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Michael Pit海外にも行ってみました 前のページへ 次のページへ
さすがここは芝居の都!ロンドン観劇記Part2


さて次の日、大晦日の夜はストレートプレイのThe rise and fall of littl voice(のちに『リトル・ボイス』として映画化され、日本でも舞台化されました)。

作者はこれが戯曲3作目らしいjim Cartwrightというひと。Sam Mendesと言う人が演出をしていました。


全く家事能力がなくいつも酒びたりの母親と、死んだ父親の残したジュディ・ガーランドやシャーリィ・バッシーのレコードを二回の自分の部屋で聞くことだけが楽しみな内気な女性(声が小さいにでLittle voiceと呼ばれている)、彼女はレコードを聞きながら歌うことがあるが、その時だけが大きな声が出る。つまり人真似をすることによってしか自分を表現することができない大変小心な娘。

脚本の表紙 写真はジェーン・ホロック 脚本の表紙

この娘の才能に目をつけた母親の恋人が、母親と成功を夢見て娘をショーに出させて物真似をさせる。最初は失敗するが二度目は成功する。ある日この家が火事に合い、母親は娘の大事にしていたレコードをすててしまう。

この時、初めて娘は自分の母親を自分の声で避難する。今まで自分を縛っていた母親そして死んだ父親の存在から解放され、自分の本来の姿を見い出していくことが暖かく描かれているところで物語は終わります。


娘役を演じていたジェーン・ホロックは以前ロイヤル・シェークスピア・カンパニーにいたとの事ですが、非常に小さな身体を柔軟に動かし、個性的で強烈な役柄を演じていました(映画でも舞台と同じく主役でした)。歌声がとても大人っぽく、歌うときだけ自分を表現できる娘の形象をよく表していたと思います。めりはりのある舞台で本当に感動しました。

最初の舞台に連れ出されたLVがもっと歌を歌え!と言われてHappy Birthdayを歌い出したのですが、あとで聞いてみるとこれはマリリン・モンローがJFKの誕生日に歌ったものの物真似をしていたのだそうです。MMバージョンは有名なのですね。
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