加須うどん

 利根川を渡る薫風に游ぐ鯉のぼりをご覧になったことがおありだろうか。ここ加須市(かぞと読む古くは加増と書いた)は埼玉県の北東部、関東平野のほぼ中央に位置し浅草から東武伊勢崎線で70分くらいだ。日本一の鯉のぼりと剣道具の生産地だ。(加須市役所にはただでパンフレット送ってもらったのでこれくらい宣伝しておかなければ。これで悪口を書いてもおこられない?)
 関西のうどん関東のそばとよく言われるが、実は関東平野は良質の小麦の産地である。小麦あるところうどんは必ずある、たとえそれが香川県人にとってうどんと呼べないものであっても。加須市人口約6万人にうどん店は約40軒、今でも冠婚葬祭にはうどんがでるそうで、平成2年には「うどんの町」を宣言した。手打ちの店32軒は「うどんのまちマップ」まで作ったそうな。関東平野の小麦、利根川の水、不動尊の門前町及び脇往還の宿場町の客とうどんの三要素を満たし200年の歴史がある。
 事前に入手したマップで調べ慎重に選んだ(単に駅に近い)3軒を攻めたが、うどんを食べに香川県から来たと言うとかなり緊張していろいろ聞かれた。私がお宅の方が堅いと言うと不思議そうな顔をしていた。讃岐うどんは堅いという伝説はこんな所まで広がっているのだ。結論から言うと美味しかった。飴色に輝く少し細目の麺、加水量が多い固めの麺で間違いなく香川県と同じジャンルのうどんだ。水洗いした冷たいもりうどんに冷たいつゆというどちらかといえば新鮮で条件的にはかなり有利ではあるが。ちなみに温いうどんも食べたがこれはまずかった、でも加須うどんは冷たい麺が中心なのでこれを評価の対象にしてはいけない。
 最後に食べた店の名前は2番(マップの番号)吉野屋、3番小松屋、27番中央食堂である。

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