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お芝居は10本観ました。そのなかで印象的だったのは、青少年作品を活発に上演し続けているポルカ・シアターという劇場で「ダブル・アクト(Double Act)」という芝居を観たときのことです。
芝居のパンフレット
その回は、8歳の子供達向けの学校公演でした。芝居前はみんなお友達ととおしゃべりしたりしてワイワイガヤガヤの大騒ぎです。私も学校公演で舞台に立った経験があるので、「この子たちはおとなしく芝居を観るのだろうか?」と気が気ではありませんでした。
ところが芝居のオープニング音楽が始まるやいなや、さーっと静かになり、見事な集中で芝居を観始めました。もちろん年代の近い子供たちのお話ではあり、またダンスや今はやりのミュージックナンバーをつなぎに流したりと飽きさせない演出ではありましたが、観劇態度は立派な紳士・淑女でした。私はこの子供達に何とも言えない感動を感じました。
イギリス演劇の基盤はこういった点にあるのではないでしょうか?子供の頃から小学校でドラマの授業があり、そして学校公演で芝居をみんなと楽しむ。そして大学では充実した演劇の授業。大人の観客が持っている「芝居を楽しみ愛する心」がどこから培われているのか、よくわかった気がします。
俳優としてイギリスの子供劇場についてもっと深く知りたいと思い始めています。
日本に戻る日、ヒースロー空港行きのバスのりばの近くまでエリザベスさんが車で送ってくれました。エリザベスさんも演劇を愛する一人と聞いています。こんなに多くの演劇大好き人間と出会えた旅は今までになかったことでした。
下宿先前の通り
そして何より、イギリス人の生活に少しでも触れることができたことは文化の違いを感じられる貴重な出来事でした。またロンドンに行ければ、と思います。
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