この建物をリノベーションします。
内部に鉄骨トラス梁があり上手く使えば面白くなりそうです。
まずは後から増築したと思われる部分を撤去します。 柱も壁もほとんどない!基礎も壊されている!((((;゚Д゚))))))) 壁量計算をやり直して必要な構造材を追加します。
内装の壁と天井を取り払うと小屋裏に丸太梁が出てきました。これも面白くなりそうなのでこのまま生かそうと思います。
増築した際に大胆にも基礎を取ってしまったところがありました。
建物の水平を測ってみると一部が60mm程度下がっていたのでジャッキアップして新たに基礎を作り直します。
布基礎だったので基礎の内部に配筋してベタ基礎にしました。
瓦を下ろして屋根下地を合板で補強し板金の屋根に変更します。
瓦に比べるとかなり軽くなりますので耐震的には有利になります。
土台が腐っていたり蟻害の部分があったので部分的に入れ替えます。
外壁も全部はがして骨組みだけにします。
ここまでやるなら建て直した方が良いのでは?という質問をよく受けますが再建築が不可能もしくは困難な場合は有効です。
新たに構造計算をやり直して必要なところに筋交いや金物を設置します。
レーザーで水平を測定したところ床が波打っていたので梁を残して全て取り外して下地からやり直します。
外壁にはガルバリウム小波板を張ります。生地色(シルバー)と黒のサンプルを用意しました。黒に決定です。
古い骨組みはあまり状態の良くない部分もあったので全体を構造用の面材で箱状に固めます。
新しい根太を入れて合板を張ります。これがそのまま天井になります。
アルミサッシが搬入されました。外壁と揃えて色はプラック、ガラスはペアです。
屋根板金工事が進み、サッシが取り付き、外部の透湿防水紙が張られ、これで雨でも安心です。
今までの1階の床には断熱材もなく床下がすぐ土でしたのでおそらくかなり底冷えがしたと思います。今回は断熱材を入れてLDKには床暖房も設置します。
壁には昔のグラスウールが入っていましたが隙間だらけでしたので撤去し高性能グラスウールを隙間なく入れていきます。
外壁を張り始めました。重ね継手ヤマ上釘打ちでスッキリ納めます。
フローリングが搬入されました。スウェーデンの塗装済みパインフローリングです。
元豚舎だったお隣に、なんと!馬が引っ越してきました。
ポニータクシーをなさっている方のようです。なんとも牧歌的!
内壁はラーチ合板生地仕上げとなります。
留め付け方のサンプルを作ってもらい検討します。
色々な種類のくぎやビスなどで試してみました。
目立たないタッカー留めに決定です。
1階は少々寒そうなので電気式の床暖房を設置します。
フローリングと下地合板の間に発熱シートを挟み込みます。
浴室まわりは既存のブロック壁がありデコボコしているので下地の材木を凸凹に合わせて削り調整しておきます。
内壁のラーチ合板を張っていきます。このままの一発仕上げです!
一見ラフで簡単なようですが逃げがないのと既存の骨組みの状態が良くないため大工さんはだいぶ苦労しています。お手数かけます。
窓周りなど枠なしでキッチリスッキリ納めてくれました。
足場が外れました。まだ途中ですが外観ビフォーアフターです。
外部のデッキはコストとメンテナンス性を考慮して人工木材を使うことになりました。
片面はプレーンな仕上がり反対面はリブの入った表情。
今回はプレーンな面を使います。
デッキの手すりはもともと現場に捨ててあった足場単管を利用し穴を開けてステンレスワイヤーを通して作ります。
内部の階段が出来つつあります。もう少しでハシゴなしで2階に上がれます。
カフェの出入り口ドアがつきました。少し幅の広い木製片引き戸です。
カフェのキッチンはIKEA、パナソニックなどの部品を組み合わせて集成材のカウンターでまとめました。製氷機、コールドテーブルも設置しています。
窓から差し込む日差しと合板のラフテクスチャーとのコントラストが美しい!
鉄骨キャンティのバルコニーの取り付けです。
外部にはブラスの船舶照明をつけます。
メッキではなく無垢の真鍮製なので経年変化で渋い感じになっていきます。
内部建具の金物にもブラスを多用しています。
カフェの天井カセット空調機がつきました。もうすぐ完成です。
新築と違い開けてみてはじめてわかる事が多い中まとめてくださった監督さん、逃げのない面倒な作工事をしてくれた大工さんをはじめ職人さんの皆さん。おかげさまで見違えるような建物になりました。本当にありがとうございました。