72. 再びスペインへ

私の旦那が勤める某家電メーカーは、勤続10年経つ

と1ヶ月のチャレンジ有給休暇がもらえる。彼は以

前からその休暇の時に英語の語学留学をして、ホー

ムステイを体験したいと願っていた。それなのに、

今年2月下旬頃彼の夢をかなえられる機会が訪れそ

うなのになっても、なかなか踏ん切りがつかないの

か中々手続きを始めない旦那にしびれをきらせた私

は、語学留学をするように旦那をプッシュした。い

つも自由にさせてくれているんだもの、夢をかなえ

させてあげたいと思って、飛行機の手配をしてあげ

たりしたので何とか彼は夢を実現することが出来た。

もうすでにお分かりの方もおられるだろうが、本心

には旦那が留学すれば私も大手を振ってスペインに

行けるという下心があったからだ。

こうして、今年は気兼することもなく渡西すること

に成功した。

というものの、渡西予定日の1週間前になっても飛行

機の予約が取れず、かなり焦ったのも事実だ。今年は

飛行機の予約が遅かったことと、大学生の卒業旅行

シーズンと重なって、さらにテロの影響で下火になっ

ていた海外旅行が復活したので、どの路線も満席で

キャンセル待ちするしか手段はなかった。渡西予定の

5日前にやっとロンドン経由のJAL便が取れた時はど

んなに嬉しかったことか!

さて、1年ぶりの海外旅行で驚いたことは、JALのエ

コノミークラス全席に液晶モニターがついていて、

飛行中は映画がずっと上映されている上、テレビゲー

ムまでついていて、サービスがアップグレードしてい

たことだった。後で旦那にそんなの今じゃ常識だと

バカにされたけど、とにかく快適だった。

予定通りロンドンに着くと、ロンドン市内でロンド

ン在住の友達と待ち合わせをしていたので、私は急い

で入国手続きのカウンターへと向かった。ロンドンの

入国手続きは時間がかかることで有名だけど、今回の

待ち時間は半端じゃなかった。ものすごい長蛇の列

で、ここを通過するだけで1時間以上もかかってしま

い、友達を待たせている身にとってはとてもつらい

待ち時間だった。何とか無事入国を済ませても、

ヒースロー空港はとても広く、地下鉄の駅までかな

り歩かなくてはいけない上、さらに市内まで40分く

らいかかるので、友達にやっと会えた時にはぐった

りと疲れきってしまった。海外では、日本と同じ時

間の感覚で行動をするのは心臓によくないと、何度

も実感する。

そんな疲れた私を元気づけてくれたのは、大学時代

の親友のロンドンでの活躍話だった。ほんの一晩だ

けの短い時間しかおしゃべりできなかったけど、親

友が頑張っている姿を見ると、こちらまで元気になっ

てくる。

ロンドンで英気を養った私は、翌日の早朝、ロンド

ンからマドリット経由でヘレスへと飛んだ。

ヘレスの空港には友達の家族が迎えに来てくれてい

て、今回の滞在先である彼らの家へと連れて行って

くれた。

こうして、ヘレスでの生活がスタートしたのだった。

2002.04.04.

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