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さすがここは芝居の都!ロンドン観劇記Part4


最後に、映画「禁断の惑星」をベースにした50年代ロックンロール風ミュージカル「禁断の惑星への帰還(RETURN TO THE FORBIDDEN PLANET)」をご紹介しましょう。

劇場入り口にて 劇場入り口にて

乗組員と乗客を乗せた宇宙船が小惑星帯でのトラブル発生のためある惑星に不時着することになるのですが、無人と思われた惑星には先住の地球人がいた。

彼らは15年前に行方不明にまった科学者とその娘で、科学者はXファクターとよばれるものの発見により、思考するだけで物事を作り出すことができるようになっていた・・・という出だしで、科学者の名前がプロスペロ、その娘がミランダ、科学者が作ったロボットの名前がエアリエル。

つまりシェークスピアの「テンペスト」のパロディにもなっているのです。エアリエルはまさにロボットのようなコスチュームで、ローラースケートを履いてスムーズな動きを表していました。

念を押すかのように、宇宙船の船長の名前がキャプテン・テンペスト、ミュージカルの謳い文句が「シェークスピアの忘れられたロックンロールミュージカルの傑作」。


この舞台の見ものは宇宙船内部を模したけんらんごうかな舞台装置、それ以上に俳優が各種の楽器(エレキギター、ドラム、ベースギター、サキソフォン、トランペット、キーボード)を演奏し歌うことです。それも担当楽器が固定されているのではなく、必要に応じてギターを弾いたりドラムを叩いたりして、皆が「合った」演奏をするのです。

普通のミュージカルでは少なくとも演奏者と演技者が別ですが、これは一緒。趣向だけ、テクニックだけの作品といえばそれまでですが、喜劇仕立てでもあるし楽しい作品であることは間違いなく、大音量で響くビーチボーイズやアニマルズの曲にうるさそうにしていた隣の席のおばあさんも、観客参加の場面ではうれしそうに芝居をしていました。

最後の舞台挨拶も当然ロックンロールで、アンコールに「ジョニー・B・グッド」を俳優全員で演奏したときはフロア席の観客は総立ちで、まるでコンサートのような感じでした。本当に滅多に観られないみものを見たという気持ちになりました。


外国に来て興奮していて、なんでも良く見えたのかもしれませんが、短い間とはいえ観劇できた芝居はそれぞれにおもしろいものばかりで、またその芝居に対する観客の反応、幕間の振る舞いなど、興味深いことばかりでした。

またいつか、ロンドンで芝居見物ざんまいできる日を夢見る私です。

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