
78. 衣装オーダーのトラブル
今年、ヘレスのある店で衣装をオーダーした。
最近、フィン・デ・フィエスタ用の腰から下にフリ
ルがたくさんついた衣装が欲しかったからだ。ここ
数年フリルがついていない衣装ばかりつくっていた
ので、そろそろフリル禁断症状(?)が現れたよう
だ。
どの店でオーダーするかすごく悩んだので、衣装を
仮縫いして私が帰国するまで完成できるお店にしよ
うと考えた。だから、店員にそのことを聞いてま
わったが、3月は4月のフェリア前でどこも忙しそう
だったので、もしかしたら無理かなぁという気がし
てきた。それがあるお店で、3月下旬までに完成で
きると言われた上、衣装の種類もたくさんあって、
生地を自由に選べ、袖の形や胸の形も自由に変えら
れるということで、そこで衣装を2着オーダーする
ことにした。決め手は、店員の親切な笑顔だった。
袖をノースリーブにしてとか、フリルは腰のこの
位置からとか、細かく注文したら嫌な顔をせず全部
書き留めてくれて、他に何か注文はありませんか?
ときめ細かいサービスに何だか安心してお金を全額
払ってしまった。
それから2週間たって、そろそろ仮縫いかなぁと期
待に胸を膨らませて店を訪れた。店はたくさんの人
で溢れかえっていて、店員も忙しそうにしていた。
私を見つけると「まだ衣装は来ていないので、きた
ら携帯に電話するからそれまで待ってね。」と笑顔
で言われたので、諦めて帰った。
それから待つこと1週間弱。まだ電話が来ない。もう
帰国まで1週間くらいしかないし、次の週はセマナ
サンタがあるから、お店がいつ休みになるか分から
ず、本当に仮縫いして私が帰国する前に完成できる
のか不安になってきた。次の日にお店に行ったら、
店員がいつもの笑顔でこう言った。「まだ衣装は来
ていないの。電話するまで待っててって言ったで
しょ?」「でもね、私が帰国するまでもう日にちが
ないの。本当に仮縫いして衣装は完成するの?」
「大丈夫よ。心配しないで。」
私はかなり不安になってきた。もしかしたら、だま
されているんじゃないの?と。そこで、友達のパキ
にこの件を相談した。そこから意外な事実を知った
のだ。その店は以前パキが働いていた店で、そこの
店長はかなり性格に問題のある人だということが判
明したのだ。
「Mari、あなたはだまされているのよ。来週は木曜
日からどこのお店も閉るから、水曜日の午前中に衣
装を受け取らないと、いけないのよ。あのヒリポー
ジャ(性悪女というすごい悪い言葉)はあなたが日
本に帰国することを知っているから、そのまま衣装
を渡さずに、お金だけもらってバイバイのつもりよ。
いいわ、月曜日にお店に行って私が文句を言ってあ
げるから。」
>>後編に続く
2002.05.23.
|