4月25日(日)曇り時々小雨

 本日は、いよいよ海での実習「オープンウオーター・トレーニング・ダイブNo.1,2です。指導して下さるのは畠山美架子さん、以前保母さんをしていたというとても優しい方です。もう1人、一緒に潜るのは伊藤文江さんです。Fun Diveなのに初心者の講習におつきあいいただいて申し訳ありません。

 男鹿水族館、Passkey Pointに到着すると風があり、時折小雨がぱらつくのに波はほとんどなく、時にさざ波程度。波がないのは初めて海にはいる者にとっては最もありがたい条件です。本日は家族同伴、娘二人は妻にすぐそばの男鹿水族館に連れていってもらう。(このPointは男鹿水族館の駐車場のすぐとなりなのです。)
 潜行中一定の姿勢をとるのがやはり難しい。姿勢制御にフィンを動かすと垂直線からずれてしまうし、フィンを動かさないとおなかが上のラッコ状態となってしまいます。こんな時は寝返りを打ってパラシュート状態になりなさいとアドバイスをいただく。

 時に、姿勢を崩すもののスキル(訓練)自体は滞りなく達成。水中ツアーに移ります。周りに一番多いのは「ウニ」、そこかしこにいて、よたよた泳ぐ初心者はこれに刺されないようにするのが一苦労、ドライスーツなので穴を開けられたら大変です。(ウニが悪いのではなく、それにぶつかっていく私の方がイケナイのですが) ウニはムラサキウニが多く、海藻はまだ多い時期だそうですが、ところところに残るのみ、裸の岩が多い。やや深めにはバフンウニが混じります。あと、拳より二周り大きいホヤとイワガキが岩によってはびっしりと付いています。 岩の付着生物は水流の関係なのでしょう、崖状に切り立つ岩にはびっしりと付いているのに、転石のようなのには、ウニがしがみついているだけでつるつるです。

 岩の生物ポイントで畠山さんが指さす物を見るとウミイチゴでした。白い八放の触手が良く開いていて最初本態が見えないのでイワヅタの様に見えましたが、手で仰いで触手を縮めさせるとやはりウミイチゴです。海中のため赤はくすんで見えましたが。
 また、ここには太いケヤリムシもいました。オヤユビより太い棲管で、数本一緒のところから出ていて、それにでかいボンボリが付いていますので、最初バレーボール大の「カスミ」に見えました。

 海で是非見たいと、以前から思っていたものにクシクラゲがあります。細かいクシの帯を波打たせて進むので体に虹色の動く光の帯が見える美しい生き物です。これに、初めての潜水で会えました。感激です。マトリョーシカのように中央がややくびれた5cmほどの透明な体に虹色のベルトコンベアーが付いていて動いています。なんと繊細な生き物でしょう。手の水流で体が変形します。それでも慌てることなく、クシクラゲは音もなく泳いでいきました。
 ふと、その横を見ると透明なゼラチンが数十個連なって静かに移動しています。内部にはオレンジ色の構造が見えます。最初ヨウラククラゲかと思ったのですが、サルパです。この遊泳性の原索動物はホヤと同じ仲間で、脊椎動物のご先祖です。深海のビデオで以前にこのサルパの仲間を見たときにはその存在が実に神秘的でした。いきなり、初回の潜水でこのような生物達に出会えました。
 他に出会ったのは、縁が灰色で中央が白い遊泳性のウミウシ、縁を波打たせて平たい体で私のマスクの前をカーブを描いて過ぎていきました。岩場ではレモンイエローの綺麗なウミウシもいました。あと、まだ3,4cmのミズクラゲは所々で収縮弛緩のホバリングをしていました。

 午後、Dive2ではエントリーしようとしたその場所に、大きなミズダコが水面から手を伸ばしているではありませんか、頭胴長50cm、伸ばした足は1メートル弱はあります。水中ではなく、水面から見ているのでほぼ正確な大きさです。怖いほどの大きさです。このくらいになると欧米人のタコ恐怖が分かります。ゆがんだ長方形の瞳でこちらを観察したあと、岩の陰の方に見えなくなってしまいました。

 最初のダイビングというのにいろんな生物に会えました。感動と共に家に帰ったのですが、浸水を防止するためにバイオシールという含水ゴムのバンドを首に巻いていたのですが、そこの所が帯状に赤く腫れ、接触性皮膚炎を起こしていました。これがないと、鶏のように筋張って細い私の首は、ここからスーツが水没してしまうので困ったことです。一応今回はステロイド軟膏を塗り、一晩で治りましたが、これからは、スーツの外(フードとのあいだ)に使うか、ゴムが含まれていない製品を探さなければなりません。
 ラテックス(ゴム)アレルギーは医療関係者には多いアレルギーです。ゴム製品はダイビング用品に多用されています。私は反応がこれ以上強くならない事を祈るのみですが、みなさんもお気をつけ下さい。まれに、アナフィラキシーショックという呼吸困難や血圧低下といった命にかかわる反応を示すひとがいます。

 DiveNo1潜水時間:39分、気温14℃、水温9℃、透明度7m、最大深度9.2m
 DiveNo2潜水時間:30分、気温14℃、水温9℃、透明度6m、最大深度8.2m

 次回予約は4月29日に入れていましたが、波が高く中止、連休は所用がありますので、Cカード取得はその後になりそうです。

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