3月12日 Madrid → Valladolid


ホテルの窓から撮った。

3月12日、日曜日。あんなに疲れていたのに、目は早く覚める。まだ午前7時前、空はまだ暗い。日本の夜明けよりも遅い。シャワーを浴び、気分をリフレッシュする。おもむろにテレビをつけると、どこかで見たようなアニメ…「魔法使いサリー」である。しっかりとスペイン語に吹き替えられていけど、間違いなくそうだ。やはり日本のアニメは世界に通用する立派な文化と言うことか。しかし、何を言っているのか全くわからん。スペインの子供達に、日本のアニメの感想を聞きたい。

トレドの門
トレドの門。市の中心からはちょっと離れる。

空も明るくなり、朝食をとることにする。確か昨日フロントで朝食付きと言ってたはず。パン、ハム、チーズを胃袋に詰め、ホテルを後に。マドリッドは快晴。日曜日ということもありプエルタ・デ・トレドから程近い道沿い、広場でいろんな露店が出ている。それを横目に駅を目指す。駅で同じくらいの年齢とおぼしき日本人に話しかけられる。地下鉄の切符の買い方を聞かれたのだが、その人はモロッコ(アフリカ)からスペインに渡ってきたらしい。

バリャドリッド行きの列車は、レオン行き11時30分発に乗る。初めて乗るスペインの列車、そしてその車窓はとても雄大だ。日差しもいっそう強く、何処までも青空が続く。

案内図駅前にあるバリャドリッドの地図。川を渡って東のはずれにサッカースタジアムはある。

バリャドリッドに着いたときは午後2時をまわっていた。列車を降り、駅を出ると、マドリッドとは違いずいぶんと物静かな印象を受ける(観光地じゃないからね)。さて、やることは2つ。サッカースタジアムを探すこと、それと泊まる宿。駅前の地図でサッカースタジアムの場所は直ぐにわかった。街の中心からはかなり離れているものの、歩けない距離ではない。試合は午後7時くらいからだと昨日のサッカー狂の彼から聞いていたので、それまでに宿を確保し、チケットをとらねば。日曜だからか、駅前からの通りは人もまばら。また、店も閉まっているので少し寂しい気もする。ただただ、太陽は容赦なく照りつけるのだが。















噴水
駅前からまっすぐ歩けばこの噴水にたどりつく。とても涼しげ。

駅前通りにも宿はあったのだけど、そう安易に決めるのも芸がないと思い、街の中心を目指す。しかし、間もなく迷う。自分がいったい何処にいるのか?あっちへ行ったりこっちへ行ったり繰り返しているうち、背中の荷物がだんだん重く感じられてきた。腕につけたコンパスを頼りに、駅があると思われる方角を目指す。途中、おばさんから声をかけられる。多分、サッカーを見に来たのかい?という旨のことを言っていたのだと思う。「もちろん!」。

なんとか駅に戻ることはできたが、また振り出しに戻ってしまった。いい加減に歩いていてはだめだと悟る。今度はさっきと別の地区を目指し歩き始める。

カテドラル
フラフラ歩いてたら偶然たどり着いたカテドラル(大聖堂)。

しかし、なぜかホテルなど全くない通りだ。強い日差しを避けるべく、日陰を選んで歩く。やはりさっきの迷った地区の方が宿があったかもしれない…そう思い始めても今さら戻る気にもならない。そのうち、スタジアムへ向かう道に出てしまった。そこで一旦駅の方面へ引き返す。街の中心からは離れてきたからだ。足の疲れが出てきた頃、長距離バスの乗り場を発見する。さらに少し歩くと、ホテルが見えてきた。もうここしかない…高くても…そう思い、決心してフロントへ。片言のスペイン語で空き部屋を尋ねたが、英語で対応してくれた。空き部屋があるという。値段も7490pts、見かけほど高くない(円高のせいもあるのでそう感じる)。

結局、寝床を確保したのは午後5時前だった。軽くシャワーを浴び、スタジアムへ向かわなくては。荷物から解放されて着替えて再び歩き出す。気温は24℃。スタジアムへは予想以上に歩いただろうか、しかし、スタジアムの建物に近づくにつれて足取りは軽く、早くなる。チケット売り場を探すべく、ぐるっと周りを1周する。

スタジアムレアル・バリャドリッドの本拠地スタジアム。

偶然か必然か?昨日の彼と再会する。さらに京都からやってきたという3人組の大学生たちとも合流する。周りにも日本人は多い。遙々日本より城を一目見ようと集まった人たちばかりだ。少し前まで、このバリャドリッドに大勢の日本人が来るなど誰が予想したろうか?もちろん、彼は日本国旗を持ってきていた。チケット売場に並び容易にチケットは手に入った。3800ptsの席を取る。いったいどのあたりの席なのかはよくわからないが、彼と同じ選択と言うことで間違いはないだろう。スタジアム近くのマクドナルドで腹ごなしをする。開場までスタジアム外で待っていると、選手の乗ったバスが来たようだ。あれに城が?皆で追いかける。しかし、バスに追いついた頃には選手たちはスタジアムの中。遅かったか。

PUCERA
"PUCELA"って何?サポーターがしきりに叫んでたけど。

それにしても、地元の子供たちの城選手人気も相当なものだ。我々日本人を見るやいなや、"Sho-Ji-Jo"の大合唱である。テンション高まるわぁ。開場時刻になったようなので、スタジアムに入る。暫くして、選手がウォーミングアップのために現れた。キックオフは午後7時30分とのこと。全席指定だけど適当に席をみんなで陣取る。しかし、どんどんお客さんが現れ、そこは私の席だ、と言われ移動を余儀なくされる。う〜ん、いいじゃん。全部埋まらないんだから。結局、自分の席の近くで見たのだが、最前列の方だから選手の顔までよく見える。ビールを買いキックオフを待つ。

練習風景練習風景

キックオフ寸前キックオフ寸前

予定通り7時30分にキックオフ。騒がしいスタジアムもこの瞬間だけは静まり返る。緊張の一瞬。合図と共に試合開始、場内はまた一気にどっと沸きかえる。客席で勝手にホイッスル吹くおやじとかいるし・・・。今日の対戦相手は、アトレティコ・デ・マドリッド。この試合(レアル・バリャドリッド対アトレティコ・デ・マドリッド)は日本のBSでも放送されたので見た人もいるかもね。結果は1-0でレアル・バリャドリッドの勝ち。途中、雨が数滴降ってきたけど試合には全く影響なし。地元チームの勝利でスタジアムは最後まで熱狂の渦だったのだ。

JO
真ん中の選手が城です。非常にわかりにくいですが・・・・・

試合終了後、前出のサッカー狂の彼は城が出てくるのを待つという。それにつきあって出口で待っていたのだけど、待てど暮らせど出てくるのはアトレティコの選手ばかり。遅いと思いつつ中から出てきたサンスポの記者らしき人に彼が尋ねると、どうやら城は自分の車で帰ってしまったとのこと。う〜んうまくはぐらかされたような。スタジアムを後にしたのはもう午後10時をまわっていた。町まで歩いて帰り、バーガーキングで喰って彼と別れる。長〜い1日やっと終わる。明日はコルドバに向かうつもり。

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