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Michael Pit海外にも行ってみました 次のページへ
さすがここは芝居の都!ロンドン観劇記Part1

(1992.冬)
短期間ですがロンドンに行ってきまして、日曜日を除く毎晩いくつかの舞台を観てきました。(日曜日の夜は主だった劇場で芝居をやっていません)。

この街では本当にたくさんのストレートプレイやミュジカルが上演されていて、帰国直後になっても「ああ、CATSを観たかった、Miss Saigon も観たかった」などと言い続けた私でした。さて今回私の観た芝居について、未熟な文章ではありますが、ここでご報告してみたいと思います。


まず最初に観たのが、ST.MARTIN'S THEATERのアガサ・クリスティの「ねずみとり」です。ギネスブックにも載っているというロングラン芝居で、今年で41年目とか。

パンフレットの表紙 パンフレットの表紙

ミステリー芝居なので、私は旅行前に戯曲を読みながら、「誰が犯人なんだろう!」と胸をときめかせたものでした。芝居に対する期待はそれは大きなものがあったのです。

一人一人の俳優の演技には役柄の個性が十分表されていて、ミステリーの味わいがひしひしと客席に伝わってくるような芝居でした。尤も、若い建築家クリストファー役の滑稽な演技には笑わせてもらいました。


劇場はまさに劇場の作りなのですが、観客を含む芝居全体の雰囲気は、「劇場」というより「芝居小屋」という感じでした。つまり、筋は知っているよ(もちろん犯人も)という気分が観客にいくらか感じられ、ミステリーに対する緊張感が予想よりは今一つという感じなのでした。

たとえば一幕の幕切れ、最初の殺人者の発見者の悲鳴に観客から笑いが起こるのですが、なんと言ってもクリスティですから、戯曲を最初から読んでいる人が多いのでしょう。それでも、最後の種明かしのところでは客席からため息も聞こえてきました。

カーテンコールで、パラビチーニ役の俳優が、「誰が犯人かは(実際には'Who Done It'といっていました)あなたの胸に納めて、けっして人に話さないでください」と言っていたそうですが、これは有名なあいさつだそうです。
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