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11月例会運営サークル
偉人や英雄の出てこない時代物の作家・藤沢周平さんの小説が劇になるなんて楽しみです。 初めて読んだ新井白石の史伝「市塵」はちょっと難しかったですが、その後読んだ時代物は、いずれも人間を見つめる温かい視線が感じられ、ファンになりました。山形県に暮らした経験のある者としても、藤沢さんに懐かしさを感じます。
(C39ー08水無月 K・I)
余韻を求めて
藤沢作品の市井ものは、貧しくても逞しく、優しく、そして自分らしく生き抜く人間への深い眼差しがあるという。場面は裏長屋、襖の向こうに、何時も他人の息づかいが聞こえてきそうな暮らしがある。だからこそ、本音のぶつかりあいや、余計なお節介はまかり通る。それを互いが認め合い許している向きがある。
発展や便利さを求めるあまり、削ぎ落とされた情感は行き場を失った。何か、しみじみとした温もりが欲しい秋である。
(ピコ)
「もうちっと早く知り合って旨え茶をもっと飲みたかった」「有難うございました」(台本より)
自分の命を捨てる気にさせた女を前にしての作十とその女、おしずとの最後の会話。この芝居のクライマックスかと思う。言葉の奥にあるものをしっかりと味わってみたい。
(K.Y)
藤沢周平の短編の中から三つの話が選ばれ、混ぜて一つの話にして、舞台用に作られたということにまず興味を誘った。
台本を読んでみると、ラブロマンスあり、ヤクザの絡む話あり、長屋に住む人々の日常の中で起こるさまざまな事件を通して、庶民の喜びや哀しみをみごとに表現し、まとめ上げている。
この愛すべき登場人物を、それぞれ役者がどう演じてくれるのか、当日芝居を観るのが楽しみである。
(C42−07 さくらんぼ M・S)
原作の1つを読んでみた。初めて藤沢周平作品を読んだ。大きな感動とかそういうものはなかった。時代小説ではあるが、そこに描かれている人たちの関係や行動は、現代と変わりなく感じた。解説にも同じようなことが書いてあった。そしてそのような人々の言動に共感を感じ、ほのかに心が温かくなった気がした。
江戸時代であるからこそ、現代と比べてより単純な面で生きることの大変さがあり、それゆえに人々の言動はよりリアルに浮かび上がってくるような気がする。今度は生の演技から同じ以上の温かみを期待したい。
(A20ー03 シュガーハウス T)
待っています
俳優座が来ると嬉しい!難しい芝居が多かったが、理解しようと頑張っていた若い頃の自分に戻る。
さて、俳優座の長屋ものは、名演では、『季節はずれの長屋の花見』でした。それはもう滅茶苦茶面白かった。その脚本が吉永仁郎さん。この度は藤沢周平なので、情感豊かな脚本だろうか。楽しみだ。
俳優座と藤沢周平との結びつきは、新しい流れを創りかけたかもしれない。実はこの新春に、東京で『喜多川歌麿女絵草紙』を観た。人間の内から湧いてくる心を、丁寧に伝えていた。
その折『きょうの雨あしたの風』の出演者でもある生原さん、河内さんと懐かしの『十二夜』の話をした。また、内田夕夜ファンと致しましてはラブシーンを、どんな思いで見ればいいのかしら?
公演への期待は膨らんでいます。 (T.J)
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最終更新日 2006/11/02