古屋を解体して更地にしました。現場スタートです。
敷地と道路に高低差があり道路には勾配があります。
各部の高さを間違わないようにベンチマークと呼ばれる基準となる点を決めます。
工事が終わるまで変化のない場所とする必要があるので道路のマンホール蓋中央としました。
地下に車2台のガレージを作るため地面の掘削を進めます。
地質は土丹(どたん)と呼ばれる硬い地層の表面に盛り土がしている状態で土留なしで垂直に掘っていくことができます。構造地盤としてはとても良いのですが工事は大変です。ユンボの爪で削りながらの作業です。
地下構造の床になる部分に捨てコンを打って配筋の準備をします。
地下耐圧盤の配筋が終わりました。コンクリートの厚さは350mm、そこに太さ16mmの鉄筋を100mm間隔で上下2段で組みました。
一般の住宅基礎と比べるとかなり密な配筋です。
この部分で建物大部分の荷重を受け止めて地盤に伝える役目があります。
地耐圧板のコンクリート打設が終わり地下構造の壁、天井になる部分の型枠と配筋を進めます。天井になる部分は支保工と呼ばれるツッパリ棒で支えます。コンクリートの重さに耐えられるようしっかりと支えます。
いよいよコンクリートの打設です。ポンプ車とバイブレーターを使って手際良く打っていきます。駐車場内部は打ちっ放し仕上げとなるため綺麗な打ち上がりとなるように気を使ってくれています。
壁の型枠が外れましたので土に埋まってしまう部分に防水処理を施します。
天井を支える型枠はコンクリートの強度が上がるまでもう少しそのままにしておきます。
土に埋まる部分で室内側の結露が心配される部分には断熱処理もしておきます。
一般部分(地下のない部分)の基礎を作るための宅盤を作ります。道路と段差があるので擁壁を作って土を埋め戻します。擁壁には水抜き穴を適宜設けて土に埋まってしまう部分には雨水がうまく排水されるように透水マットを施工します。
一般部分の基礎配筋と擁壁のコンクリート打設&埋め戻しが同時に進んでいます。
一般部の基礎も出来上がりいよいよ上棟です。これで構造体が出来上がり一段落つきました。
所定の構造金物が設計の通り入っているか事務所検査を行った後に検査機関の中間検査を受けます。無事パスいたしました。
シアタールームの吸排気管の途中に消音チャンバーを設けます。既製品もあるのですが設置の自由度がないため合板で箱を作り内部にグラスウールを貼ってオリジナル品を作ります。いくつかの区切りを設け拡散、吸収、圧力の低下を行います。自動車のマフラーなどと同じような消音の仕掛けです。ミナトデザインの独自のノウハウです。
天井裏を通る排水管は防音タイプを使います。全く音がしなくなるわけではないですが大分緩和されます。
外壁モルタル左官の下地として「木ずり」と呼ばれる小幅の板を張りました。
シアタールームのコンセントは特殊な遮音タイプのボックスを壁内に仕込んでおきます。出来上がるとわからなくなりますが大切な部分です。
各部屋の断熱材工事と石膏ボードの工事が進んでいます。
シアタールームの壁&天井の遮音処理を進めます。ここにもオリジナルのノウハウが詰め込まれています。
ムクの小幅木材をパネル状に加工したムクボードと呼ばれる材料で家具を製作します。無垢材でありながら広幅で寸法安定性の高く木材の雰囲気も持ち合わせた面白い素材です。
吸排気管が外壁に出てくるところにはベントキャップと呼ばれる雨風を防ぐ部品がとりつきます。一般的にはアルミやステンレスのシルバー系が多いのですがオーダーで外壁と同色に塗装してもらいました。
お庭には植栽をして中央部分は錆御影石を敷き詰めました。お庭のメンテナンス(草刈り)など省力化できるようになっています。あと少しで完成です。