パワーク機動少年団 用語解説

■パワーク

全高3m弱の人型作業ロボット。

操縦が手軽(免許は必要)で汎用性に富み、かつ比較的安価。そのため様々な業種の様々な業務に導入され、小規模な個人事業所や、さらには一般家庭にまで普及している。またこれを使ったスポーツ・レジャーも広まりつつある。

機体の各部にパワーボックスと呼ばれる動力ユニットを装着することによって稼動する。それが外見上の大きな特徴にもなっている。

パワーク」という名称は元々はマナス電子社の登録商標なのだが(正式には「分散動力式作業機(DPW=Distributed-Powered Worker)」と呼ぶ)、現在では同種のメカを指す一般名詞として定着している。その一例として「パワーク振興協会」「パワーク安全促進条例」「全国パワークスポーツ大会」といった公共的な事物名にも織り込まれている。

 

■パワーボックス

パワークの動力部となるモジュール。バッテリー内蔵の小型油圧ポンプである。

パワーク1台につき3〜5個装着するのが一般的である。

取り外し・取りつけがワンタッチででき、破損・故障した際には即座に予備の物と交換して作業を続行できる。また、予備がなくパワーボックスの1つを欠いた状態になっても、他のパワーボックスの動力をその箇所に分与して動かし続けることができる(出力は多少低下する)。

長時間使用すると油圧タンク内のパワーオイルが劣化(粘性が増す)し動作が鈍くなるため、故障がなくとも適宜交換する必要がある(分解してタンクだけを交換したり、オイルだけを入れ替えたりすることはできないようになっている)。長期間放置した場合もオイルの劣化が進む。

メーカー・用途によって形状は多様だが、接続部は規格が統一されている。

このシステムの採用(加えて関節モーターのユニット化)によってほぼメンテナンスフリーとなったことが、パワークがここまで普及した最大の要因といえるだろう。

 

■パワーオイル

油圧アクチュエーターの圧力伝達に使われる液状合成樹脂(「オイル」「油圧」と呼んでいるが油類ではない)。

動作の微妙な調節がしやすく、小型で複雑な動きをする機械に適している。

機械の使用に伴って劣化が進むという短所があるが、その点を不便とする声はあまり聞かれない。パワーク所有者の間では「パワーボックスの定期交換」が当たり前の習慣になっているためである。

なお、劣化は急激な温度変化によっても起こる。

 

■真洲市まなすし(真洲島)

マナスファミリーが九十九里浜沖に建造した人工島都市。住民のパワーク所有率が全国平均の10倍に及ぶ「パワーク先進地」であり、全国パワークスポーツ大会地区予選の激戦区となっている。

間もなく市制5周年を迎える。南端部は現在も建設中である。詳細は別頁

 

■マナスファミリー

ありとあらゆる業種を傘下に擁する巨大複合企業体。主要26社と無数の子会社からなる。詳細は別頁

 

■マナスパブリックサービス

自治体の行政業務全般を請け負う会社。真洲市においては、市職員の大半がその出向社員で占められている。近年は議会の運営、議員活動のサポート、裁判所業務などにも手を広げている。

 

■マナス電子

家電メーカー。パワーク業界の最大手であり、全国シェアの75%(真洲市では97%)を制している。

 

■パワークマン

マナス電子社のサービスマン。パワークの出張修理や調整、事故処理などの外回り業務を行う。

 

■パワードッグ

パワークが1対1で格闘する競技。プロの試合では一方の機体が作動不能になるまで戦うが、少年競技の場合は、機体の脇腹にある〈ヒットポイント〉を強打されると機能が停止するよう設定されており、これをもって勝敗を決する。

 

■パワージャガー

パワーク5台を1チームとして行う集団格闘競技。パワークスポーツの花形。詳細は別頁

 

■パワーホース

公営ギャンブルとして開催されるパワークのレース。競技中に他機を攻撃してもよい。通称「ケイパ」。

 

■パワードルフィン

公営ギャンブルとして開催されるパワークの水上レース。競技中に他機を攻撃してもよい。

 

■パワーアスロン

不整地、砂地、水上など様々な環境を走破する、パワークによるレース競技。競技中に他機を攻撃してもよい。