1999年4月4日(日)晴れ

 ドライスーツはまだだけれど、フィンとマスク、スノーケルが着いたと連絡がありました。近視なのでマスクは補正してあります。乱視は補正できないそうです。実習が始まる前に、用具になるべく慣れておくようにいわれました。「畳の上の水練」という、からかいのニュアンスの熟語がありますが、実際にはイメージトレーニングを含め、陸上で予習することは大事なようです。

 「お風呂でスノーケル」です。私は初めてスノーケルという物を付けたのですが、水中を見ながら、呼吸できるのは実に気持ちよいものです。ポワーンと5月の田圃のカエルのように浮かんでいます。風呂に火を付けたら、煮えるまで入っているかも知れません。(まさか)
 
 気持ちよいけれど、練習もしなければなりません。先ず、スノーケル・クリアです。スノーケルを水没させて、水を入れます。肺の中の空気を全部使うと次のクリアが出来ないと思い、軽くプッと吹くと、水が残って口の中に入って来ます。最初はとまどいましたが、口に水が残っていても空気は吸えるものです。水でゴボゴボいいますが、注意深く吸うとむせずに空気だけ吸えました。顎と舌で、なるべく口腔内に水が入れないようにも出来ました。水を通して吸った空気で、今度は強くブッと吹くとスノーケル・クリアが出来ました。慣れた人なら、なんでもないことでしょうが、初心者にはひとつ出来ただけでうれしいものです。

 今度はマスク・クリアのまねごとです。眼に入らないように少しだけ水をマスクに入れ、鼻から息を吐いて水を押し出そうとしますが、出て行ってくれず、息を吹き終わった鼻の穴に水が入ってきます。何回やってもです。そのうち、気づきました。下を向いたままで息を吐いたからなのです。マスクの一番下にレンズがあったら、瓶の底に貯まった水に息を吹きかけているようなものです。顔を立てて、マスクの中で鼻唇溝を一番下の位置に持っていき、それから息を鼻から出すとゴボゴボと水と息が下から出ていってくれました。
 これは、考えるまでもなく当たり前の事なのですが、水中では(わずか30cmほどですが)少し「お馬鹿」になるようです。18mでほんとの「馬鹿者」にならないようにしよう。40mになったら、「おおたわけ」になってしまうかも知れない。
 窒素酔いというものは、当然まだ未経験ですが、学生時代に麻酔科の実習で笑気ガスを吸わせてもらった時、頭痛がした者もいる中で、なんの不快感もなく、一番ハイな多幸症になった体質なので。

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