Angel Night 〜adult ver.〜 - 2 - |
ギシリとベッドのスプリングが軋む。下ろされたときに、白いパイル地のバスローブの裾と胸元がはだ けてしまい、アンジェリークは慌てて直した。 そうやって恥らう様子も可愛くて、クラヴィスはクスリと笑った。 「…私が脱がせても良いのか?」 「?」 ベッドに横たわったままクラヴィスを見上げて、今の状況を思い出す。 返事が出来なくて、返事の代わりというようにだんだん顔が赤くなった。見つめられるのが恥ずかしく て視線を逸らす。クラヴィスは、そっと唇にキスをして、バスローブの腰紐を引いた。 胸元を隠していた布が、ふわりと緩む。首筋から胸元に続く白い肌が新雪の雪のように清らかで美し い。 「アンジェリーク…」 耳許に囁きながら、その白い首筋にキスをする。触れるだけのキスに、くすぐったそうに身を捩る。舌 で辿ると吐息が零れた。 「美しいな…。私はいつも触れるのをためらっていた…」 「どうして…ですか…?」 首筋にされるキスで息が乱れる。 「…お前と居ると、忘れていた感情を思い出す」 低い声が鎖骨の辺りで響いた。愛しそうに唇で丹念に触れる。はだけた胸元の隙間から、肌に触れ ないギリギリの位置で手を滑らせて、バスローブを開く。 「…っ」 アンジェリークが、一瞬身を震わせた。 薄明かりに浮かぶ少女の身体は柔らかな曲線を描き、羞恥でほんのり色付いていた。美しさに言葉 を失うというのは、こういう時にも当てはまるのだろうか…。 「…クラヴィス…様?」 アンジェリークは、じっと動かない彼を不思議そうに見上げる。 「すまぬ。あまりに美しいので見惚れていた」 「見惚れて…って…」 一気に体温が上がり、肌が紅潮する。 クラヴィスは笑って、胸の先端にキスをした。 「!」 驚いて身を捩るのに合わせて、バスローブの袖から片腕を抜く。 「…お前にずっと…触れていたい」 そう言って、胸の先端を口に含む。舌先で転がして、時折唇から離す。離した時に胸にかかる吐息が 熱くて、アンジェリークを煽った。 「…っあ…ん…」 まだほとんど触れられてないのに身体が熱くて、戸惑う。恥ずかしくて目を合わせられない。 クラヴィスの長い指先が、そっと胸に触れた。形を確かめるかのように滑らせる指に翻弄されて、呼吸 が乱れる。 胸を滑っていた右手が、自然に下腹部の方へ撫で下ろされた。そのまま身体の中心にそっと触れ る。 ビクンと少女の身体が震えた。まだ男を受け入れたことの無い初々しい反応に愛しさが増す。 「アンジェリーク…」 優しく呼んでキスをする。キスをしながら指で優しく撫でていると、滑りが良くなってきた。 「…ぁ…っ」 自分の身体の反応に驚いたように頬を染める。目を閉じて、今まで感じたことの無い感覚に耐えよう と唇を噛む。 クラヴィスは左手で優しく少女の髪を撫でた。 「…愛らしい顔をする」 少女の額に、頬に、唇に軽くキスをする。 「…もうっ」 くすぐったいキスをされて、アンジェリークは照れたように笑った。 「…良いか?」 ためらってる少女に問うと、黙って頷いた。 クラヴィスは笑みを返し、柔らかな胸に口付ける。 「…ゃん」 白い肌がほんのり色付く。わざと音を立てるようなキスをして、少女の肌を濡らしていく。舌が肌を滑る 感触に、耐え切れぬように甘い吐息を零した。 「あ…ん…」 クラヴィスの指を再び温かい液体が包む。胸に優しいキスを繰り返しながら、静かに指を入れた。 「…!」 身を竦ませて、反射的に脚を閉じようとする。 「…力を…抜いた方がいい」 安らぎを感じる魅惑的な声で囁かれ、少女はゆっくりと力を抜いた。 身体の中心部に触れている指がスッと引き抜かれ、2本揃えて再び差し入れられる。 「っ…!」 充分に濡れていた指は、抵抗も無くすんなり入った。指で内壁を撫でると、少女の身体が跳ねた。 「…温かいな」 穏やかな声で呟くクラヴィスの声を、アンジェリークはどこか遠くで聞いていた。身体の中で彼の指が 動く度に吐息が乱れ、甘い痺れに意識が支配される。 「…クラ…ヴィス…さま」 アンジェリークは、潤んだ瞳でクラヴィスを見上げた。熱くなった身体をどうしたら良いの判らなくて、縋 るように見つめる。 「アンジェリーク…」 愛おしそうに名前を呼んで、キスをする。指を抜いて、闇色のナイトローブの腰紐を解いた。シルクの ナイトローブは、するりと肌を滑り落ちる。細身だが、華奢ではない白い肌が薄明かりにくっきりと浮か ぶ。 「…愛している」 もう一度キスをして、少女の膝の間に身体を割り込ませた。 「私も…愛しています」 そう言って、目を閉じる。両膝に置かれた彼の手が、脚を開かせた。身体の入り口に当たるものの熱 さに、一瞬身が竦む。 「…っく」 低く声を漏らして、クラヴィスは身体を進めた。 「…あっ…ん」 体内に入る異物感から逃げようとするように背を反らす。クラヴィスは、背を反らした反動で目の前に 突き出された白い胸に口付けた。 「や…ぁ…ん…」 胸の先端を口に含んで舌で愛撫する。濡れた音が響き、少女を高揚させる。 「可愛い声を出すな…もっと…聴きたくなる…」 クラヴィスは、かすれた声で囁いて胸の膨らみに指を滑らせた。 「は…ぁっん…」 敏感になった肌は、優しく滑る指に反応する。甘い吐息を零し、彼を自分の更に奥へ導くように濡れ た。 「…った…」 初めての痛みに耐えるように目を閉じる少女の目の端に、うっすらと涙が浮かんでいる。 「アンジェリーク…」 名前を呼んで、目の端の涙を唇で受ける。頬に、耳許に、優しいキスをした。 「…もっと、私を感じて欲しい…」 耳許で聞こえる声に、理性が溶かされていくようだ。彼の声に身を委ねるように、ゆっくり力を抜く。い つのまに掴んでいたのか、両手ともシーツを握っていた。 クラヴィスは少女の両手を掴んで口付けると、自分の背中へと回した。ぼんやりと眼を開けたアンジェ リークの頬は上気していて、僅かに開かれた唇が、その先を求めるように赤く濡れている。誘われるよ うに口付けて、同時に身体も進めた。 「…!」 小さな悲鳴を唇で塞いで、ピクンと跳ねて浮いた身体を優しく抱き締める。 「…きつい…な…」 クラヴィスの言葉に、少女の吐息が漏れる。熱くなっている身体は、少し触れるだけでも敏感に反応 し、意地悪な台詞で理性を破壊する。 「や…だ…」 身体の奥が熱い…。彼の体温と自分の体温が溶け合って、どちらのものか判らない。 「…フッ。止めても良いが…?」 クラヴィスは低く笑って、アンジェリークの鎖骨に舌を這わせた。 「あんっ…」 身体が震え、クラヴィスの背に回した手に力が入る。 自然とクラヴィスを締め付けていた所にも力が加わった。 「…っ」 クラヴィスの漏らした吐息にも反応して、喉を反らせる。 白い肌が上気して淡く染まり、キスで濡れた肌が艶めかしい。 腰を引くと、少女が切なげに身を捩った。身体の内側から与えられる刺激に耐えようとするように唇を 噛む。 そんな少女の頬をスッと撫で、下唇を人差し指で辿る。 「…止めて欲しいのか?」 熱くなった身体は、まだその先を望んでいた。痛みよりも別の何かが身体を支配し始めている。 「……な…いで…」 掠れた声で少女は言った。頭の中が真っ白で、自分が何を言っているのかさえ判らない。 クラヴィスは頬に承諾のキスをすると、再び少女の中に身を沈めた。 「――――っ」 アンジェリークは、快楽の白い闇に包まれた…。 |