伊勢うどん

 伊勢うどんを食べに行くにあたって私は相当の覚悟をしていた。いろいろと情報を集めた結果、多分香川県人がもっとも美味しくないと感じるうどんが伊勢うどんであるとの結論に達したからだ。お伊勢参りのついでになんて生やさしいものではないのだ。
 伊勢市にはうどん屋が30軒あるそうだ。(80軒と書いたグルメ雑誌もあった)私は5軒の店で食べただけであるそれで全体を語る資格はないが。先ずは写真を見ていただく。

まめや 末吉屋 岡田屋 山口屋 ちとせ

 極太の麺に黒いたれが少量、麺の上に薬味のネギ、これが基本スタイルで400円(5軒とも本当に400円だった)。伊勢市とその周辺の限られた地域の日常食のようだ。麺は中力粉と強力粉のブレンドしたもの(中力粉だけと書いてあるグルメ書もある)を1時間以上かけてふやけさせる、これを伊勢市の言葉ではふっくらさせるという。たれは溜まり醤油をだしで割って造るそうである。だしの材料は昆布や鰹、煮干しなど店によって主張があるが一言でまとめれば甘いのか辛いのかよく分からない味、みたらし団子のたれの変形といっておこう。このふやけさせた麺を少量のたれに絡めて食べるのである。(ついでだが残ったた れは薄めて飲むのが正しいようである)
 ふっくら、もっちりしたうどんというがなかなかどうして最初に食べた時は一口で止めようと思った。しかし慣れとは恐ろしいもので2日目にはうどんと思わなければ、美味しいと感じ、今では懐かしささえ覚える。私が食べたのと同様の麺がでるのであれば5軒の内、香川県人にとって一番食べやすいのは内宮からすぐの岡田屋、ついで伊勢市駅からすぐの山口屋ではないかと思う。

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