
このホームページを立ち上げてから、いろんな
人から相談のメールをもらう。留学の相談から、
かなりヘビーな人生悩み相談もあったりするか
ら、返事を書くのも気を使う。フラメンコカウ
ンセリングを始めたら、儲けられるんじゃない
の?というぐらい、その悩みは多く切実だ。そ
の中で、「フラメンコをやっていることが、つ
らいんです。でもやめられない。。」というメー
ルをもらうと、ふと自分の過去を思い出してし
まう。 それは、私がフラメンコを習い始めて
3年目くらいの、教室運営のお手伝いをしたり、
代教をしたり、先生の仕事で一緒に踊らせて
もらったりしていた頃のことだ。先生や友達か
らは頼られ、下のクラスの生徒達から信頼され、
中には私のことをあこがれの目で見る人も少
なくなかった。「Mariさんのファンです。」
なんて声をかけられると、最初は嬉しかったけ
ど、それがだんだん重荷になってきて、精神的
につらくなってきた。何かが違う、と感じてい
たけど、それを相談できる人が当時はいなかっ
た。 今考えてみると、フラメンコを踊れない
人間が、周囲からちやほやされて、でも本当は
何も出来ていない自分を知っていたから、恐
かったんだと思う。その当時の私は、今ほど
精神的に強くなかった。強そうに見えて、実を
いうと弱い部分をかなり持っていたから、かな
りつらかったことを今でも覚えている。
それから旦那の転勤でドイツに引っ越したので、
その悩みも自動的に解消された。でも、あの
時旦那の転勤がなかったら、自分はどうなって
いたんだろう?と今でも思う。
さて、フラメンコを楽しく続けるために、研究
生の立場からアドバイスをさせて欲しい。
その1. 先生を崇拝しない
尊敬は必要だけど、崇拝する必要はない。
先生は神様ではない、と分かった時のショック
は大きいから。立ち直るのも一苦労。宗教団体
のように、要求されたら何でも払うのはダメ。
先生が困っていたら助けるのは当り前だけど、
代教を無料奉仕でやるシステムは間違っている
から、やるなら必ずお金をもらう、お金をもら
う自信がなければやらないこと。その教室に
どっぷりつかればつかるほど、抜けられなく
なるから、なるべく一定の距離を保つこと。
その2. 他人と自分を比べない
上手な人と自分を比べて、覚えが悪いとか、
悲観的にならないこと。自分は自分と割り切
ること。出来なければ、出来るようになるま
で努力すること。友達がたくさんクラスを
取っているからといって、自分もそうしない
といけない、と思わないこと。
その3. 明確な目的を持つこと
フラメンコを習う目的をしっかり持つこと。
健康の為とか、視野を広げる為とか、ソロを
踊れるようになりたいとか、一生気長にフラ
メンコを楽しみたいとか、いずれ留学したい
とか、etc。。。目的が曖昧だと、自分の位
置が見えなくなり、不安になるから。
その4. 楽観的に考える
まじめになりすぎたら、絶対につらくなる
から、スペイン人のように楽観的になること。
焦らず、気長に。
その5. 依存しない
先生は自分を見てくれない、友達ばかり可愛
がる、他の教室に移りたいけどいい教室がな
い、etc。。。言い出したら切りがない。自分
の置かれた環境や人(先生や友達)に依存し
ていたら、何も得られない。愚痴がたまるだ
け。自分がつらくなるだけ。環境の変化や、
周囲の自分に対する態度を変えたかったら、
まず自分が変ること。自分が欲しい環境が
なければ、自分の望む環境まで足をのばすか、
自分でその環境をつくること。楽しようと思
わない。努力すること。そうすれば、必ずい
い方向に向かっていくから。
さあ、これであなたの悩みもすっきりした
ことでしょう!
2001.07.7.
|