3月14日 Cordoba → Sevilla

朝6時前に目が覚めてしまう。当然、外は暗い。睡眠は十分とはいえ、足がかなり痛い。歩き疲れたせいだが、なんだか頭も痛い。持ってきたバファリンを飲む。効能に筋肉痛にも効くと書いてあるが、ホントに足の痛みも和らいで頭もスッキリー!シャワーを浴びてテレビをつける。ここでも日本のアニメが!永井豪の「グレンタイザー」を見る。例によって主題歌以外、全部スペイン語。でも、何となく内容はわかった。他にも「キャプテンフューチャー」という、自分が幼少の頃のアニメもやってたのだが、どうしてこう、古いアニメばかりなん?

噴水

あるか猿
上下:どちらもアルカサル。よく手入れされている。

だいぶ外も明るくなり、時報のギターの音も鳴り始めた。今日は昨日見ることのできなかったコルドバのアルカサルを見に行く。ガイドによれば、その昔キリスト教時代の王の宮殿で、異端審問の宗教裁判所だったそうだ(恐)。とはいえ、今は美しい庭園だ。オレンジやレモンが木にこれでもか、というくらいたわわに実る。落ちた果実もたくさんあるけど、掃除の人たちがさっさと掃いて片づけてしまう。誰か拾って食べない?

CC檸檬 よく手入れされた植木
左:わかります?レモンがこんなにもたわわに木になってるのが。 右:よく手入れされた植木ですね。

アルカサルを後にし、コルドバ駅へ。ここからさらにAVEでセビージャへ向かう。1241分発で125分着、所用約45分。スタンドで「ボカディージョ」を喰う。これは、フランスパンにハムとかチーズをはさんだ一般的な軽食でぅまぃ。

コルドバ駅
コルドバ駅。噴水が涼しげでした。

セビージャ・サンタフスタ駅に着く。一般的には「セビリア」「セビーリア」などと呼ばれるが、発音的には「セビージャ」らしい。そんなことはどうでもよぃ位、ここも天気が良い。気温も高い。けれども、汗はあまりかかない。長袖の人もたくさんいる。湿度が低いせいか、半袖じゃなくても快適なのだ。しかし3月でこの気温なら7,8気温って・・・・

サンタフスタ駅

駅前
上:セビージャ・サンタフスタ駅。近代的。 下:気温は3月でも28度です。

セビージャで目指さなくてはならないのは、サンタ・クルスという旧市街。駅からは歩けない距離ではないので歩く。地図とコンパスを頼りにひたすら南西の方角を目指せばよい。駅からの道は、近代的なビルが並ぶ(都会だー)。しかし、サンタ・クルス街に入ると風景は一変する。いかにも、スペインという感じの、白い壁の家々、迷路のような石畳の路地。コルドバのユダヤ人街もそうだったけど、まるで映画の舞台のようなところに迷い込んだようだ。さすがにここでは地図と格闘していると余計混乱しそうだ。とにかく歩いてみる。と、道端で一人の老人に声をかけられる。「フラメンコを見たいか?」というようなことを言ってるらしい。詳しく聞くと、どうやらフラメンコのチケットを売ってくれるらしい。直ぐに気づいたのだが、老人が待っていた場所はアンダルシアで一番有名なタブラオ(少なくとも本にはそう書いてある)、"ロス・ガジョス"の前だったのである。チケット売り場に行くからついておいでと言ってるようなのでついていく。着いたところは、とあるホテルのフロント。夜9時からのチケットを買う。3500pts1ドリンク付き。なんか、探す手間が省けたぞ。ラッキー、か?

ヒラルダのとう 噴水
左:ヒラルダの塔が見える。右:サンタ・クルス街の一角。

チケットを買ったはいいが、宿がまだだ。サンタ・クルス街を歩いてみる。一軒のオスタルを発見。早速空き部屋がないか聞く。自分「ティエネ ウナ アビタシオン リブレ?(空き部屋ある?)」親父「コンプラト」。即ち満室である。歩いてくるうちどうしても背中が重くなってくる。。。やがて、細い路地に一軒のオスタルを発見。早速聞いてみる。

ヒラルダのとう

馬車
上:ヒラルダの塔は、遠くからも結構見える。 下:馬車がたくさんいた。

・・・空き部屋はあった。ここで2泊する事にしよう。お金を払おうとすると….9000pts。結構高いじゃん。一日4500ptsって一つ星にしちゃあ風呂・トイレ共同だし…。でももう疲れてる。いっか〜、とベッドに倒れ込む。

パエーリャ  
左:パエリャ 中:白い壁の家々。僕の歯もなぜか白い・・・? 右:なんだか映画の中のような路地

荷物から解放され、夕方の街を歩く。歩くうちにだんだんサンタ・クルス街の道がわかってきた。腹が減ったので適当な店に入ることにする。定食が書いてある店があったので決意して入る。メニューが出されるが、ようわからん。ウエイターに、表の看板に書いてある定食と言ったはずなんだけど…(後から分かったことだけど、1皿目、2皿目それぞれ何種類かの中から選べたようだ)。待っているうち、ウエイターが注文を聞きに来た。結局よく分からないのでウエイターの言われるままに。「パエリャ?」「パエリャ!」「セルベサ?」「セルベサ!」「フラン?」「フラン!」。結局食べたものは、パン、パエリャ、イカ、サカナ、チキンのフライ、ビール二杯(セルベサ)、プリン(フラン)であった。どれも美味しい。特にビールは疲れた体にあっという間に吸収され、フラフラになって宿へと戻ったのである。フラメンコの時間まで一眠りすることに。ダイソー目覚ましをセットして眠る。

ole!

目覚ましに起こされる。まだ寝ていたかったが、ショーの時間だ。セビージャでも夜は寒くなるので上着を羽織って外へ。ロス・ガジョスへの道は昼間に覚えておいたので迷わずに着く。夜9時前ばっちりで中へ。タブラオの中は色々な国の観光客が集まる。例に漏れず日本人もいる。ここまで来て日本人と話すのも、と思いきや店の人に日本人の隣の席を案内される。余計なお世話っちゅうねん。さて、自分のような一人旅でここへ来ているような人は見受けられず、正装で来ている人が多い。雰囲気もアダルトーな感じ。かたやこっちはいかにも学生って格好。まぁしょうがないけど…。

クライマックス!
立って手をたたきながら唄ってるのがカンタオール。真ん中のがバイラオーラ。後ろにはギタリスト。

いよいよショーが始まる。まず、3人のギタリストが登場。軽くトリオでギタープレイを聴かせる。続いてカンタオール、バイラオーラの皆さんが登場。ギターの伴奏でカンタオールが唄い、バイラオーラが踊る。フラメンコは、唄、ギター、踊りの3つが揃って一つであると聞く。バイラオーラの踊りはさすが本場(と言っても見るのは初めてだけど)、流麗かつ情熱的だ。バイラオーラが靴を激しく踏みならす。カンタオールの手拍子が激しくなる。ギターも一層激しく鳴る。バイラオーラが最後に決めのポーズをした瞬間、拍手が鳴り響く。次々と違うバイラオーラが登場し、それぞれ得意の踊りを披露する。最後は何人ものバイラオーラがステージに上がり、いつの間にやら楽しげな雰囲気に。そしてあっという間に2時間が過ぎた。初めて見るフラメンコだったけど、もし日本でも機会があれば足を運びたい。さて、フラメンコを楽しむにはやはり唄の内容がわかるようになるべきだと思った。どうしても踊りの方ばかりに気が行ってしまいがちだけど、あの唄の歌詞がわかればフラメンコは何倍も楽しめるはずだ(能の謡を理解せよと言うのと同じで、まずは言葉を知らないとどうにもならないか・・)。

タブラオの外へ出るとタクシーの列。11時を回ってるし、気をつけないと。足早に宿へ戻ろう。途中のバルでコーラを二本飲んで、寝た。

(フラメンコを見せるタブラオでは、通常は9時の早い時間からショーは始まらず、もう少し遅い。そして深夜までショーは続くのだが、メインの踊り手は最後に登場する。居眠りする人はいいショーを見逃すことになるのだ。ロス・ガジョスは観光客向けなのか、入れ替え制でショーの始まりも早い。しかし出演者は一流で純粋なフラメンコを見せる店と聞いた。)

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