60.リズム感を養うには

私は健康のために何となくフラメンコを習い始

めたのが、のめり込むと同時にリズムの大切さ

に悪戦苦闘することになった。そんな私のリズ

ム感改善練習方法の一部をこっそり(この場で

こっそりか?)公開しちゃいます。

習い始めの頃の第1関門は、リズムがきちんと

ハマらないことだった。特に苦手だったのは3

連符のパソと、リズムの切りかえ。これはテン

ポをかなり遅くしてメトロノームにあわせて練

習するのが一番効果的だった。テンポを遅くし

てリズムで聴かせるのは、踊るのと同じくらい

難しい。それからパルマを叩きながらパソを踏

むと、もっとリズムがよくなった。これはスペ

イン人アーティストの友達も練習すると言って

いたから、試しにやって欲しい。最初は難しく

て出来ないけど、出来るようになるとバックの

パルマが鮮明に聞こえるようになってくる。

第2関門は、ギターのリズムと微妙にズレたこ

と。原因は、ギターのメロディーを聞き過ぎた

ことにあった。耳できちんと聞こうとすると、

微妙にズレてしまう。これは、リズムをギター

に頼り過ぎているのも原因のひとつだ。フラメ

ンコを踊る時、踊り手である自分がリズムを

リードしなくてはいけないのだ。もちろん最初

からそんなことは出来なかった。まず自分で踊

りたいテンポや自分で踊れるテンポの限度を模

索した。マルカールや、ソロコンパスのエス

コ−ビジャに合わせてひたすら練習し、リズム

感を養いながら、身体も鍛えた。日常生活では

CDをたくさん聴いたし、パルマやカンテを習い

始めた。舞台の上では、踊り手を尊重してくれ

るバックアーティストに恵まれたお陰で、次第

に自分でリズムのコントロールが出来るように

なってきた。でも、まだセンティードを身体の

中できちんと持っていないので、これからも私

の重要課題のひとつとして稽古は続いている。

実を言うと第3関門もある。それはスペイン人

のリズムのうねりだ。リズムが揺れるのと勘違

いしている人がいるけど、ぜんぜん別物だ。ス

ペイン人と一緒に仕事をしたことのある人なら

どういう意味か分かると思う。私のリズムはメ

トロノームみたいでつまらない、リズムが生き

ていないと言われたことがある。これに関して

は只今修行中!この関門を突破するのに何年い

や何十年かかるかなぁ。それまでこの奮闘記が

継続されていたら、その時に書きます。

でも期待しないでね?!

2002.01.07.

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