1999年3月29日(月)

 ドライスーツができるまで、二週間かかると言うことです。待つあいだに、ダイビング講習を申し込む前からの懸念:角膜過敏を乗り越えられるかどうか、お風呂で実験してみる事にしました。子供の時からなのですが、私の過敏さはどうしてなのか分かりません。角膜、結膜以外にも、鼻の粘膜、軟口蓋の後方の粘膜も、水に触れると、しばらくカゼの時のような喉や鼻の痛みになるのです。以前、角膜、網膜を調べてもらった時は異常ありませんでした。しかし、コンタクトレンズを付けようとした時も、眼科の先生に最も刺激の少ないタイプのソフトレンズを入れてもらったのですが、痛さで眼を開けていられませんでした。この角膜の過敏さは母親もそうですので、体質的なものかも知れません。
 泳げないというのも、実はこの眼の過敏さのためなのです。眼に水がかからない犬かきで5mか、波のないところで背泳ぎなら25mくらいは泳げるのですが。

 先ず、お湯の温度を体温程度の中性温度に下げ、覚悟を決めて、眼を開いてままで顔をお湯に付けます。

痛い、痛い、眼にしみる

 どのいくらいの痛さかというと、傷がある時にお風呂にはいるとしみますが、あの痛みが眼で起こるのです。息が続く限りじっと我慢です。顔を上げても、いつもなら眼を擦るのを開いたままで耐えます。これを繰り返していると、1,2分後には少し、痛みが和らいできました。傷口もお湯になれますが、同様の現象でしょうか?

 今度は、眼を開いたまま、体を沈めます。結構浮力がかかるので、両手両足をお風呂の側面に突っ張って沈めます。息を止めて、1分、息を吐きながらだと20秒ほどお風呂の底を見つめられます。視力は排水溝の栓がかすんで見え、指の数がようやく数えられるくらいです。日常では空気と接している角膜が水中では密度が近い水と接することになるので、屈折力(屈折率ではありません)が変わるためでしょうか?しかし、人の話より見えにくい気がします。これでは川の底のコインなどとうてい見つけられないと思います。
 眼は、耐えられる程度だけどやはり痛い。

 水中に眼を漬けていたのは、計5分くらいでしょうか。眼がかすんでいます。最初、眼のかすみは湯気の性だと思っていたのですが、体を拭いて、居間に入ってもかすんでいます。まるで霧の中にいるようです。どうしたのでしょう。鏡を見ると眼を擦ってもいないのに、もやの中に真っ赤な充血した眼が浮かんでいます。角膜、結膜浮腫のようです。眼のかすみは、15分ほどで薄らいできましたが、はっきり見えるようになったのは1時間ほどしてからでした。眼の痛みはかすかになりながらも二日ほど続きました。

 今回は、後遺症はないようですが、繰り返すとどうなるか分かりません。PASSKEYの佐々木さんに相談のメールを打ちました。
佐々木さんは、色々調べてくれました。ダイビングをする眼科の先生にも問い合わせたようです。そして、実習コースもなるべく眼を開けずに済むようなカリキュラムにしてくれるとのことです。

「佐々木さん、お手数をおかけしてまことに済みません。」

 水中でマスクに水が進入することはよくある事態でしょう。やはり、眼が痛くても安全のためのは、マスククリアは実習しておく必要があると自分でも思います。今回のことで、どの程度の痛みかが分かりましたし、それに耐えて作業できそうなことも分かりました。このくらいのことではダイビングを諦めません。

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