水難くまちゃんと頭をかく準(^^;
第51話:20000(続き)
 気がつくと、準はふとんの上です。外ではスズメがちゅんちゅん鳴いています。
 準は、手をつっこんで探ってみました。パンツもパジャマも、ふとんまで濡れています。
 「…やっちゃった」
 準は、何とも情けない声を上げました。準はトイレで勢いよくおしっこを飛ばす夢を見て、派手におねしょをやらかしてしまったのでした。
 …あれ、くまちゃんは?。
 抱っこして寝たはずなのに、くまちゃんが見あたりません。そう言えば、おしりの下に何かあるような…。
 準はかけぶとんをめくると、それを引っぱり出しました。
 ……。
 出てきたのは、準のおしっこをいっぱい吸って、びしょびしょになったくまちゃんでした。準はとても寝相が悪いので、いつのまにかくまちゃんをおしりの下に敷いてしまっていたのでした。

 とてもいい天気です。物干し竿には、準のおねしょぶとんが干されています。その横には、犠牲になったあわれなくまちゃんが、耳を洗濯ばさみで止められて吊されています。
 今思えば、くまちゃんがしゃべっていることで夢だと気づきそうなものですが、それがそう思わないところが夢の不思議なところです。くまちゃんは、準にこれが夢だって気づかせておねしょをさせないようにしようとしたのかもしれません。準を見下ろすくまちゃんは、濡らされてうらめしげでもありますが、力およばなくて申し訳ないという感じにも見えます。
 「ごめんね。せっかく止めてくれたのに」
 準は、そっとくまちゃんに語りかけました。
 …今晩、またいっしょに寝てくれるよね?。
 くまちゃんは何も答えてくれません。でも、今まで以上に準のにおいの染みついたくまちゃんは、また準の手に抱かれて眠りにつくことでしょう。準が、おまえなんかもういらないよ、と言う日が来るまでは…。 

もどる ちなみに、懐かしの10000記念絵はこちら。服装はいっしょです(^^)。