きしめん

きしめん亭
尾張
えびすや
宮きしめん
みなみ

 うどん博士の加藤有次教授によると、きしめんの語源は紀州めん、雉子めん、碁子めんといろいろあるが、幅広うどんのルーツは西鶴の『好色一代男』、一九の『東海道中膝栗毛』にでてくる「芋川(現在刈谷市)うどん」だそうである。
 実はきしめんにはよい印象を持っていなかった。昔ある店で食べたとき日清どん兵衛に鰹節をかけたようなひからびたきしめんを食べさせられたからだ。こんな平たいうどん、けちな名古屋人が光熱費を節約するために考えた食べ物にすぎないと思っていた。今回機会があり、名古屋を再び訪れた、土曜日曜だったので、サラリーマンが普通に行くような店が休みだった。次の5店について感想を記す。

 うどんとは別の食べ物と割り切って食べるとそれなりに美味しかった、もちろんこしがあるわけでなく妙にツルツルとした感じはするが、昔食べたあの死んだようなまずい麺に出会わなかったのは幸せだった。

 このきしめん現在重大な危機に直面しているそうだ。名古屋の専門店が調べたところきしめんを注文する客は全体の一割に満たないそうだ。他の客はそばやどんぶり、普通のうどんを食べるそうである。原因は値段でないかと思う、きしめん1杯が数百円、客が離れていっても仕方ない。麺のもとの小麦粉なんか1玉分20円もしないし、きしめんのだしは本来安価なムロ節とササの削り節と聞く。昼食をうどん200円ですます香川のOLが聞くと目を回しそうな値段である。

 街を歩いていて気付いたのが交通のマナーのよさだ。当たり前のことだが、交差点で車は歩行者が渡るのを待つということができていた。やはり名古屋は都会だと思った。

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