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Michael Pit海外にも行ってみました 前のページへ 次のページへ
さすがここは芝居の都!ロンドン観劇記Part3


夜の劇場のイメージ

バービカンシアターというところでロイヤルシェークスピアカンパニィ(RSC)の「間違いの喜劇」(commedy of error)を観ました。

子供の頃生き別れた双子の相手探しから来る人間の取り違えのおかしさ(そして「怖さ」)をユーモラスに描いたもので、外見やタイミングのずれから取り違えが起こると、本当の相手の気持ち・考え方までもわからなくなるものだということを笑わせながら教えてくれる作品です。

RSCの芝居は色彩的に非常に鮮やかな衣装と舞台装置を使い(見た日が元旦なものでしたので)祝祭的な気分が舞台にあふれていました。それもそのはず、もともとこの芝居はシェークスピアの時代にも早々に宮廷で上演されたものだそうで、今回RSCの公演もこの故事にならった時期と題目の選定のようです。

それにしても衣装の鮮やかさ。原作の冒頭にはただ「商人」とされるキャストが出てきますが、これを演出上2人にしている、この二人のコスチュームが二人とも現代のスーツなのですが、一人は全身目の覚めるようなグリーン、他方は同様に全身紫なのです。この二人が全く同じ動作で代わる代わるセリフを言わせる、この冒頭からまず驚いてしまいました。

ほかの登場人物も、時代考証おかまいなしのいでたちで、黄色をベースの衣装に眼鏡を4個も5個もぶらさげた他の商人、赤を基調にした女主人、真っ黒な衣装の医者など盛り沢山、この医者が出てきたところでは原作にはない胴体切りの手品までやる、もう大騒ぎの芝居で、この作品の持つダイナミックでエネルギッシュな舞台を表していて、大変満足しました。
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