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<フィクション> それとも   ノン・フィクション 
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  おススメ度は ☆ から ☆☆☆で示します。
                          (2012年3月12日更新)
 
 
フィクション>                (2009年12月13日更新)
 謀略法廷 上・下」(ジョン・グリシャム、新潮文庫、2009年7月、629円+705円)                             
 
七夕しぐれ」(熊谷達也、光文社文庫、2009年6月第一刷、619円)
                           
 
ベイジン 上・下」(真山仁/東洋経済新報社、2008年7月第1刷、各1680円)                            
 
兵士ピースフル(マイケル・モーパーゴ、佐藤見果夢 訳/評論社、2008年4月第2刷、1500円)                      
 
「烈火の月」(野沢尚/小学館文庫、2007年2月第1刷、714円)
 
滅びのモノクローム(三浦明博/講談社文庫、2005年8月第1刷、619円)
                                  
太鼓たたいて笛ふいて」(井上ひさし/新潮文庫、2005年11月、362円)
 
繋がれた明日」(真保裕一/朝日文庫、2006年3月第2刷、724円)
 
連鎖(真保裕一/講談社文庫、2004年3月第31刷、667円)
 
13階段(高野和明/講談社文庫、2005年12月大11刷、648円)
                                 
インコは戻ってきたか」(篠田節子/集英社文庫、2005年5月第1刷、648円)
                               
「赤い月」(上・下)(なかにし礼/新潮文庫、2004年2月第3刷、552円、590円)
 
「魔笛」(野沢尚/講談社文庫、2004年9月第1刷、648円) 
                   
「雨の牙」(バリー・アイスラー、池田真紀子訳/ヴィレッジブックス、2002年1月第1刷、760円)                    
 
怒りの葡萄」(スタインベック/新潮文庫、上下、2000年56刷、各629円)
アンドロメダ病原体マイクル・クライトン/ハヤカワ文庫、1997年22刷、760円)
 
海峡」、「春雷」、「岬へ(伊集院静/新潮文庫、2002年7月、667円、781円、819円)
斉藤家の核弾頭(篠田節子著/朝日文庫、1999年12月第1刷、660円)
                             
  
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ノン・フィクション>            (2012年4月5日更新)
放射年セシウムが人体の与える医学的生物的影響 チェルノブイリ原発事故 被曝の病理データ」(ユーリ・バンダジェフスイー、2012年2月第3刷、合同出版、1800円+税)                     
 
見えない恐怖(松井英介、2011年7月第2刷、旬報社、1400+税)
                              
 
政府は必ず嘘をつく(堤未果著、2012年3月第3刷、角川SSC新書、780円+税)                          
                             
世界経済を破綻させる23の嘘(ハジュン・チャン、2011年1月第3刷、徳間書店、1700円+税)                    
 
就職とは何か(森岡孝二、2011年11月第1刷、岩波新書、760円+税)
                                  
水が世界を支配する(スティーブン・ソロモン、矢野真千子訳、2011月7月第1刷、集英社、2000円+税)                    
 
ハチはなぜ大量死したのか(ローワン・ジェイコブセン、中里京子訳、2011年7月第1刷、文春文庫、781円+税)              
 
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原発はいらない(小出裕章、2011年7月第2刷、幻冬舎ルネッサンス新書、838円+税)                        
                             
原発のウソ(小出裕章、2011年6月第3刷、扶桑社新書、740円+税)
                             
 
今こそ、エネルギーシフト(飯田哲也、鎌中ひとみ、2011年5月第1刷、岩波ブックレットNo.810、500円+税)         
 
原発社会からの離脱(宮台真司×飯田哲也、講談社現代新書、760円+税)
                             
 
原発に頼らない社会へ(田中優、2011年4月第1刷、ランダムハウス、1000円+税)                     
 
原子炉 時限爆弾(広瀬隆、2010年8月第1刷、ダイヤモンド社、1500円+税)                      
 
「放射能で首都圏 消滅」(食品と暮らしの安全基金、古長谷稔、2006年4月初版、三五館、1200円+税)                  
 
テロ&戦争詐欺師たちのマッチポンプ(きくちゆみ、童子丸開、2009年9月、徳間書店、686円+税)                 
 
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健康格差社会を生き抜く(近藤克則、2010年1月、第1刷、朝日新書、780円+税)
 
本当は恐ろしいアメリカの真実(エルコ・ロウ、2009年7月、第1刷、講談社、1400円+税)                        
 
ルポ 貧困大国アメリカU(堤 未果、2010年1月、第一刷、岩波新書、720円+税)                              
 
差別と日本人(野中広務、辛淑玉、2009年7月 第4版、角川ONEテーマ21、724円)                      
 
どんとこい、貧困!(湯浅誠、2009年6月、第一刷、理論社、1300円+税))
                               
 
9.11テロ疑惑国会追求 オバマ米国は変われるか(藤田幸久編著、2009年4月、初版、クラブハウス、1500円+税)
                                 
 
正社員が没落する ー「貧困スパイラル」を止めろー」(堤未果・湯浅誠、2009年3月、角川ONEテーマ21、724円+税)
                              
 
ベーシック・インカム入門(山森亮、2009年2月、第一刷、光文社新書、840円+税)                            
 
超・格差社会アメリカの真実(小林由美、2009年2月、第一刷、文春文庫、686円+税)                              
 
子どもの貧困(阿部 彩、2008年11月、第1刷、岩波新書、780円+税)
                               
子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会におよぶ影響(山野良一、2008年9月、第1刷、光文社新書、820円+税)」       
 
チョコレートの真実(キャロル・オフ、2008年3月、第1版、第3刷、英治出版、1800円+税)                    
 
反貧困 ーすべり台社会からの脱出(湯浅誠、2008年4月、第1刷、岩波新書、700円+税)                                                               
地域の力 ー食・農・まちづくり(大江正章、2008年2月、第1刷、岩波新書、700円+税)                             
 
食卓の向こう側 コミック編(作画:魚戸おさむ、原作:佐藤弘、渡辺美穂、2007年10月第1刷、西日本新聞社、952円+税)          
 
200万都市が有機野菜で自給できるわけ」(吉田太郎、2006年11月第7刷、2800円+税) 
 
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ルポ 貧困大国アメリカ(堤未果、2008年1月、初版、岩波新書、700円+税)                            
 
貧困 襲来 最低生活費を知ろう!生活保護自動計算ソフト2007年度版、付き
(湯浅誠、2007年7月、初版、山吹書店、1500円+税)   
 
新しい階級社会 新しい階級闘争((橋本健二、2007年10月、初版、光文社、1200円+税)                      
 
生きさせろ!」(雨宮処凛、2007年3月、初版、太田出版、1365円)
「雨宮処凛の『オールニートニッポン』」(雨宮処凛、2007年9月、初版、祥伝社、760円)
                                 
 
日本という国(小熊英二、2006年8月、初版第7刷、理論社、1200円)
                                  
日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造」(篠田謙一、2007年2月、第1刷、920円)                  
 
報道が教えてくれない アメリカ弱者革命(堤未果著、2006年10月、第3刷、海鳴社、1600円)                   
 
ビルダーバーグ倶楽部(ダニエル・エスチューリン、山田郁夫訳、2006年11月、第1刷、バジリコ株式会社、1800円)     
 
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9.11の謎 世界はだまされた!?」(成澤宗男、2006年9月第1刷、金曜日、1000円)                 
 
9.11テロ捏造 日本と世界をだまし続ける独裁国家アメリカ」(ベンジャミン・フルフォード、2006年7月第1刷、徳間書店、1600円) 
 
憲法「私」論(水島朝穂、2006年5月第1刷、小学館、2000円)
                                
感染爆発 鳥インフルエンザの脅威」(マイク・デイヴィス、柴田ら訳,2006年3月第1刷、紀伊國屋書店、1600円)              
 
秘話 陸軍登戸研究所の青春(新多昭二、2004年2月第1刷、講談社文庫、571円)」
                                    
メディア危機(金子勝・アンドリュー・デウィト、2005年6月第1刷、NHKブックス,920円)                         
 
韓国のデジタル・デモクラシー(玄武岩、2005年7月第1刷、集英社新書、700円)
 
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拒否できない日本(関岡英之、2004年12月第6刷、文春新書、700円)
                                  
キャッシュカードがあぶない(柳田邦男、2004年12月第1刷、文藝春秋、952円)                             
 
日本のゆくえ アジアのゆくえ(広瀬隆、2004年9月第1刷、日本実業出版社、1600円)                           
 
背後 金賢姫の真実(徐・鉉佑/ソ・ヒョンウ、2004年6月第1刷、幻冬舎、1500円)                      
                           
戦争のつくりかた(りぼん・ぷろじぇくと、2004年7月第1刷、マガジンハウス、600円)                     
 
粉飾国家(金子勝、2004年7月第1刷、講談社現代新書、700円) 
 
「怒りの方法」(辛淑玉、2004年5月第1刷、岩波新書、700円) 
 
茶色の朝(フランク・パブロフ・物語、藤本一勇・訳、高橋哲哉・メッセージ、2003年12月第1刷、大月書店、1000円)                 
 
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マイケル・ムーア 3部作                  
アホの壁 in USA
(マイケル・ムーア、2004年3月初刷、柏書房、1600円)
 
おい、ブッシュ、世界を返せ!          
(マイケル・ムーア、2003年11月初刷、アーティストハウス、1600円)
 
アホでマヌケなアメリカ白人
(マイケル・ムーア、2003年2月第15刷、柏書房、1600円)
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ルポ 解雇 ーこの国でいま起きていることー    
(島本慈子、2003年10月第1刷、岩波新書859、700円)
 
させられる教育 ー思考途絶する教師たちー   
(野田正彰、2002年6月第1刷、2003年10月第4刷、岩波書店、1700円)
 
帝国を壊すために                    
( ロイ,アルンダティ【著】〈Roy,Arundhati〉・本橋 哲也【訳】、2003年9月第1刷、岩波新書、740円)
 
戦争案内 アジアからの報告              
(高岩 仁著、2000年第1版、映像文化協会/Fax 045-981-0918、1000円)
 
聖なる魂 現代アメリカ・インディアン指導者の半生
(デニス・バンクス、森田ゆり 共著、1999年第2刷、朝日文庫、680円)      
 
戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法
(平和をつくる17人【著】 田中優+小林一朗+川崎哲【編】2003年8月第1版、合同出版、1300円)
窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人  
 (ジル・A・フレイザー/森岡孝二訳、岩波書店、2003年5月第1刷、2300円)
 
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戦争中毒 アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由  
(ジョエル・アンドレアス/きくちゆみ監訳、合同出版、2002年10月第1刷、1300円)
長期停滞」 (金子勝著/ちくま新書、2002年9月第3版、680円)
 
ノーム・チョムスキー
(ノーム・チョムスキー著、監修 鶴見俊輔/リトル・モア、2002年9月第1版、1000円)
アメリカが本当に望んでいること
 (ノーム・チョムスキー著、益岡賢訳/現代企画室、1994年.6月第1版、1300円)
9.11 アメリカに報復する資格はない
 (ノーム・チョムスキー著、山崎淳訳/文春文庫、2002年9月第1刷、562円)
 
戦争がつくる女性像(若桑みどり/ちくま学芸文庫、2000年1月第1刷、950円)
仕組まれた 9.11 アメリカは戦争を欲していた
 (田中宇/PHP、2002年4月第1刷、1400円)
 
教育改革の幻想 (苅谷剛彦/ちくま新書、2002年1月第1刷、700円)
規制緩和という悪夢
 (内橋克人とグループ2001著/文春文庫、2002年1月第1刷、467円)
 
ファーストフードが世界を食いつくす
 (エリック・シュローサー著、楡井浩一訳/草思社、2001年9月第9版、1600円)
 
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メディア・リテラシー  ー世界の現場からー
   (菅谷明子著/岩波新書、2000年8月第1版、660円)
定常型社会 新しい「豊かさ」の構想
   (広井良典著/岩波新書、2001年6月第1版、700円)
 
『つくる会』教科書はこう読む
 (上杉聡、君島和彦、越田稜、高嶋伸欣著/明石書店、2001年6月第1刷、1000円)
ここまでひどい!『つくる会』歴史・公民教科書
 (VAWN-NET ジャパン編/明石書店、2001年6月第1刷、1000円)
 
ポスト大企業の世界
 (デビッド・コーテン著/シュプリンガー・フェアラーク東京、2000年6月、2200円)
森をつくる人びと(浜田久美子著/コモンズ、2000年7月第3刷、1800円)
複雑系(M・M・ワールドロップ/田中、遠山訳、新潮文庫、930円)
 
東大で上野千鶴子ケンカを学ぶ
           (遙洋子著/筑摩書房、2000年3月第5刷、1400円)
コリアン 世界の旅」(野村進/講談社、1997年8月第15版、1748円)
カルト資本主義」(斉藤貴男著/文藝春秋、2000年6月、文春文庫、667円)
プライバシー・クライシス」(斉藤貴男著/文春文庫、1999年1月第1刷、720円)
 
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<フィクション>
 謀略法廷 上・下」(ジョン・グリシャム、新潮文庫、2009年7月、629円+705円)                             
おススメ度 ☆☆☆
アメリカの南部、ミシシィピ州、大企業相手に一つの裁判が起こされていた。その結果をもとに大企業の反撃が始まり、州の最高裁の判事に焦点が絞られた。
アメリカとはどういう社会か、そこでの教会のあり方、草の根の保守の運動、仕掛けとしての選挙、現在の日本にも大いに示唆をもたらす「フィクション」だ。でもどこまでが「フィクション」なんだろうか?              (2009年12月13日)
 
 
七夕しぐれ」(熊谷達也、光文社文庫、2009年6月第一刷、619円)
おススメ度 ☆☆☆
田舎から都会、仙台に転校してきた小学校五年生の「僕」は、同じ長屋に住むユキヒロとナオミと同じクラスとなる。ユキヒロと親しくすることで、「いじめ」の対象となる。この「いじめ」は、差別ともつながっていた。魅力的な二人の大人との関わりが、物語を立体的にしている。                      (2009年7月27日)
 
 
ベイジン 上・下」(真山仁/東洋経済新報社、2008年7月第1刷、各1500円)                            
おススメ度 ☆☆
2008年8月、五輪開催に沸く中国・北京。開会式当日、メインスタジアムでは、世界最大規模の原子力発電所「紅陽核電」から運転開始を伝える「光」が届いた。しかしこの運転開始は、クライシスの始まりでもあった。
 話は、2005年から始まる。「紅陽核電」の技術顧問の責任者として日本から赴任した田嶋。中国共産党中央規律委員会のケ(ドン)。二人を通じ明らかとなる「原発」の実態、中国社会の様相。「事実」に裏打ちされた圧倒的な迫力をお楽しみ下さい。
                              (2009年6月24日)
 
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兵士ピースフル」(マイケル・モーパーゴ、佐藤見果夢 訳/評論社、2008年4月第2刷、1500円)                      
おススメ度 ☆☆☆
第1次大戦、イギリスの田舎に住む兄弟2人が、フランスの前線に送り込まれる。「大佐」が権力を持つ田舎の村の生活はどうだったか?どんな弾みで「志願」したか?実際の前線で2人を待ち受けている戦争の現実は、どうだったか?超一流の児童文学者が洗練された文章で描く。(2008年7月)
 
 
「烈火の月」(野沢尚/小学館文庫、2007年2月第1刷、714円)
おススメ度 ☆☆
覚醒剤はアウトローの集団にとって、大きな利益をもたらす。もし、警察の一部とアウトローが結びついたらどんなことがおこるか?ここで描かれた警察の世界は、横山秀夫が描く警察世界よりも、もっとリアルでえぐい。野沢はこの本を書いて数ヶ月後に「自殺した」と警察発表があったが、この本を読んで、あなたは野沢が自殺するような人と思えますか?
「魔笛」「雨の牙」 もオススメです。
 
 
滅びのモノクローム」(三浦明博/講談社文庫、2005年8月第1刷、619円)
                               
おススメ度 ☆☆☆
一風変わった政治家の宣伝のため、古い16ミリフィルムに収められた風景を探し当てたCM制作者は、思わぬ事件に巻き込まれる。古いフライフィッシングのリールに秘められた戦後の秘密が、長い年月を経てよみがえる。第48回江戸川乱歩賞受賞作。
 
 
太鼓たたいて笛ふいて」(井上ひさし/新潮文庫、2005年11月、362円)
おススメ度 ☆☆☆
「戦争ほどいいものが、この世にありますか」、「戦さは儲かるという物語なんですやよ」、「この物語が許す範囲内で、良心的にお書きになればいい」。
これらの言葉に誘われて、作家林芙美子は、戦争作家となる。しかし「南ボルネオの、見渡すかぎりのみどりの大地・・・」を見た時、林の中で何かが変わる。
戦前、戦中、戦後の日本の一断面が見事に描かれている。 
 
 
繋がれた明日」(真保裕一/朝日文庫、2006年3月第2刷、724円)
おススメ度 ☆☆
犯罪を犯し、服役を終え、仮釈放された人間を、社会はどうむかえるのか?被害者のうらみがどんな行動となって出てくるか?「更正」の困難さは、本人の責任ばかりではない。「弱み」を握ろうとした人物はいったい誰か?(2006年6月)
 
 
連鎖」(真保裕一/講談社文庫、2004年3月第31刷、667円)
 おススメ度 ☆☆☆
1991年、第37回江戸川乱歩賞受賞作品。チェルノブイリ原発事故にからむ放射能汚染食品の真相究明は、さらなる輸出入の「闇」へと展開する。そして、人に「報復」することが何をもたらすか?(2006年3月)
 
 
13階段」(高野和明/講談社文庫、2005年12月大11刷、648円)
 おススメ度 ☆☆
犯行時の記憶を失った死刑囚、その事件は「冤罪」の可能性があった。刑務官と前科を追った若者が、その男を救うべく動くが、そこには巧妙に仕掛けられた「わな」があった。「死刑」とはどのようなものか、リアルにせまる。(2006年3月)
 
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インコは戻ってきたか」(篠田節子/集英社文庫、2005年5月第1刷、648円)
  おススメ度 ☆☆☆    
地中海に浮かぶキプロス島は、女性向けのハイクラス・リゾートとして売り出されようとしていた。その取材に訪れた女性編集員とカメラマンが見たものは、歴史と大国の「謀略」から逃れられない現実だった。(2006年1月)
 
「赤い月」(上・下)(なかにし礼/新潮文庫、2004年2月第3刷、552円、590円)
  おススメ度 ☆☆☆                  
 敗戦前、中国の東北部に「満州国」があった。その「満州国建国」の理想として「5族協和」と「王道楽土」があげられ、地上の「楽園」が「目指された」。しかしその実態はどうか? 第1次大戦後の北海道小樽の変遷をふまえ、一人の女性と一人の男性を軸に物語が展開する。日本は「満州国」で何をしたのか? 
 「満州国」に「日本の伝統」がよくあらわれているが、その「伝統」は殆ど知られていない。自称「愛国者」の方、必読の本です。(2005年1月)
 
「魔笛」(野沢尚/講談社文庫、2004年9月第1刷、648円) 
  おススメ度 ☆☆☆
 テレビドラマの脚本家としても有名な野沢氏。渋谷を舞台にした白昼「てろ」の犯人は、「公安」が「教団」に送り込んでいた女だった。一般の警察と「公安」との確執も描かれている。この野沢氏は「じさつ」したとされているが、しかし本当のところはどうか?(2004年11月)
 
「雨の牙」(バリー・アイスラー、池田真紀子訳/ヴィレッジブックス、2002年1月第1刷、760円)                    
  おススメ度 ☆☆☆
 東京に住む一人のプロ外国人がいる。その仕事は自然死に見せかけた「あんさつ」である。一つの依頼から、事件は意外な展開をたどる。そのプロには、ベトナム戦争の影があり、事件の背景には、日米を巻き込んだ政界・官僚・警察の「腐敗」があった。(2004年11月)
 
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怒りの葡萄」(スタインベック/新潮文庫、上下、2000年56刷、各6629円)
 おススメ度 ☆☆
 原作は1939年に出版され、ピューリッツァー賞を受賞した名作。
 1930年代、土地を失ったオクラホマ州の貧農家族は、群をなしてカリフォルニァを目指した。「暮らせる生活」や「よりよい生活」を求めて、信じて。ここで描かれている情景は、70年前のアメリカだが、この情景が現在の日本で、また世界各国で起こっていることとあまり違わない。貧富の差が拡大し、富める者はどんなことを仕掛けるか?
                             (2003年9月)
 
アンドロメダ病原体」(マイクル・クライトン/ハヤカワ文庫、1997年22刷、760円)                             
  おススメ度 ☆☆☆
 おなじみ「ジュラシック パーク」の作者、マイクル・クライトンが1969年に著したサイエンス・フィクション。内容は、今読んでも決して古くない。また、「アメリカ」という国の中心に軍事があり、「記録」と「予想」にいかにたけているかがわかる。
                             (2003年1月)
 
海峡」、「春雷」、「岬へ」(伊集院静/新潮文庫、2002年7月、667円、781円、819円)
  おススメ度 ☆☆☆
  伊集院氏の自叙伝的3部作。人は生きていく上で、どのぐらいの別れを経験するのか、どのぐらい大人と出会っているのか。戦争がもたらしたものは、何か。
  読み進むにつれ、心の奥に、不思議な「力」が沸いてくる。
                           (2002年9月)
 
斉藤家の核弾頭」(篠田節子著/朝日文庫、1999年12月第1刷、660円)
  おススメ度 ☆☆☆
  これは2075年の日本の姿、超管理社会となった東京が舞台。
  国民はいくつかのカーストに分かれ、コンピューターが絶大な威力を発揮する・・・。
                            (2000年3月)
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<ノン・フィクション>
放射年セシウムが人体の与える医学的生物的影響 チェルノブイリ原発事故 被曝の病理データ」(ユーリ・バンダジェフスイー、2012年2月第3刷、合同出版、1800円+税)                     
おススメ度 ☆☆☆
薄い本です。生物学や医学の用語が少しありますが、グラフのデータがわかりやすい。
この本によると低濃度でも、内部被曝は、心臓、腎臓、肝臓、免疫系、胎児への影響がみらる。被曝量とリスクとは直線関係ではなく、低線量での影響が上に凸の形になる。これを「ペトカウ効果」と言うようだ。
著者は、比較的低い濃度(20〜30ベクレル/Kg)であっても、セシウムが
持続的に取り込まれれば、深刻な体内への変化の危険性を指摘している。
なお、2012年4月1日からの日本の新基準は一般食品で100、乳幼児食品で50、飲料水で10 となっている。
なお、ペトカウ効果は、週刊金曜日2012年1月27日号の「過小評価される低線量被曝のリスク」(竹之内真理)にわかりやすい説明がある。  (2012年4月5日)
 
 
「見えない恐怖」(松井英介、2011年7月第2刷、旬報社、1400+税)
                              
おススメ度 ☆☆☆
・・・「なぜ内部被ばくが危険」かを、歴史的にたどっている。広島・長崎(1945年)、ビキニ水爆実験(1954年)、そして劣化ウラン弾(1991年〜)、そして福島。原子力産業の支配から独立していないICRPに対して1997年から活動を開始したECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)の勧告に注目することを主張している。福島だけに止まらない視点と情報が満載。                (2012年3月12日)
 
 
政府は必ず嘘をつく」(堤未果著、2012年3月第3刷、角川SSC新書、780円+税)                          
おススメ度 ☆☆☆☆
・・・ 堤は、2001年以降のアメリカを「失われた10年」と言う。この10年は、日本の近未来の姿に重なり、日本に住む我々に大変参考になる。その10年で最も打撃を受けたものの一つに「公教育」がある。
 公教育への攻撃は、次の2つのステップをとった。
 第1ステップ:「敵を作ること」。例えば「公教育が荒廃しているのは無能な教師たちのせいだ」。マスコミ報道で、親と教師たちの距離を広げていく。
 第2ステップ:「スローガン」。そのスローガンは、内容はよくわからないワンフレーズで、感情を揺さぶり、高揚させるもの。「アメリカは負けない」など。
 その結果はどうか。公教育は、過度な競争と政府介入により、校長をマネージャに、教師を点数管理者にしたことで、教育の質は劣化した。落ちこぼれ生徒を急増させ、肝心の学力は上がらず、競争から脱落した子どもたちは軍にリクルートされ戦場に送られていく。(P157~160)
 どこかで聞いたような話ではないですか?
 また、この本では、その他、TPPやマスコミの状況などがわかりやすく描かれている。
 TPPは、日本の大手マスコミが宣伝している「農業vs製造業」というものとは、随分違う。アメリカの最大の輸出品目は「著作権」を含む「知的所有権」である。TPPを通じて、多国籍企業はISD条項(国内法が企業の市場利益を阻むとみなされると、企業が政府を国際投資紛争解決センターに訴えることができる)を各国に飲ませ、各国政府を多国籍企業の支配に置こうとしている。
 
 公務員よりも、民間の人やテレビ好きの人に読んでほしい本だ。(2012年3月12日)
 
 
世界経済を破綻させる23の嘘」(ハジュン・チャン、2011年1月第3刷、徳間書店、1700円+税)                    
おススメ度 ☆☆☆☆
・・・ここ30年、「自由市場資本主義」(新自由主義)が、アメリカ、イギリス、日本のマスコミの論調を支配し、多くの人の「常識」を形成してきた。日本では「小泉改革」、「ハシモトの改革」である。例えば、次のような「常識」である。「市場は自由でないといけない」、「富者をさらに富ませば他の者たちも潤う」、「経済を発展させるには小さな政府のほうがよい」など。
これらに対して、チャンは反論する。「自由市場なんて存在しない。何らかのルールや制限がある」、「富は貧者にまでしたたり落ちない」、「大きな政府こそ経済を活性化できる。うまく設計された社会保障制度は、人々をより変わることに前向きにさせる」など。
チャンは、2005年、経済学の未開拓分野を切り開いた者に与えられる「レオンチェフ賞」を41歳の最年少で受賞。
他に「はしごを外せ」(2009年第1刷、日本評論社)がある。  (2012年1月8日)
 
 
就職とは何か」(森岡孝二、2011年11月第1刷、岩波新書、760円+税)
おススメ度 ☆☆☆
・・・大阪のハシモト氏は、「民間」がさも優れており、公務員はだらしないという「偏見」を広げようとしている。しかし、民間での若者の就職状況の過酷さをこの本はデータとともに示す。公務員の労働条件の切り下げは、民間の労働条件をさらひどいものにするだろう。
森岡氏は働く人の「健康で安全な生活」を確保するために、「過重労働対策基本法」(過労死防止基本法)の制定、最低休息時間制度(EUでは24時間につき最低連続11時間の休息を付与)、時間外労働の賃金割増率の引き上げなどを、提言している。
                            (2012年1月8日)
 
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水が世界を支配する」(スティーブン・ソロモン、矢野真千子訳、2011月7月第1刷、集英社、2000円+税)                    
おススメ度 ☆☆☆
・・・古代から現代まで、水をキーワードにして、歴史の展開をひもとく。21世紀が「水の世紀だ」と実感させられる。水のブレークスルーが起こるとすれば、あと3つある地球上の課題ーー食料、エネルギー、気候変動ーーと絡み合ったところに起こるだろうと指摘する。この4つがこれまでも文明の命運を左右してきたからだ。世界史を再び、勉強することにもなる本。
                            (2011年12月11日)
 
 
ハチはなぜ大量死したのか」(ローワン・ジェイコブセン、中里京子訳、2011年7月第1刷、文春文庫、781円+税)              
おススメ度 ☆☆☆
・・・2007年の春までに、北半球から4分の1のハチが消えた。その原因は一体何か?このハチの大量死は何をもたらすか?科学的な背景をきちん踏まえて、まるで小説を読むようにスリリングに展開されている。日本について、訳者あとがきで「2010〜11年にかけては、極端なミツバチ不足は生じていないという」。しかし、2011年夏、信州八ヶ岳で聞いた話では、各地でミツバチ不足がおこっているという。
                             (2011年8月28日)
 
 
原発はいらない」(小出裕章、2011年7月第2刷、幻冬舎ルネッサンス新書、838円+税)                        
おススメ度 ☆☆☆
・・・福島第1原発以外にも、日本列島には危険な原発が多い。そのなかで、とくに要注意が、静岡の浜岡原発、青森の六ヶ所再処理工場と福井のもんじゅ。これらについても危険性がうまく解説されている。原発での核廃棄物の処理がうまくできないという問題は大変大きい。                       (2011年8月28日)
 
 
原発のウソ(小出裕章、2011年6月第3刷、扶桑社新書、740円+税)
おススメ度 ☆☆☆
・・・40年間にわたり原発の危険性を訴えてきた科学者、小出さんの「原発入門書」。原発は「海温め装置」という指摘や「原発の``常識``は非常識」、「原発に未来はない」というわかりやすい解説。                  (2011年7月3日)
 
 
今こそ、エネルギーシフト(飯田哲也、鎌中ひとみ、2011年5月第1刷、岩波ブックレットNo.810、500円+税)          
おススメ度 ☆☆☆
・・・自然エネルギーへどうシフトしていのかが、具体的な例を踏まえて、述べられている。高校生以上なら(中学生でも)気軽に読めます。    (2011年7月3日)
 
 
原発社会からの離脱(宮台真司×飯田哲也、講談社現代新書、760円+税)
おススメ度 ☆☆
・・・原発をめぐっての歴史や官僚の動き、日本社会の特質が対談で深く展開されている。自然エネルギーをめぐっての世界の動きも紹介されている。  (2011年7月3日)
 
 
原発に頼らない社会へ」(田中優、2011年4月第1刷、ランダムハウス、1000円+税)                     
おススメ度 ☆☆☆
・・・この本は、原発のみにとどまらず、おカネの発想をエネルギー問題に関連させる。また地域の経済をどう発展させるかも考える。もちろん3月11日以降のフクシマ原発への対応も述べられている。広い視野が得られる本。   (2011年6月5日)
 
 
原子炉 時限爆弾」(広瀬隆、2010年8月第1刷、ダイヤモンド社、1500円+税)                      
おススメ度 ☆☆☆
・・・著者、広瀬隆氏は、「電力会社へのあとがき」に次のように書く。「私はこれまで一度でも電力会社に頭を下げてお願いしたことはない。だがこれは、涙しながら、伏してお願いすることである。大事故が起こる前に、中部電力は一刻も早く、その決断(浜岡原発、3号・4号・5号機の停止)を下していただきたい。」1995年以降、日本列島は地震の活動期に入ったことを、深く受け止めたい。   (2011年4月24日)
 
 
放射能で首都圏 消滅」(食品と暮らしの安全基金、古長谷稔、2006年4月初版、三五館、1200円+税)                  
おススメ度 ☆☆☆
・・・2011年3月11日の東日本大震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。この本は、静岡県の浜岡原発による「原発震災」を想定して書かれている。この本では、放射能から身を守る方法や、内部被ばくと外部被ばくの区別などもわかりやすく説明されている。今回の東日本大震災への対応にも参考になるでしょう。 (2011年3月27日)
 
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テロ&戦争詐欺師たちのマッチポンプ」(きくちゆみ、童子丸開、2009年9月、徳間書店、686円+税)                 
おススメ度 ☆☆☆
・・・現在の「対テロ戦争」は、2001年の「9・11」から始まった。しかし、「9・11」でツインタワーで本当に起こったことは何だったか、この本がリアルに証明している。飛行機の衝突と熱で崩壊したという思い込みが、この本で覆される。「戦争というビジネスチャンスを利用して大衆から金を奪う詐欺師たち」は、「報道機関・学者・研究者たち」を使って、人々をだます。「嘘は戦争の始まり、戦争は泥棒に始まり」。
 
 
健康格差社会を生き抜く」(近藤克則、2010年1月、第1刷、朝日新書、780円+税)
おススメ度 ☆☆☆
・・・健康は「個人的」なものだと一般には思われている。しかし、健康の格差が社会的な格差と密接に関係していることが、この本で示されている。格差が広がれば、社会の連帯やお互いの信頼、社会活動への参加などの「社会関係資本」(ソーシャル・キャピタル)が弱体化し、これが、金持ちも含め、その社会に生活する人々全体の健康にマイナスに働く。2005年には、イギリスで健康格差に関するEUサミットが開かれ、健康格差への対策が政府が取り組みべき課題となっている。(こんなこと初めて知った)。
 なお、関連本で「格差社会の衝撃 不健康な格差社会を健康にする法」(リチャード・ウィルキンソン、書籍工房早山、1900円+税)も学問的にしっかりしており超オススメ。
 
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本当は恐ろしいアメリカの真実」(エルコ・ロウ、2009年7月、第1刷、講談社、1400円+税)                        
おススメ度 ☆☆
・・・日本でも「ウツ」症状が広がっている。「ゾロフト」(抗ウツ剤のSSRIの一つ)の副作用が第3章で述べられている。アメリカでは日本のNHKに相当する「公共放送」がなく、すべてのメディアは大企業に所有されており、「金と権力のペット」になっていることに唖然とする。その他、下の「ルポ 貧困大国アメリカU」と併せて読むと、今のアメリカをイメージしやすい。オバマへの期待が大きいので☆が2つです。
                           (2010年3月14日)
 
 
ルポ 貧困大国アメリカU」(堤 未果、2010年1月、第一刷、岩波新書、720円+税)                              
おススメ度 ☆☆☆
・・・オバマ当選後のアメリカを描いている。4つのテーマからできている。「学資ローン」、「崩壊する社会保障」、「医産複合体」、「民営化された刑務所」である。産軍複合体は日本でも有名だが「医産複合体」の実態は衝撃的だ。このどれも日本の未来と無関係なものはない。データがしっかりしているし、あとがきも感動的。
                         (2010年2月20日)
 
差別と日本人」(野中広務、辛淑玉、2009年7月 第4版、角川ONEテーマ21、724円)                      
おススメ度 ☆☆☆
・・・辛は、差別の本質を明確に述べる。
「差別は、古い制度が残っているからあるのではない。今、そのときに差別する必要があるから、存在するのだ。・・・差別とは、富や資源の配分において格差をもうけることがその本質で、その格差を合理化する(自分がおいしい思いをする)ための理由は、実はなんでもいいのだ。部落だから、外国籍だから、朝鮮人だから・・・・。その理由などなんでもいい。」差別は、「差別者の問題」ということがわかる。
対談の最後に2人が交わす言葉が旨をうつ。
「野中 いやいや、僕、こんな話したの初めてです」
「辛 家族だけは守らなきゃいけないと・・・・と思ったんですよね。私たち・・・・。」
                               (2009年12月6日)
 
 
どんとこい、貧困!」(湯浅誠、2009年6月、第一刷、理論社、1300円+税))
                               
おススメ度 ☆☆☆
・・・2009年1月正月のNHKニュースは、「派遣村」を取材し、日本のお茶の間に、正月気分に水を差す「貧困」の姿を知らせた。その派遣村の村長が、この本の著者の湯浅氏だ。貧困に苦しむ人に対して、日本社会はずっと「自己責任」と言い続けてきた。この本では「自己責任」の様々な主張に対して、丁寧に説明・反論する。イス取りゲームで、イスの数が少なくなっていけば、座れない人が出てくるのは当然なのだ。高校生から大人まで、ぜひ読んで欲しい本だ。
                               (2009年8月3日)
 
 
9.11テロ疑惑国会追求 オバマ米国は変われるか」(藤田幸久編著、2009年4月、初版、クラブハウス、1500円+税)
                                 
おススメ度 ☆☆☆
・・・2008年1月10日、参議院外交防衛委員会で藤田議員が「9・11」について質問をした。NHKによりこの中継映像が流れたが、国内のマスコミはまったく無視を決め込んだ。しかし、この映像は英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語などに翻訳され世界に流れた。「9・11」をどうとらえるかが、アメリカやマスコミをどうとらえるかと大いに関係している。「嘘」で塗り固められた世の中を見つめてみませんか?
 関連HP 見ればわかる9・11研究 もオススメです。
 
 
正社員が没落する ー「貧困スパイラル」を止めろー」(堤未果・湯浅誠、2009年3月、角川ONEテーマ21、724円+税)
                              
おススメ度 ☆☆☆
・・・2009年正月、日比谷派遣村。正月気分の人々に、日本の隠されていた現実が、テレビに流れた。その村長さんがこの湯浅誠氏。豊かなアメリカという戦後の常識を、「貧困大国アメリカ」で打ち破った堤未果氏。この二人の文章と対談であるこの本がおもしろくないわけがない。自分は「大丈夫」と思っている人こそ、読んで欲しい本だ。
                            (2009年4月20日)
 
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ベーシック・インカム入門」(山森亮、2009年2月、第一刷、光文社新書、840円+税)                            
おススメ度 ☆☆☆
・・・最近、日本でも注目されだした「ベーシック・インカム」〜〜誰にでも、無条件に一定の所得が与えられたら、社会は、労働はどうなるか?なんとベーシック・インカムの試みは約200年の歴史があるという。世界的に貧困が進行する中、日本でもやっとこの新しい「社会保障」の考え方が、広がろうとしている。    (2009年4月20日)
 
 
超・格差社会アメリカの真実」(小林由美、2009年2月、第一刷、文春文庫、686円+税)                              
おススメ度 ☆☆
・・・経済学者である著者が、アメリカで26年間暮らした体験を元に、アメリカの建国の歴史から現在の状況まで、丁寧に紹介している。日本で語られているアメリカ像がいかに偏っているかがわかる。アメリカで暮らしたいと想っている人には、必須の本だろう。教会の強さ、大多数の人々の「反知性」の伝統、公教育の貧困、最後の章は、サブプライムが扱われている。データも豊富だ。             (2009年3月21日)
 
 
子どもの貧困」(阿部 彩、2008年11月、第1刷、岩波新書、780円+税)
                               
おススメ度 ☆☆☆
・・・この本を抜かして「子どもと教育」については、もう語れない。データがしっかりしている。子どもの幸福度(ウェル・ビーイング)をどうしたら「制度」として保障できるかを真剣に考えている。子どもへの支援策として、先進国で近年比重を高めている「給付つき税額控除」も紹介されている。大阪府の橋下知事もせひこの本を読んで、「しろうとの教育談義」から成長して欲しいなぁ。         (2009年2月7日)
 
 
子どもの最貧国・日本 学力・心身・社会におよぶ影響(山野良一、2008年9月、第1刷、光文社新書、820円+税)」       
おススメ度 ☆☆☆
・・・「日本は総中流の国」というフィクションが崩れつつある2008年、データに基づき子どもの実態を明らかにする衝撃的な本だ。「今や7人に1人の児童が経済的に困窮しており、ひとり親家庭はOECD諸国中で最貧国」である。子どもの学力もこの「貧困」と切っても切れない関係がある。「格差」ではなく「貧困」が日本の子どもや日本社会を理解する言葉だ。                      (2008年11月3日)
 
 
チョコレートの真実(キャロル・オフ、2008年3月、第1版、第3刷、英治出版、1800円+税)                    
おススメ度 ☆☆☆
・・・多くの人が大好きなチョコレート、しかしこの歴史と現実をほとんどの人は知らない。話は約500年前のマヤ帝国のわずかの生き残りから始まり、21世紀のアフリカのコートジボワールまで続く。カカオから生み出す富を巡って、暗い闇が広がる。この闇に多国籍企業はもちろん無関係ではない。チョコレートを通じて、この時代とはどんな仕組みが働いているか、深く考えさせられる。
 
 
反貧困 ーすべり台社会からの脱出(湯浅誠、2008年4月、第1刷、岩波新書、700円+税)                             
おススメ度 ☆☆☆
・・・「貧困」は「自己責任」か?「貧困」は単に経済的な貧しさだけか?著者は、データを用いて、貧困は決して「自己責任」ではなく、貧困は「自分自身からの排除」という人間の尊厳を破壊することを示す。そして、反貧困ネットワークが、日本を「強い社会」へと変えていくことが、理解できる、           (2008年9月15日)
 
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地域の力 ー食・農・まちづくり(大江正章、2008年2月、第1刷、岩波新書、700円+税)                             
おススメ度 ☆☆☆
・・・地域が疲弊しているという。しかし、市民と自治体行政が、知恵を出し合い、仕事を作り出している地域がある。第1次産業を大切にしながら、「連帯経済」を以下に作り出すか、未来へのヒントがこの本の中にある。
                            (2008年6月1日)
 
食卓の向こう側 コミック編」(作画:魚戸おさむ、原作:佐藤弘、渡辺美穂、2007年10月第1刷、西日本新聞社、952円+税)          
おススメ度 ☆☆
・・・累計50万部を突破した西日本新聞社の衝撃のシリーズ「食卓の向こう側」を、漫画家、魚戸おさむがコミック化したものがこれ。「食べる」ということが、健康はもちろん、社会や家庭、自分の存在感にまで関係していることが、わかる。
 
 
200万都市が有機野菜で自給できるわけ」(吉田太郎、2006年11月第7刷、2800円+税)                    
おススメ度 ☆☆☆
・・・アメリカが依然として敵視し、経済封鎖をしているキューバ。1990年初頭、ソ連圏の崩壊とアメリカの経済封鎖により、キューバは、食料、石油、医薬品が途絶する中、経済が崩壊していった。その中で、食料、環境、教育、医療をどう確保していったか。そのキューバの歩みは、「持続可能な社会」を先取りしたものだった。資料もしっかりしています。                         (2008年2月24日)
〜〜〜 有機農業について更に詳しく知りたい人は、
「有機農業が国を変えた」(吉田太郎、2007年6月第4刷、コモンズ、2200円)
               をどうぞ。       (2008年3月17日)
 
ルポ 貧困大国アメリカ」(堤未果、2008年1月、初版、岩波新書、700円+税)                            
おススメ度 ☆☆☆
・・・アメリカは「経済大国」、「軍事大国」とよくいわれる。しかし、21世紀のアメリカを表すものとして「貧困大国」がふさわしい。「教育」「医療」そして「戦争」までが「民営化」されたアメリカ。戦争をするためにも「貧困」が必要とされるアメリカ。
 今、日本は、こうなってはいけないという「モデル」がアメリカだ。
〜〜堤氏へのインタビューはこちら。http://www.magazine9.jp/interv/mika/mika.php
                 http://www.magazine9.jp/interv/mika/mika2.php
 
 
貧困 襲来 最低生活費を知ろう!生活保護自動計算ソフト2007年度版、付き
(湯浅誠、2007年7月、初版、山吹書店、1500円+税)   
おススメ度 ☆☆☆
・・・日本社会に貧困が広がっている。ヒトはどうやって、貧困になるか?貧困はどのように社会から「隠されてきたか」?私は、この本の付録、「最低生活費を知ろう!生活保護自動計算ソフト2007年度版」を使って、始めて憲法25条(生存権)が保障している最低生活費の額を知った。(簡単に自分の最低生活費が計算できますよ)。
著者の湯浅氏はあとがきで書く。「この本を読んでよかったと思ったら、地元の図書館にリクエストを出して欲しい。本を買うお金のない人にこそ、本当は読んでもらいたいから。」
 
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新しい階級社会 新しい階級闘争」((橋本健二、2007年10月、初版、光文社、1200円+税)                      
おススメ度 ☆☆☆
・・・いま、日本に巨大な貧困層が蓄積されつつつある。世間をにぎわしている「犯罪」の背景に、この貧困があるのではないか?格差が拡大し、貧困が広がる社会に未来はない。「新中間層」の自覚が今、求められている。
 
 
「生きさせろ!」雨宮処凛、2007年4月、初版、太田出版、1365円)
「雨宮処凛の『オールニートニッポン』」(雨宮処凛、2007年9月、初版、760円)
                                 
おススメ度 ☆☆☆
「働いても 働いても ワーキングプア 生きさせろ!」、こんなスローガンが出てきてしまう2007年ニッポン。「生きさせろ!」は、ちょっと堅く「我々は反撃を開始する」と宣言する。「オールニートニッポン」は、インターネットラジオでの、雨宮氏の対談を集めている。この対談に出たヒトは、その後ほとんどブレイクしているのもすごい。
まず、「オールニートニッポン」を読んで、気に入ったら、「生きさせろ!」を読むのがいいかも。
 
 
日本という国(小熊英二、2006年8月、初版第7刷、理論社、1200円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・この日本、どんな方向に進もうとしているのだろうか?それを知るために、この日本を形作った2つのできごと、「明治」と「1930年代から始まった15年戦争、その多くの犠牲でできた日本国憲法、サンフランシスコ条約」を、きちんと知ることが、現在とても大切になっている。漢字にルビがふってあり、中学生、高校生にも読めますよ。
 
 
日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造」(篠田謙一、2007年2月、第1刷、920円)             
おススメ度 ☆☆☆  /自然科学系
・・・弥生人は、日本列島に渡来した人々というのは本当だろうか?
最新のDNA分析の結果、私たちのルーツは大陸の広い地域に散らばっており、様々な次代に様々なルートで、人々がこの日本列島に到達したことが明らかになった。
「大和民族」と無邪気に言う大臣や政治家の人には、必読の本です。
 
 
報道が教えてくれない アメリカ弱者革命(堤未果著、2006年10月、第3刷、海鳴社、1600円)                   
おススメ度 ☆☆☆
・・・アメリカは何故、次から次へと戦争ができるのか?その答がこの本の中にある「アメリカの見えない徴兵制」だ。それが何をもたらすか?その警告がこの本の中にある「見えない列車に乗せられる若者たち」だ。この本は、次のメッセージで私たちを励ます。
 「みな、この理不尽で暴力的な社会の中で踏みつけられそうになりながら、決してあきらめない弱くて強い人々だ。/そして全員が同じことを言う。/自分たち市民は、未来を選び取る自由がある。だからそのために、やることがたくさんあると」(P227-228)
 
 
ビルダーバーグ倶楽部」(ダニエル・エスチューリン、山田郁夫訳、2006年11月、第1刷、バジリコ株式会社、1800円)            
おススメ度 ☆☆☆
・・・早くも、1977年、英国「タイムズ」紙は次の警告を出している。
「・・・大金持ちの一団、彼らは西洋地域の政治、経済、社会の各方面できわめて大きな影響力を持つ。その一団が人知れず集まってたくらむことは、後にたまたま起きたかのように現実となる」(P5)。1年に1回、密かに世界の「真」の支配者たちが集まる。それが、ビルダーバーグ倶楽部 だ。この会合には、世界の西側の主要なマスコミの幹部が招待されている。お互いが「グル」なのだ。
 このビルダーバーグ倶楽部 が、現在ねらっていることは、キャシュレス社会を進め、次にすべての人々の行動を監視できる「個人認証チップ」の導入だ。
 
 
9.11の謎 世界はだまされた!?」(成澤宗男、2006年9月第1刷、金曜日、1000円)                 
おススメ度 ☆☆☆
・・・世界を変えた「9.11」事件にはあまりにも多くの謎がある。成澤氏は「週間金曜日」に、独自の取材をもとに、2002年から、「9.11」の真相に迫る記事を書いている。連載中から大きな反響を呼んだ記事に、最新情報を加え、やっと単行本になった。いくつもの衝撃的な事実がこの本で示されている。
そのうちのひとつ、乗っ取られたという4機の飛行機については次のようだ。
「世界貿易センタービルに激突したというF11という便は、ボストン・ローガン国際空港から9月11日当日は、離陸していない。前日の10日に離陸している。また、国防総省に激突したとされるF77という便も、ワシントン・ダレス国際空港から11日当日は離陸していない。ただ前日の10日には運行している。」と明らかにされている(笑)。
 
 
9.11テロ捏造 日本と世界をだまし続ける独裁国家アメリカ」(ベンジャミン・フルフォード、2006年7月第1刷、徳間書店、1600円) 
おススメ度 ☆☆☆
・・・やっと、日本でも著名がジャーナリストが「9.11」を、取り上げるようになりった。マスコミがすべてそういっているから「真実」ではない。膨大な「証拠」と「事実」をきちんと考えれば、そこから導かれる結論は、「9.11はアメリカ中枢部の自作自演」ということになる。この本には、アメリカのとんでもない不正な「選挙工作」も取り上げられている。またアメリカの中でも、本格的に真相の究明が始まっていることもわかる。
忙しい人は、本屋で、表紙の裏にある写真をまず見て下さい。  (2006年8月)
 
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憲法「私」論」(水島朝穂、2006年5月第1刷、小学館、2000円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・現憲法を「アメリカからの押しつけ」と言って非難する声がある。しかし、現憲法は、明治の自由民権運動に刺激された植木枝盛の「大日本国国憲按」の思想が生きていると、水島は指摘する。植木は「憲法は権力を縛るものである」という立憲思想をすでに理解していた。現在、自民党が出している「憲法改正案」は、この近代の立憲思想すら理解していない「時代錯誤」のものだ。
 
 
感染爆発 鳥インフルエンザの脅威」(マイク・デイヴィス、柴田ら訳,2006年3月第1刷、紀伊國屋書店、1600円)              
おススメ度 ☆☆☆
・・・「科学者では、鳥インフルエンザ・パンデミック(世界的大流行)の危機が差し迫っているとの認識は、地球温暖化の変化の大半は人間にあるというコンセンサスとほぼ同じくらい広く浸透している」(P144)。この本の原題は「The Monste at our Door」である。「すぐそばにいる怪物」である。「怪物」とはもちろん「鳥インフルエンザ」である。     (2006年5月)
 
 
秘話 陸軍登戸研究所の青春(新多昭二、2004年2月第1刷、講談社文庫、571円)」
おススメ度 ☆☆
・・・1937年(昭和12年)神奈川県に陸軍の「秘密戦・謀略戦」専門の研究部部門が創られた。これが登戸研究所だ。そこで青春の一時期を過ごした筆者が、戦中、戦後の日本をリアルに伝える。その中でも、1945年8月6日の原爆投下の数日前、何回か日本向けに原爆投下の「予告」があったという「事実」は衝撃的だ。これが事実なら、なんと当時の日本政府は、自国民を見殺しにしたことになる。    (2006年3月)
 
 
メディア危機」(金子勝・アンドリュー・デウィト、2005年6月第1刷、NHKブックス,920円)                         
おススメ度 ☆☆☆
・・・マイクの前に立つ男は、後ろから目隠しをされている、という絵がこの本の表紙だ。この絵が今の事態を良く表している。「戦争」についてメディアは本当のことを伝えているか?「民営化」についてはどうか?もっと根本的に、敗戦後、日本が「モデル」としてきたアメリカについてはどうか?メディアは、現在のアメリカが、世界でも極めてまれな「宗教国家」であることを伝えていない。メディアでの「米国追随」の実態が、この本で暴露される。                        (2005年8月)
 
 
韓国のデジタル・デモクラシー」(玄武岩、2005年7月第1刷、集英社新書、700円)
おススメ度 ☆☆
・・・「韓流」ブームと言われる日本、しかしこの「韓流」ブームの中でも、ここ数年の韓国社会の政治的激変は、ほとんど日本に伝わっていない。廬政権の登場は、どのように「脱冷戦」という新しい局面を切り開いていこうとしているか、廬政権の登場にインターネットはどのように働いたか、日本の状況にとっても大変示唆に富む1冊だ。
                               (2005年8月) 
 
拒否できない日本」(関岡英之、2004年12月第6刷、文春新書、700円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・日本がアメリカの「従属国」だと、時に指摘される。では、毎年アメリカから日本へ「日本はこう変わるべきだ」という「要求書」(「年次改革要望書」あるいは「構造改革要望書」)が出されているのをご存じでしたか?アメリカ大使館のHPには、ちゃんとこれらが載っている。しかし日本の主要マスコミがこの要求書を指摘したことはほとんどない。ここ数年の日本社会の「変化」は、ちゃんとシナリオがあったという訳!もちろんこのシナリオはアメリカのためにある。
 
キャッシュカードがあぶない」(柳田邦男、2004年12月第1刷、文藝春秋、952円)                             
おススメ度 ☆☆
・・・事態の深刻さは次の指摘でわかっていただけるだろうか?
 「今度、東京三菱とUFJが合併すれば、またリストラでATMとかの内部の仕組みを知っている人が外に流れてくる。犯罪組織(ヤクザ)のほうはそういう人に接触しようとするでしょうから」(P139)。どのようにすればあなたの銀行「預金」を守ることが可能だろうか?
 
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日本のゆくえ アジアのゆくえ」(広瀬隆、2004年9月第1刷、日本実業出版社、1600円)                           
おススメ度 ☆☆☆
・・・現在の日本は一体どこにいて、どの方向へ向かえばいいのだろうか?中国、日本の金融システム、食料、日本の労働者と失業・倒産、新エネルギー/燃料電池の可能性など幅広く論じる。図表やデータがしっかりしていて、資料集としても使える。(2004年11月)
 
背後 金賢姫の真実」(ソ・ヒョンウ、2004年6月第1刷、幻冬舎、1500円)                      
おススメ度 ☆☆☆
・・・あなたは、1987年に起こった大韓航空機爆破事件をご存じでしょうか?
「北」のスパイとしてマスクをした金賢姫の姿を覚えていますか?
しかし、衝撃の事実がいま明らかとなろうとしている。・・・国家による「謀略」という真実が。
 
戦争のつくりかた」(りぼん・ぷろじぇくと、2004年7月第1刷、マガジンハウス、600円、英文付き)                     
おススメ度 ☆☆☆
・・・「戦争は戦争の顔をしていません」
    「わたしたちは、未来をつくりだすことができます。
           戦争をしない方法を、えらびとることも」
 
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粉飾国家」(金子勝、2004年7月第1刷、講談社現代新書、700円) 
おススメ度 ☆☆☆
・・・年金の本当の問題点は一体何か? 「民営化」は本当に問題の解決か? この国のシステムを貫いている「粉飾」の構造はどこまで深いか? そして、持続可能な社会と人々の「安心」を保障する福祉政府を提起する。
 
「怒りの方法」(辛淑玉、2004年5月第1刷、岩波新書、700円) 
おススメ度 ☆☆☆
・・・日本にもマイケル・ムーアのようなセンスの人が、今必要だ。本当にカシコイ人は、アイデアーを産みだす。更にわかりやすく人に伝える。カシコイ辛氏は日本の マイケル・ムーア として注目株だ。
 
 
茶色の朝」(フランク・パブロフ・物語、藤本一勇・訳、高橋哲哉・メッセージ、2003年12月第1刷、大月書店、1000円)                 
おススメ度 ☆☆☆
・・・この原作が、フランスで50万部を超えるベストセラーになったという。「たくさんの言い訳」を積み重ねて、事態に「慣れていく」うちに、とうとう私にも「当局」の手が伸びてくる。高橋哲哉の「やり過ごさないこと、考え続けること」というメッセージが、リアルに伝わる。
 
☆★☆★ ☆★☆★ ☆★☆★
マイケル・ムーア 3部作                  
アホの壁 in USA」          
(マイケル・ムーア、2004年3月初刷、柏書房、1600円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・日本の「お手本」はアメリカだ。しかし、我々はどれぐらいアメリカを知っているか?「アメリカのように2大政党にするべきだ」ーーしかしアメリカの2大政党って一体どんなもの?この本で描かれた90年代の中頃のアメリカが、今日本に大変参考になるぞ!!
 
おい、ブッシュ、世界を返せ!」          
(マイケル・ムーア、2003年11月初刷、アーティストハウス、1600円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・映画監督マイケルが、9・11以降のアメリカの現状を踏まえ、ブッシュに鋭い疑問を放つ。と同時に、「リベラル派の楽園ー「アメリカは保守化した」というデマにだまされるな」という章は、意外なデータでアメリカの今に迫る。また、「保守的な義兄との会話のしかた」は、「運動」をやっている人に必要な「薬」となりそうだ。こんな軽妙な語り方が今、必要なんだろうな。
 
アホでマヌケなアメリカ白人」
(マイケル・ムーア、2003年2月第15刷、柏書房、1600円)
おススメ度 ☆☆☆☆
・・・正直に言います。わたすは、この本の「アホ」とか「マヌケ」に「うっ」ときて、長い間この本を読んでいなかった。いったい誰が「アホ」で「マヌケ」か?最初、ブッシュさんらと思っていたが、どっこい、ブッシュさんらにいいようにもてあそばれている「われわれ」が、実は「アホ」で「マヌケ」だったんですね。あ、このブッシュというのは日本のコイズミと入れ替え可能です。
 
マイケル・ムーア 3部作 でした。     
☆★☆★ ☆★☆★ ☆★☆★
 
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ルポ 解雇 ーこの国でいま起きていることー」    
(島本慈子、2003年10月第1刷、岩波新書859、700円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・2003年6月に、マスコミにはほとんど取り上げられなかった「解雇ルールの新設」を含む労働基準法の「改正」が行われた。この法律の「改正」は、これからの働く人々に大変な影響をもたらすものだ。「リストラ」という名のもとでどんな実態が進行しているかを、島本は現場の取材で示す。
 それにしても不当解雇から労働者を守るILO158号条約(1982年)が、日本国内では意識的に無視され、批准もされていない。グローバルスタンダードを主張する人たちは、ILO158号条約には全く触れない。
 1944年、戦争により中断していたILO総会で、フィラデルフィア宣言が採択された。その4つの思想の内2つは、今この日本への警鐘と響く。
 ◎「労働は、商品ではない」
 ◎「一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である」
 
させられる教育 ー思考途絶する教師たちー」   
(野田正彰、2002年6月第1刷、2003年10月第4刷、岩波書店、1700円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・「学力低下」、「生きる力」などという言葉で教育が語られて久しい。しかし、文部科学省が「本当に」目指しているものが、「思考が途絶した教師」だとしたら一体、どんな社会が造られていくのだろうか?この本は、教育に関心を持ち、子どもたちの現状に思いをはせる人にとっての「必読書」。(2003年12月)
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帝国を壊すために」                     
( ロイ,アルンダティ【著】〈Roy,Arundhati〉・本橋 哲也【訳】、2003年9月第1版、岩波新書、740円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・ブッカー賞受賞のインド人女性作家アルンダティ・ロイは、2001年9月以降の「暴力と偽善」があふれる世界に、軽やかなタッチとユーモアで警告する。アフガン戦争やイラク戦争、インドの問題などに触れながら、帝国に抵抗する全ての人々に希望と勇気を与える。「海外で大反響を呼んだ八篇のポリティカル・エッセイを収載」。(2003年12月)
 
 
戦争案内 アジアからの報告」               
(高岩 仁著、2000年第1版、映像文化協会/Fax 045-981-0918、1000円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・太平洋戦争で、日本軍がマレー半島で、フィリピンで何をしたか、ほとんど知られていない。また、ODAによって現在でも日本がどのような事をしているかは更に知られていない。数多くの戦争で、一体誰が「もうけたか」はほとんど語られていない。現在の日本に「報道の自由」はあるのか、という「問いかけ」は切実だ。(2003年12月)
 
 
聖なる魂 現代アメリカ・インディアン指導者の半生」
(デニス・バンクス、森田ゆり 共著、1999年第2刷、朝日文庫、680円)      
おススメ度 ☆☆☆
・・・軍隊を除隊になったアメリカ・インディアンの若者は、アルコール中毒になり、犯罪者として刑務所に収容される。その若者デニスが、アメリカ・インディアンの権利回復・差別撤廃に立ち上がる。5年にわたるデニスへのインタビューを経て、ほとんど日本には知らされてこなかった現代アメリカ史が生まれた。アメリカの実像を知るためにうってつけの本です。                    (2003年10月)
 
 
戦争をしなくてすむ世界をつくる30の方法
(平和をつくる17人【著】 田中優+小林一朗+川崎哲【編】2003年8月第1版、合同出版、1300円)
おススメ度 ☆☆☆
 戦争への道をなんとか止めたいと思っているあなたへのオススメの本。
 皆が戦争に反対しているわけではない。「戦争する動機」、「戦争を支持するしくみ」が、生活の中に張りめぐらされている。これを逆手にとって、「できること」を考える。
 本当にカシコイ世代が登場した、ということが実感でき、未来への希望がわく本。
                             (2003年9月)
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窒息するオフィス 仕事に強迫されるアメリカ人」  
 (ジル・A・フレイザー/森岡孝二訳、岩波書店、2003年5月第1刷、2300円)
おススメ度 ☆☆ (少し長い)
 80年代以降のアメリカ大企業で行われたM&A、リエンジニアリング、リストラは、一体、職場をどう変えたのでしょう。これらは大企業のホワイトカラーに、何をもたらしたのでしょう? 日本のマスコミではほとんど伝わらなかった実態が、この本でわかります。さらに、終章では「ホアイトカラー『搾取工場』から抜け出す道はあるか」として、いくつかのサジェスチョンもあります。
                            (2003年6月)
 
戦争中毒 アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由」  
(ジョエル・アンドレアス/きくちゆみ監訳、合同出版、2002年10月第1刷、1300円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・「自由の国 アメリカ」、「日本のモデルとしてのアメリカ」の実態が、多くの人に気づかれ出している。「アメリカ」とは本当はどんな国か、を知るための絶好の1冊。
 また、そもそもアメリカの市民がアメリカの実態を知らないようなので、この監訳をしたきくちさんらが中心となって、「『戦争中毒』を認知させる会」を立ち上げ、「◇アメリカの学校と図書館に『戦争中毒』寄贈大作戦◇」を展開している。ぜひ、次のHPにもアクセスを!!
http://www.peace2001.org/gpc/gpc_main.html#ninchi
                             (2003年1月)
 
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長期停滞」 (金子勝著/ちくま新書、2002年9月第3版、680円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・「不況」の現在は、長期的にはどのような時代なのか? 1929年以来の「世界同時不況」とは? アメリカの知的植民地である「日本」の言論では、いまだ市場原理主義が幅を利かしているが、このもたらすものは何か? 竹中と小泉は日本を奈落の状態に落ち込ませてしまう。 「信用」を制度的に保障することが今求められている。
                            (2002年11月)

ノーム・チョムスキー」
 (ノーム・チョムスキー著、監修 鶴見俊輔/リトル・モア、2002年9月第1版、1000円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・2002年3月から5月にかけてのチョムスキーの講演やインタビューがある。「事実」を知ることの大切さ、アメリカの持つ2重基準の傲慢さとあくどさがわかる。この2重基準は、日本にも当てはまる。
                             (2002年10月)
 
アメリカが本当に望んでいること」
 (ノーム・チョムスキー著、益岡賢訳/現代企画室、1994年.6月第1版、1300円)
おススメ度 ☆☆☆
・・・この本は、第2次世界大戦後、湾岸戦争までアメリカが、本当は何をやってきたかを、具体的に示している。同時に、アメリカのマスコミの実情もわかる。下に紹介した「9・11」と一緒に読むと、「悪の帝国」 は本当に存在することがわかります。
                             (2002年2月)
9.11 アメリカに報復する資格はない!
 (ノーム・チョムスキー著、山崎淳訳/文春文庫、2002年9月第1刷、562円/2001年11月、文芸春秋単行本)
 おススメ度 ☆☆☆
・・・毎日新聞の2001年12月2日の書評に、この本が紹介されました。
この本の訳者、山崎氏は「あとがき・解説」で「20年間ほど毎週欠かさず『タイム』や『ニューズウィーク』を読んでいた」が、アメリカについて「本当のことは何も知らなかったのである」と、述べています。もちろん、私もアメリカについて、本当に大切なことをほとんど知らないことを痛感してしまった。それにしても、判断の「材料」である「知識」は重要ですね。
この本については、池澤氏も asahi.com の中で「テロ国家」(12月5日)で少し触
れています。
http://www2.asahi.com/national/ny/ikezawa/index.html
相当、オススメの本です。                (2001年12月)

 
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戦争がつくる女性像」
 (若桑みどり/ちくま学芸文庫、2000年1月第1刷、950円)
おススメ度 ☆☆☆
 ・・・日本の第2次戦争中、日本の「母」たちは、どのように戦争と向き合っていたか?母たちは、「被害者」だったか?それとも戦争を応援するチアガールだったか?
 戦時下で160万部を発行していた「主婦之友」の絵画作品を分析し、衝撃の事実を浮かび上がらせる。(1995年単行本として出版)
                             (2002年9月)
 
仕組まれた 9.11 アメリカは戦争を欲していた」
 (田中宇/PHP、2002年4月第1刷、1400円)
おススメ度 ☆☆☆
 ・・・「突然アメリカの中心部を襲った」ことになっている9.11事件。しかし丹念に世界中の報道を追っていくと、この事件がアメリカ中枢部の「自作自演」であることがわかる。また、アメリカや日本のマスコミが政府の広報機関になっていることもわかる。
田中氏のHPもお勧め:http://tanakanews.com/         (2002年4月)
 
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教育改革の幻想」
 (苅谷剛彦/ちくま新書、2002年1月第1刷、700円)
おススメ度 ☆☆☆
 ・・・2002年度からの「新学習要領」が実施される。これはなにをもたらすか?
 データに基づかない文部科学省の教育行政は、このままでは日本の「公教育」を崩壊に導くだろう。教育関係者や子どもを持つ人は必読です。文部科学省の宣伝やマスコミの「よいしょ」を信じていたら、とんでもないことになる。     (2002年2月)
 
 
規制緩和という悪夢」
 (内橋克人とグループ2001著/文春文庫、2002年1月第1刷/単行本1995年5月文藝春秋社/467円)
おススメ度 ☆☆☆
 ・・・世に言う構造改革の大きな柱は、「規制緩和」だ。しかしこれがなにをもたらすかは、ほとんど知られていない。アメリカの実例、日本の実例をもとに、規制緩和が、一部の者にとっては利益だが、働く者にとっては「地獄」をもたらすことを示す。
                              (2002年2月)
 
ファーストフードが世界を食いつくす」
 (エリック・シュローサー著、楡井浩一訳/草思社、2001年9月第9版、1600円)
 おススメ度 ☆☆☆
・・・ファーストフードといって何を想像しましたか? やはり「マック」がこの本で扱われています。しかも、この本は、立派な70年代アメリカ史となっています。意外なアメリカの姿がこの本でわかります。         (2001年12月)
  次のサイトにもいい紹介があります。
   http://www.green-web.ne.jp/conten/books/book0110.html
 
 
メディア・リテラシー  ー世界の現場からー」
 (菅谷明子著/岩波新書、2000年8月第1版、660円)
 おススメ度 ☆☆☆
  ・・・私たちが生きていく上で「最も身近な環境」ともなっているメディア。
  メディアの洪水のもと、私たちの社会の見方が「特定の窓」にはめられているのでは  ないか。メディアのつきあい方、そして私たちが創るメディアについて、著者は、イ  ギリス、カナダ、アメリカの現場を取材する。著者の5年間の取材、30個に及ぶ段  ボール箱の成果が、この660円、230ページの本にある。
  「ナント、お得なんだろう」。
  あなたもこの本を読んで、メディアの達人になり、自分で「発信」をしてみませんか。
                             (2001年9月)
 
定常型社会 新しい「豊かさ」の構想」
 (広井良典著/岩波新書、2001年6月第1版、700円)
 おススメ度 ☆☆☆ 
 ・・・「定常型社会」、聞き慣れない言葉だが、その意図は壮大だ。
 過去200年間の「拡大・成長」をめざした世界のあり方を越え、21世紀に持続的に
 存続できる社会が「定常型社会」だ。
 それは個人の生活保障(機会の均等=潜在的自由の保障)がしっかりとなされつつ、
 長期にわたる存続可能な社会、「持続可能な福祉国家/福祉社会」がめざされている。 現代の日本の「見取り図」としても大変、有効だ。
                           (2001年8月)
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『つくる会』教科書はこう読む!
 (上杉聡、君島和彦、越田稜、高嶋伸欣著/明石書店、2001年6月第1刷、1000円)
  おススメ度 ☆☆☆
  ・・・「つくる会」の教科書の問題点を、指摘しながら歴史の勉強にもなります。
  また、余り指摘されていない「つくる会」の「公民教科書」の問題点もよくわかる。
ここまでひどい!『つくる会』歴史・公民教科書
 (VAWN-NET ジャパン編/明石書店、2001年6月第1刷、1000円)
  おススメ度 ☆☆☆ 
  ・・・最初の見開き部分にアジア一帯での「慰安所マップ」があり、日本軍のスザマジサに唖然とくる。一番最後の見開きに、「もっと知りたいあなたのための文献・ビデオガイドあり、親切。
〜〜 〜〜 「つくる会」の2册の教科書、特に「公民」を読んでみると、この教科書を広げようとしている人々、またこれを検定で通した現在の政府は、本気で日本を戦争の出来る国にしようとしていることがわかる。本当に、本気だ。〜〜 〜〜
                            (2001年7月)

 
ポスト大企業の世界」
 (デビッド・コーテン著/シュプリンガー・フェアラーク東京、2000年6月、2200円)
 おススメ度 ☆☆☆
  ・・・私は、この本を読むまでは、「資本主義=市場経済」と考えていた。
   この本は「市場と資本主義とは互いに相容れない経済システムである」と指摘する。
   生活を破壊しているのがグローバル資本主義であり、この資本主義に「えさ」を与
   えず、どう自分たちを成長させていけるか、具体的なノウハウもあります。 
   21世紀を迎えて、その道しるべともなる画期的な本です。
 
森をつくる人びと
      (浜田久美子著/コモンズ、2000年7月第3刷、1800円)
 おススメ度 ☆☆☆
  ・・・日本の国土の約3分の2をしめている森林、しかし現在森林は必要な手入れが     入らず、荒れている。どう再生できるのか?
     実際「森づくり」を始めた市民の姿に、「生きる」意味が浮かび上がる。
     この出版社コモンズは、いくつかいい本を出しているなぁ。(2000年9月)
 
複雑系」(M・M・ワールドロップ/田中、遠山訳、新潮文庫、930円)
  おススメ度 ☆☆ (少々科学的知識が必要)
  ・・・今回文庫で初めて読んで、数年前、単行本の時に読めば良かったと少し後悔。
     経済学、物理学、生物学、コンピューターなどの最前線に多くの影響を与え
     た考え方。各分野の一流の人の生育をたどりながら、人物を通じたアメリカ
     の歴史ともなっている。
                               (2000年7月)
 
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東大で上野千鶴子ケンカを学ぶ
           (遙洋子著/筑摩書房、2000年3月第5刷、1400円)
  おススメ度 ☆☆☆
  ・・・この本が100万部売れたら、日本社会は変わる?
    「ゼミにおばーちゃん現る」の部分に遙にゃんの深い人間理解を感じた。 
    また、タレントの厳しさもわかる。
                          (2000年4月)
 
コリアン 世界の旅」(野村進/講談社、1997年8月第15版、1748円)
  おススメ度 ☆☆☆
  ・・・第28回大宅壮一ノンフィクション賞、第19回講談社ノンフィクション賞を同時に受賞した作品、読んで納得。読んだ前と読んだ後とでは、世の中が違って見えます。
                            (2000年4月)
 
カルト資本主義」(斉藤貴男著/文藝春秋、1997年9月第4刷、1714円)
          → 2000年6月に文春文庫(667円)で登場
  おススメ度 ☆☆ (少々学問的)
  ・・・マインドコントロールは「おうむ」だけの専売特許ではなかった。
    京セラ、ソニー、EM菌、「百匹目の猿」の船井、ヤマギシ会との共通点は?
    そして「一体誰が誰を支配しよう」としているか? 
                            (2000年3月)
 
プライバシー・クライシス」(斉藤貴男著/文春文庫、1999年1月第1刷、720円)  おススメ度 ☆☆ (少し漢字が多い)
  ・・・国民総背番号制は何をもたらすか?コンピュータの発達,ICカードの意味?
  市民は国家の「コマ」か、それとも国家は市民のためにあるのか?
                               (2000年3月)
 
 
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