たらいうどん

 お隣徳島にたらいうどんがある。文字通りたらいに入った麺をだしにつけて食べる、香川で言う釜上げうどんである。江戸末期に宮川内谷のきこりが河原にかまどを築きうどんをゆで、川魚でだしをとり食べたのがルーツとされる。7軒の水車粉屋があったそうで昭和の初めに徳島県知事がたらいうどんと名付けたとされる。香川は屋島の四国村名物のたらいうどんは多分二番煎じになる。

 徳島自動車道土成インターから香川県の白鳥町との境、鵜の田尾トンネルまでの間(数え漏れがあるかわからないが)11軒のたらいうどんを食べさせる店がある。麺聖の名も徳島では通用しない、だれも情報をくれないので11軒すべてに行った、次に特徴を記す。
 

 

 徳島県土成町は承久の乱の後、自ら阿波へ赴いた土御門上皇の終焉の地と伝えられており御所神社などの史跡もある。今でも四国四県の位置関係を正確に言える都会の人は少ないが、通信交通の未発達の昔、香川もそうだが徳島も配流の地だった。
 都から遠く離れてひとくくりにされる四国とはいえ山を一つ越えるとうどんががらりと変わる。どこがよいかと尋ねられたら味の評価は後にして、平谷店のワイルドさと新見屋の林間学校のような趣が一番と答えておこう。
 味の評価だが麺は細いのから太いの、ほうとうのようなのまであった。店によって山芋や卵を小麦粉に混ぜているようである。堅さは概して堅い。ツルツルじゃなくズルズル食べるといった感じ(もっともこれは釜上げ特徴かもしれない)。だしはかなりくせがある、じんぞく(ハゼ科の川魚)を用いるせいかもしれない(じんぞくの味など知らないのでよくはわからない)。どっちにしろやはりうどんは奥深い。

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