家で洗濯物を干していた奥さんがびっくりして出て来て、私に「あなた誰?」目線を送りながら
 「あら、○○ちゃん、どうしたの?保育園に行ったんじゃなかったの?」
 「あの、茶沢通りを一人でさ迷ってたので、捕獲したんですが・・・・あたし、出勤途中なんで・・・・あとはヨロシク!」
 と逃げた。コンビニのところまで戻ると、自転車に乗った女性が青い顔をしてキョロキョロしていたので「あれがお母さんだ」とすぐわかったが、家の方へ走っていったので、そのまま見送った。

 それにしても、どうしても子供相手に「赤ちゃん言葉」をかけるのが苦手というか、そもそも本物の赤ちゃんは「赤ちゃん言葉」など喋らないではないですか!サ行が発音できないので「うたぎた〜ん」と言うのに「あ〜ら、うたぎたん、かわいいでちゅねえ」と対応するのは、日本語なカタコトな外国人に「アナタのショックギョは?」と聞かれて「わたしのショックギョはオフィスクラーク」と答えるようなもんで、ちゃんとこっちは「職業」と正しく発音するのが礼儀だろう。

 ともかく、相手が子供だろうが、私は自分の喋り方を変えるつもりはないので、ビービー泣いている子供に向かって
 「まあねえ、それもある意味有効な手段かもしれないけどさあ、泣いてるだけだと、あたしはあなたのお母さんとちがって鈍感だからあんたが何を要求してるのかよくわからないわけよ。だからなにかヒントくれないかなあ。私にできる範囲であるなら協力するのはやぶさかでないのだが・・・でも、そんだけなりふりかまわず大声で泣けるのもいまのうちだし、それはそれでうらやましくもあるわね。あ、泣くのはいいけど、涎つけるのは反則ね。それに水分補給は大切だから、水でも飲む?」
 などと、くどくど話しかけていると、子供はそのうち泣き止んで「ぽかん」と私の顔を見たりする。
 それが面白くてわざとやっているというのも否定しないが、こういう大人がたまに現れるのもいいのだと思う。

 つうわけで、別に子供が嫌いなわけではないです。ただ赤ん坊は人間だと思えないので、ある程度喋るくらいのほうが好きだな。
 と、今日も引き篭りで暇だったので、ダラダラと書いてしまった。

 さて「HERO」も観たし、へその下にまだ鈍痛が残るが、おかげで胃の調子の悪いのはうやむやになったようなので、明日は会社に行かないと。ふっ
 



2月11日(日)

 う〜ん、特にどこが具合悪いわけでもないのだが、だるいのでまたずっと寝ていた。普段の週末もこういうことはよくあるので、別に病気ではなくて単にだらけているだけなのかもしれないが、昼過ぎにヨーグルトを食べたら満足してしまったので、食欲がこの程度というのはやはりなにかとてつもなく悪い病気なのではと心配してしまう(笑)

 まあ、食欲がなくてもポツポツ食べてはいるので、やはり風邪なんだろうなあ。
 昨日、母から電話があって弟の結婚式の日取りが決定したそうだ。それがなんと「6月9日」!「え?そうなの?ヒヒヒ」と笑う私に母が「なんなのよ、都合悪いの?」「いや、別に・・・・でも憶えやすい日だなと思って・・・・ええと、だから、ロックの日なんだよ!」「そうなの?」
 母に変なことを言うとマジに気に病みそうなので「ロックの日」だけにしておきましたけど、兄弟の結婚記念日など普通記憶しないもんだと思うが、こりゃあ一生忘れないなあ。

 そういえば、会社の人に二人目のお子さんが生まれたようで「これで、また憶えなくてはいけない誕生日が・・・」とこぼしていたら、私の上司が「そんなもん、ふつう努力しなくても憶えるでしょ?」「そうなの?」などと会話していた。

 実は私も「数字の暗記」が苦手なため(苦手なのは数字だけではないが、特に数字)、電話番号も3つくらいしか記憶できないし、家族の誕生日もちゃんと憶えていない。そして友達の誕生日も当然ほとんど憶えていなくて、林家ペーとは対極にいる。
 最近はさすがに少なくなったが、「女の子の社交」として、よく誕生日プレゼントを貰ったりするのだが、相手の誕生日をすっかり忘れてしまうので、お返しができず、他人にプレゼントをほとんど配らないのであまり貰えなくなった。

 よく「妻の誕生日を忘れる旦那」というのが取り沙汰されるが、ついついその旦那のほうをかばってしまうのだけど、普通の人はちゃんと家族全員の誕生日を憶えているのだろうか?まあ、その気になれば、メモをしておくという手もあるので一種の怠慢だといわれればそうなんだけど、でもメモしておいてもメモを見るのを忘れそうだ。スケジュール管理ソフトとかで、年度を更新してもそういう「記念日」も自動更新されるとか、設定しておくと「あと一週間で奥様の誕生日です」「あと3日で結婚記念日です」などのダイアログが現れるとか(そういう機能はたしかあったよな。最初のころ面白がってアウトルックにそういう設定したら、邪魔クサクて消したけど)、そこまでやらないと絶対に忘れるよなあ。

 S君からメールが来て「電車じゃなくて列車ですよ」という題名だったので、「S君、マイカー通勤者でめったに電車に乗らない人なのに、なんなんだろう?」と思って中を読んでみたら、「魂電車」じゃなくて「魂列車」だって。失礼いたしました。
 それで頼んでおいた「田島貴男と魂列車のFMでの対談」がWebでテキストになっているというサイトを教えてくれた。ラジオ番組をそのまま起こしてあるのだが、こういうのは合法なんだろうか?どうも個人ページみたいなんだけど・・・。他のゲストもムーグ山本とかヒックスヴィルの小暮くんとかオタク魂炸裂してそうなメンツばかりで、これはかなり読み応えがありそうだ。つうか内容濃すぎるぞ。

 夜になってやっとお腹が空いたので、コンビニでサンドイッチを買ってきて食べた。食べても胃が痛むということはないのだが、なんかこう魂の底(どこ?)から沸き上がるような食欲がない。失ってみて、やっとその存在が愛しく、自分にとってこの上なく大事なものだと気が付くことよ(涙)ああ、私の食欲よ、帰ってきて!冷蔵庫の中でキムチも泣いてます〜

 と、不治の病ごっこをして遊んでいたら(どこが?)、いつもは観ない「知ってるつもり」で村上聖という将棋屋さんのことをやっていたのでぼんやり観てしまった。胃の不調くらいで騒いでいる場合ではないようだ。それに、また恥さらしだけど「A級」だったんですね。「永世」と混同していて「永久」なのかと思っていたかも。まあ、どっちにしろよく仕組みがわかってないのだが。
 でも、こういう「病と闘いつつ道を究めようとした人」の話などを観ると、別にぴんぴんしているのに自ら死を選ぼうとする人のことを考えずにいられない。あちらも元気そうで、なにやらまた変な展開(しかもあまりにありきたりなので私は反応に困っている。確信犯なのではないかと疑いたくなるのだ)になっているらしいが・・・・

 人生いろいろだし、捉え方も人それぞれなわけだけど、でもなんか納得いかないなあ。
 



2月10日(土)

 昨日は早く寝たので、今日はきっちり10時に目が覚めた。別にいばるような時間でもないが・・・
 胃の具合は治まっていたが、まだ食欲はないみたいで、紅茶を飲んでみたらそれでけっこうお腹がいっぱいになってしまった。天気がいいので洗濯でもしたいところだったが、「まだ休んでいよう。どうせこの分では3連休は休養宣言なので時間はいくらでもある」と重要課題を先送りにしてまた横になる。

 昼過ぎからメールを書いたり、少しお腹が空いたので、またスープとクロワッサンを食べていたり、母からの電話を受けていたら、いつのまにか夕方になっていて、慌てて着替えをする。いつもだったら近所の外出には気を抜きまくりの格好で化粧もおざなりなのだが、今日はそうもいかない。そして、だんだん時間が差し迫ってきて、他にも諸々用意するものがあったので慌ててカバンに詰め込んでいたら、家を出たのが4時50分になってしまった。
 開演は5時なのにー!徒歩10分もかからないのだが・・・・

 今日は稲本ギャル3号のたにせさんが制作なさっている「飛ぶ劇場」の「ジ・エンド・オブ・エイジア」を観に行ったのだ。
 偶然というか運命のいたずらというのか、三軒茶屋で公演するというので「歩いていける距離でやるのに行かないっつうのもないだろう」と思い、それに「合い言葉はナマステ〜」というキャッチフレーズに心誘われたので、すでにチケットは購入してました。
 開演ギリギリに座席に着くと、芝居はいつのまにやら始まった。

 舞台はヒマラヤのある国の山岳地帯の宿の居間。
 客と宿のスタッフがカタコトの英語でコミュニケーションしているが、現地人同士は当然現地語で、客もそれぞれ変な言葉を話しているが、だんだん皆日本人だということがわかってくる。

 たしかに私なんかもいつもああいう安宿に宿泊しているが、となりでご飯食べている東洋人が日本人なのかよくわからないときが多いんですよね。相手が食後に「地球の歩き方」をおもむろに読み始めてから「あ、日本人でしたか?」というのはよくある話。
 そして、旅先で会った人が日本人だとそれだけで嬉しくなって(一人旅だと日本語喋れるだけでうれしくなる)盛り上がっちゃったりするけど、そうやって宿でも日本人同士が固まっているのを不愉快に思う日本人もいたりして、絶対に日本人グループには入ってこないけど、私なんかが他の国の人と英語でなんとか会話していると、「あ、こいつは普通の日本人とは違うな」と認めてくれるのかなんなのか急になついてきたりして(笑)

 この舞台でも主演の日本人旅行者の男の子は見るからに旅慣れてなくて、英語もめちゃくちゃで、その宿にいた「年期が入りすぎてて現地語も堪能」な長期滞在者にとっては「またウザいのが来た」なのですが、その様子がとてもリアルでおかしかった。
 あと、英語の国だと、だいたい言ってることがわかるので宿のオジサンとオバサンが「日本人の子が帰るから清算してやって〜」「ちょっと手が離せないんだ、お前がやれ」とか会話してても別に気にならないのですが、全く会話がわからない国だと、「なんちゃらかんちゃら、ジャパニ、うんちゃらかんちゃら」「そんじゃらこんじゃら!」と聞え「ジャパニ」とか「ヤポネ」とか日本人を意味する現地語だけが耳に残るので「なんかあたし、悪いことしたかしら・・・・」と気になったりして・・・・

 なので現地語や英語で目の前で会話されるといろいろ不安になるくせに、日本人同士だと平気で日本語でわいわい話してしまうというやましさみたいなものを上手く表現していたお芝居だと思いました。
 そして舞台が進行していくにつれ、そういう言葉の壁がだんだん取り払われていく様子が前向きでよかった。

 長期滞在者は言葉は堪能でも、もはや周囲には興味もなく、殻に閉じこもっていたわけですが、言葉は喋れなくても、ボラれていても、皆と話したいという意欲のある初心者に引きずられるようにして、だんだんと本来のお調子ものの己を思い出し、楽しい一夜を過ごすわけです。まあ、一晩にいろいろな出来事が立て続けに起こり、観ていて飽きなかった。

 というわけで、舞台製作者の意図がどこにあるかはわかりませんが、私の旅情はかなり刺激されてしまいました。
 まあ、英語もなまくらなので(でもよく上手だって誉められるのですが、どうやら私の想像を上回るほど、一般の日本人旅行者の英語力は低いようです。過去形使えるだけかなりマシみたい。過去完了を使うと「君は日本人にしては英語が上手いねえ」と変な誉め言葉をいただくはめになる)言葉では苦労するし、現地語などはさっぱりわからないのでトラブルもありますが、不思議といいことしか憶えていないんですよね。

 言葉がダメなときに私がよく使う手は「何回も通う」です。一度食べにいったお店にまた行くと、それだけで「美味しかったからまた来た」ということの表明になりますから、すごく喜んでもらえたり、相手が無愛想でも目で「あんたまた来たね。うちが気に入ったんだな」と語ってますからおもしろい。
 前にも書いたかもしれないけど、NYでメイヤーズデパートに入っている化粧品屋で化粧水などを買ったときに接客をしてくれたのは、西洋諸国ではありがちな、つんけんした無愛想な黒人のねーちゃんでしたが、そのときに袋に入れてくれた試供品の香水が気に入ったので翌日それを持ってまた行ったのです。
 「昨日も来たんですけど〜」
 と、私がつたない英語でぼそぼそ言ったら、何かクレームでも言うのかと思ったらしく相手は硬い表情で「なんか用?」って態度でしたが、その態度にびびった私がおずおずと試供品を取り出して
 「あの、昨日あなたがこれをくれて・・・・それで、I like it で・・・・I want to buy this one」
と、なんとか意志を伝えたら、態度が豹変して表情が明るくなり(多分、わたしが緊張のあまり無愛想だったし、しどろもどろで用件をさっさと言えなかったのももいけなかったのですが)商品を包みながら、となりの売り場の男性(見るからにゲイだった)に、
 「聞いて、聞いて!このジャパニーズ・ガールがね、昨日買い物したときに、私が入れた試供品を気に入ってくれて、わざわざまた買いにきてくれたのよ。なんてワンダフルなのかしら!」
 と自慢しまくってました。ゲイのおにーさんも「あ〜ら、よかったじゃな〜い」とか言っていて、私にむかって「ハ〜イ!」と挨拶するので、こっちも「は・・・ハ〜イ」と返しましたが、なんか楽しかったです。
 別に黙って気に入った香水を差し出しても問題なかったのですが、ちゃんとなぜこれを買いたくなったのか伝えたかったので、それがなんとか伝わり、相手も喜んでくれたので、とても満足したのでした。

 スペインのバルセロナのバールに最初に入ったとき、私のオーダー「Beer」は通じましたが、母のオーダー「Milk」がなぜか通じない。そもそもバールで牛乳頼む客もいませんが、昼間はコーヒー飲んでる人もいるし、カフェオレは出るはずなので絶対に牛乳はあるはずです。スペイン語で牛乳をなんていうのかわからなかったので、一生懸命「カフェに入れるやつで、Whiteなもの」と英語で言ってもやはりだめ。たまたま「白」が「ブランコ」だか「ブランカ」なのを思い付いて、そう言ってみたら、となりにいた客がなにか気が付いたらしく、おやじにごそごそいってくれて、おやじが不審そうな顔で後ろの冷蔵庫から「牛乳パック」を取り出し「もしかして、これのことか?」「そうです〜それです〜!」「これはレッチェというんだ」

 そうかフランス語で「カフェオレ」の「レ」だから近いんだなあ。「カフェオレのレ」といえばもっと早くにわかってもらえたのかもしれないと思いました。
 翌日、やはり母は「冷たい牛乳が飲みたい」というので、同じバールに行きました。何も言わないのに、すわったらボンとコップに入った牛乳がカウンターに置かれました。オヤジはあまり笑わないタイプの人のようでしたが、目が「ちゃんとわかってるぜ」と語っていました。

 おっと舞台の感想を書くつもりが、また暴走してしまいました。
 そういうわけで、とても面白い舞台でした。旅行好きの人には絶対に楽しいと思うし、そうでない人も「こういうところに行ってみるのも楽しそうだ」と思うのではないでしょうか?安宿の居間での触れ合いの醍醐味が凝縮されておりました。

 終演後に予約していた「バックステージツアー」に参加。点呼されたので、おずおずと「みやのです〜」と申し出て、たにせさんとご挨拶できました。傍らにお嬢さんを侍らせていてかわいかった。たにせさんは小柄で細かったけど、パワフルな感じの女性でした。
 そして、稲本さんにもお会いしました。
 そうなんです。たにせさんから「10日は稲本さんもいらっしゃいます」と伺っていたので「こりゃあ、稲本ギャル1号としては、その日にいかねばならないだろう!」と息巻いておりましたが、実際にお会いすると照れますね。人並みに・・・・

 舞台の裏側や、小道具などを間近で見せてもらい、いろいろ面白かったです。演出の苦労などもお話してくださって、「いろいろ大変そうだけど、皆こういうの考えたり、実際に作ったりするのが大好きなんだなあ」と月並みな感想ですがそう思いました。

 その後、さっさと帰ろうとする稲本さんを「まだ帰ってはダメです!」とひきとめ(笑)、ロビーで無理矢理サインをいただきました。わがまま言ってすいません。やると言ったらやらないと気が済まないもんで・・・・
 そして、ちゃんとチョコもお渡ししました。男性にチョコを渡すのなんて何年ぶりでしょう(笑)。いや、マジで義理チョコは面倒なので近年バレンタインというものは見て見ぬふりをしていたのです。(買い物嫌いだし、会社で配り歩くのもおっくう)

 昨日の会社帰りに前から目を付けていた「ワニ」の形のチョコを買おうとしたのですが、買いに行ったらそこには「ゾウガメ」のチョコもあり、「うわ、こっちも超かわいい」と迷ったあげく二つとも購入。(カエルもあったが、カエルはちょっとねえって、じゃあワニはなぜOKなのかはよくわからない)
 というわけで、「ひとつは加藤さんに差し上げてください」と両方お渡ししました。

 ああ、これでかねてから計画していた「稲本ギャル公式活動(?)」も計画通りに遂行。ソビエトも5ヶ年計画の推進スタッフに私を雇っていればいまごろあんなことには・・・・・
 はあ、満足。あ、他の稲本ギャル及び、潜在ギャルの方々、「ぬけがけ〜」と騒がないように。でもあまり「ぬけがけされた、あの女ムカツク」と言われた経験も多分ないので、そういう中傷もたまにはされてみたいかも。



2月9日(金)

 また具合が悪くなってきた。昨日はウソのように元気になり、今朝も調子がよかったので、スポーツクラブに寄る準備もしていたのに、昼過ぎに胃がキリキリしてきて、頭がぼんやりしてきて、寒気がしてきて、「もしかしたら熱が出たか?」と思ったが、どうやら今日は久々に冷え込んでいるらしく、この悪寒が風邪のせいなのか、ただ単に寒いだけなのかよくわからない。

 せっかくの3連休なのに、体調不良とは悲しいので、いろいろ風邪の菌に対抗する手段を講じてみた。
 「気合だ、気合!」とばかりに、頭の中の眉間の裏あたりに「免疫力」という文字を力強く描き、「ぬぬぬぬ・・・・」と集中してみた。少し楽になったかもしれない。単に仕事をサボっていただけともいえるが、だって頭がボーっとして集中力がないから、仕事にならないんだも〜ん。

 その後も私の大切な胃袋をチクチクと痛めつけるバイキン君をひとつひとつ叩き潰すというイメージトレーニングをしてみたが、ひとつひとつ撃退していると全部殺すまでに何年かかるのだろうか、敵が増殖する速度も考慮すべきか、などという、非現実なことをやっているにもかかわらず、医学的(?)な問題にぶち当たり頓挫してしまった。

 そんなこんなでまた一人遊びしていたので、仕事は全く捗らず、いっそ早退しようかとも思ったが、夕方になって立て続けに用事を頼まれていたら、胃の痛みをしばし忘れたので、なんとか定時まで持ちこたえた。やはり精神力である。
 もしかしたら、いつもの「仕事いやだ病」かもしれないと淡い期待を抱いて帰路に着いたが、家に帰ってみてもやはり胃が痛い。明日から3連休なのにやはり痛い。つうことは、やはりこれは「質の悪い風邪」なんだな、本当に。

 昨日、遊んでもらった「Google」であるが、今日は昼休みにサイトを熟読して「Google達人への道」を模索したが、なんかわかったようなわからなかったような・・・・でも、どうも「リンクがポイント高い」というのはわかった。そして「エラいところからリンクされてると得点が上がる」ということもわかった。どうやら、やはり世の中コネらしい。そうだよなあ、三田佳子の息子だって、大女優の息子じゃなければ、新聞の穴埋め記事にもならなかったよなあ。それが、いちいちワイドショーのトップだもんなあ。今朝のワイドショーだって、ママチャリに乗ったおばちゃんが自動車とぶつかったなんて、全国で一日に何件あるか知らないが、たまたま自動車を運転してたのがケント・ギルバートだったから、取材が来るんだよなあ。

 と、話はそれたが、真面目な話しとして、Googleをいろいろあちこち見ていてふと思ったのだが、「ここって何のためにやっているの?」
 だって他の検索エンジンは皆、検索もしてくれるが「お勧めショッピング」とか「あなたも今すぐオンライントレード」とかの広告が満載されていて、そういう広告収入で運営しているのではないのですか?
 Googleはどこを見ても、「真っ白」で、それで「私どもはこんなに素晴らしいサービスを提供しています」って書いてあるのだが、その素晴らしいサービスはどうやって運営されているのだろうか?

 なんかパッと見たかぎりでは、どこにも金の匂いがしないので、逆にこわくなってきた。
 なにかシロートにはわからない罠があるに違いない。

 私なりに真剣に考えたつもりだが、本当のからくりをご存知の方にとっては失笑ものだろう。
 もし、ご存知の方がいらしたら(私以外のこの世の全員だったらどうしよう・・・)こっそり教えてくれませんかねえ。

 あ、そうか「Googleのヒ・ミ・ツ」で検索すればいいのかなあ(笑)
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 やってみたけど、ダメだった。めげずに「Googleの秘密」でやってみたら「検索エンジンとしての評価」はボロボロと出てきたが、私の知りたい「秘密」はそういうものではない。いくら素晴らしい検索ができても、やはり私は探し物が下手なのだろうか?
 それともやはり悪の組織がやっているのだろうか?「金払わんと、I'm feeling luckyボタンで別の会社に飛びまっせ」とか脅してるのか?
 ああ、胃が痛い(笑)



2月8日(木)

 あっけなく回復してしまった。風邪ではなくて食あたりだったのかとも思ったが、出社してみたら、今度は同僚が休み。仕事の指示で昼過ぎに電話があったが「お腹こわして、キモチわるいんれす〜」と苦しそうだった。やはり消化器系の風邪が遅まきながら経理課を直撃しているのだろうか?

 メールをくださった方が「Googleで “ウェザオール 幕張” で検索したら、一番上に『可燃物な日々』が出てきました」というので、びっくりして、自分でもやってみたら、ほんとだった。う〜む、噂には聞いていたが、Googleって凄い。でも、よくよく挙がっている他のサイトを調べると、皆アンダーワールドばかり観ていてけしからん。幕張のことを書いて「ウェザオールが!」と繰返した回数では私が日本一、いや世界一だったらしい。その原因は彼のユニット名がよくわからなかったからだ(笑)だってまたローマ字3文字なんだもの。

 「そうかあ、こんな検索をするのかあ」と今更気付き、ためしに“ブケム”でやってみたら、けっこう最初のほうに出てきた。さらに調子に乗り「リッチー・ホウティン」「パルシンガー」「ミックスマスター・モリス」などもやってみたが、それらはきちんとまともな紹介がヒットしてきた。それがフツウだろう。

 なので、今月ブケムさんのパーティーに行ったら、佐藤雅彦もびっくりするくらい「ブケム、ブケム、ブケム。ブケムったらブケム、ブケム」と連呼しようと思う。
 「今月の目標 : ブケムでGoogleの一番を目指す!

 連呼以外にもっと有効な方法があるのなら教えてください。
 でも「超ひも理論」でもやってみたら、やはりこれが潜り込んでいたので(真面目なのの中にポツネンとあった。恥ずかしい〜)「連呼」が決め手だと思ったんですが。

 検索エンジンで思い出すのは、最近お会いしていないけどD課長である。友人の派遣先での課長さんであったが、音楽の趣味が合ったので連れて来て以来、仲間うちでは通称「かちょう」になってしまった。ちなみに、「しゃちょう」というあだ名の人もいて、そちらも本当に取締役社長だったが、推定年収は「かちょう」が「しゃちょう」に3倍以上差をつけていたと思う。

 課長は現在、課長ではないらしいけど、最初に友達からその存在を聞いたときの情報によると、
 「同期入社では一番の出世頭らしくて、実際にすごい頭のいい人なんで、ときどきこっちの考えを見透かされているような気がするの」
 だったのだが、実際にお会いしてみたら、「単なる音楽好きのにーちゃん」だった。少し年上だったけどほぼ同年代で、妻子もあり誰が聞いても知っている、日本有数の大企業の課長さんだったが、当時「ドラムン・ベース」に入れ込んでいたし、80年代UKものにも造詣が深かった。

 ホントに切れもので仕事ができたのかは知らないが、ひとつだけ驚いたのは「異常に記憶力がいい」ということである。
 皆で音楽の話しをしていて、「ほら、あれ、あれ・・・なんだったけ?」というときには、D課長に「キーワード」を言えば、たちまち彼の頭の中にある膨大なデータベースから検索してくれるのである。
 具体的には、私が「デビッド.Jにサインを貰った自慢話」を披露したら(80年代UK心を持っている人には必ず自慢する。そういう機会は滅多にないが)
 「あ〜、彼ね〜。僕はラブ&ロケッツはあんまり好きじゃなかったけど、Jのソロはわりといいよね」
 「私も、ソロは全部持ってるんで、あのとき持っていかなかったのを激しく後悔したんですよ〜」
 「どれが一番好き?」
 「えっと〜」
 サインもらうほど好きなアーチストだったが、ラブ&ロケッツのほうのタイトルは思い浮かぶものの、ソロのアルバムタイトルはとっさに思い浮かばなかった。
 「僕は、初期の『エチケット・オブ・バイオレンス』が一番いいと思うなあ。あと『アーバン・アーバン』もわりとよかったよね」
 
 たいして好きではないアーチストの、世間的にもたいして話題にもならないソロ作品のタイトルを目の前でスラスラ言われておどろいた。
 「いかん、負けている」と、自分が大ファンなのに知識で負けていることにちょっと反省してしまったので、友達が言った「コワイくらい頭がいい」という表現はなるほどこういうことなのかと思った。でも、そのすばらしい頭脳を10年に一度くらいしか尊敬されないようなことに使っていいのだろうかという疑問も浮かんだ。

 もちろん自分の好きなことならとことん博識な人っていうのはよくいるし、昔の鉄道少年は時刻表を丸覚えしていたりしたが、数学の公式はひとつも覚えなかったりしたもんだ。友達でもやたらとレコード関係に詳しい人はいるが、たいていライターだったりレコ屋で働いていたりするし、別の仕事に就いている場合はたいてい出世はしない。出張先で発掘した名盤を自慢していたりはするが・・・・営業周り中の友人同士がレコ屋で出くわして「お互い、スーツだし、全然気が付かなくってさあ」と話しているのを聞いて「おまえら、ちゃんと仕事してんのか?」と思った。
 
 D課長の頭脳は「タイトル」「アーティスト名」に留まらず、「金額」の情報も蓄積されていた。
 「フォーテックの新譜が入ったけど、渋谷だとタワーが2100円で、レコファンが1980円、HMVが・・・・」という具合。「あれはあっちが安くて、でもあれはこっちのが安い」とスーパーをチラシ片手に駆け回る主婦のような情報網であった。

 一度、課長のおうちに遊びに行ったことがある。年末に妻子が先に帰省して一人だから、遊びに来てもいいよとおっしゃっていたので、ギャル5人で、ぞろぞろ行ってみた。社宅だから「Dさん、奥様の留守中に女の子連れ込んでた」と悪評が立たないかと心配したが(笑)狭い社宅の押し入れにはぎっしりCDが詰まっていた。ご自慢の小さいけれど低音ばしばしのスピーカーでお気に入りの最新ドラムン・ベース・チューンを紹介してくれて、古い社宅の窓がビリビリ鳴っていた。
 彼の手元には、「Remix別冊 ドラムン・ベース用語集」があった。見せてもらうと、その本は受験勉強中の学生が持っている参考書のように使い込まれていて、中にはアンダーラインが沢山ひいてあった。

 テクノ系のアーティストはよく別名を使うので、そういうのをきちんと頭に入れておかないと、ちゃんとレコードを選べないのである。だから彼はレーベル名や変名ユニットなどを一生懸命勉強していたのだ。ただの「記憶力のいい人」ではなくて、ちゃんと努力をしていたのである。「音楽好きの秀才」なのであった。

 課長は二人目のお子さんも生まれたし、家も25年ローンで購入したので、最近は夜のクラブにも来なくなったし、週末の飲み会にも顔を出さなくなってしまった。
 一度だけ、彼が登場する夢を見たことがある。なんとリキッドルームでDJをしていたのだ。
 「かちょー!すごいじゃないっすか!リキッドでDJデビューなんて!」と話し掛けたら
 「会社を辞めて、パン屋を始めたんだ。朝が早くて大変だけど、長年の夢だったからね。それに前とちがってときどきこうして音楽の活動もできるしね」
 と、課長が語っていた。
 DJはともかく「パン屋」というのがおかしくて、ご本人にメールしたのだが、アドレスが変わっていたので戻ってきてしまった。(組織変更で元いた会社の所属ではなくなったらしい)噂ではお元気らしいが、そのうち会社を辞めてパン屋さんになって文字通り「私の夢」を叶えてくれないかなあと思ったりする。



2月7日(水)

 未明に目が覚め、2回吐いた。
 そのまま会社休んで、一日何も食べずに寝てた。、
 夕方、昨日の残りの豆腐の味噌汁を飲んだら、少し熱が出た。
 それほど辛くはないが、ダルい。
 ずっと寝ていたのが良くなかったのか、風邪の症状の一つなのか、腰が痛いのでそっちのほうが心配。

 風邪で休んだのはこの冬初めて。なかなか「馬鹿」にはなりきれないらしい(笑)



2月6日(火)

 昨晩の我流薬膳料理が効果があったのか、風邪気味は回避したけれど、朝起きたらとてもダルくて「ど〜せ、有給とろうかな、なんて思ってたわけだし、休んじゃおっかな」と考えたが、気を取り直して出勤。
 現在、仕事の合間を見て、商品コードの見直し案を作成しているのだが、これが複数の人間がそれぞれに好き勝手やっているので、かなりカオスしているのである。メーカー名もローマ字とカタカナと半角カナで入力されていたりするし、商品名はさらに複雑怪奇。具体的にどう入力しているのか1年前にもミーティングしたのだが、それぞれ「よくわかってない」らしいのがわかったのだが、当時の私にはそれをとりまとめる政治力(入って間もなかったので、それぞれのキャラもよく把握していなかったし、所詮、派遣社員扱いだったので、しゃしゃり出て不興を買うのも嫌だった)もなかったが、その後、地道に皆様の信頼を得られるよう努力し、「売上と仕入の入力はどうもミヤノさんが一番よく把握しているようだ」と思っていただけたと思うので、そろそろ本格的にとっかからないといけないのだが・・・・

 あ〜めんどくさいんだな、これが。
 整理するのはいいのだが、整理してもその後の新規登録も私が把握しなきゃならなくなりそうだ。でも、商品を分類する根拠が不明なので、そのへんもっとクリアにしてほしいのだが、夏前に配置替えがあるらしく、そうなるとまた分類し直しの可能性もあるので、ややこしい。

 と、また仕事の愚痴になってしまったが、昨日は日テレの8時からの「世界まるみえ」なんたらを観ていて、「これからはデブの時代だ!」と世界で活躍する「スーパー・デブ・モデル」が紹介されてて面白かったが、自分も思春期のころなどは人並みに「ダイエット」を志したが、ことごとく上手くいかず、結局痩せたのは20代も後半で、特になにも努力しなかったのに勝手に痩せてしまった。おかげで現在、厚生省認定の標準体型である。太ってたころは「ふつう」ぎりぎりだったけど、今はどちらかといえば「やせ」に近い「ふつう」
 でも美容体重としては「太め」だろうけど、「まあ、これ以上太らなければいいや」となんとか維持している。

 スポーツクラブに行くといろいろな人がいるが、体型的には意外に「ふつう」の人が多い。女性はそれでも「もっと痩せたい」とか「お腹を引き締めたい」とかでやっているのだろうけど、そういう目的の人はあまり長続きしないようだ。「とにかくエアロビをしないと気持が悪い」という一種の中毒患者だけが残る。
 そんな中で私がずいぶん前から密かに見守っているのが、めずらしく「やや太め」の女の子。多分、大学生くらいだろう。いつもプールで黙々と歩いている。真剣そのものである。でも全然痩せない。別に美人でもないし、超デブというほどでもないけど、あの体型だと11号の服も難しいだろう。色白な子で肌もきれいなので、頬を紅潮させながらひたむきに歩く姿はけっこうカワイイと思う。見ていると心の中で「がんばれ〜、あなた痩せたら絶対に見違えるほどキレイになるだろうし、可愛い服も選び放題だよ」と応援するのである。
 それと比較してしまうのが、年齢不詳の多分拒食症なんだろうけど、全く脂肪の蓄えがない女の子。歩く骨格標本のようである。どうやら夏でも冷えるらしくて、厚着してヨロヨロと歩いてくる。やはりプールにいるのだが、ときどきちょこっと泳いだりしているが、ほとんどサウナルームに入っている。「少しは筋力つけないと」という目的ではなく、どうやら彼女も「これ以上太らないように」と来ているらしいのだ。サウナのドアを開けると、彼女が一番上の段で膝を折って座っていたりして、申し訳ないけど心の中に「屈葬」という文字が浮かんでしまうのだ。なんか、怖いというよりも痛々しくて、かわいそうである。

 どっちのとなりに座りたいかといったら、間違いなく「デブ」のほうだ。
 そこまで極端ではないにしても、あそこのロッカールームできがえやシャワーを浴びていると、女性の裸体を拝見する機会も多くて、服を着ているとたしかに痩せ気味のほうがいいのだが、脱ぐとそういう痩せている子も結局、お腹はぽっこりだったり、隠れている部分がかなり大したことない場合が多くて、もちろんたまにすごくスタイルのいい子もいるけれど、少し太目の子のほうが、脱いだときにはバランスがいいことが多い。

 自分の体型にあまり自身のない人は一度ああいうところで冷静に観察してみるといいかもしれない。女性も女性を見るときにけっこう服や下着でごまかされていて「あたしって、デブだしタルんでるし」と思いがちだが、皆そんなもんである。
 それでも自分では気が済まないという人も多いだろうけど、私は「まあ、いいや。それに少し太目のほうが、なんか幸せそうじゃん?」と都合よく解釈して、ダレているのであった。それでも最初にスポーツクラブに入ったときには「体重が3キロ増えた〜」だったけど、今じゃ、ヒップ・ホップにパラパラと、どちらかというと異色の「頭脳系」(エアロビは基本的に脳内麻薬物質放出系である)にばかり出ているし。
 そもそも、人気のあるエアロビ・インストラクターほど、「前頭葉が退化してそう」な雰囲気なので苦手なんだもん。見ているだけで疲れるのだが、さすがに体を動かしているとこっちも多少ランナーズ・ハイになってくるようで、けっこうのせられてしまったりして、終わったあと脳細胞がかなり死んだような気分になるのだ。
 パラパラはその瀬戸際というか、そこで思い悩む自分を鏡に写して楽しむという屈折感が心地よいのだが、ふつうの人はそれではハイになれないんだろうなあ。

 な〜んて、こんな屁理屈考えながら通っている人もあまりいないだろうなあ。(他の客とはどうもウマが合いそうにもないので、誰とも喋らないし、滅多に話し掛けられない。そういう無愛想な人もけっこういるのだが、お互いに他人の領域は侵さない)

 と、またダラダラと書いていたら久しぶりに母上から電話。諸々で長電話。でも機嫌よさそうでよかった。



2月5日(月)

 疲れが出たのかやや風邪気味。会社でのトレンドは「消化器破壊系」から「呼吸器直撃系」に移ったようで、昼過ぎに咳と鼻水の症状に襲われ、「やべえ」と思い、そうなるとだんだん具合が悪くなってきて、帰りに豆腐とニラとキムチとシメジと香菜と豚肉を買い込み、「もう見るからに体が温まりそう」な鍋を作り、とどめに卵を落として、にんにくもタップリ入れたら、とても美味しくて沢山食べられました。あれ?咳は?
 どうやらまた「仕事したくない病」だったらしい。でもちょっと頭痛がするかも。早く寝よう。でも、「HERO」観てから。(今のところ欠かさず観ている。「ぜったい見逃せない」というほどでもないが、最近のドラマとしてはいい意味で気が抜けていて、秀逸だ。連続30パーセント超というのも納得。家族で見やすいかんじだもんね。)

 「奥さん事件」の詳細は、結局、友人氏はそのことを告白しにくくなっていたらしく、それをAがドドドとメール攻撃で突ついたら、とうとう「実は・・・・」と吐いたらしい。まあ、Aが現在「ハッピー・マニア」状態なので仕方ないといえば仕方ない。そういうことのないように、「いい人」が妻帯者の場合は、最初に「いい人ですよ。奥さんも大事にするし」とか書いておくことをお勧めしよう。

 そんでAの次なるターゲットというか、もはやそれしか手持ちがないのだが「メル友」だ。遠方にいる。一回しか会ったことがなく、そのときもろくに話しもできなかったが、すごい裏の手を使って(間に入ったのが女友達だったので、やはり彼を知る人に投げて、その知人もなにがなんだかわからなくてトンチンカンだったらしいが、この場合はすぐにアドレスを教えてくれたようだ。遠方ゆえガードが甘かったみたい)メールで「友達になってください!」と古典的にもぐりこんだようだ。さすがハッピー・マニア。気合が違う。

 まあ、向こうも現在ちょっと不遇っぽくて、そういう遠方の子とメール交換するのに安らぎを見出したのか、内容もだんだん濃くなってきたようで(今のところ特に恋愛っぽくなっているわけではないが)、こうなったら嫌な仕事なんて辞めて、「会いに行って実際に話してみないと!」とハッパかける。
 Aも、仕事を辞められたら、またそっち(前回そこに行ったのは結婚した友人を訪ねるためだった)に行ってのんびり今後のことを考えたいようなのである。まあそれで、向こうがびっくりするのか喜ぶのかはわからないが、別にそれはそれで今後どうするか整理できていいではないかと思っただけ。じゃないと、こっちで他の男と会ってみても「やっぱりメル友のほうが落ち着く」とかいいそうだから。(そりゃ、週に一回とかメールのやりとりしかしてなきゃ嫌な思いするわけでもなし、「この人が一番私の話しをちゃんと聞いてくれている」とかになりそうだ。Aの性格として)

 まあ、そんな話しで盛り上がったのだが、「じゃあ、夏くらいに3ヶ月とか行くとして、そしたらさ、ミヤノさんも休みとって一週間くらいおいでよ!」「やだよ〜〜〜」

 まあ、運良く恋愛成就になったとしてもなにせ遠距離ゆえ、結婚でもしないかぎり関係ケイゾクは無理なわけだから、そうなったら
「じゃあ、中間点のリゾートかなんかでたまに合流っつうのが正しいんじゃない?」と言ったら(この辺の会話は単なる飛躍)
「じゃあ、ミヤノさんも一緒に行こう!」
「だから〜なんでそこで私が行かなきゃいけないの?やだよ、カップルにくっついて行くのなんて」

 「大恋愛計画」のメンツに私を加えないように(笑)
 私は計画が失敗したときの相談役なんだからさあ。

 そいうや昔「ミヤノさんが男だったらよかったのに〜」と言われ、「悪いけど、女友達だからこうしてるけど、あたしが男だったら、あんたとは付合わないよ」とはっきり言ったな。
 あんましまた甘やかすと、まんまと嫁に行っても「ダンナがぶった〜〜〜!」とかでうちに転がりこんできそうでこわいぞ。

 早く幸せになってほしい。私のためにも(笑)
 Aの「大恋愛しないと死んでも死にきれない」という壮大な夢をかなえるために、わたしもこのHPで募集したほうがいいのだろうか?
 まあねえ。仕事でコテンパにやられてるから、不安定になってて可哀相なだけなんですけど。早くなんとか平常心にもどれるように努力すべし。

 しかし、友達の恋愛話ばかり書いている自分もなんだな。(常に平常心なのがやはりいけないのだろうか?Aと足して2で割るとすごいイイ女が出来上がるような気もしてきた。Aの発言もそういうことなのかもしれない。二人でかかれば落とせるって?まあたしかにAの横にあたしがボーっと突っ立ってて、その男になんの興味も示さないと、Aのひたむきなかわいらしさが引き立つような気もするけど、あたしの幸せは〜〜〜?と、一応日記には書いておこう)



2月4日(日)

 電話で目が覚める。
 ボケボケだったが、反射的に受話器をとると「クマ○○です」
 え!?「昨日、S君たちと会ったのよ?」

 クマ君は、3年前に札幌に引っ込んだまま、冬眠状態らしく、昨晩も「どーしてるんだろーねえ。年末、上京してきたみたいだけど、当日の昼過ぎに電話してくるもんだから私も都合が悪くて」と言っていたら、S君とこにも電話があったそうだが「僕も予定入っていて、同じでした」とのことだった。
 どうやらまた上京する予定があるらしい。そろそろ冬眠脱却を目指しているようであるが、あまり具体的に動いている雰囲気でもなかったので、「皆で噂していて、いいかげんこっちに戻ってくればいいのにねって言っていたんだよ」と話した。

 電話が終わったあと時計を見たらもう2時で、Aが起きる気配もないが、とりあえず私は洗濯をしなくては明日から着ていくものがないので、大洗濯大会を始める。終わったら4時だった。Aがやっと起きて、それからまた「語りつくせ大会」になってしまい、6時くらいまで喋っていて、さすがにお腹が空いたので、Aを送りがてら下北のベトナム料理屋に入り、食べながらまた喋り、9時にやっと解散。土日は夕食しか食べていない。昨日は支払時に男性陣が「じゃあ、女子は3000円」とか、オマケしてくれて、Aは「今の心境だと、女の子扱いされるだけでもなんかうれしい」と言っていたが、今日はそのAに「スマン、世話になってるからおごる。専属セラピー料として」と言われ、全部持たせるのも心苦しいので、「じゃあ、やや奢りということで」と私は2000円だけ払った。

 「また、明日からのことを考えると苦しい〜〜〜」とAは足取りも重く、帰っていった。

 つうわけで「怒涛の2月」は順調な始まりのはずであったが、「2月6日は裁判所見学」の予定は延期になったようですね。嫌な予感はしていたので、有給申請をギリギリまでしていなくてセーフでした。いろいろ情報を提供してくださった方もいらして、ありがとうございます。今回はせっかくテンション上げていたのに残念でしたが、まあまたの機会っつうことで。

 そういえば、Aと「ハチコウ前の待ち合わせ」で大喧嘩したのが、去年のちょうど今ごろだった。そして、なんとその翌日はS君たちと食事会をしていたのである。1年たって、そのAとS君たちと今度は一緒に食事をして、帰りにAと二人になったときにはハチコウ前広場で「アフリカなタイコ」を叩く人たちがいて、「やっぱタイコはいいねえ」と体が冷えるまで二人でボンヤリ聴いていた。役者は同じなのに、去年と違ってほのぼのしたシチュエーションというのがなかなかドラマチックであることよと今ごろ気が付いた。
 
 だから人生は捨てたものではない。
 



2月3日(土)

 電話で目が覚めた。S君。「今日の冬の会(新年会にしては時期を外したのでそういう名称になったようだ)は渋谷にしました。5時半にブックファースト」
 となりで寝ていたAも目を覚まし、時計を見たら2時だった。
 それから、延々とAの仕事の愚痴を聞き、4時半ごろ慌てて支度をはじめた。Aは5時から歯医者に予約を入れていたようだが、キャンセルの電話を入れていたので、「今日、予定ないなら、一緒に行かない?なんなら私の男友達にアタックしてもいいからさ」と誘ったら、「もう、ここんとこプライベートで楽しいことなんにもないから、たまには違うジャンルとも会いたい!」というので連れていった。

 メンバーは皆、学生時代のサークル仲間。いつものS君、H君、アコちゃん。「友達と昨日夜遊びに行って、そのままうちに泊まってたんで、連れてきちゃった。ギャルが多くてうれしいでしょ!?」とAを紹介したが、あまり反応なし。(彼らは「人見知り君」たちである)
 東急本店の上にあるイタリアンレストランで食事。
 あいかわらずT君もS君もコアな音楽話を披露してくれて「田島貴男の友達に『魂電車』ってやつがいて、なんでそんな名前なのかと思ったら、『ソウル・トレイン』なんすよ」などで盛り上がる「たましいでんしゃ」と繰返すとなんか可笑しい。
 あと、ファ○○○のサプリメントが「あれは、やばい。眠くて疲れきっていてもあれを飲むと、なんか視界が360度になる」とかで、そんなビタミン剤でぶっとぶとは・・・特殊体質か?今度は皆の前で飲んでもらいたい。

 まあ、そういうわけで、私の学生時代の友人がやはり「類友の法則」でかなり変わり者であることがAにもよくわかっていただけたと思う。
 食後はお約束というか私が強烈にリクエストしていたカラオケ大会で、2時間ほどやってから解散。

 その後、またAはうちに泊まりに来て、すっかり夫婦もののような生活だ。
 友達の印象などを聞いてみたら、私などは古女房状態なので、あまり気が付かなかったが、
 「サラダをよそっているときに、Hくんは葉っぱを下に落としたときに『あ!』と言って、ちょっとあたふたしていたけれど、Sくんは眉ひとつ動かさず、まるで何事もなかったかのように平然と落ちた葉っぱを自分の皿に置いていた」
 ほ〜、なかなか細かい観察で(笑)

 まあ彼らの話題と、他にもいる私の独身の元学友の話しなどをしていたら朝の4時になってしまった。
 なにせAは今、仕事でボロボロになっており、「もう、お嫁に行きた〜〜〜い」と叫ぶので、こうなったら私の手持ちの札を片っ端からお見せしようかしらん。って人に紹介などしている場合ではないが、私は友達想いなのである。



2月2日(金)

 会社から帰り、ご飯を食べようと思っていたら、KM君から電話。去年、あざみの駅で「奇跡の再会」を果たしてからまた音信不通だったが、最近になってやっとメールも復活し、試験も終わったので一息ついたらしい。いろいろ近況を話していたら、あっという間に2時間経過。
 ご飯を慌ててかきこみ、Aに電話して今夜は現地集合ということになり、その後でS君に電話して留守電に「あたし、これから出掛けますんで、明日の昼過ぎに復活予定。電話よろしく」とメッセージを残し、支度して歌舞伎町にまたご出勤。

 12時半くらいにはリキッド・ルームに到着したが、意外に混雑している。中を見たらそれほどギュウギュウでもないのだが、ハーバートのライブ目当てな「J−WAVE系」(笑)もしくはJAZZ系の客が多く、皆ライブが始まるまでロビーで待ってるつもりらしい。Aに「フロアのあの辺りにいるから」と私が教えた場所は、機材が設置されていて、客の出入りができなかったので、「これじゃあ、ちゃんと待ってないと探せないなあ」と思い、入り口付近で張り付いていたら、シロくん発見。

 「なんだ、まだ来てたの?」
 と、言われた・・・・・・。
 「あたくしは、まだまだ現役よ」
 と言ったら、彼の働く(というかヤツが店長なんだよな)レコ屋主催のパーティーが3月にあるらしく、「もしかしたらゲストにできるかも」とフライヤーくれた。先の失言の埋め合わせにゲストにしてもらおーじゃないの。(本人に失礼なことを言ったという意識はないようだ)

 お次はアエラさん登場。「中が混んでいるからここでAちゃんを待ってるの」と言ったらしばらく付合ってくれて、先週雪の日のジュノの公開収録の話しを披露してもらう。
 「えー!そうだったんだ。それ笑える〜〜」と盛り上がっていたら、やっとAが登場。

 12時半くらいには竹村延和のライブが厳かに始まり、ずっと最後まで厳かだった。
 「客が皆突っ立ててこわ〜〜い」とA。「だから今夜はJ−WAVE系なんだってば!」と私。
 続いて1時くらいからハーバートのライブが始まるが、機械担当のハーバートとピアノと女性ボーカルという編成で、「場末のジャズクラブ。ただし変態」というかんじで、気の抜けた感じ。私は女性ジャズボーカル好きだからよろこんでいたが、Aは「ちょっとメロウすぎて苦手」とのこと。
 それでもだんだん盛り上がってきて、なかなか実験的でおもしろかったが、激しく踊るようなものでもなく、こんなものかなと思っていたら、いきなりお次はハーバートのDJになり、ライブ目当ての客はロビーに出てしまい、踊りたいやつらだけ残ったフロアがいきなりいい雰囲気になり、「これだよ!最初からこれやれよ!」(隣にいた若者のお言葉)と、盛り上がる。

 やはり、ラウンジ魂を踏襲して、でも「リスペクト、デトロイト」でもあり、最近IQ高そうなクリエーターはこぞって「ジャズ回帰」していて、それにエレクトロ路線をちりばめてというかんじであったが、BPMも押さえ気味で大人が踊れる音っつうかんじで、気持ちよく踊れる。
 「地獄の混雑」だったイクイノに比べれば、バシバシぶつかってくる無作法な客もいないし、適度な混雑で「まるで天国」

 飛ばしすぎで、4時くらいに足がつってしまったが、結局5時くらいまでいて、アエラさんとAとで帰った。Aがそのままうちに泊まりに来た。(置きっぱなしの荷物を引揚げるため) 



2月1日(木)

 2月1日分は諸般の都合により、先月分に置いてあります


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