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2015/12/06 「人間は限りなく弱い」 マタイの福音書 10章 26節 「おおわれているもので、現わされないものはなく、 隠されているもので知られずに すむものはありません。」 杭データ偽装問題が、同じ会社のみにおさまらず、他の業者にも広がりを見せています。こうなると、マンションに住む者として人ごとでなくなり、何となく「うちは大丈夫かな」と心配になります。以前、帝国ホテル建築の時の話を聞いたことがあります。帝国ホテルはライトというアメリカの建築家によって建てられたそうですが、その基礎工事は大変なものだったそうです。地面を岩盤まで掘って土台を据えたので、工事関係者の苦労も経費も大変でした。しかし、労苦が報われる時が来ました。1923年(大正12年)9月1日、関東大震災が起きました。その時、東京の建物という建物はほとんど倒壊しましたが、帝国ホテルだけはびくともしなかったそうです。まさに土台がしっかりしていたからです。 では、偽装に加わった人だけを責めて良いかと言うとそうではないでしょう。仕事をする人のみならず、人はだれでも毎日ギリギリのところで生きていると思います。その中で、つい「これぐらい」、「こんなことぐらい」と言う誘惑に駆られることが多々あるのではないでしょうか?特に、会社などでは、何人かの人が(部署が)関係して仕事を進めていると思います。その中で、こんな事をしていたら、会社にとって取り返しの出来ない問題になると、何人かは気付いたと思います。それが大きな声にならなかった所に人間の限りない弱さ(自分を含めて)を覚えますが、不正はいつかあらわになります。みことばを恐れなければと深く思いました。 (文=松本俊雄 牧師) バックナンバーはこちらから |