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名演2004年11月例会 劇団文学座公演


作/渡辺えり子 演出/鵜山 仁

11月例会学習会報告
甘えたいと思いながらできない不器用な家族の、日常の中の特別な一日。

 9月29日、11月例会・文学座公演『月夜の道化師』の学習会が行われました。講師は、文学座の制作者・矢部修治氏。30代前半の若き舞台人の芝居への情熱が心地よく伝わる、熱く楽しい学習会でした。2002年初演時に、入座後初めて担当された思い入れのある作品『月夜の道化師』について、たくさんのエピソードをお話し下さいました。
 三世代(戦中世代、団塊世代、団塊ジュニア世代)が同居するある家族を、コメ
ディータッチかつファンタジックに描いた作品。人物関係図をもとに、それぞれの人物の設定とあらすじをお聞きして、どんな作品かがよくわかりました。劇中では第二次大戦の悲惨さが語られますが、戦争は過去の話ではなく、イラク戦争が泥沼化し、チェチェンでもパレスチナでも多くの人々が犠牲になり、そしてここ日本ではイラク派兵の問題や、「憲法見直し」の問題などが起こっている今こそ戦前の空
気をはらみ、今まさに観るべき同時代性があること。
 登場人物は個性的だが、私達の身近にいる「市井の人」であること。三世代に渡る登場人物は、それぞれ深刻な問題が語られるのに、暗く重くならず、楽しんで観ながらも、いろんなことを考えさせられ、最後に何かを感じてもらえる作品、と矢部さんは太鼓判を押されていました。
 

 描かれるのは、何かとつながっていたい、甘えたいと思いながら、それができない不器用な家族の、日常の中の特別な一日。今までの疑問が解き明かされていくというなぞ解きの物語でもあり、時代を越えて思い続ける美しくも悲しい恋の物語でもあるそうです。
 

 好評を博し、笑いと涙に包まれ、カーテンコールではアンコールもあった初演。今回の再演ではさらにパワーアップしているそうです。個性派女優として知られる渡辺えり子さんの作家としての魅力と文学座の取り合わせという、魅力がたっぷりの作品に乞うご期待!!

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