広めよう この地に 賛美と福音の光

 今週のトピックス
2012/07/15
悲しみや苦しみの先にあったもの

 ルカの福音書 16章 25節

「アブラハムは言った。『子よ。思い出してみなさい。
 おまえは生きている間、良いものを受け、
 ラザロは生きている間、悪いものを受けていました。
 しかし、今ここで彼は慰められ、
 おまえは苦しみもだえているのです。』」


 今年も先週(7/8)、召天者記念礼拝が行われました。そのお一人お一人に深い思い出があります。特に今年は今から15年程前に召されたM姉の事が強く思い出されました。本当に困難な人生を歩まれた方で、精神的な弱さもある方でした。そして、どこまでも控え目で、謙遜で、自分の意見や思いを主張することは、ほとんどありませんでした。そして、何か意見を求めると、にっこり微笑んで、私はあまりわからないから、と答えていました。しかし、ある時、教会で「イエス様の再臨と新天新地」について話していた時、真剣な表情でハッキリと「早くイエス様が来て下さらないかしら」と私に言われました。その時、その方の人生の重さと辛さを改めて強く感じ本当に涙があふれました。

 それからほどなくM姉は30代で、くも膜下出血で突然召され、教会で葬儀が行われました。ご両親やご兄弟は、M姉の悲しみ多い人生を思い、若くして天に召されたことに本当に悲しまれていました。私もM姉の生涯を思い、慰めの言葉もありませんでした。しかし、今になって考えると、M姉の人生は若くして召されたことは残念でしたが、残された人々に(少なくとも私自身には)この世でどんな困難があっても、信仰によって天上の大いなる慰めと希望があることを語りかけ続けているように思い、大きな慰めになっています。
     

(文=松本俊雄 牧師)


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