2012年3月-4月
2012/04/28(土)
久しぶりに天気がよい。図書館からの帰りハナミズキの花が晴天の空の下うつくしく咲いていたので思わずシャッターを。「臨界幻想2011」の稽古の毎日で、帰りはだいたい夜でしかも雨の日が多い。だから今日のハナミズキはさわやかな気分にしてくれました。

いよいよ5月5日子どもの日には、北海道電力泊原発の3号機が定期検査入りして停止します。その日まで他の原発を再稼働させなければ、日本中の原子力発電所がすべて停止することになります。このお休み中、原発ゼロに向けて私も声をあげていこうと考えています。
2012/03/31(土)
昨夜、和合亮一さんの詩の朗読を明治学院礼拝堂に聞きに行きました。読まれた作品はすべて素晴らしい作品でしたが、その中でもとりわけ『詩の邂逅』のなかに収められている「決意」という作品が良かったです。福島で生きること・ふるさと。この決意が強い力で私の心に迫ってきました。あなたと共にこの現実に向き合い、未来を生きていくために闘う。しなやかな心も忘れずにそうしていきたいと思う。そんな言葉が私の中でつながっていったものです。
すてきな詩がたくさんあります。
実は日中の「臨界幻想2011」の稽古の中で、作者であり演出家のふじたあさやさんが和合さんの作品の一つを使ってワークショップをされていたのです。ふじたさんも和合さんに会いたがっていたので、朗読会終了後思いきって翌日の稽古場訪問を願い出てみました。和合さんは福島の高校の先生で演劇部の顧問でもあり青年劇場とも多少おつき合いのある先生でもあります。快く時間を見つけて下さり、本日、稽古場に来て下さいました。急遽「決意」を朗読までして下さいました。和合さんのファンもいて稽古場はこのサプライズタイムに大盛り上がり!
ご足労ありがとうございました。
「今度はもっと長いこと見学させてください」と和合さん。福島人の強さ・粘り・誠実さ・優しさ・素朴さを見事持っているすてきな人柄に触れ、ファンクラブが結成されるのではと思えたほどです。ふじたあさやさんの思いと私のほんの少しの勇気で出会えた縁。大切にしていきたい。と願います。ありがとうございました。
2012/03/25(日)
用がありまして、久しぶりに六本木に出ました。あまり久しぶりなので、地図片手に迷いながら歩いていると、見たことがある外国の人が歩いている。何となくなつかしさを感じて目が離せない・・・向こうも気になるらしくちらちらこちらを見ている。OH!なんとイギリス人のお友達ニックではないか!!「ニック!?」と声を掛けると、おおーっと両腕を広げ、イギリス人らしくあたたかいハグで私を抱きしめてくれました。Very English!
せっかくの機会だからと『臨界幻想2011』のチラシを渡すと「見に行くよ」と笑顔。広い東京の道端で出会うなんて本当に縁がある私たち。最高にうれしい偶然でした。
また会いましょう!
六本木に出たのは、詩人ア-サービナードさんの講演を聞きに、国立新美術館に行くためでした。講演タイトルは「私たちは3.11とどう向き合うか」。
講演の中で1997年1月に東京電力から「未来へのパスポート」と題した子供向けの小冊子を紹介されました。原子力の歴史という説明で、「レントゲン→キューリー夫人→アインシュタイン→フェルミ→世界31カ国で原子力による電気がつくられている」と当たり前のように書かれているそうです。
しかしレントゲンにしてもキュリー夫人にしても、国家にやとわれて放射能について調べたわけではないのです。特にキュリー夫人はラジウムの発見を人類の未来に役立つエネルギーになってほしいと願っていました。そのため自分の利益など度外視し、特許もとらなかったのです。フェルミは亡命先のアメリカの要請もあって、第二次大戦中にドイツに先駆けて原爆を開発するため尽力しました。その原爆は誰もが知っているとおり、ドイツではなく日本に落とされました。フェルミは史上初めて原子炉をつくりましたが、それは原爆の原材料であるプルトニウムを作成するためのものだったのです。
フェルミの時代になって原子力は凶暴な力を発揮する物になってしまいました。それをただ単に科学の進歩のように見せかける説明にあきれてしまいました。原子力は「クリーンで、安全で、便利な」エネルギーと書いてあるそうです。クリーン?安全?便利?私たちは原発推進派の言葉の嘘に騙され続けてきたのですね。
原発問題を考えるときは、隠されている本質を見抜く力をわれわれ皆が持つことが本当に大切だと思いました。原発を維持するのは、核の技術を維持するためなのです。かつて某元首相が日本の核武装を念頭に推進したのが今の原発乱立につながっている(いまでこそ核はいらないとか言い出していますがどこまで本気なのでしょう?)。世界で起こった原発事故、広島・長崎の原爆投下、水爆実験・・これはすべてつながって現在の福島がある。このことを知ったうえで、これからの福島、これからの日本のことを語り、脱原発を訴え、行動していく。そうすることで日本のみならず世界の人々とつながっていけると思っています。
美術館前のオブジェ
2012/03/18(日)
青年劇場新作「野球部員、舞台に立つ!」好評のうちに、本日、公演を終了いたしました。ご観劇いただきましたみなさんありがとうございました。今秋、本作品は学校公演として全国を巡演します。その際またお会いする機会があるかもしれませんね!興味を持たれた学校のかた、連絡をお待ちしておりますw
今朝、自転車置き場の近くに咲いていた日本水仙。みずみずしい美しさについうっとり。今年は寒く、ここの花はやっと咲いたという感じでした。今年もまた会えてうれしかったです。

2012/03/16(金)
紀伊國屋ホールにて青年劇場の新作「野球部員、舞台に立つ!」を上演中です。
初日はイギリス人のお友達デニスが観劇。昨年の3月にロンドンから日本のディズニィーシーに一年間働きに来ていました。来たとたん大震災に遭遇し、いったんロンドンに返されてふたたび4月に日本に来て働いていたのです。日本の最後の思い出の一つに青年劇場の作品観劇を選んでくれたのでした。日本語はわからなくても、舞台上で大切に語られている人と人とのつながり、コミュニケーションの大切さの主張は通じたようです。音楽、踊りも若さあふれる舞台で視覚的にも十分たのしんでくれました。ホッとしました!

ロンドンでいつか会おうねと再開の約束をしてくれました。また一人友達できました!

そしてこの花はこの3年あまりの普及の仕事で出会った学校野球部監督・元部長・現部長のみなさんからの贈り物です。今日劇場に届きました。お忙しいところ観劇もして頂き、それはそれは喜んでみて頂いたようです。監督にはたくさんの人を紹介して頂きました。これは劇団の財産です。ありがとうございました。この作品でたくさんの生徒さんと出会えることと確信します。
18日まで公演は続きます。観劇された方みなさんから「よい芝居だね」とお褒めの言葉をいただいています。心が暖かくなる作品です。まだお席もある日がありますので、この機会をお見逃しなく、ぜひご観劇下さい。
2012/03/10(土)
福島県郡山市のあさか開成高校演劇部オリジナル劇「この青空は、ほんとの空ってことでいいですか?」を笹塚の劇場で観ました。東京電力福島第一原発事故をテーマとした作品。今の福島を生きる高校生の悩みや戸惑い、そして強くなっていく彼らを等身大で描く名作!たくさん笑って、そして泣きました。福島の現状を伝えて、僕たちの今を伝えたい・・高校生達の生きていく力は未来への希望のメッセージです。
「へこたれている場合ではない。原発はもういらない!」、私たちの未来のために、私たちが笑顔で生きていくために、その声をこれからもしっかり届けていこうと思いました。高校生達が本気で何かに向かって生きている姿は、大人の心に勇気と夢をあたえてくれます。この作品を3月11日を迎える前に観られてよかった。
今を生きるたくさんの方に観ていただきたい作品でした。ほんとうに、お疲れ様でした。ありがとう!

2012/03/04(日)
脚本家の立原りゅうさんがお亡くなりになりました。
代表作に映画「わが青春のとき」「東京大空襲 ガラスのうさぎ」などがあります。青年劇場には「ホスピス」「女おんなオンナ」を書き下ろして下さりました。昨日今日と、葬儀・告別式はお別れの会としてご友人中心に執り行われました。わたしは2日間受付のお手伝いをさせて頂いたのです。ご友人達に大切にされながらお見送りされる、静かで品のあるお別れの会に私も心安らぎました。
数年前に岡山弁の方言指導でお世話になったプロデューサーに偶然にもお会いしました。5月に上演される青年劇場公演「臨界幻想2011」を見に来て下さると約束して下さいました。どこかでつながっている人間関係に不思議な縁を感じた時間でした。立原りゅうさん、ありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。

|
|