
61. レマ−テ
レマ−テほど、曖昧でいて重要な意味を持つ
言葉はないんじゃないかと思う。よく耳には
するけど、どういうものかはっきり説明を聞
いたことがない。
私が最初に知ったレマ−テは、歌の間に入る
パソだった。このレマ−テを直訳すると、終
わりを意味する。つまり、もっと別の意味も
持っているのだ。それは、歌が終わる時に踊
り手が一緒にぬけたい時や、エスコビージャ
のリズムの盛り上がりを一度しめる時、リズ
ムの区切りの合図をだすのもレマ−テだと、
スペイン人アーティストから聞いたことが
ある。 スペイン人が振付けをしてくれてい
る時に、単語をよく聞いていると、歌が終
わってすぐ入るパソや、ジャマ−ダの前の
パソもレマ−テと呼んでいた。だから、こ
れがレマ−テだ、と定義づけるのは難しい
と私は思う。
また、ダブル(ドブレ)レマ−テという単
語もあって、これは一度ぬけたようにみせ
かけて、もう一度ぬけることを言う。
自分がエスコビージャを考えるようになっ
て、このレマ−テの重要性を実感している。
ただパソをつなぎあわせるのでは、リズム
が単調になってしまって踊っている自分で
さえ退屈してしまう。それを聞かされる人
は睡魔に襲われるだろう。そこでレマ−テ
の出番だ。しかし、ただレマ−テをもって
くればいいというものではない。その前の
リズムの流れが大切になってくる。それを
研究できるのが、ソロコンパスシリーズだ。
全てのCDに一流の踊り手の足の音が入って
いるので、何度聞いても飽きない。こんな
に素晴らしい教材は世の中どこを探しても
ないと思う。
さて、レマ−テが重要だと分かっても、きち
んと抜けられるようになるには時間がかかる。
自分では抜けているつもりが、ギタリストに
まだ抜けきれていないよ、と言われたことが
あった。レマ−テの練習だけで毎日1時間く
らいはしないと、と軽く言われしまったので、
その通り実行しようとしたけど30分もした
らヘトヘトになってしまって、それ以上は出
来なかったことがあった。すごいパワーを必
要とするからねぇ。パワフルに踊るためには、
やはり肉をたくさん食べてスタミナをつける
ことから!これ結構重要です(笑)。
2002.01.13.
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