フラメンコを習い始めた当初は、踊りに関する

ことは何でも興味があったけど、ギターやカン

テには全く興味がなかった。つい2年前までビ

センテ・アミーゴを知らなかった、と言えば、

どれだけ無知だったかお分かりだろう。

ただ、曲のことは知らないといけないと思った

ので、勉強のつもりでCDを聞いていた。この曲

はアレグリアス、パルマはこんな感じで叩くの

ね、といった感じに。そうすると、フラメンコ

の音楽を聴くイコールお勉強みたいな図式が頭

の中に出来てしまって、気力のない時にフラメ

ンコの音楽を聴くのが苦痛になってしまった。

もう疲れたからフラメンコを聴くのはやめよう、

みたいな感じで。そして、知らない内に、本物

のフラメンコから遠離っていたのだ。

それが、去年の12月、初ライブをする直前にあ

ることに気付いた。フラメンコを音楽として楽し

み、身体からにじみ出るくらいのコンパスを持っ

ていないと単調な踊りになってしまう、というこ

とに。

私は、東京の美香先生から「歌をもっと身体で感

じて踊りなさい。」とずっと注意されてきた。

でも考えてみたら、歌を知らない人間が、歌を身

体で感じてそれを表現して踊れるはずがない。

聴くことで精一杯なのだから。

本物のフラメンコを追求するのなら、フラメンコ

を音楽として楽しみ、歌を知らなければいけない、

ということに私はようやく気付いたのだ。

2001.04.28.

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