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Michael Pitきまぐれ短信
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04-05ロンドン日記(1/4) -2004年12月-

2004.12.29(水)
今朝もとても寒い朝。朝からシャワーを浴び、朝ごはんを食べた後、近所のコインランドリーに洗濯へ行きました。ここのおじさんはインド系の人ですがもう私の顔を覚えていて何かと気をつかってくれます。たとえば私が使い慣れている洗濯機のうえの洗濯物をどかして使いやすくしてくれたり、乾燥機が全部詰まっていて困っていると早く終わりそうな人の所を教えてくれたりしてくれました。こんなとき心が暖かくなります。今日は洗濯中にその近くにある日本人が経営している不動産屋に行きそこにおいてある”週間ジャーニー”をもらって日本のニュースを読んで過ごしました。これは無料でもらえる新聞です。この新聞をもらうとき久しぶりに日本語を話しました。やはり楽だな・・・

その後駅のキヨスクみたいなところにTIME OUT を買いに行ったら、突然「ニィーハオ」と声をかけられ、私は日本人だと言うとこんどは「こんにちは」と返された。そのうえGoodbyはなんというか?と聞かれたので、「さよなら」または「またね」とおしえてあげました。すると「またね!」とうまい日本語でうれしそうに声をかけてくるのです。わたしも「またね!」といって手を振りました。なんだかおかしい気分でした。

午後からALBERY THEATREでRSCのROMEO&JULIETを観ました。ボイストレーナーのサラのお勧めだったのでチケットを買ったのですが、よかった!古典的な衣装で装置はとても簡素なものだったのですが、人の動きを工夫しながら町の中になったりJULIETの家の中にしたりバルコニーのシーンになったり、教会の中になったりの観客を信じさせてくれる演出がいい。良い芝居には隙間がないように感じてきました。おととい観た同じ作品は、俳優も演出も違うのですが、むだな空間がたくさん舞台にあったように思えます。今日の芝居はJULIETに品があって素敵でした。なにより俳優同士に葛藤があり緊張感がありました。今日は満足して劇場を後にしました。ロンドンは今観光客でにぎわっていてとても騒がしいです。明日の朝には宿にしている家の主人であるエリザベスおばさんが帰ってきます。掃除しておかないと・・・


2004.12.27(月)
今日から30日まで最寄の駅のラインが改良工事?のためまったく動きません。昨夜メガンおばさんから説明を受けたものの私の心は不安でいっぱいでした。

ロンドン中心部に行くには、まず最寄り駅前からHarrow-on-the-hill駅までバスにのります。しかし乗り場を間違えていたことに気づいたのは20分ほど待った後でした。ため息をつきながら向かい側のバス乗り場へ行きます。しかしほとんどの人はこちらに来ようとしません。きっともっと料金的にも時間的にも良い行き方があるのでしょうが、私には一度覚えた行きかたしか考えられません。なのでバスでHarrow-on-the-hill駅まで行き、そこからMarylebone 駅までノンストップの電車に乗り換えて無事ロンドン中心までたどり着きました。日本だとこんなことはなんともないのでしょうがここはロンドン、ほんとうに心細くなってしまうのです。

まずはこれから観ようと考えている芝居のチケットを買うことにしました。National Theater, AlberyTheater、やLester Square駅の近くの劇場をそぞろ歩きしているとなんとなく土地勘ができてきました。昼はスーパーで安いパンを買いマックに入りTeaと一緒に食べます。これだけでかなり安く上がる!それからPlay House TheaterでROMEO&JULIETを観劇。サーカスの輪のようなものに乗って芝居をしたりと動きが激しいとてもモダンな演出。JULIETはちょっと性格がきつそうな現代子。俳優の体はとても鍛えられていて体操選手のように身軽に表現できるのはすごいと思いましたが、この芝居には広がりが見えないし質もあまりよくないと感じました。すこし期待はずれでした。

ロンドン中心部からは来た道順を逆に帰りましたが、無事我が町に到着できた時はホッとしたものです。今日はなんだか少し成長した気分を味わえた日でした。


2004.12.25(土)
今日はクリスマス。町はとても静かです。

朝9時にメガンおばさんと教会へ行きました。連れて行かれたのはウエールズの教会。ウエールズ出身の人たちが集まっているところで教会の牧師さんの言葉もウエールズ語で話されます。賛美歌はメロディのわかるものはハミングで歌いました。クリスマスに教会で祝うことなど初めての経験で心が洗われました。

夜はメガンおばさんのところへ今朝教会でお会いしたファミリー達とのクリスマスパーテイにお呼ばれしました。昨夜おばさんと一緒に作ったミントパイ(イタリア料理)のようなものとサラダ、ハム、フランスパン、ケーキなどとてもシンプルな料理が並びます。でもお腹がいっぱいになりました。私がおばさんに買っていった日本茶をみなさんにお入れしたところ、なんとロンドンでは日本茶は大変ポピュラーなのだそうです。でもみなさん大変よろこんで飲んでくれました。

最後はゲームです。わたしは遠慮しようとすると参加しろと言われ、わけがわからなかったけどなんだかとても楽しみました。うまく表現できませんが2つのグループにわかれて机のうえに置かれているカードをひとつ取りヒントを与えながら粘土でそれを表現したり、紙に書いて表現してあてるゲームでした。わたしは花火を目を閉じて紙に書けといわれ必死で書いたところ、子供が当ててくれました。

とにかく英語を使ってコミュニケーションするしかありません。でも不思議と緊張することがなくなってきました。すごい進歩だと感じています。英語を話すことが楽しくなってきました。いい人たちに恵まれている証拠だと思います。明日はみなさんとキューガーデンに行きます。


2004.12.23(木)
ロンドンは今日も寒かったです。

2時からボイストレーニングを教わるサラのマンションに行きました。まず最近起こったことを聞かれます。日常的な会話ならなんとかできるのですが、やはり相手の質問には答えられないことが多いですね。

あらためて、レッスンを月4回、1回2時間でお願いし、それからお勧めの芝居やミュージカルを教えてもらいました。自分であてずっぽうに見て回るよりは、ロンドンに住んでいる俳優でもあるサラに聞いたほうが、無駄な時間とお金を使わないですむと思ったからです。

マットの上に横になり、呼吸法を教わります。とてもリラックスできます。それから来月にシェフィールドでドラマリーディングに使う予定のテキストを使ってボイストレーニング。登場人物のひとりである”お母さん”をサラが演じてくれます。足踏みしながら3つの声を使いわけて朗読すると、とてもユーモアのあるものになってたのしい。

呼吸法だけでなく英語のアクセントも教わることにしました。英語で話すと緊張してしまうので、ここが課題ですね。いろいろ書いたテキストをもらいました。このさいだから徹底的に英語の訓練をしないと…。しかしすべて英語でレッスンを受けている自分が不思議で感心します。サラが丁寧に話してくれますし、よく私の英語にも耳を傾けてくれるからでしょう。今日も充実した2時間でした。サラは冬休みにイタリアへホリデーに行くそうで、また1月に会うことを約束して分かれました。

 ◆◆◆
夜は7時15分からヤングビックシアター製作の”SLEEPING BEAUTY(眠れる森の美女)”を観ました。だれからも愛される美しい娘、Beauty。しかしいたずらな妖精によって深い眠りに落ちる魔法をかけられます。助ける方法は王子様のキスだけ。そして王子様が現れて彼女にキスをし、結婚して子供も生まれるのですが、不幸なことに彼のお母さんは人食い鬼だったのでした…。

子供のための芝居に作られていましたが、やはりとても役者が上手いし、演出も豪華!なんとか聞き取れる英語力でも十分楽しめました。質の良い芝居には創造的な広がりが無限にあるように感じます。

なお、上演場所のバービカンシアターは以前ロイヤルシェークスピアカンパニー(RSC)の専用劇場だったのですが、RSCが経済的な理由で撤退してしまっています。

 ◆◆◆
今夜も自炊です。昨夜作った肉じゃがにご飯をいれておじやにして食べました。「肉じゃがの素」は日本の100円ショップで買ってきたものですが、これがなかなかいける。お世話になっているメガンおばさんに少しあげたら大変気に入ってくれました。なんでもメガンおばさんのふるさとウェールズの料理に似ているそうです。作り方を教えろといわれちょっと困ってしまいました。「肉じゃがの素」をプレゼントしました。


2004.12.22(水)
昨日はポルカシアターという劇場で楽しい時間を過ごしました。
”The Snow  Baby”という芝居を観ましたが、とてもLOVLYな芝居でした。子供の芝居ですが、大人も十分楽しめます。子供にこびていない俳優のすばらしさにうれしくなりました。クリスマスに一人ぼっちでいたおばあさんをSnow Babyが訪ねて楽しいひと時を過ごす…やさしく愛らしい芝居に私も共感してしまいました。だって私もクリスマスはロンドンでひとりだから…
でも宿の猫のステラがいるから大丈夫!でもおとといの晩はステラがねずみを捕まえてきて大変だったのです!!


2004.12.19(日)
この土曜日曜でストラトフォード・アポン・エイボン(シェイクスピアの生まれた町)に一泊旅行に行きました。ロンドンから列車で約2時間30分。のんびりした気持ちになりました。

感じのよいB&Bに荷物をおいて町にでてみると、白地に黒い線の入った外装の建物が印象的です。中世チューダー朝のものだそうです。エイボン川のほとりに立てば、夕暮れ時のせいかとても穏やかな景色でした。舟で旅する人が川から分かれる運河の水門を開ける光景も目にすることができました。夜は19時30分からロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の上演する”ジュリアス・シザー”をスワンシアターで観劇。想像と違ってとてもモダン。後半の戦闘場面ではイラク戦争を思わせる演出で迫力満点でした。

翌朝は宿でイングリッシュブレックファーストです。コーヒーがインスタントでないのがとてもうれしい。やさしいご夫婦で切り盛りしている家庭的な雰囲気で、また来たいと思わせるB&Bでした。

この日も夕方まできままにウォーキング。エイボン川に沿ってそぞろ歩きをしたのちは、シェイクスピアの妻であるアン・ハザウエイの生まれた家までちょっと長い距離を歩きます。途中にあったガーデンセンターでお茶をしたりしました。郊外の農場の中を通るときは、前日の雨で道はぬかるみになっていて歩きづらいところもありましたが、北海道の富良野や美瑛を思わせる広い景色がとても美しかったです。馬やリス、羊にも会いました。休憩も含んで約3時間30分かかりましたが、良いウォーキングでした。


2004.12.17(金)
15日に成田を出た飛行機は、韓国の仁川を経て、時差の関係でその日のうちに夕暮れのヒースロー空港に着陸しました。イミグレーションも荷物受け取りも済ませて、さて空港からこれからの宿になるエリザベス宅へ向かいます。バスと地下鉄を乗り継いで一時間半ほど。

バケーションで主不在の家は向かいのメガンおばさんが守っています。暖房の使い方などいろいろ説明してくれ、なんとか理解しました…。メガンおばさんが帰って、荷物の片づけをしようと思っているところに、家の電話が!全然鳴り終わりません!しかたなく出てみると、エリザベスさんの知り合いらしいひとで、なかなか切ってくれません!30日に帰ってくると伝えるとやっと電話を切ってくれました。はぁ・・これで安心。つかれて12時に寝たのでした。


2004.12.13(月)
12月15日から3月31日まで演劇の勉強でイギリスに行って参ります。むこうでの様子は気まぐれにお知らせしていく予定です。
しかしパソコンがちゃんとつながるのか不安ですが・・
今日は地元のお好み焼き屋さんでいつも芝居の公演でお世話になっている小学校の先生に送別会をしていただきました。シンプルですがとてもあたたかい時間でした。
さあ!前途多難な旅の始まりです。それではまた!

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