3月10〜11日 Kanazawa → Madrid

3月10日、金曜日。金沢駅前より夜9時30分発の成田行き高速バスに乗る。バスの中では殆ど眠れず。バスに限らず、あらゆる乗り物の中で寝るのはなかなか難しい人なんで。案の定寝不足のまま3月11日、朝8時成田空港到着。チェック・インを済ませ、10時55分発、ドイツ・フランクフルト乗り換えのルフトハンザ航空LH711便でマドリッドを目指す。

機内では、左隣には出張でドイツに行くというサラリーマンと右隣には偶然同じスペインへ行くというサッカー狂の大学生。彼はスペインでサッカーを見るという。なんでも、明日(日曜日)バリャドリッドで城 彰二が出場する試合があるという。(そのためにわざわざ彼は日本国旗を持ってきていた!)因みに僕はサッカーは殆ど興味が無いというか、ルールさえも疎い輩です(殴)。でも遙かスペインの地で単身頑張っている日本人の姿には非常に興味を惹かれるものがあり、急遽、予定を変更。明日はマドリッド北西にある街、バリャドリッドを目指すことにしよう(おぉ、これこそ一人旅の良さというものだ)。

機体は順調に離陸、飛行する。窓の外の日本はどんどん小さくなってゆく。やがて、窓の外にはロシア・シベリアの凍てつく大地が見えた。高度は10000m、外気はマイナス65℃くらいという。恐ろしいところにいるものだ。しかし、そんなことにもいちいち驚いていられない。旅はまだ始まったばかり。しばらくし、機内食が配られる。味はよい。某アジア系の航空会社の機内食は喰えたものではないと隣の彼から聞く。飲み物に白ワインをいただく。おいしいのでつぎ足して貰う。しかし、これが今回の旅の中で一番のピンチの引き金になろうとは。食後機内は、仮眠のために暗くなり、乗客の殆どは仮眠をとる。しかしここでも眠れるはずがない。ほどなく、ものすごい吐き気に襲われる。耐えられずにスチュワーデスに助けを求む。足を高くして床に仰向けに寝させられ、酸素吸入させられる。おかげで気分は良くなった。結局吐くことはなかったけど、昨日の睡眠不足と飛行機の揺れ、それにアルコールが加わってとんだ目にあったのだ。なわけで、飛行機内ではもう酒は飲まない!!!(泣)


経由地、ドイツ・フランクフルト・マイン空港。左に停まってるのがLH711便。

約10時間の飛行の末、フランクフルト・マイン空港に到着する。ここからスペイン・マドリッドのバラハス空港までの便は約一時間の待ち合わせ。先程のサッカー狂の彼と行動を共にする。ドイツの現地時間で午後4時50分発。しかし、実際は出発時刻が朝の11時頃でそれにプラス10時間だから、自分の中ではもう夜中。しかし、もうひとがんばりしなくては。LH4278便でいざマドリッドへ。約2時間のフライトである。さすがにこの便になると、日本人の数はぐっと減る。周りはホント、ヨーロッパの人たちばかり。東洋人の自分がまさに「外人」になっている。さて、機体はいよいよ着陸態勢に入り、スペインの風景が見えてくる。ついに来た。遙か彼方までやってきたのだ!という印象をひしひしと受ける。マドリッドの時刻は午後7時20分頃。まだ空は少し明るい。

空港は意外にも静かだった。もう夜だからか?とりあえず、両替をしないことには何も買えない。日本で用意したトラベラーズ・チェックを20000円分換金する。レートは100ペセタ(pts)≒67円というところか。手数料で1000ペセタ取られる。でも数年前よりはだいぶペセタ安になったのではないか?しっかし、両替所のオヤジ、まるでやる気なしの様子。小銭くれって言ってもくれないし…。

さて、空港から市街まで行くには?実は、空港からマドリッド市街まではバスが出ているのだが、その乗り降り場はスリが狙っていることで有名らしい。これはどのガイドブックにも書いてあるみたいだけど、じゃあタクシーを使う?それも高い。ぼられるかもしんないし。どうしようか迷いつつ空港の出口を出て驚いた。市街まで地下鉄が通っていたのである。これは、つい最近できたものだろう。すごくきれいだ。しかーも!何処まで乗っても135pts。これは利用しない手はないと思い、一か八か乗り込む。一日目の宿は予め日本から予約しておいた。場所は、プエルタ・デ・トレドというマドリッドの中心からやや南西の方角に位置するため、数回の乗り換えを要した。しかし、路線図さえしっかり見ていれば乗り換えは容易だ。途中で、サッカー狂の彼とは別れる(彼は、ユースホステルを目指すらしい)。何事もなく地下鉄の駅を出ると、すっかり日は降りていた。そして、初めて目にするスペインの街の風景が目の前に広がった。ついに来たんだ…(またかょ)。もう既に自分の中の時計では午前様で爆睡したい時刻である。しかし、足取りは軽やかだ。貰った地図を手に、宿を探す。あった!もう一刻も早く布団で眠りたい!フロントへチェックインし、部屋へ。

ん、電気がつかないじゃないか!スイッチらしきものはいろいろいじってみるのだが、全くの暗闇だ。速攻、フロントへ。もちろん、言葉の自信なし。片言の英語、ジェスチャーで伝えようとする。何とかわかってくれたようだ。どうやら、キーと一緒に付いてるプラスチックのカード片をどっかに挿すらしい。と、そこへスペイン人とおぼしき女性が登場(多分宿泊客だと思う)。なんと日本語で話しかけてくれた。もう、電気のつけかたはわかったんだけど、なんとフロントの人と通訳をしてくれたのだ。ありがたや〜。今回の旅で日本語を話したスペイン人は、この方ともう一人、あとに出てくるオヤジだけだったんですが。電気のついた部屋でシャワーを浴びる元気もなく、ぐったりする。ほどなく爆睡。それも現地時間では午後9時過ぎだったけど、自分の中ではもう午前3時か4時くらいなのだから。

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