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Michael Pitきまぐれ短信
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2008年1月-2月
2008.2.19(火)
約2週間ぶりに演劇の授業で栃木県まで行って来ました。ところが自宅近くの駅から乗る電車が事故のため運転が完全にみだれていて約30分遅刻してしまったのです・・・

教室にはいると担当の先生がすでに反省会を進めて下さっていました。久びさに会う生徒はどことなく気が抜けていてホワーッとしていましたが、演劇の公演をやり遂げた開放感みたいなものも感じました。当日の感想としては、学校のホールで、しかも芝居を観たいわけではない生徒も多い中での公演だったので冷やかし半分の笑いやおしゃべりが多くてそうとう大変だったことなどが上がりました。しかし普段自分たちが授業や生活の中で余計なおしゃべりして話を進めている相手にどんな思いをさせているのかを自分の立場で考える感じる絶好の機会にもなったはずです。

生徒たちは演劇を創り上げる過程の中で様々な人間同士の葛藤があり、泣いたり怒ったり笑ったりと大変でしたが、少し相手のことを考えることの大切さを感じてもらえたはずです。何より私がたくさん生徒たちから学ぶことが出来ました。はぁ・・これで肩の荷がおりました。

学校前から遠くの山


2008.2.15(金)
劇団は新宿にて『あるハムレット役者の夢』というフランスの作品を公演中です。一方、劇団稽古場にてモスクワ芸術俳優養成学校の教授たちによる俳優ワークショップが開催されており、公演のキャスト以外で受講を希望した人が参加しています(私も)。初日の本日はスタニスラフスキー・システムの基礎から、ステージムーブメントと俳優の表現のエクササイズなどのトレーニングが行われました。

ムーブメントとは俳優が演じるにあたって必要な身体能力をつくっていくこと。呼吸法から入り、手先を上下させて津波の動きをくりかえしたりさまざまな身体部分を微妙に動かしていく事のくり返しですが・・一筋縄ではいかない動きの連続がたくさんあり自然にできないのが現実。「よく考えてやってみて下さい」といわれるのですが・・複雑な動きを自分の体に納得させ表現することに集中しなければと感じています。

俳優の表現のエクササイズもおもしろい!手を叩いて相手に伝えていくこと・アイコンタクトで相手を見つけて相互に関係性をつくることなど、以前どこかで体験したことがあるワークで簡単にできそうに思えるのに状況や相手が異なるせいか意外と難しい。なかなか新鮮です。おもしろかったもののかなり疲れた一日でありました。また、感じたことを綴っていきますね。

公園のネコ ネコのようにしなやかになりたいものです・・・


2008.2.10(日)
前日、雪が降って猛烈に寒かったことが嘘のような晴天の午後、久しぶりに日曜坐禅会に行ってきました。寒い坐禅堂に入って坐禅を組み目を閉じていると不思議と心が落ち着いてきます。

今日の老師は坐禅は坐禅をしていること自体に坐禅本来の真実がある・・と教えてくれました。癒しとか悟りとかを目的と考えるのではなく、坐ることそのものが目的であると。「坐禅は命と心と体を結ぶものです」。おかげさまで、ここ何ヵ月間の忙しかった日々が頭の中に何回も出てきては消えていくという雑念に戸惑うことなく、心地よく坐っていることができました。

おまけに大好きなF老師も今日は坐禅会に参加されていて少しお話も出来、さらに英語坐禅会で時たま合う外国人とも親しくなったり嬉しい出会いがありました。お花がたくさん咲き出す季節、坐禅堂に通いながら写真を撮る楽しみも増えそうです。

坐禅後に歩く禅寺の庭 坐禅後に歩く禅寺の庭


2008.2.9(土)
水曜日の6日に、無事、演技指導していた高校生の演劇講座の発表公演を終えることができました。

今回とりあげた作品は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をベースにしたもので、演じる生徒にとっても理解に苦しむ内容がたくさんあったはずです。銀河鉄道に乗る人たちがどういう人たちなのか、原作でも劇中でもくり返される”本当の幸い”とは何のことか、物語の最後に一人で現実に戻ってきた主人公のジョバンニは銀河の世界で何を感じたのか・・・これらいろいろなことを感じさせてくれるしっかりとした舞台になっていたと自負しています。

実は原作と違ってお笑いの部分がたくさんあり、もちろん、友だちが出ているというだけで取れる笑いも十分あるのですが、それ以上に予想外に笑いがあったので、世界初、喜劇・銀河鉄道の夜と言ってもよいくらいかと、思い出しては一人またクスクスしています。この公演にかかわること約4ヶ月と少しの日々の苦労を、最後の最後に一気に吹き飛ばしてくれた生徒たちに「ありがとう」と言いたいです。

夕暮れの山間の駅、銀河ステーションのように 夕暮れの山間の駅、"銀河ステーション”のように。


2008.2.5(火)
演劇講座発表前日の授業に栃木県の高校まで行って来ました。

早めにホールに入り、明日のスケジュールを先生と打ち合わせしたり、1秒も無駄に出来ない忙しさの中、生徒達がわさわさやってきました。先日個別に打ち合わせをしていたのを受けて、リーダーの男子生徒が転換稽古(=暗転を挟む場の転換の段取り稽古)について他の生徒を集めて説明してくれます。何か今までとは違う生徒たちの輪のようなものを感じました。

通し稽古(=最初から最後まで芝居を止めずに行う稽古)を始めてみると、今日はなんだかテンポが良いのです。生徒が今までで一番芝居に集中しているようで、こちらもドキドキワクワクしながら芝居を観ていました。上演時間も今までの中でいちばん短かったのです。本番前にやっとやる気が出てきたようです・・・(おそいよなぁ・・)しかし、カゼでお休みの生徒が1名いて、明日はどうなるのか・・

ホントになにがあるかわからない本番になりそうです。

すがすがしいスイセン。 春は間近に。


2008.1.29(火)
雨模様の寒い午後、演劇の授業で栃木県まで行ってきました。

この間、稽古していたのですが、生徒の気持ちが今ひとつ盛り上がらず、セリフもまだ完璧でないため芝居が平坦で「このままではやばいぞ・・」と言う悲観的な日々を送っていました。おまけにインフルエンザで寝込む生徒も出てきて・・・・今日の授業も3人の生徒がお休みで代役を先生や他の生徒にお願いして何とか通し稽古をすることに。

ところがこの日の放課後に同じく稽古する「歌舞伎」授業の先生や市民の人たちが「見させてもらいます」とどやどややってきて事態は一変。生徒も観客がいるのでみょーにやる気になったのか芝居のテンポ、リズムが出てきて少し良い兆し。残り4日間、どうか風邪ひきさんがこれ以上出ないようお祈りしたい思いです。がんばれ!がんばれ!みんな!

星座盤 芝居で使用する星座盤。生徒の手作り!


2008.1.19(土)
お天気日和の午後、早咲きの梅の花に出会いました。すぐ近くの枝にはまるまるとしたつぼみもあって、これからの美しい花の季節を知らせてくれていました。ウォーキングしながら3時間ほど冬の日差しを浴びながらたのしいひとときを過ごしてきました。

一番咲きの梅 一番咲きの梅


2008.1.15(火)
お正月休みから毎週のように、高校での演劇講座発表のために栃木県までかよっています。

生徒達との稽古は毎回が新しいドラマの誕生の連続で、息つく暇がありません。時には苦しくもあり、時には楽しくもあり、時には悲しくもあり・・・

今日は、初めての通し稽古のあと、どうしても上手くいっていない場面を抜き稽古しました。テンションを下げず、どんどん上げてほしいのですが、なぜかお葬式のようになってしまうのです。このままではいけないと、自分でも歌をうたい踊り、生徒を巻き込むようにテンション高くダメ出しをし、気持ちを高くキープし続けてみました。するとついに彼らも殻が破れ、ぱぁーっと自分の役に乗っかり、ノリノリになって芝居し始めました。つられて周りの生徒達もその演技がおかしくて笑いが起こり、さらに役者はノリノリになり役の幅がどんどん広がっていきました。おもしろい瞬間にわたしも笑いながら、実は感動していました。放課後はセットの色塗りもみんなで取り組み、大道具で使う見事な星座盤も生徒達の力で完成しました。こんど写真に撮ってお見せいたしますね。稽古も残り9日間。気合いを入れてがんばるぞ!

ロウバイ 春の予感のロウバイ


2008.1.1(火祝)
新年あけましておめでとうございます。晴天の元旦となりましたね。午前中に近所の神社で初詣をし、今年の幸せと健康をお願いして、恒例の甘酒を頂いてきました。

上演指導している高校生達の演劇講座発表が今年2月にあるのですが、その上演台本を読み「さて、どんな稽古始めにするかなぁ・・」と新年早々に頭を回転させ始めています。昨年末に”粗立ち”を済ませ、いよいよ役の人物を考え選択し決定していく作業に入ります。昨年の10月頃から「ああでもない・・こうでもない・・」の連続の毎日を過ごしているのですが、生徒達と演劇を創ることで、たくさんの事を教えてもらっているようです。(もう本当に頭が海胆になりそうなくらい・・・)このお正月は台本分析と稽古計画をじっくり考える日々にしようと思います。おとなしく静かに勉強をする新年もなかなか良いものですね。

狛犬 初詣の神社にて。狛犬も年始に気分新たかも。

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