この駐車場につくります。台形で20坪。小さめの敷地ですが道路の屈曲部近くに位置した広がり感のある敷地です。
ピロティー、アプローチ部分はコンクリートの土間床としますがこの建物のデザインキーとなった土地の角度に合わせてスリットを設けます。芝などの地被植物を植えて無機質な土間に生命観のコントラストを与えます。
建物を水平に作るための基準となる定規を建物周辺に巡らせます。三脚に据え付けた機械からレーザー光線が水平に出ていてそれを頼りに定規を作ります。
基礎の鉄筋組立が終わりました。 本体とカーポート部分を連続したべた基礎に計画しており基礎床に高低差があるためコンクリート打設時には工夫が必要です。
台形の敷地に合わせた計画のため壁が90°以外で交わるところがあります。 鉄筋、型枠共に角度を合わせます。
ポンプ車とミキサー車がお尻をくっつけて打設準備です。ミキサー車から出てくるコンクリートをポンプ車が受け圧力をかけ象の鼻のようなパイプに送ります。
パイプの先を人がコントロールして型枠に流し込んでいきます。 その横でバイブレータやハンマーを持った人達が型枠を叩きながら隙間無く打っていきます。
鋭角部分できました。
鈍角部分もできました。
土台を敷いて1階の床板も施工します。
この建物は床構造材(Jパネル)がそのまま仕上げとなるため丁寧な施工とその後の養生に手間がかかります。
Jパネルをビスで留めつけていきますがそのままねじ込むとめり込み加減が不均一になるのでネジの断面形状に合わせた特殊なドリルで下穴を開けてから留めていきます。
いよいよ上部構造の組立です。
鋭角部分に筋違が付くため各面の角度に合わせるためダブルの柱としている箇所があります。
ピロティー部分の円形独立柱にもステンレス鋼棒の筋違(ブレース)がつきますので引張り力にあった緊結金物を施工しました。
シンプルかつ強固に取り付けできるようピンで留める金物としてあります。
屋根勾配が約45°となっています。 上に立つと滑り落ちそうで怖いですが職人さんたちはさすがです。
この建物は屋根と壁が同じ素材で連続してつながっていくので外壁の通気を逃がすスリットを軒先につくる事ができません。
そこで屋根下地を2重にしてその部分を通気層として使います。 屋根下地を乾燥させておく効果にも期待です。
コンパクトな住宅のため収納スペースにも限りがあります。
ピロティー上部に寸法の余裕があるのでその部分を2階から使う床下収納としました。床面積約1坪、高さ50cm程度の空間をつくります。重量物を入れても大丈夫なように下地をしっかり組んでもらいました。
ピロティー円柱に構造ブレースを設置します。 そのまま仕上げとなるためシンプルな金物を選定してあります。
一般的には外壁の一番下には雨水を基礎内部に入れないように水切り金物が付きます。
この建物は外形がとてもシンプルなので水切り金物も隠すことにしました。 とはいっても無くす訳にはいきませんので細部のデザインをして外から見えない内側部分にそっと仕込みます。
ピロティー軒天井の際に来る板金と一般部分の板金の納まりを一致させて一体感を持たせます。板金屋さんとの打合せを重ねてさりげなくしっかりとデザインします。
小屋裏床のJパネルが2階の天井になります。
構造体がそのまま仕上げとなるシンプルなデザインとなっています。
隠せる部分がないため金物の設置や電線の配線など現場にはご苦労をかけますがそれだけの価値があります。
コンパクトな住宅ではありますが勾配天井の吹抜とハイサイドライトによる採光で広がりをデザインしています。
浴室も台形敷地形状の良さを生かし斜めに浴槽を設置するデザインです。
ユニットバスでは成し得ない空間を作ることが出来ます。 仕上げはタイル貼りとなるため下地の防水をしっかり施工します。
階段もJパネルでつくります。
階段の裏側はその下の階の天井になります。 ここの作りも全て見えることになり逃げがないので監督さん大工さんと入念な打合せを行いました。
ピロティー軒天井の際に来る板金と一般部分の板金の納まりを一致させて一体感を持たせます。
板金屋さんとの打合せを重ねてさりげなくしっかりとデザインします。
浴室の壁は25、50、100mm角の3種類のタイルを用います。
要となる目地を揃えてもらい小判型の浴槽に添って細かい切り物のタイルを貼ってもらいます。
職人さんありがとう。
居間と階段室の間の壁に棚を造り付けます。
壁から四角形が押し出されたようなデザインをJパネルで作ってもらいました。
パーゴラ梁の受け金物を設置します。
金物の存在を隠すため外壁工事に先立って取り付けてもらいます。 溶融亜鉛メッキも施して錆に対する処置も万全です。
キッチンに使うタイルを選定しました。
同じような雰囲気の物でいくつかサンプルを取り寄せて決めます。
内壁は左官仕上げとなりますがまずは下地塗りを行います。 細かいファイバーの入ったクラック対策品での施工です。
板金工事が進み足場シートの上から少しだけ外観が現れました。
内装漆喰塗りも進みキッチンの部品が届きました。
キッチン本体はシステムキッチンを使いますが天板をステンレスバイブレーション仕上げのオリジナル天板に変更します。
吸排気口が外壁を貫通したところに雨よけのフードを設置します。
外壁に合わせて塗装してもらいました。
一部のベントキャップには火災時の高熱にさらされると自動的に閉鎖される温度ヒューズが付いたものを使います。
隣家火災の延焼を防ぎます。
玄関のドアはレッドシダーの板を使って製作しました。
幅の違う板を一見ランダムに張っているように見えますが鍵やドアノブなどあらかじめ割付がデザインされています。
デザイン時に意図していたとおりハイサイドライトから陽光が差し込み傾斜天井に反射して柔らかな光をつくり出します。
足場が外れ全体が現れました。
全体的にはマッシブな表現としていますが板金のわずかな波打ちで柔らかさと暖かみも表現しています。
ピロティー、アプローチ部分はコンクリートの土間床としますがこの建物のデザインキーとなった土地の角度に合わせてスリットを設けます。
芝などの地被植物を植えて無機質な土間に生命観のコントラストを与えます。
建物がほぼ完成となりました。 いつもながら職人さんたちには感謝です。
皆をまとめてくれた監督さんそしてこの機会を私たちのチームに与えてくださったクライアントご家族の皆様本当にありがとうございました。